「子どもが怪我をしないか心配」「おもちゃの片付けができるようになってほしい」など、子どもがいると、部屋のインテリアや家具の配置などの心配事も増える。
でも大丈夫! 月齢・年齢別のポイントをおさえたることで、安全で楽しく過ごせる部屋に変身させることができる。今回はその方法・コツについて、ママのための子育て学校「ママガク」の学長・新井美里さんに聞いてきた。
子どもの成長に合わせて部屋のレイアウトを変えていこう
何にでも手を出し、口に入れてしまう0歳~1歳頃の赤ちゃん。細く小さな指は、大人が予想しないところにまで届いてしまうこともあるので、コンセントやドアの下などのカバーは必須。
テレビやローテーブルなどは別の部屋に移動させ、広々としたスペースで過ごせるようにしよう。赤ちゃんが入れないスペースをつくるよりも、家具を片付けて広さを確保すれば、好奇心を伸ばしながらのびのびと安全に育児ができる。
そしてゴミやホコリなど何でも口に入れてしまうこの時期は、モノを最小限にして隅々まで掃除しやすくしておくことも重要。この時期は、まさに「命を守るインテリア」だ。
なるべく家具を置かない広々とした部屋がベスト
テレビ台、ソファ、ローテーブルなど、ほどよい高さではすぐ上ってしまうこの時期。上れば当然落下したり、一緒に倒れたりして大怪我の原因になる。ハイハイ期と同様、なるべく家具を減らして、スッキリしたレイアウトを心掛けよう。これを機会に無駄な家具を処分するのもよい方法だ。
またテレビを叩いたり、ゆすったりして倒れてくることもあるので、耐震用のテープを貼ること。耐震用のテープや扉ロックのグッズは、子どもにも利用できるので便利。
テーブルの脚をガタガタさせたり、手押し車をぶつけて上に置いてあるものが落ちるなど、二次的な被害が出ることも考えられる。手が届かないところにあるからといって安心せず、テーブルや棚に気軽にモノを置くのは控えよう。
ラグマットは歩き始めた子どもには滑りやすく、汚れても気軽に洗えないので、スポンジやコルク素材のジョイントマットを敷いておくと、クッション性も高く安全で衛生的。
つかまり立ちが始まると床上80cmくらいの高さまで手が届くように
最近は木目調などオシャレなジョイントマットも
1歳半を超えてくると、ものごとの良し悪しが少しずつわかるようになり自分で遊ぶようになる。おもちゃも増えてくる時期。部屋が散らかりはじめ、ママには少しストレスが溜まるかも。
よくやりがちな間違いが、おもちゃを片付けるためのカゴやバケツを用意して、そこにおもちゃを山積みにしてしまう方法。実はこの片付け方が散らかしの原因に。子どもは中が見えないものにおもちゃを入れられてしまうと、おもちゃを探そうとしてひっくり返す行為を繰り返す。
一番よいのは子どもの手が届く高さの棚に、ディスプレイのようにして置く方法。どこに何を置けばよいのか、マークなどをつけておけば、遊び終わったら片付ける癖がつく。
つい「静かにしてくれるのでは」とおもちゃをたくさん集めがちだが、常に棚に置けるだけの量に絞り込むのも大切。他のおもちゃは押入れなどにしまっておき、1週間ごとのローテーションなどにすれば、常に新鮮でよく遊ぶようになる。
片付けの基本ルールは「子ども主体」であること。大人の感覚で「きれいになる」「片付けやすい」と思っても、子どもには通用しない。子どもに見えやすく・わかりやすい収納であれば、子ども自身で片付けるようになり、お母さんがキーキー怒る回数は激減するはずだ。
片付ける場所とおもちゃに同じシールを貼るなど工夫をすると、片付ける習慣づけもできる
大人からすると「困った行動」に見えても、好奇心旺盛な赤ちゃんや子どもにとっては当然のこと。そんな子どもたちが自由に冒険できるように、子育て中は大人がお部屋や環境を整える必要がある。
赤ちゃんの頃は、とにかく安全な部屋に。そして成長するにつれて、子どもの気持ちを汲みながら、親子でストレスフリーなお部屋づくりを心掛けよう。
インテリアや家具の配置で子育てをちょっぴり楽にしよう
mamagaku学長。吉祥寺・武蔵小杉を中心に商業施設にて全講座赤ちゃん連れOKのママガクを運営し、年間約8,000名、述べ3万人以上の妊娠中〜2才前後の親子に子育てを学ぶ楽しさを伝えている。現在吉祥寺にて子育てしやすいインテリア講座も担当。web:http://mamagaku.com/
監修=新井美里
取材・文=元井朋子
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