仏壇の引越し手順と必要な供養とは?かかる費用や処分方法についても解説!

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引越しのときに仏壇はどうしたらいいの?

仏壇 引っ越し1

引越しが決まった際、ご先祖様を祀る仏壇をどのように運べばいいのか悩んでしまう人も多いのではないだろうか。仏壇を移動すること自体に問題はないが、繊細な装飾などが施された仏壇は壊れやすく、ただ運べばいいというものではない。

今回は、仏壇の引越し手順や必要な供養、費用や処分方法などについて解説していく。

まずは仏壇の引越しにおいて必要な準備を確認しよう

仏壇を新居にもっていく場合、事前の準備が必要になる。まずは準備の段取りについて見ていこう。

準備:仏壇のサイズを測る

引越しの前に、まずは仏壇のサイズを測っておこう。仏壇は繊細に作られているため、運び入れるときにドアや壁にぶつけてしまうと破損してしまうおそれがある。そのため、玄関やドアはもちろん、階段やエレベーターなど運ぶルートにおいて、周りにぶつからず無理なく通れるかを確認しておく必要がある。

また、サイズがわからないと置き場所も決められないので、高さや幅、奥行きを正確に測っておくことが重要だ。

準備:引越し後の仏壇の置き場所を決めておく

仏壇の置き場所は、引越し前に決めておこう。仏壇の置き場所を決めておかないと、荷物の搬入後に置き場所を探さなければならなくなる。なお、仏壇の置き場所に決まりはないが、正面は東側、西側を背にする位置が理想とされている。

準備:仏壇全体の写真を撮っておく

仏壇には、ご本尊や位牌だけでなく茶湯器や花立て、火立てなどの仏具が飾られている。仏具には決まった置き場所があるので、仏壇の移動後に再度設置する際、場所を間違えないようにあらかじめ全体の写真を撮っておこう。もし写真を撮ることに抵抗がある場合は、仏具が置いてある場所をメモに残し、忘れないようにしてほしい。

準備:宗派を確認しておく

仏壇の引越しの際には、魂抜きや魂入れなどの供養をおこなうが、宗派によっては不要なこともある。魂抜き・魂入れをおこなうのは、主に真言宗と浄土宗、曹洞宗である。ただ浄土真宗の場合、仏壇にご本尊がない場合は供養をしなくてもよいので、事前に宗派を確認することも忘れないようにしてほしい。

仏壇の引越しでおこなう供養

仏壇 引っ越し2

仏壇の引越しで特に重要なのが供養だ。先ほども軽く触れたが、旧居では「魂抜き」、新居では「魂入れ」という供養をおこなう。

「魂抜き」は、ご先祖様の魂を仏壇から抜き、参拝対象となっている仏壇を「物」にするという供養である。一方「魂入れ」は、「物」となっていた仏壇を参拝対象に戻すため、ご先祖様の魂を仏壇に入れる供養となる。引越し前は何かと慌ただしいので、魂抜きや魂入れの流れを把握して、スケジュールに組み込んでおこう。

引越しの1ヶ月前 菩提寺もしくはお寺の住職に
魂抜きの依頼をする
引越しの1週間前 魂抜き
引越し後 菩提寺もしくは引越し先近くのお寺の住職に
魂入れの依頼をする
引越し後 魂入れ

魂抜きや魂入れの日程に決まりはないが、引越しの当日は引越し業者が入り、慌ただしい雰囲気の中でおこなうことになるためおすすめできない。

引越し時に仏壇の供養が不要なケース

引越しをするとしても、仏壇の供養が不要なケースがある。

  • 配置換えや同じ家屋内で移動する場合
  • 浄土真宗でご本尊が仏壇にない場合

同じ部屋の中で配置を換えたり、家屋内で別の部屋に移動させたりする場合は供養をする必要はない。ただし部屋から部屋へ移動させる場合、宗派によっては魂抜きが必要になることもあり、菩提寺やお寺の住職に相談しなければならない。なお、浄土真宗ではご本尊を信仰しているため、ご本尊を祀っていないのであれば供養は不要とされている。

