【医師が監修】一人暮らしの風邪は大変! 備蓄しておくべきアイテムや対策、あると嬉しい食べ物は?

公開日:2018年7月6日

一人暮らしの風邪は備えが大事!

一人暮らしで風邪をひいてしまうと辛いもの。事前に備えておくことが大切
一人暮らしで風邪をひいてしまうと辛いもの。事前に備えておくことが大切

一人暮らしでは、体調を崩しても家族や友人に助けてもらうのが難しい場合もある。

もちろん、まずは病院などの医療機関に相談することを検討してほしいが、症状が落ち着いている場合など、自宅で休息を取るように医師から勧められることもあるだろう。胃に優しい食べ物を準備したり、枕元に飲み物を置いたりと、自分自身で「看病」をしなければいけないのはとても大変だ。

この記事では、急な体調不良に備えて部屋にストックしておくと便利なもの、風邪をひいてしまった時や食欲がない時の対策について紹介する。
東京・世田谷の地域医療に取り組む「ふくろうクリニック等々力」の山口潔院長にお話を聞いた。

風邪は、こまめな手洗い、うがいと、マスク、ワクチンで予防することが第一です。それでもかかってしまうのが風邪ですので、事前に準備しておきましょう。

ふくろうクリニック等々力 山口潔院長
ふくろうクリニック等々力 山口潔院長

東京大学医学部附属病院老年病科非常勤講師。2021年4月に「ふくろうクリニック等々力」をオープン。こころと体の健康づくりに取り組み、在宅医療なども積極的におこなう。
https://www.296296.jp/

※新型コロナウイルス感染が疑われる症状の場合は、国・行政が案内している各種窓口へご相談ください
※体調不良の際は、症状を自分で判断せず、#7119はじめ医療機関に相談しましょう

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品8選

風邪をひいてしまうと、近所のコンビニやスーパーに行ったり、何か料理をしたりするのも辛いものだ。防災グッズと同様に、万が一に備えていろいろと準備をしておきたい。

一人暮らしで風邪をひいてしまった場合に備えて、栄養豊富な食料品に加えて、水分や塩分を補うための飲料を用意しておこう。風邪に打ち勝つためにも、十分な体力を取り戻す必要があるからだ。さらに常備薬やさまざまな便利グッズもあると良いだろう。

好みや症状によって異なるものの、一人暮らしの風邪に役立つ、編集部おすすめの備蓄品について詳しく紹介していく。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品①:体温計

テルモ 電子体温計 予測・実測 ET-C232P

前提として、自分の状態を把握するために、体温計は必ず準備しましょう。

特に一人暮らしでは、意外と「持っていなかった!」という人がいるのが体温計。最近では非接触で測るタイプもあるが、できるだけ正確に体温を把握したい場合には、電子体温計で「実測式検温」をおこなうことをおすすめする。

※実測式検温とはその部位のその時の温度を測る方法。測り始めてすぐに結果としてでる温度は「予測式検温」といって、検温を始めたときの温度から演算して導き出している。一般的に、予測式の方が高めの温度がでるといわれている。

自覚のない症状悪化に備えて、サチュレーションモニター(パルスオキシメーター)も用意しよう

オムロン パルスオキシメータ HPO-300T

体温計に加え、できればサチュレーションモニターもあると安心です。

サチュレーションモニター(パルスオキシメーター)とは、血中の酸素濃度を計測する機器のこと。
「苦しく感じる」等の自覚症状がないまま、肺機能の低下などによって酸素が取り込めていない場合があり、サチュレーションモニターがあれば数値の低下によって状況を確認することができる。(目安となる酸素濃度の数値などは、医師に相談が必要)

コロナ禍においては在庫の関係で非常に高値になっている場合もあるので、予算にあわせて探してみよう。

※この商品は特定保守管理医療機器です。使用時に機器の機能・性能が発揮され、使用者の安全が確保されるように適正な管理(保守点検及び修理)を行わなければなりません。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品②:風邪薬

一人暮らしで体調を崩してしまった場合は、「風邪だろう」と決めつけず、まずは医療機関で診てもらうのがベストだ。しかし、休診日や診療時間外などですぐに診てもらえない場合もある。そんな時に備えて、市販の風邪薬を準備しておくと安心だ。

