賃貸物件の「家賃キャッシュバック」とは?仕組みや注意点もわかりやすく解説

公開日:2018年10月31日

「家賃キャッシュバック」とは?仕組みや注意点もわかりやすく解説

うれしいキャッシュバック
うれしいキャッシュバック

賃貸物件の中には、成約すると「家賃キャッシュバック」が受けられるものがある。「なぜ賃貸契約を結ぶだけでお金をもらえるの?」「その分、家賃や仲介手数料が高額なのでは?」という疑問や不安もわいてくるのではないだろうか。

そこで今回は、「家賃キャッシュバック」が本当にお得なのか、その仕組みについて解説する。契約する前に知っておくべき注意点も3つご紹介するので、引越し後に「失敗した」と後悔することのないようにチェックしておこう。

賃貸物件の「家賃キャッシュバック」とは?

なにかと初期費用がかかる引越しにはうれしいサービス
なにかと初期費用がかかる引越しにはうれしいサービス

「家賃キャッシュバック」とは、主に不動産ポータルサイトや不動産会社などがキャンペーンとして行っているもの。特定のサイトなどを経由して賃貸物件を借りると、「家賃1ヶ月分」「5000円のお祝い金」などの名目で、現金のキャッシュバックが受けられるというものだ。

多くの場合、契約を締結し、実際に入居をして一定期間内に申請をすると、指定した口座へキャッシュバック金額が振り込まれる。主に不動産会社が力を入れている物件を売り込む際や、契約者増を目指して行うキャンペーンの一環として、家賃キャッシュバックが実施されることが多い。

家賃キャッシュバックの仕組み

キャッシュバックは不動産会社の広告費用で賄われている
キャッシュバックは不動産会社の広告費用で賄われていることが多い

なぜ賃貸契約を結ぶだけで、家賃がキャッシュバックされるのだろうか。「その分、別の名目で余計な費用を取られているのでは?」と心配な人もいるだろう。

しかし、基本的には詐欺的な意味での心配をする必要はない。実はキャッシュバックの資金は、基本的には不動産会社が支出する「広告費用」。物件の入居者を集めるための集客施策として支出しているものだ。

空き物件の入居者がなかなか決まらない場合、不動産会社が行う施策としては「募集家賃を下げる」という方法もある。しかし、家賃は大家さんが不動産経営をするための貴重な資金源。簡単に値下げをするわけにはいかない。そこでキャンペーンを行い、実質的な値下げを実施して入居希望者を募るのだ。

また、他の入居者がウェブサイトなどで家賃の値下げを知った場合、大家さんへクレームがくることも。このため、不動産会社としても家賃の値下げより「キャッシュバック」のようなキャンペーンの方が実施しやすいのである。

キャッシュバックのお金は不動産会社が支出しているので、利用者に負担はかかっていない。その分家賃や仲介手数料が高額になるということは基本的にはないといえる。

賃貸物件の「家賃キャッシュバック」を利用する場合の3つの注意点

初期費用や家賃を総合的に判断しよう
初期費用や家賃を総合的に判断しよう

もともと入居を検討できるような良い物件が家賃キャッシュバックを行っていれば、これ以上にないほどのチャンスに見えるかもしれない。しかし、利用する際はいくつかの注意点があることも知っておく必要がある。具体的に3つの注意点を述べるので、順番に確認しておこう。

賃貸物件の「家賃キャッシュバック」の注意点①:他窓口の方がお得な場合がある

家賃キャッシュバックは、複数の不動産会社が同時に実施することもある。この場合、キャッシュバックの金額が同一になるとは限らず、他窓口で契約した方がお得なケースもあるのだ。可能であれば複数の不動産会社の条件を比較して、よりお得な窓口を選ぼう。

また、家賃キャッシュバックで受け取れる金額の相場は家賃の1ヶ月分程度だ。家賃キャッシュバックを実施していなくても、敷金や礼金が0円だったり、仲介手数料が半額だったりする場合もある。ほかのキャンペーンを利用した方がトータルコストでお得になるケースも多いので、色々な角度から検討してみよう。

賃貸物件の「家賃キャッシュバック」の注意点②:人気のない物件の可能性がある

家賃キャッシュバックがお得なキャンペーンであることは間違いないが、キャッシュバックをしなければ契約者を見つけられない物件という可能性もある。安さに釣られて契約した結果、いざ住んでみると不便を感じることがあるかもしれない。

一般的に、不動産会社やオーナーはなるべく空室の数を増やしたくないと考えている。損切りの一環として家賃キャッシュバックが用いられることもあるから、物件そのものに魅力があるかどうかは必ず確認すべきだ。

賃貸物件の「家賃キャッシュバック」の注意点③:受け取りに面倒な条件がある可能性がある

家賃キャッシュバックを受け取るためには、いくつかの条件を満たすよう求められることが多い。たとえば「問合せ方法」「申請方法」などが指定されることもあるし、キャンペーン窓口を経由して申し込んでいなければ、家賃キャッシュバックが無効になってしまう可能性が高い。

また、アンケートへの回答が義務付けられることもある。条件を細かく確認し、正しい手順に沿って手続きをしよう。

家賃キャッシュバックを活用して賃貸物件をお得に契約しよう

家賃キャッシュバックに対して怪しさを感じるかもしれないが、基本的に詐欺のような罠にはまることはない。ただし、敷金・礼金・仲介手数料が安い物件を選んだ方がトータルでお得になる場合があるし、なかなか契約者が見つからない物件を選んでしまう可能性があることには注意しよう。

希望する条件を満たした物件で家賃キャッシュバックを活用できれば、お得に賃貸物件を借りることができる。有益なキャンペーンの1つとして、家賃キャッシュバックの存在を覚えておこう。

文=ぴりか

京都大学法学部卒。約10年間の弁護士経験を活かし、現在はライターとして活動中。不動産賃貸、売買、活用等の分野も得意。


Twitter:@pirica8 ブログ:https://legalharuka.com/

2021年8月加筆=CHINTAI情報局編集部

CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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