新卒で同棲をするメリット・デメリットとは?円満に送るためのポイントも解説
新卒で同棲を始めるメリットやデメリットとは

学生生活を終え、就職したら同棲をしようと考えているカップルも多いのではないだろうか。ただ、学生の時点で就職後の生活スタイルや収支についてリアルに想像するのは難しいもの。
そこで今回は、新卒の方が同棲を始めるときの注意点や、新卒の同棲生活を円満に過ごすためのポイントについて詳しく解説していく。
このページの目次
新卒で同棲をするメリット
新卒カップルが同棲をするメリットとして、主に以下の6つが挙げられる。
- 一緒に過ごせる時間が増える
- 家事をひとりでこなす必要がない
- 生活費が抑えられる
- 貯金に回せるお金が増える
- 仕事の疲れが吹き飛ぶ
- 将来のイメージが湧きやすい
それぞれの具体的な内容を見ていこう。
新卒同棲のメリット①:一緒に過ごせる時間が増える
学生時代は多くの時間を共にしていたカップルも、お互いが社会人になることで生活リズムが変わり、会える時間が減ってしまうかもしれない。しかしお互いが社会人になったタイミングで同棲を始めた場合、出勤前や夜の時間を一緒に過ごすことができる。特にシフト勤務など仕事の曜日や時間が異なる新卒カップルには、同棲生活はおすすめといえる。
新卒同棲のメリット②:家事をひとりでこなす必要がない
一人暮らしをしていると、毎日の料理や洗濯、掃除などの家事を自分の手でこなさなければいけない。新しい環境に慣れず仕事に追われがちな新卒社員にとって、日々の家事をこなすのは簡単なことではないだろう。
しかし、同棲していれば面倒な家事を分担することができる。たとえば、一方が料理をしている間にもう一方が掃除をするなど分担のルールを決めることで、家事にかかる手間や労力が少なくなる。また、残業などが発生してもどちらかがカバーできるなど、肉体的だけでなく精神的にも楽になることがメリットだ。
新卒同棲のメリット③:生活費が抑えられる
お互いが一人暮らしをしている場合、同棲することで生活費を抑えることができる。一人暮らしの生活費と同棲生活の生活費を以下の表でチェックしてみよう。
お互い一人暮らしの場合の生活費 (2人分の合計) |
同棲の場合の生活費 (2人分の合計) | |
---|---|---|
家賃 | 120,000円 | 80,000円 |
水道光熱費 | 23,000円 | 20,000円 |
食費 | 77,000円 | 83,000円 |
家具・家事用品 | 11,000円 | 12,000円 |
被服及び履物 | 8,000円 | 8,000円 |
保健医療 | 15,000円 | 16,000円 |
交通・通信 | 38,000円 | 33,000円 |
教育 | – | 600円 |
教養娯楽 (書籍・旅行費用等) | 34,000円 | 30,000円 |
その他の消費支出 (美容・交際費等) | 60,000円 | 66,000円 |
合計 | 386,000円 | 348,600円 |
※家賃は6万円(一人暮らし)、8万円(二人暮らし)として計算
※その他項目は、総務省 「家計調査 二人以上の世帯 2021年」「家計調査 単身世帯 2021年」を参考に算出
同棲の費用は、単純に一人暮らしの2倍・2ヶ月分というわけではない。家賃や水道光熱費を折半できるため、その分合計の支出を抑えることもできる。
また、それぞれが一人暮らしで払っていた家賃の合計と同額を、同棲後の家賃に充てたとすれば、一人暮らし時代より設備の整った部屋に住むことも可能だ。
なお食費について、上記統計をもとにしたシミュレーション上では、それぞれが一人暮らしをした方が安いという結果になっている。ただ、1週間分まとめて作り置きするなどの工夫によって、1~2万円ほどの節約もできる。
他の項目についても節約できるところは多々あるので、ぜひ二人のライフスタイルに合わせて工夫してみてほしい。
新卒同棲のメリット④:貯金に回せるお金が増える