購入の際は、下記の2つに注意しよう。

  • 薬剤師さんに使用上の注意や心配なことを聞いておく
  • 長期間保管することも多いため、消費期限を確認する

また、薬を飲んでから医療機関を受診する場合は、先生にどんな薬を飲んだかを伝えたほうが良い場合もあるので、スマホのメモ帳などに記録しておくと良いだろう。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品③:冷却シート

【まとめ買い】熱さまシート 大人用 冷却シート 16枚×4個

冷却シート自体に解熱効果はないが、シート中の水分が蒸発する気化熱によって熱くなった皮膚を冷やし、発熱の辛さを和らげてくれる。準備や片付けの手間がかからない点も一人暮らしにうれしいポイントだ。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品④:冷凍うどん

[冷凍]キンレイ お水がいらない鍋焼うどん 558g×5個

回復の度合いにもよるが、食事をとる元気があるなら、冷凍うどんを利用するのも手だ。なべやき屋キンレイの「お水がいらない鍋焼うどん」は、うどんだしと8種の具材がすべて入っており調味の必要がない。お鍋に入れて火にかけるだけで、美味しい鍋焼きうどんが食べられる。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品⑤:レトルト粥

白粥、梅粥、たまご粥、3つの味が楽しめるお粥セット。体がつらい時にも準備が楽で、トロっとしたお粥は食欲がない時でも食べやすい。容器に出してレンジなどで温めたほうがおいしいが、開けてそのままで食べられるのもポイント。賞味期限も長めでストックにぴったり。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品⑥:栄養補給ゼリー

inゼリー エネルギー マスカット味 (180g×6個)

お粥さえ喉を通らない……そんな時には、手軽にエネルギーが補給できるゼリーが便利。ゼリーは絞り出しながら飲むタイプなので、少しずつ食べるのにも向いている。まとめ買いしてストックしておこう。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品⑦:スポーツドリンク

大塚製薬 ポカリスエット 2L×6本

水よりも体液に近いといわれるスポーツドリンク。汗をかいた時に失われる水分やナトリウムなどのイオン(電解質)をスムーズに補給して、体をやさしくうるおす。災害対策も兼ね、あらかじめ2Lのペットボトルを2、3本は置いておくといいだろう。枕元に置いておけば、こまめに水分補給をすることができる。

一人暮らしの風邪に役立つおすすめの備蓄品⑧:使い捨てマスク

マスク 使い捨て サージカルマスク ふつうサイズ 30枚入

咳や喉の痛みがある時、喉を守るためにマスクは必須。冬の時期などには自宅でもマスクをして寝るように心がければ乾燥を予防することができる。容量の多い使い捨てタイプを常備しておけば、すぐに取り替えられるのでおすすめだ。

風邪やインフルエンザのウィルスは湿度が40%以下の環境で生存するとされているため、室内の湿度を50~60%に保つとよいそうだ。冬場の乾燥する時期には特に、加湿器をつけておこう。加湿器がない場合も、濡れたタオルや水を入れた洗面器などを部屋に置いておくだけでも良い。

一人暮らしで風邪をひいてしまった時の対処法

一人暮らしで風邪かもしれないと感じたら、具体的に以下の対処法を取ろう。

一人暮らしの風邪対処法①:睡眠を取って体を休める

風邪には睡眠
睡眠をしっかり取り、免疫を高めよう

風邪を治すためには、体の免疫力を高めることと体温を上昇させることがポイントとなる。免疫力は良質な睡眠を取ることで高めることができるので、風邪の時にはしっかりと睡眠を取るようにしよう。

また、体調不良時の外出は体力を消耗させてしまう。体をきちんと休めるためにも、食料品や飲料などの備蓄は大切だ。

一人暮らしの風邪対処法②:こまめに水分補給をする

風邪をひくと、体は体温を上げてウィルスに打ち勝とうと奮闘する。発熱すると汗をかくため、脱水症状に陥りやすいのだ。そうならないためにも水分補給が大切だが、汗とともにミネラル分も失うので、単なる水よりもスポーツドリンクや経口補水液を摂取することがおすすめである。

一人暮らしの風邪対処法③:栄養補給をする

食欲のないときでも食べられるフルーツ
食欲のないときでも食べやすいフルーツ

風邪をひいていると、発熱で食欲が落ちたり胃腸の調子が悪くなったりして、栄養不足になってしまうことも多い。しかし、体内に侵入した外敵である風邪ウィルスを撃退するためには、必要な栄養を摂取して体力を温存させなければならない。

