折衷案はNG?二人暮らしの物件選びの注意点、部屋づくりのヒントをプロが紹介

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水切りカゴに置かれた2人分のカップ

二人暮らしや同棲で理想のお部屋に住むためには、事前に自分たちのライフスタイルを振り返ることが重要。自炊やリモートワークの頻度、リビングでの過ごし方などを考えて、必要な設備や広さ、暮らしに合う間取りを把握できたら、物件探しを始めよう。

この記事では、快適な二人暮らしのためにチェックすべき間取りや設備のポイントと、部屋づくりのヒントを、インテリアトータルプロデューサーのMAKOさんに教えてもらった。「お部屋づくりのプロ」ならではの視点を取り入れてみてほしい。

株式会社 Laugh style 代表、インテリアトータルプロデューサのMAKOさんのプロフィール写真

インテリアトータルプロデューサー。株式会社Laugh style代表。「笑顔あふれる空間」を理念に掲げ、オフィスから個人宅まで多種多様なインテリアコーディネートを手掛ける。テレビやラジオなどのメディアにも多数出演。
保有資格:インテリアコーディネーター、宅地建物取引士など

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二人暮らしの物件探しは「一人で決めないこと」が鉄則

MAKOさんのインテリアコーディネート事例写真3
部屋づくりの際は、二人の意見を共有することが重要(画像提供:MAKO)

二人暮らしの物件探しは、互いのライフスタイルや生活リズムを考慮することが大前提。お部屋や設備に対する希望条件だけでなく、共有スペースを広くしたいのか、それぞれの個室が欲しいのかなど、互いの要望を共有することが第一歩となる。

キーとなるのは、リビングでの過ごし方。「ソファに座ってゆっくりテレビや映画を見たい」「友人を呼んでパーティをしたい」など、二人で何がしたいか、どう過ごしたいかを考えよう。その際、理想だけでなく、二人の生活リズムやタイムスケジュールも考慮することが大切だ。

また、入居後に後悔しないためにも、間取り選びの時点である程度レイアウトの検討をつけておきたい。その際は、置きたい家具・家電をリスト化しておくのがオススメ。生活動線を確保するのに必要な広さや、新生活に何が必要かも把握できて一石二鳥だ。

二人暮らしのお部屋探しは、一人で決めないことが重要。入居後に後悔したり、二人の仲が険悪になったりしないためにも、事前にお互いの希望の条件や過ごし方をすり合わせておきましょう。

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ぺやさがし

二人暮らし向けの間取りの特徴や、各間取りのメリット・デメリットを紹介した記事はこちら
【参考記事】二人暮らし・同棲にオススメの間取りは?部屋づくりのプロが選び方や特徴を解説<

https://www.chintai.net/news/164504/

快適なお部屋選びのための注意点

ここからは、快適なお部屋づくりのためにチェックすべき間取りや設備のポイントを紹介する。家具・家電・インテリアのレイアウトのしやすさに直結するので、ぜひ参考にしてほしい。

レイアウトしやすい間取りの4つのポイント

1.居室の広さと形

居室は、生活動線を確保したうえで家具・家電を置ける広さがあるか確認すること。部屋の形も重要だ。部屋が細長い場合や三角形の変形間取りなどはデッドスペースも生まれやすく、インテリアのレイアウトが難しい。

部屋の形は、基本的に正方形長方形がオススメ。正方形ならレイアウトの自由が利き、後から家具の配置も換えやすい。ただ、奥行きが浅く、手狭さを感じやすいのがネックだ。長方形なら奥行きがあって開放感を演出しやすい。しかし、窓や収納の位置によってベッドの置き場所が制限されやすいのが短所となる。この一長一短を理解したうえで、部屋の形を選ぼう。

窓が小さかったりなかったりする部屋や、天井が低かったり木目調だったりする部屋は、窮屈さを感じやすいです。

2.窓の配置

は日当たりや風通しを左右する。それだけでなく、数が多いと家具・家電の配置場所を制限する。カーテンと干渉する場所には家具を置きにくいし、窓からの光が当たる場所だと家具が日焼けしやすい。電化製品も安全面から直射日光を避けて配置するのが基本だ。

さらに、窓は壁より薄く外気を伝えやすいため、窓周辺は暑さ・寒さを感じやすいので家具やベッドなどの配置に注意しよう。

3.収納の有無と容量

収納の有無と容量は暮らしやすさに直結するだけでなく、レイアウトにも影響を及ぼす。クローゼットや押入れが備わっていなかったり、小さかったりすると、引き出しの付いたチェストや衣装ケースなど収納家具を居室に置かざるを得ない。

