スニーカーは水洗いOK? 元スポーツ用品店員にお手入れ方法を聞いてみた
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スニーカーは水洗いできる?素材ごとの手入れ・洗い方
日常生活からスポーツシーンまで幅広く愛用されているスニーカー。しかし、定期的に手入れしないとすぐに履きつぶしてしまうことになる。
そこで今回は、スニーカーの正しいお手入れ方法をスポーツ用品店での勤務経験がある岩元一平さんに伺った。また、スニーカーを長持ちさせるための5つのテクニックも合わせて解説する。

日常生活からスポーツシーンまで幅広く愛用されているスニーカー。しかし、定期的に手入れしないとすぐに履きつぶしてしまうことになる。
そこで今回は、スニーカーの正しいお手入れ方法をスポーツ用品店での勤務経験がある岩元一平さんに伺った。また、スニーカーを長持ちさせるための5つのテクニックも合わせて解説する。
ナイロン、キャンバス地スニーカーのお手入れ
ランニングシューズのメッシュ素材で使われるナイロン系や、綿麻などの天然繊維を平織りして目詰めたキャンバス生地はスニーカーの定番素材だ。これらの素材は基本的に水洗いが可能で、靴用洗剤や中性洗剤を使用できるものもある。ナイロンとキャンバス地のスニーカーの手入れは以下のような手順で行おう。
<ナイロン、キャンバス地スニーカーのお手入れ方法>
1.洗濯表示で洗剤の指示がないか確認する
2.紐と中敷きを外す
3.水をつけたブラシで汚れを落としながら洗う。汚れが落ちにくければ洗剤をつける。
4.水をつけたブラシでこすりながらすすぐ⑤吸水性の高い紙をスニーカーの中に詰めて、風通しが良い日陰で乾燥させる
合成皮革スニーカーのお手入れ
合成皮革は、バスケットボールシューズやテニスシューズなどのスポーツ系スニーカーでは定番の素材だ。合成繊維の布地にウレタンやナイロンなどの樹脂をコーティングしており、手入れがしやすい特徴がある。ただし水で丸洗いすると、表面がひび割れたり劣化が早まったりすることがあるので注意しよう。
<合成皮革スニーカーのお手入れ方法>
1.やわらかい布をぬるま湯に浸す
2.布をよく絞ってからスニーカーの表面を水拭きする
3.頑固な汚れには靴用クリーナーを使う
4.風通しが良い日陰で乾燥させる
天然皮革の表皮
天然皮革とは牛や豚、カンガルーなどの動物の皮が使われた革素材で「本革」とも呼ばれる。天然皮革の表皮はスニーカーにも採用される素材で、見た目の質感が上品で耐久性も高い。また、手入れによって耐久性を上げられるだけでなく、本革特有の経年変化を味わえる。
<本革スニーカーのお手入れ方法>
1.専用ブラシで表面の砂汚れなどを落とす
2.専用クリームを布につけ、スニーカー全体に塗って汚れを取り除
3.やわらかい布で余分なクリームを拭き取りながら磨き上げる
天然皮革の裏皮(スウェード)
スウェードとは革の表面をサンドペーパーで毛羽立たせた素材のことで、汚れに強いという特徴がある。スウェードは秋冬用のスニーカーで採用されることが多く、毛足が長いものほど高品質とされている。汚れにくいとはいえ、生地の劣化を防ぐために以下のような手順で手入れしよう。
<スウェードスニーカーのお手入れ方法>
1.専用ブラシまたはスウェード用の汚れ落としを用意する
2.水は使わずに表面をこすりながら丁寧に汚れを落とす
3.頑固な汚れは専用クリーナーを使用する

スニーカーを長持ちさせるための5つテクニック
スニーカーを長く履き続けるためには、素材に合った手入れを施すことが基本だが、ちょっとしたテクニックでさらに長持ちさせられる。ここでは、スニーカーを長持ちさせるための5つのテクニックをご紹介しよう。
スニーカーを長持ちさせるテクニック1:履く前に防水スプレーをかける
防水スプレーは水をはじくだけではなく汚れから守る効果もあるので、履く前に防水スプレーを吹きかけるとスニーカーが長持ちする。雨の日だけ防水スプレーを使用する人もいるが、毎日吹きかけて履いた方が汚れはつきにくくなる。
防水スプレーには主に「フッ素系」「有機系」「シリコン系」の3タイプあるが、通気性が悪くならないフッ素系や有機系がおすすめだ。ただし、どのタイプも使用できない素材もあるため、防水スプレーの説明書きを確認して使用可能かどうか確認しておこう。
スニーカーを長持ちさせるテクニック2:靴を脱いですぐ靴箱に入れない
脱いだばかりのスニーカーには汗が残っていることが多い。脱いだ靴をすぐに靴箱に入れると、スニーカーに湿気が残ったまま保管することになってしまう。
湿気はスニーカーの天敵であり、雑菌・カビの繁殖や生地の色あせの原因となる。靴箱に入れて保管する前に、靴の中に新聞紙を詰めるなどしてスニーカーをしっかりと乾燥させることが大切だ。
スニーカーを長持ちさせるテクニック3:乾燥剤・除湿剤で湿気を取り除く
湿気対策の1つとして、スニーカーの中に乾燥剤や除湿剤を入れておくことも効果的だ。とくに夏場は汗の量も増えるため、日陰干しではスニーカーを完全に乾燥させるまでに時間がかかる。
スニーカーを長持ちさせるには、劣化を引き起こす湿気をしっかりと除去することが何よりも先決だ。乾燥剤や除湿剤を活用して、スニーカーの湿気を取り除いてあげよう。
スニーカーを長持ちさせるテクニック4:シューキーパーで型崩れを防ぐ
シューキーパーはビジネスシューズで使用するイメージが強いかもしれないが、スニーカーにも使うことをおすすめする。なぜなら、スニーカーはつま先から足の甲にかけて上に反る「反り返り」が起こりやすいからだ。反り返りはスニーカーの型崩れの原因となるだけでなく、表面素材のシワやひび割れの原因にもなる。
シューキーパーで型崩れを防ぐためには、少しきついぐらいのサイズに調整して入れておくことが大切だ。また、木製のシューキーパーだと湿気も吸い取ってくれるのでおすすめ。
スニーカーを長持ちさせるテクニック5:二足以上のスニーカーをローテションで履き回す
同じスニーカーを毎日履かずに、二足以上のスニーカーをローテションで履き回すことも長持ちの秘訣だ。同じスニーカーを毎日履いていると、スニーカー内部が完全に乾燥していない状態で履くことになるため雑菌が繁殖しやすい。スニーカーのローテーションが難しい場合は、中敷きをこまめに交換して履くようにすると雑菌が繁殖しにくくなるだろう。
スニーカーは正しく手入れして長持ちさせよう!

どの素材も、水洗いをしたり、クリーナーなどで磨いたりしたら、風通しの良いところで陰干ししよう。ただし直射日光やドライヤー、乾燥機などの熱による乾燥および脱水機の使用は、変形や劣化、色落ちの原因になるので避けた方が無難だ。乾燥が難しい場合は、乾燥剤や除湿剤と一緒に保管しておくと良い。
また、素材に合った防水スプレーを使用すると水弾きが良くなるだけでなく、汚れもつきにくくなるのでおすすめだ。長くキレイなまま愛用できるよう、長持ちさせるテクニックを活用しながら正しい手入れを続けよう!
(平野友紀子+ノオト)
2021年6月加筆=CHINTAI情報局編集部