同棲で別れた後の引越しは?家具の配分や手続きなど気になるアレコレを解説

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同棲生活中を満喫中!でももし別れてしまったら…?

もしも同棲相手との別れがきたら、引越しはどうなる?

好きな人と一緒に生活ができる「同棲」は、カップルにとって幸せの象徴。しかし、今はラブラブだとしても、同棲中に別れてしまう可能性があるのも事実だ。価値観の相違や生活スタイルのすれ違いなど、別れる原因はいろいろある。これから同棲をするにしても、万が一別れる場合のことを頭に入れておく必要があるだろう。

今回は、同棲を解消したときに必要になる、別れた後の引越し手続き、荷物の整理や家具の配分、お金のことなどについて説明していこう。

この記事でわかること
同棲解消後の引越しまでには最短でも1ヶ月程度が必要
同棲解消時の引越し費用の相場は40万~50万円
同棲解消時に決めるべきなのは「家具の分け方」「共同貯金の分け方」「退去費用の負担額」

同棲を解消する際の、引越しにかかる期間・流れ

カレンダーと電卓と家の模型の積み木
同居解消後の引越しステップを把握してスムーズに進めよう

結論から言うと、同棲解消後の引越しまでには最短でも1ヶ月程度が必要だ。引越しまでの流れを3つのステップに分けて解説するので、順番に確認していこう。

同棲解消時の引越しの流れ①:住んでいる物件の「退去予告」を行う

まず、賃貸物件を解約して出て行くためには「退去予告」が必要となる。

大家さんにとって、急に入居者が退去すると空室が発生することになり、収入に影響してしまう。このため、賃貸契約では「退去予告」の期日が定められている。

例えば、退去予告の期限が「1ヶ月前まで」と定められていた場合、期日までに大家さんに退去することを伝える必要がある。もし、これより遅く退去予告を行った場合には、契約期間が終わるまでは家賃を払い続けなければならないので注意しよう。

同棲解消時の引越しの流れ②:新しく住む物件を探し「入居審査」を受ける

同棲を解消するために、いち早く新居を見つけて引越したいと思うかもしれない。しかし、賃貸物件に入居するには「入居審査」を通過する必要がある。

「入居審査」とは、入居希望者がその物件に住むにふさわしい人物かを判断するため、大家さんや管理会社が行う審査のこと。この入居審査を通過しなければ、賃貸契約を結ぶことができない。つまり、どんなに急いで引越し先の物件を見つけたとしても、その日に契約することはできないのだ。

入居申込みを行ってから入居審査の結果が出るまでには、最低でも3日間程度かかり、長いと1週間~10日程度かかる場合もある。日数はケースによってまちまちだが、入居申込書に不備があった場合、大家さんが忙しく連絡が取れない場合などには、審査に時間がかかることもある。

同棲解消時の引越しの流れ③:荷造り・掃除など引越しの準備を行う

別れ方にもよるが、同棲を解消して部屋を解約するのであれば、その手続きが完了して引越しの手配をするまでは一緒に作業をするのが一般的だ。すべてを相手に押しつけてしまうと、後々なにかあったときにトラブルになる可能性がある。

また、持ち物の配分やお金のやりとりも発生する。双方でお金を出しあって買った家具もあるだろうし、物件の退去時にかかる原状回復費用がかさむと敷金だけでは賄いきれず、追加の修繕費が発生するかもしれない。

このようなもろもろのことを考えると、同棲を解消するにしても、家のことが落ち着くまでは早くて1ヶ月、通常であれば2ヶ月から3ヶ月はかかると想定できる。引越しスケジュールをしっかり立ててから退去日を決めよう。

同棲解消時に忘れず行うべき手続き

引越し日が決まったら、引越し準備と並行して以下のような諸手続きも進めておこう。

同棲解消時の引越し手続き①:電気・ガス・水道

2人とも借りていた部屋を出て行くのであれば、電気・ガス・水道の解約手続きをしなくてはいけない。いずれも主な手続きの方法は電話かインターネットになる。

また、電気は立ち合い不要だが、ガスや水道は立ち合いが必要になることもある。引越しのスケジュールに合わせて日にちを決めておこう。

解約の手続きを忘れてしまうと、引越し後も料金の請求が来る。解約は契約者の義務なので、忘れないように早めに手続きを開始するのがおすすめだ。

旧住所と引越し先で市区町村が異なる場合を見ていこう。下記2つの手続きが必要となる。

同棲解消時の引越し手続き②:住民票の異動や証明書類の住所変更

同棲解消にともない住所が変わる場合は、同棲時に住んでいた市区町村役場に「転出届」を提出し、引越し先の役場に「転入届」を提出する必要がある。なお、同じ市町村内の引越しの場合は、「転居届」になる。

同棲解消時の引越し手続き③:郵便物関連

引越し後に郵送される郵便物が新居へ届くように、郵便局に「転居届」を提出する必要がある。手続き完了後は、引越しから1年間にわたって郵便物の転送サービスを無料で利用可能だ。これにより、旧住所に送られた郵便物も、1年間は新居へと自動的に転送される。

