聴覚過敏は疲れやストレスのせいかも!?物音が気になる原因と対策をご紹介

公開日:2016年2月4日

音が聞こえすぎる聴覚過敏の原因はストレス?

音が聞こえすぎる時は、疲れが溜まっている1つのサイン
音が聞こえすぎる時は、疲れが溜まっている1つのサイン

普段通り過ごしているのに、いつも気にならないはずの生活音が気になる……。そんな状態になったことはないだろうか?実はそれは、聴覚過敏という症状かもしれない。

今回は、聴覚過敏とはどのような状態を指すのか、聴覚過敏の原因と治療法について「菅原クリニック東京脳ドック」伊藤たえ先生に教えてもらった。

「菅原クリニック東京脳ドック」伊藤たえ院長(脳神経外科専門医、脳卒中専門医)
「成増駅前かわい皮膚科」河合徹院長(皮膚科専門医)

2014年に東京大学医学部皮膚科学教室入局後、東大病院を中心に、大手企業内診療所から総合病院や往診クリニックまで、あらゆる経験を経て2020年に「成増駅前かわい皮膚科」を開業。
https://kawai-hifuka.jp/

※この記事は、2016年6月に公開した記事を医師の監修のもと更新したものです。

聴覚過敏とは

「聴覚過敏」とは、今まで気にならなかった音が異常に大きく聞こえたり、音が頭に響くように感じるなど、周囲の音に苦痛や不快感を感じる症状のこと。聴覚過敏は“あくまで音が気になる”という状態を指し、病名ではない。

聴覚過敏は年齢や性別にかかわらず発症する可能性がある。さらに、人によってどのような種類の音に反応するのか、また辛いと感じる度合いも人それぞれだ。普段より音が気になることから、身体的・精神的に負担が大きく、日常生活に支障をきたすこともある。

聴覚過敏は耳に関する症状だが、原因は疲労やストレスなどさまざま。で、中には重篤な病気の症状の一部として聴覚過敏を発症している場合もある。そのため、聴覚過敏かもと思ったら自己判断で放っておかずに、医師に診てもらうことが大切だ。

普段より音が気になると不安になると思いますが、原因を探って適切な対応をすれば大丈夫です。この記事で原因やそれぞれの治療法について話しているので、参考にしてみてください!

聴覚過敏の原因と治療法の一例

聴覚過敏の原因はさまざまで以下のような原因が挙げられる。

  • 内耳性の難聴を由来とするもの(突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、メニエール病など)
  • 顔面神経麻痺
  • てんかん
  • 片頭痛
  • うつ病
  • 疲れやストレスを含む、原因が不明なもの

聴覚過敏は原因によって治療法が変わってくる。それぞれ説明していく。

内耳性の難聴を由来とする原因の場合

難聴を伴う聴覚過敏である「突発性難聴」や「急性低音障害型感音難聴」、「メニエール病」に対しては、まずは病院で原因となる疾患の治療を行う必要がある。

原因となる疾患を治療すれば聴覚過敏の症状を緩和させることがあるが、疾患や聴力が改善した後も聴覚過敏だけが残る場合、治療法は確立されていない。

顔面神経麻痺やてんかん、片頭痛が原因の場合

顔面神経麻痺やてんかんが原因の場合には、その病気自体を治療すれば聴覚過敏も治まることが多い。

片頭痛の場合は頭痛薬などの鎮痛剤を飲むことで、聴覚過敏についても症状が安定する。

心因性の場合やうつ病が原因の場合

心因性やうつ病などが原因の場合は、気分が落ち込むと音が気になる傾向が強くなる。できる限り心と体を休め、リラックスして過ごすのが効果的だ。

また、心療内科や精神科では、薬の処方やカウンセリング等の心理療法などを受けることができる。

聴覚過敏に最も多い原因は「ストレスや疲労」

聴覚過敏となる原因はさまざまだが、なかでも原因として最も多いのが疲れやストレス、あるいは原因がはっきりしないものだという。

聴覚過敏だと感じたら病院を受診し原因を見つけることをおすすめするが、MRIで特に異常がなく、耳鼻科的にも問題がなければ「ストレスを避け気にしすぎないように生活するのが一番」と伊藤先生は言う。

疲れやストレスが原因と思われる場合には、現在の生活環境を見直してみると良いだろう。多忙な生活を送っている場合には一度休養するなど、リラックスできる環境で心身を回復できれば、小さな物音は気にならなくなっていくはずだ。

しかし、物音が気になる状態が長く続く場合は、やはり別の原因の可能性も考えられるので再度の受診をおすすめする。

病院で検査し問題なければ、多くの場合はゆっくり休養を取れば治ってきますので、不安になりすぎないようにしましょう。

聴覚過敏に耳栓は効果がある?

聴覚過敏の方のなかには、耳栓を使用している人も多いという。音を過敏に感じ取ってしまいつらいという時に、耳栓は効果があるのだろうか。

実は、聴覚過敏に耳栓をすることが有効であるかは科学的には証明されていない。

ある特定の周波数をカットする機能を持った耳栓もあるため、一定の音域の音が気になる場合については、効果を持つ可能性がある。

また、ノイズキャンセリング機能が搭載されたイヤホンを使い、周囲の音を遮断しながら好きな音楽を聴くことは、リラックスする方法の一つとして活用できるだろう。

聴覚過敏と思ったら病院への受診を!

聴覚過敏の多くの原因はストレスや疲労だが、内耳系や神経系など別の病気の一部として症状が表れている場合もある。治療方法や治療期間、完治するのかどうかは、原因によって異なってくる。

いつもなら気にならない程度の音が不快に感じるなど、「聴覚過敏かも?」と思ったら、耳鼻科や脳神経外科、心療内科など、まずは自分が原因と感じる症状を専門とする病院へ相談してみるのがよいだろう。

聴覚過敏の原因として一番多いのが疲れやストレス、あるいは原因がはっきりしないものです。ただし、自己判断でストレスと片付けてしまうと、他の病気が潜んでいる可能性がありますのでやはり受診をおすすめします!

「菅原クリニック東京脳ドック」伊藤たえ院長(脳神経外科専門医、脳卒中専門医)
「成増駅前かわい皮膚科」河合徹院長(皮膚科専門医)

2014年に東京大学医学部皮膚科学教室入局後、東大病院を中心に、大手企業内診療所から総合病院や往診クリニックまで、あらゆる経験を経て2020年に「成増駅前かわい皮膚科」を開業。
https://kawai-hifuka.jp/

2022年3月加筆=CHINTAI情報局編集部

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