そうなると収納家具の置き場所を考慮する必要があるし、その分生活スペースを圧迫する。もともと収納家具を使う予定がなかった人や、コンパクトな部屋を探している人は要注意だ。

4.エアコンの位置

備え付けのエアコンの位置もポイントだ。エアコンの風が直接当たる位置には、ソファなどを置きづらい。ソファやダイニングテーブルなど大型家具・家電の位置が制限されると、必然的にレイアウトの自由度が低くなる。

だからこそ、理想の部屋を実現するうえで不具合がないかチェックしておきたい。

レイアウトに関わる4つの設備

1.室内照明

各部屋に照明器具が備わっているか、部屋全体が十分に明るくなるかを確認しよう。また、照明の壁スイッチが備わっていない場合や少ない場合、不便に感じるかもしれない。

加えて、照明のソケットによって照明器具の選択肢が限られたり、ソケット数が少なくて照明を追加できなかったりすることも。間接照明が必要になり、居室が狭いとスペースを圧迫するので注意が必要だ。

2.収納

収納には、大きく分けてクローゼット押入れがある。クローゼットは主に衣類を収納するもので、押入れは日用品や布団などさまざまな物をしまうスペースとしてつくられたもの。

押入れは奥行きがあり収納力が高いものの、奥にしまったものは取り出しにくく、長いコートやワンピースなど丈の長い服は折ったり畳んだりしなければならない。洋室にリノベーションされていても押入れのままという物件もあるので注意しよう。

また、収納をチェックする際は、必要な荷物が収まるか見極めるのが大切。持っていく荷物を洗い出し、実際どれくらいのスペースが必要か把握しておこう。

3.キッチン

キッチンではシンクや調理スペースの広さが十分か確認。さらにキッチン周りの収納スペースを調べ、調理器具や食器を収納できるかをリサーチしよう。

なお、人気の対面キッチンは居室側に仕切りができ、レイアウトにも影響が出る。壁付けでも収納家具やインテリアを活用すればキッチンが隠すことが可能なので、「自分の望むレイアウトには壁付けと対面のどちらかが合っているか」で判断するのをオススメしたい。

また、二人で調理したい場合には、並んだり、すれ違ったりできるスペースが確保されているかも調べよう。特に、対面式のカウンターキッチンはスペースが狭いケースもある。

4.ゴミ置き場

共用部のゴミ置き場も内見時にチェックしておきたい設備だ。ゴミ置き場が狭かったり、ゴミ出しの時間が限られたりしていると、自室にゴミを置く時間が増える。大きなゴミ箱が必要になり、その分のスペースが必要になる。

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二人暮らしのお部屋づくりのヒント

ここからは、二人暮らしや同棲のお部屋づくりのヒントを紹介する。

ヒント1:各スペースの目的を明確にする

ダイニングテーブル

レイアウトについて考える際は、各部屋ごとの目的を明確化しよう。二人でくつろぐためのリビング、在宅でも仕事ができるワークスペース、寝室など目的を分けることで、家具・家電、インテリアが選びやすくなる。

たとえば「寝室は一緒がいいけど、ぐっすり眠りたい」という場合、ベッドを広めのクイーンサイズにしたり、シングルベッドを2つ並べたりするのも手。ベッドを分けると生活リズムが異なる場合でも影響を受けにくい。

また「勤務時間が異なるため、パートナーと一緒に過ごすのは週末ぐらい」というカップルの場合、ダイニングテーブルやソファはミニマムなサイズを選ぶのもアリだ。

ヒント2:二人の折衷案は避ける

喧嘩するカップル

二人の好みが異なっていたり、お互いにこだわりが強かったりすると、意見がまとまらないこともあるだろう。

しかし、良かれと思って互いの意見を取り入れる(折衷案を採用する)と、誰の好みでもない部屋で過ごすことになる。

もし意見が分かれたなら、スペースで分けるのが無難。たとえば「ダイニングを自分好みにする代わりに、居室は相手の要望を聞き入れる」といったように切り分けると良い。そうすれば「中途半端な仕上がりで、互いに納得できない」という最悪の事態を防げるはずだ。

二人のための快適な空間を手に入れよう

二人暮らしであっても、部屋の広さや設備、収納などが制限されるケースは多い。しかし、お互いのライフスタイルを理解し、要点をおさえてお部屋を探せば、快適な二人暮らしは実現できる。

ぜひお部屋づくりのプロの視点を取り入れて、自分たちにぴったりな物件を見つけてほしい。

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監修=MAKO(株式会社Laugh style)
文=綱島剛(DOCUMENT)

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