同棲によって毎月の生活費が抑えられればその分を貯金に回すことができる。特に結婚を考えるカップルにとっては、結婚資金に充てることも可能だ。結婚式にかかる費用の相場は約293.4万円といわれているため、無理のない範囲で貯金を続けていくと良いだろう。
※参考 結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」調べ(2022年10月時点)
新卒同棲のメリット⑤:仕事の疲れが吹き飛ぶ
新卒社員は、新しい環境と人間関係に慣れなければならず、さまざまなストレスが溜まることだろう。ストレスが溜まってきても、気を許せるパートナーと家でゆっくりすればリラックスできる。楽しく話しながら美味しいものを食べれば、仕事の疲れも吹っ飛ぶかもしれない。
新卒同棲のメリット⑥:将来のイメージが湧きやすい
同じ家で暮らし寝食を共にすることで、結婚生活のシミュレーションができることも同棲生活のメリットだ。
特に、食の好みや就寝時間、衛生観念など生活に関する価値観は、一緒の空間で過ごさないとわからないことが多い。同棲生活でお互いの考え方を知っておくことで、結婚後もスムーズに暮らせるだろう。
新卒で同棲をするデメリット
新卒カップルの同棲にはメリットも多いが、一方で以下のようなデメリットも存在する。
- ひとりで過ごす時間が確保しづらい
- 家事分担が機能しない場合がある
- 生活リズムや金銭感覚が合わない可能性がある
- ケンカが起こりやすくなる
それぞれの内容について、詳しく見ていこう。
新卒同棲のデメリット①:ひとりで過ごす時間が確保しづらい
先ほど新卒で同棲するメリットで「仕事の疲れが吹き飛ぶ」と解説したが、なかには仕事の後にひとりでゆっくり過ごしたい人や、たまには一人の時間が欲しいという人もいるだろう。そのような人にとっては、一人の時間を確保しづらい点がデメリットになるかもしれない。
一人の時間が欲しい場合はパートナーと話し合って、自分の部屋を持てる間取りを選んだり、お互い仕事帰りに寄り道する時間をつくるなどの工夫をすると解決できるかもしれない。
新卒同棲のデメリット②:家事分担が機能しない場合がある
前もって家事の分担を決めていても、お互いが慣れない仕事で手一杯になると、決めたルールが機能しなくなる可能性がある。お互いの忙しさを理解していても、「自分ばかりが家事を負担している」と感じてしまうと日に日にストレスが溜まってしまう。
仕事のペースを掴むまでは、家事分担のルールを細かく決めすぎず、都度見直していくと良いだろう。
新卒同棲のデメリット③:生活リズムや金銭感覚が合わない可能性がある
入社直後は研修期間となっていることも多く、実務を任されるようになるのは配属後となる。このため、帰宅時間や残業の有無など出勤日の生活リズムがわかるのは就職してしばらく経過してからとなる。たとえばどちらかの残業が多い場合、寝食のタイミングが合わず、同棲をしているのにパートナーに寂しい思いをさせてしまうかもしれない。
また、まだまだ就職したてで貯金に余裕のない新卒カップルは、金銭面の工面にも苦労する場合が多い。お互いがお金に関して敏感になると、パートナーのちょっとした浪費なども気になって過度に締め付けてしまう可能性もある。同棲を始める際は少し余裕をもった生活費で暮らせるように計画しておくと安心だろう。
新卒同棲のデメリット④:ケンカが起こりやすくなる
好きな人とずっと一緒にいられるのが同棲のメリットだが、一緒にいる時間が増えることでケンカの回数が増える可能性もある。一緒に生活をするとお互いの嫌なところが目につきやすく、ちょっとしたことで言い争いになってしまうからだ。
新卒カップルは、慣れない仕事でお互いストレスや疲労が溜まっている。そんなときに甘えられる恋人が同じ空間にいると、ついつい不満や愚痴をこぼしてしまいがちだ。時にはパートナーに甘えるのもいいが、必要以上に依存してしまうと相手の負担となってしまうため注意してほしい。
【新卒で同棲している方の悩み】同棲していることを会社に報告すべき?
