RC「鉄筋コンクリート」とSRC「鉄筋鉄骨コンクリート」の違いとは? 賃貸マンションやアパートで押さえたい建物構造のポイント

公開日:2017年8月29日

「RC(鉄筋コンクリート造)」と「SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)」に違いはある?

「鉄筋」と「鉄筋鉄鋼」ってなにが違うの? 「RC」や「SRC」ってなんの略?

部屋探しをしているなかで気になることのひとつが、建物の構造。たとえば「鉄筋」と「鉄骨鉄筋」ってなにが違うの?「RC」「SRC」ってなんの略なの?など、知っているようで知らないことは、意外に多いものだ。

そこで今回は部屋探しのときに、最低限知っておいた方がいい建築構造の特徴を種類別にまとめてみた。

「RC(鉄筋コンクリート造)」とは?

RC(鉄筋コンクリート造)の物件
RC(鉄筋コンクリート造)はどんな建物?

「RC」とは、“Reinforced Concrete”の略。 直訳すると、「より強化されたコンクリート」だ。圧縮力に強いコンクリートに、引っ張る力に強い鉄筋(太さ約1センチ以上の鉄の棒)を埋め込んだ構造であり、木造などに比べ、耐久・耐火・耐震・防音性に優れている建て方だ。従来は10階建て未満の中低層マンションに多く用いられていたが、近年では高強度のコンクリートが開発され、高層マンションに用いられるケースも増えている。低層階ほど柱が太いのが特徴なので、同じような間取りなら、高層階にある部屋の方が専有スペースは広くなるので、家探しのときには注意しよう。

RC(鉄筋コンクリート造)のメリット

RC造の最大のメリットは、ほかの構造よりも高い耐久性と耐火性だ。耐用年数は47年と長く、メンテナンス次第では100年以上もその耐久性を維持することが可能なため、特に地震大国の日本においては、RC造であれば被害が広がりにくいといえる。

また防音性にも優れていることから、室内の音漏れや外からの騒音が気になる人にとっては非常に住みやすい建物だといえる。柱と壁が一体になっており、高い断熱性と気密性があるため、少ない光熱費で家全体の空調を整えることができるのだ。さらに、RC造の持つ強度の高さは、室内のデザインの自由度も上げる要素となっている。

RC(鉄筋コンクリート造)の注意点

RC造のデメリットとしては、建築費用の高さが挙げられる。建築費用はシンプルに木造の約2倍であり、さらに人件費もかかるため、木造と比べて建設費用が高額になるケースが多い。

また、材料として使われる鉄筋とコンクリートは重量があるため、建物を支える地盤も強固にする必要がある。そうなると、地盤改良費が余計にかかってしまうことになるだろう。
賃貸物件の場合、オーナー側がこれらRC造の建設にかかる費用を回収するため、月々の家賃設定が木造や軽量鉄骨と比べると高くなる場合が多い。

「SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)」とは?

鉄筋鉄骨造(SRC造)
SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)はどんな建物?

「SRC」とは、“Steel Reinforced Concrete”の略だ。 鉄骨(Steel)は、単体でも柱や梁に使用されるほど強度のある鋼材である。鉄筋とさらに太くて頑丈な鉄骨でコンクリートを補強するため、しなやかさと強度が増すことがRC(鉄筋コンクリート造)との違いになる。

SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)のメリット

SRC造のメリットは、高い耐久性と耐震性、そして防音性を持つことだ。耐久性・耐震性はRC造よりも高いため、この2点にこだわりたいという人はSRCの部屋を選ぶことをおすすめする。ちなみに防音性については、RC造と同程度といわれている。

SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)の注意点

SRC造の注意点は、建築コストがRCに比べ高くなることである。そのため、中低層のマンションではほとんど用いられず、10階建て以上の高層マンションで多く使用される。また、家賃相場がRC造よりさらに高くなる傾向にあることもデメリットだといえるだろう。

また、高い防音性を持つSRCであっても、隣の部屋との間仕切りの壁が薄い場合は音が漏れやすい。部屋探しの際には、間仕切りの壁の厚さにも注意が必要だ。

「軽鉄(軽量鉄骨造)」とは?