風邪の撃退には、ビタミンCが特に効果があると言われている。できれば野菜や果物などで摂取したいが、風邪で食欲がない場合はサプリメントを利用するのも一つの手だ。

一人暮らしの風邪対処法④:ネットスーパーやデリバリーを活用

最近ではネットで注文して配達をしてくれるという「ネットスーパー」や日用品のデリバリーサービスが増えてきている。一人暮らしの風邪で外出が難しい時には、ネットスーパーが心強い味方になるだろう。

ネットスーパーのメリットは、新鮮な野菜や果物の購入も可能なこと。レトルト食品やペットボトル飲料だけでなく、りんごやみかんといった風邪の時に欲しい新鮮な食べ物も手に入る。また、置き配など配達員と接触せずに受け取れるサービスを行っている場合も多い。いざという時には頭が回らないことも多いので、普段からネットスーパーに登録・利用しておき、万が一の時に備えておくのも良いかもしれない。

一人暮らしの風邪対処法⑤:病院に行くべきか迷ったら#7119に電話する

風邪が悪化してどんどん熱が上がってきてしまった場合、病院に行った方が良いのか迷うこともある。そんな時は、消防庁の「#7119(救急相談センター)」を利用しよう。実施エリア内に住んでいれば、24時間体制で医療の専門家が相談に乗ってもらえるので、不安な場合には利用してみると良いだろう。

現在#7119が対応しているのは下記の7都府県。

  • 宮城県
  • 埼玉県
  • 東京都
  • 新潟県
  • 大阪府
  • 奈良県
  • 福岡県

また市レベルで対応しているのは下記の4つの自治体だ。

  • 札幌市(一部の周辺エリア含む)
  • 横浜市
  • 神戸市
  • 和歌山県田辺市

一人暮らしでは周りに誰もいないので、こうしたダイヤルをうまく活用することも覚えておきたい。

参考サイト:東京消防庁「#7119」紹介ページ

※新型コロナウイルス感染が疑われる症状の場合は、国・行政が案内している各種窓口へご相談ください

一人暮らしの風邪対処法⑥:重症の場合は迷わず119番に電話する

先生がおすすめしていたサチュレーションモニター(パルスオキシメーター)の数値が一定の数値を切るような場合や、意識が朦朧としてきたり、呼吸が苦しくなってきたりした場合には、さらなる重症化が懸念される。時間が経ってしまうと命に関わる可能性もあるので、そのような場合は迷わずに119番で救急車を呼ぼう。

救急車に乗ると持病や服用中の薬、かかりつけ医などについて質問される。スムーズに答えられるように、普段からスマホのメモ帳などに記録しておくと良いだろう。

一人暮らしの風邪対処法⑦:友人や家族にこまめに連絡しておく

一人暮らしの風邪でもし急に意識を失ってしまった場合、そばに誰もいなければ何日も発見されず、治療が遅れる可能性もある。そのような状況を避けるためにも、普段から友人や家族と連絡を取っておこう。

また、「体調を崩しているので、急に連絡が取れなくなったらアパートまで来てほしい」といった旨をあらかじめ伝えておくことも重要だ。特に遠方に住んでいる場合は心配事も増えてしまうので、日頃からコミュニケーションを取るように意識しておこう。

一人暮らしの風邪でも備えがあれば安心だ!

一人暮らしはもしもの時に看病をしてくれる人がそばにいないので、不安な人も多いだろう。風邪をひいて高熱が出たり症状が重くなったりした場合、飲み物を買いに行くことすら辛い状況になる。普段からレトルト食品や冷却シート、マスクなどは自宅に常備しておくと安心だ。

最近では、オンライン診療に対応するクリニックもあります。外出する前に、スマートフォンで医師に相談してみましょう。

ふくろうクリニック等々力 山口潔院長
ふくろうクリニック等々力 山口潔院長

東京大学医学部附属病院老年病科非常勤講師。2021年4月に「ふくろうクリニック等々力」をオープン。こころと体の健康づくりに取り組み、在宅医療なども積極的におこなう。
https://www.296296.jp/

2022年3月加筆=CHINTAI情報局編集部

※本記事の商品情報は2022年3月現在のもの
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