プロカメラマンVS素人3本勝負4戦目! ブレがちな「夜景」はどう撮影する?

公開日:2018年10月26日

何度だって立ち上がる素人! 「夜景」でプロカメラマンに挑む

秋冬は空気が澄んで、また日が落ちるのも早く、夜景を楽しむ方も多いのでは。そろそろ街中ではイルミネーションも始まり、ますます華やかになってくることだろう。

そんな夜景はインスタでも大人気。「#夜景」で検索すると、山のようにキラキラとしたインスタ映え写真が出てくる。こんだけアップされているんだから自分にも撮れるはず……と、編集者Cはまたしてもプログラムオート設定だけでプロカメラマンの堀弥生さんに勝負を挑んだ!

1戦目2戦目3戦目すべて惨敗している編集者C。今回は果たして勝つことができるのか!?

プロカメラマンVS素人 1本目:イルミネーション

イルミネーション

編集者Cの作品(焦点距離:16、f値:3.5、露出時間:1/15、ISO:6,400)

イルミネーション

カメラマン堀さんの作品(焦点距離:45、f値:9、露出時間:1/60、ISO:3,200)

夜景といえばここ! ということで、ロケ地に選んだのは恋人たちの聖地、「お台場」。案の定、熱く愛を語り合う恋人たちがそこそこに並んでいる中、負けじと熱い戦いを繰り広げる編集者Cと堀さん。さっそくイルミネーションを撮影したものを見比べてみると……、熱いどころかまったくお話になっていない状態。

編集者Cの写真は全体が明るく、主役であるはずのイルミネーションもブレまくり。「イルミ見てきたんだー★」と、この写真を見せられて嬉しい人がいるだろうか。一方の堀さんの写真は、ポワっとした丸い光と、キラキラした光とのコントラストが美しい、これぞイルミネーション!というものに。

フォトグラファー・堀弥生さんからのアドバイス

ポワっとした光は、「前ボケ」というテクニックを使いました。これができると、画がファンタジックになりますよね。技術的には、背景をボカすこととも同じなのですが、なるべく焦点距離を長くして、カメラを被写体に寄せることがポイントとなります。今回使用したカメラのレンズは45mmが限界だったので、もっとボカしたい方は焦点距離の長いレンズを使ってみましょう。

あとは、手前のボカしたいものとピントを合わせたい被写体(今回の場合はイルミネーション)の距離感も大事。できるだけ離れているものにピントを当てるようにすると、きれいにボカせますよ。

◎おまけ

イルミネーション

カメラマン堀さんの作品(焦点距離:15、f値:3.5、露出時間:1/30、ISO:1,600)

「せっかく前ボケできるんだから」と堀さんがやおら撮影したのは、イルミネーションが巻かれている街路樹の葉っぱを生かした写真。あら、木の実みたいで可愛い! このように、状況を生かした撮影ができるのも、プロカメラマンならではだ。

「これは、先ほどの写真よりも前ボケ感とピントを合わせた葉っぱの距離が近かったので、焦点距離15mmとかなり広角で撮りました。電球の配置をバランスを考えて撮影すると、同じイルミネーションでも違った表情の写真になりますよ」とのこと。

プロカメラマンVS素人 2本目:遠景

遠景

編集者Cの作品(焦点距離:32、f値:5、露出時間:1/40、ISO:6,400)

遠景

カメラマン堀さんの作品(焦点距離:32、f値:5.6、露出時間:1/30、ISO:3,200)

今回の対決、まず編集者Cの作品を見た堀さんが「これは違いを出すのが難しいかな」とポツリ。え、もしかして初勝利!?と浮かれたのもつかの間、あえて周囲を暗くすることで橋と屋形船の明かりを際立たせるというテクニックでKO。プロと素人の差、わかりやすすぎる……!!

フォトグラファー・堀弥生さんからのアドバイス

夜景を撮影する時に大事なのは、前回の「花火」でもお伝えしたように「ISO」を適切に設定できるかです。Cさんの写真は全体が明るいですが、これは私と比べてISO感度が高いからですね。ISOの値は明るくしたい、暗い中に浮かび上がらせたいなど、どういった写真を撮影したいかをまず決めてから設定してみてください。適宜、撮影した写真を拡大してノイズが入っていないかを確認しながらだとうまくいきますよ。

ISO12,000の遠景

ISO値12,000の遠景


ISO12,000の遠景切り取り

明るい部分を切り取ると、ノイズが入っているのがわかりやすい

この写真では思い切ってISOを12,000まで上げてみましたが、見てもらったらわかる通り、全体的に明るい写真ではあるもののノイズが入ってしまっています。これだとせっかくの夜景の思い出が台無しに。ISOを高くするときは、明るさを優先するか、ノイズを気にするか。調整しながらちょうど良い値を見つけてくださいね。

プロカメラマンVS素人 3本目:首都高

夜の首都高

編集者Cの作品(焦点距離:15、f値:3.5、露出時間:1/30、ISO:1,600)

夜の首都高

カメラマン堀さんの作品(焦点距離:34、f値:22、露出時間:2、ISO:100)

東京の夜景といえば、やはり首都高は外せない。見下ろして撮影できる場所を何とか見つけたものの、フェンスがあって邪魔。隙間にレンズを差し込めばどうにかなるかなと思ったものの、編集者Cは風の強さにビビって腕を引いてしまい、もはや何を撮ったのかわからない状態。一方の堀さんは強風に煽られながらも長時間露光でかっこいい写真を撮影。

フォトグラファー・堀弥生さんからのアドバイス

長時間露光は前回の「花火」でもやりましたよね。車は動くスピードが速く、特に今回は高速道路だったのでシャッタースピードは2秒ぐらいに設定するだけでこんな写真が撮れちゃいますよ。都会の夜っぽくもあるし、近未来っぽくもあるし、不思議で面白いですよね。私は好きですよ。

プロカメラマンのアドバイスを意識して夜景撮影を楽しもう!

プロの姿勢に感嘆するばかりの一日だった。教えてもらったテクニックを使えばインスタ映えもバッチリ! 秋の夜長は夜景撮影にトライしよう!

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教えてくれたのは?

堀弥生

フォトグラファー。人物、食べ物、風景などオールマイティーに撮影。最近はアーティストのミュージックビデオや企業のWeb広告などムービーにも力を入れている。
オフィシャルサイト:http://horiyayoi.com/

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