同棲をしようと決めた際、会社へ報告すべきか迷う人もいるだろう。基本的に、多くの会社では同棲していることを報告する義務はない。
ただ、入社時や転居時には勤務先へ住民票を提出する必要があり、その際に同棲していることが知られてしまう場合がある。
住民票には「世帯主」が記載される。同棲(未婚カップルの同居)の場合、世帯主の設定方法は以下の2つ。会社に同棲していることを知られたくないなら、2の方法を選ぶ必要がある。
- 同一世帯とする(片方が「世帯主」、もう片方が「未届の妻(夫)」または「同居人」となる)
- それぞれ別世帯とする(二人とも「世帯主」となる)
なお、お互いが同じ会社に勤めているカップルの場合、住民票上で別世帯にしたとしても、勤務先に住所を報告する際に同棲している事実がわかってしまう。社内の人間関係上、必要な範囲の方には伝えておいた方が良いだろう。
なお、住宅手当がある会社の場合、カップルの双方が住宅手当を受けることは禁じられている場合がある。住宅手当を受け取っている方・あるいは受け取ろうとしている方はどちらが住宅手当を受け取るか話し合っておこう。もし不安に感じるようなら社内規定を一度チェックし、担当者の方の指示に従って行動するのがベターだ。
新卒の方が円満な同棲生活を送るために押さえてほしいポイント

円満な同棲生活を送るために、事前に以下のポイントを押さえておこう。
- まとまったお金を準備し、生活費の分担について事前に話し合う
- 家事分担など話し合う時間を設ける
- ひとりの時間も尊重する
- パートナーの家族へ事前に挨拶を行う
- 同棲の目的や期間を決めておく
どれも大事なものなので、無理のない範囲で実践してみてほしい。
ポイント①:まとまったお金を準備し、生活費の分担について事前に話し合う
いくら節約ができるとはいえ、同棲生活には一定の生活費がかかる。「新卒同棲のメリット③:生活費が抑えられる」でも記載したが、同棲生活を送るためには毎月約35万円の生活費が必要。後々ケンカやトラブルにならないよう、どの項目を支払うのかをお互いに話し合うことが重要だ。
ポイント②:家事分担など話し合う時間を設ける
同棲生活で事前に決めておくべきは金銭面のルールだけでない。家事の分担やお互いの友達の来客、ケンカしたときの対処法などさまざまな取り決めをしておく必要がある。
厳密なルールとまではいかずとも、事前に話し合っておくだけでもお互いの価値観を知ることができる。後々揉めないためにも、同棲生活について定期的に話し合う時間を作ってみてほしい。
ポイント③:ひとりの時間も尊重する
ずっと一緒にいることにストレスを感じてしまう人も多いため、同棲を始める前にお互いが自由に過ごせる時間を決めておくことが重要だ。たとえばお互いが土日休みの場合、土曜日はひとりで過ごす、日曜日は一緒に出かけるなどのルールを決めておくことで、ストレスなく暮らしていくことができる。
ポイント④:パートナーの家族へ事前に挨拶を行う
大切な子どもが同棲することに対し、不安に思う親も少なくはない。そのため、同棲の前にはお互いの家族へ挨拶を行い、パートナーの人となりを知ってもらうことが重要だ。
同棲時に挨拶がないと、今後の結婚の挨拶などで気まずい思いをすることになるかもしれない。今後の付き合いも考慮して、同棲の挨拶は早めに済ませておこう。
ポイント⑤:同棲の目的や期間を決めておく
何の目的もなく同棲を始めてしまうと、ずるずると同棲が続いてしまう可能性もある。そのため同棲を始める前に、単に一緒に過ごしたいのか、それとも結婚への事前準備なのかなど同棲の目的を決めておく必要がある。
特に同棲後結婚を考えているカップルは、期間を決めることも重要だ。期間を決めないと肝心の結婚の話が出ず、「将来のイメージができない」と別れ話に発展してしまうカップルも少なくはない。「同棲して1年経ったら結婚する」などの期間を決めておき、パートナーの不安が解消されるよう努めてほしい。
新卒カップルの同棲にはメリットが多い
新卒入社したてでは、仕事のことや社会人としての身の振り方など多くのことを覚えなければならず、同棲生活のことが疎かになってしまうおそれがある。しかし、事前に話し合ってお互いのルールを決めておく、価値観の違いを認め合うなどパートナーを大事に思う気持ちがあれば、問題が起こったとしても解決していけるはずだ。
不安なことは多々あるかもしれないが、将来の結婚に向けて円満な同棲生活を送っていってほしい。