軽鉄とは、厚さが6ミリ未満と鉄筋よりも薄い鋼材のことだ。
軽量鉄骨造は一般的に、前もって主要部材を工場で生産し、現場で組み立てるという「プレハブ工法」が用いられている。

軽鉄(軽量鉄骨造)のメリット

軽量鉄骨造のメリットは、短い工期と安い材料費・建築コストだ。ほかのものと比べると、家賃も安く設定されていることも嬉しいポイントだといえるだろう。

軽鉄(軽量鉄骨造)の注意点

RCやSRCのような鉄筋・鉄骨を使った構造のものに比べると、軽量鉄骨造は耐久・耐震・耐火・防音性の点でやや劣るというデメリットがある。生活音が気になるという人は、部屋探しのときに壁の厚さや窓ガラスの構造などを確認して、より遮音性が高い物件を選ぶようにしよう。

「木造」とは?

木造
木造はどんな建物?

木造とは、壁や柱、床や梁、屋根などの主要な構造部に木材を使った建築物のことだ。
日本では古くからさまざまな建物に採用されている伝統的な建築方法である。

木造のメリット

木造はRCやSRCに比べ建築コストが安い。そのため、家賃相場も低くなっている。また、通気性や断熱性、吸湿性に優れていることも大きなメリットだ。

趣深い印象を持ち、住む人に安心感を与える木造建築は、今でも多くの人に愛されている。四季があり、それぞれの季節の違いがはっきりしている日本の気候に、木造は適しているといえるだろう。

木造の注意点

RC・SRCに比べ耐久性が低い。また、主に木材を使って建てられているので、やはり火災に見舞われたときには被害が大きくなりやすいので注意が必要だ。

また、気密性の低さもデメリットとして挙げられる。木造建築の住宅は生活音が漏れやすく、外からの騒音も室内に響きやすい。気密性の低さは、冷暖房が効きにくいというデメリットにもつながる。音が気になる人は、遮音シートや遮音カーテンなどで対策する必要があるだろう。

ただし近年では、木造でも高断熱を実現した住宅も増えてきている。その分家賃が上がってしまうが、気になる方は断熱性が高い木造の賃貸物件を探してみよう。

「鉄骨造」とは?

鉄骨造(S造)
鉄骨造はどんな建物?

鉄骨造とは骨組に鉄骨を使った建築物であり、S(Steel)造とも呼ばれる構造のことだ。
厳密にいうと上記で説明している軽量鉄骨も鉄骨造に含まれるが、鉄骨造という場合は6㎜以上の厚みの鋼材を使った「重量鉄骨ラーメン構造」のことを指すことがほとんどである。鉄筋コンクリートよりも軽いので、超高層マンションにも用いられている。

鉄骨造のメリット

ラーメン構造とは、建築物の重さを柱と梁で支える工法のことである。梁と柱の接合部が剛接合になっているため、耐久性と設計自由度に優れているというメリットがある。つまり、柱と梁で「枠」ができるので筋交いが必要なくなり、大きな空間を確保できたり、大きな窓を設置したりできるのだ。

また後から仕切りを増やしたり取り除いたりすることが可能なので、リフォーム時にも困らない。鉄骨造は強い耐久性もさることながら、やはり設計の自由度が大きなメリットだといえるだろう。

鉄骨造の注意点

鉄骨造の難点は、やはり建築費用の高さである。材料そのものが重いため、土地の地盤改良が必要となることが多く、その分のコストが発生してしまう。これらの費用が家賃の高さにも反映されるため、鉄骨造の賃貸物件は一般的に家賃が高い傾向にあるのだ。

鉄骨造には「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」があり、重量鉄骨の方が高い傾向にある。詳しくは下記の記事にて解説しているため、気になる人はチェックしてみよう。

「合成樹脂造」とは?