仏壇の引越しをおこなう方法

ここでは仏壇の引越しをおこなう方法を3つご紹介する。

自分で仏壇の引越しをおこなう方法

自分で仏壇の引越しをおこなう場合は、仏具の形状に合わせた梱包方法で運ぼう。

主なチェックポイント

  • 香炉に火元が残っていないかを確認をする
  • 火立てや花立てはあらかじめ水を拭き取っておく
  • 装飾品や照明類は緩衝材やタオルで梱包して破損しないようにする
  • 仏壇は解体せず緩衝材やタオルで梱包し、運ぶ際は倒れないように固定する

本尊や位牌は、白い布にくるんで手にもって運ぶ。ただし、どうしても無理な場合は白い布でくるんでから緩衝材やタオルで梱包し、ダンボールに詰めて運ぼう。

引越し業者に仏壇の引越しを頼む方法

引越し業者の中には、仏壇の搬送をおこなっていないところもあるので、最初に仏壇の運搬に対応しているか確認しておこう。ただし、対応している業者であっても扱いに不慣れだったり作法を守らなかったりすることがあるので要注意だ。

配送に慣れているかを判断するのは難しいが、口コミなどでチェックし、仏壇配送に慣れている業者を選ぶようにしてほしい。

仏壇店に仏壇の引越しを頼む方法

仏壇店に仏壇の引越しを頼む場合、まずは購入した仏壇店もしくは近くの仏壇店に聞いてみよう。仏壇店であれば、運搬に必要なものや準備方法をすべて指示してくれるので、初めて仏壇の引越しをするという人でも安心だ。

また、宗派のしきたりに合わせた扱いで運んでくれるので、宗教に詳しくないという人は仏壇店に任せてしまうのも有効だ。

仏壇の搬出・搬入の順序にも留意を

仏壇の引越しの際、運ぶ順番は以下のようにするのが一般的だ。

  • 引越すとき:すべての荷物を搬出したあと、最後に仏壇を運び出す
  • 新居に到着したとき:家具や荷物を入れる前、最初に新居に運び入れる

これは仏様をできるだけ長く自宅にいられるようにするための配慮である。

仏壇の引越しにかかる費用

仏壇の引越しにかかる費用は以下の2つになる。

  • 運搬費用
    (相場:1~3万円。遠方に引越す場合は5万円ほどかかることもある)
  • 僧侶に渡すお布施
    (相場:1~3万円。別途車代3,000円が必要になることもある)

引越し業者の場合、仏壇を美術品として扱うことも多く、その場合は費用が高額になるので事前に確認しておこう。また、魂抜きや魂入れでは僧侶に依頼する関係上、各供養でお布施を渡さなければならない。遠方の場合は交通費も必要なので、その分も予算に入れておこう。

仏壇を処分したい場合はどうしたらいい?

やむを得ない事情があって仏壇を処分したい場合は、以下のような方法がある。

菩提寺に引き取ってもらう

先祖代々のお墓がある菩提寺であれば、開眼供養から閉眼供養まで執り行ってもらうことができる。その際には、菩提寺まで仏壇を運ぶ費用やお布施も必要になるので、相談しておこう。

仏壇店に引き取ってもらう

仏壇店によって異なるものの、仏壇の引き取りや処分のサービスをおこなっているところがある。新しい仏壇を購入するのであれば、購入と処分の日程が組みやすい。ただし、処分料金が必要になるので事前に聞いておこう。

専門業者に処分してもらう

仏壇処理専門業者に依頼することもできる。指定した日に引き取りに来てくれるので、引越しの忙しい時期には助かるサービスだ。ただし料金は業者によってそれぞれ異なるので、事前に複数の業者に見積もりを取って比較検討する必要がある。

粗大ゴミとして処分する

自治体にもよるが、粗大ゴミとして処分することもできる。ただしその場合、供養などは当然行ってもらえないので、別途予約手配を行う必要がある。

処分費用はやはり自治体によって異なるため、ホームページで確認して準備しておくようにしよう。

仏壇の引越し方法は事前に決めておこう

仏壇の引越しは、魂抜きや魂入れといった儀式が必要となることも多く、僧侶に依頼するなどの準備が欠かせない。また、どんな引越し方法でも仏具や仏壇の梱包は別途おこなわなければならず、作業に時間を要することも考えられるので、引越しの日程が決まったら早めに準備して当日を迎えるようにしよう。

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CHINTAI編集部
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