合成樹脂とは合成高分子化合物のことだ。ポリ塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂など整形しやすい特徴を持った熱可塑性樹脂と、フェノール樹脂や尿素樹脂のように硬化したら元に戻らなくなる熱硬化性樹脂に分けられる。
「合成樹脂造」よりも「プラスチック」と呼んだ方がイメージしやすいかもしれない。

合成樹脂造のメリット

合成樹脂造は接着性や絶縁性に優れており、成形・色付けしやすいというメリットがある。また、熱可塑性樹脂ではポリカーボネート(PC)など耐衝撃性が高いものもある。軽量で腐食しないという性質を持ちつつ、建築コストが比較的安いのも魅力の1つといえるだろう。

合成樹脂造の注意点

合成樹脂造の弱点は、種類によっては熱や光に弱いこと、キズが付きやすく変形もしやすいことである。紫外線などの刺激が多い外部での使用では、耐久性が気になるところだ。耐用年数は木造と同等なため、RC造や鉄骨造に比べると短いといえる。

「RS造」とは?

RS造とは、”Reinforced Steel”の略だ。建物の下の部分(柱・壁・床・天井など)がRC造で、上の部分は軽量鉄骨造など違う構造で作られた混合構造になっている建物のことを指す。S造と非常に似ており、外から見ただけではRS造だと判断することが難しい。そのため、S造と同様に扱われているケースも多い。

RS造のメリット

形状の自由度が高いという特徴があることから、低中層のマンションやデザイナーズマンションなどによく使われている。また、鉄筋コンクリート造(RC)となっている下層階は遮音性が良いというメリットもある。

RS造の注意点

RC造となっている下層階と異なり、上層階は軽量鉄骨造のため音漏れがしやすい。物件情報に「RC造」と掲載されていて上階に入居を決めたものの、いざ住み始めてみたら隣室の音が響いて驚いたという場合はRS造の建物の可能性が高い。このように、RS造は建物の上部と下部で遮音性が違うので、賃貸物件を探すときには注意が必要だ。

「WRC造」とは?

“Wall Reinforced Concrete”の頭文字を取ってWRC造と呼ばれている。“壁式構造”とも呼ばれており、こちらは柱や梁を使わないで壁・床・天井の面で支える構造になっている。主に3階から5階よりも低い低層マンションによく使われている建て方だ。

WRC造のメリット

低コストで耐久性が高く、柱や梁がないため室内を広く使えるというメリットがある。また6面体のため、地震や台風などの自然災害に対して強さを発揮する。

また、柱や梁がないため、壁などの面で支える部分の強度が強いため、高い遮音性があるのもWRC造のメリットのひとつといえるだろう。

WRC造の注意点

高い耐震性を求めた結果、ドアや窓など開口部の位置が限定されてしまうのがデメリットだ。そのため。設計の自由度は低いといえるだろう。

建物構造別の家賃相場平均

建物構造を表す模型と書類
建物構造別の家賃相場平均を知ろう

下記は山手線内の家賃平均を各構造別に分けて算出した表である。

建物構造家賃相場
ブロック造42,500円
木造72,450円
軽量鉄骨造86,200円
重量鉄骨造87,688円
鉄骨ALC造90,750円
鉄骨造94,463円
RC一部鉄骨造96,867円
鉄筋鉄骨コンクリート造106,597円
鉄筋コンクリート造107,888円
HPC造113,000円
PC造125,000円
木造(2×4)132,700円
建物構造家賃相場
ブロック造42,500円
木造72,450円
軽量鉄骨造86,200円
重量鉄骨造87,688円
鉄骨ALC造90,750円
鉄骨造94,463円
RC一部鉄骨造96,867円
鉄筋鉄骨コンクリート造106,597円
鉄筋コンクリート造107,888円
HPC造113,000円
PC造125,000円
木造(2×4)132,700円

上記を見ると、ブロック造や木造が安い傾向にあることがわかる。
一方、「鉄筋」「鉄骨」などが使われるようになると、それに伴って家賃も高くなるようだ。
例外としては、木造であれども2×4(ツーバイフォー)のような特殊な構造の建物は家賃が一気に跳ね上がる傾向にある。

以上のことをまとめると、防音を優先したい人なら、RCかSRCの物件がオススメ。下見を十分に注意するのであれば、鉄骨造やRS・WRCを視野に入れコストを下げる工夫するのもいいだろう。また、安さ第一優先に考えるなら、軽量鉄骨造や合成樹脂造がオススメ、通気性にこだわりたいという人は木造を検討してみてはどうだろうか。

「構造なんてどうでもいいだろ…」なんて思わず、それぞれの違いをしっかり理解したうえで部屋探しをしよう!

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