転送サービスの申し込み方法は、以下の3種類だ。

  • 郵便局で直接住所変更の手続きをする
  • 転送届をポストに投函する
  • 郵便局の公式ウェブサイト「e転居」で手続きをする

詳しい手続き方法は以下の記事でも解説している。

同棲解消時の引越し手続き④:各種住所変更

以下に代表される、各種住所変更の手続きも忘れずに行いたい。

  • マイナンバーカード(役所)
  • 印鑑登録(役所)
  • 国民健康保険(役所)
  • 国民年金(役所)
  • 運転免許証(警察署)
  • 車庫証明(警察署)
  • 車検証(陸運局)
  • 勤務先等への届け出
  • NHK
  • 銀行など金融機関
  • クレジットカード
  • ネットショッピング等の会員登録ポイントカード

マイナンバーカードや印鑑登録の手続きなど役所で行う手続きは、転入届・転居届の提出時にまとめて行ってしまうとスムーズ。

また運転免許証の住所変更手続きについては免許センターや警察署で行うことができるが、その際に新しい住民票が必要となるためあわせて発行しておこう。

なお、先述したとおり郵便物については転送サービスの利用が可能だが、金融機関からのお知らせは転送不可となっている場合も多い。また、宅配便など郵便物でないものは当然転送の対象外となるため注意しよう。上記以外にも、住所登録をともなう会員登録を行っている場合は、手早く手続きを完了させることをおすすめする。

同棲を解消する際の、引越しにかかる費用の相場

段ボールに荷物を詰めながらスマホをいじる手元
各費用の目安を把握しておこう

同棲を解消する際の費用としては、主に以下の3点が必要になる。

  • 旧居の退去費用
  • 引越し業者への依頼料
  • 新居の契約費用

それぞれの費用相場は、以下のとおりだ。

内容相場
退去費用50,000~80,000円
引越し費用30,000~50,000円
契約費用300,000~400,000円
合計400,000~500,000円

3つの費用を合計すると、400,000~500,000円が同棲解消時にかかる引越し費用の相場となる。ここからは、3つの費用の内訳についてより詳しく解説しよう。

旧居の退去費用の目安:50,000~80,000円

退去時には、原状回復にかかる費用を支払うことになる。原状回復とは、経年劣化以外の問題で破損が生じた箇所を入居時の状態に戻すことだ。一例として、以下のような状況で発生した破損は、原状回復にかかる費用を入居者が負担しなければならない。

  • 喫煙によって生じた黄ばみやにおい
  • 家具を搬出入した際に発生したキズやへこみ
  • 入居者の過失または故意で発生した破損

入居時に敷金を預けている場合、これを原状回復の修理代に充てられる。ただし敷金を上回る原状回復費用がかかった場合、超過分が請求されるため注意しよう。なお、原状回復にかかる費用が敷金を下回る場合、余った敷金は入居者に返金される。

引越し業者への依頼料の目安:30,000~50,000円

引越し業者への依頼料は、依頼する業者や移動距離、引越しを行う時期、そして荷物の量によって大きく変動する。1人で引越しをする場合は荷物の量が限られ、単身者向けの割安プランを利用できる可能性もあるため、費用の目安は30,000~50,000円を見ておくと良いだろう。

ただし、以下のようなタイミングに引越しを行う場合、料金が割高になる可能性が高いため要注意だ。

  • 3~4月、9~10月の引越しシーズン(繁忙期)
  • 土日や祝日などの依頼が多い日時
  • 「大安」など縁起が良いとされる日にち

とくに繁忙期は依頼が殺到するため、料金が高額になるだけでなく、予約も取りにくくなる。事情が事情であるだけに調整は難しいかもしれないが、できれば繁忙期を避けて新生活をスタートさせたいところだ。また、とくにこだわりがなければ「仏滅」「赤口」などの縁起が良くないとされる日や、不人気な午後便を選ぶことで、引越し費用を削減しやすくなる。荷物の量もできるだけ減らしておくと良いだろう。

新居の契約費用の目安:300,000~400,000円

同棲を解消して引越す場合、実家を出て初めて一人暮らしを始める際よりも、費用がかさむ。その理由は、退去費用が加算されるからだ。

そのため、引越し費用は多く見積もっておくことが重要になる。最低限で見積もってしまうと、いざ引越しとなったときに予算が足りなくなるので注意しよう。

【新居契約費用(家賃60,000円の場合)の相場】

内容相場
敷金72,000円
礼金54,000円
仲介手数料30,000円
前家賃60,000円
管理費・共益費30,000~60,000円
保証料30,000~60,000円
火災保険料20,000円
消毒料10,000~20,000円
鍵交換費用20,000~30,000円
合計326,000~406,000円

契約費用を浮かせるためには、敷金・礼金などの初期費用がかかりにくい物件や、フリーレントができる物件の契約を検討しよう。また、仲介手数料が安い不動産会社を選ぶことも節約のポイントになる。引越し費用を安く抑えるポイントについては、本記事の最後にまとめているので参考にしてほしい。

同棲を解消する際に決めるべき3つのこと

同棲を解消する際、できれば決めておきたいのは以下の3点だ。

  • 家具や家電の分け方
  • 共同貯金の分け方
  • 退去費用の負担額

話し合いの余地がある場合は、それぞれを細かく決めたほうがお互いのためになる。

同棲解消時に考えること①:家具や家電の分け方

同棲を解消する場合、引越し手続きの次に大変なのが「家具の配分」だ。どちらかが持ってきたものや購入したものであれば、もとの持ち主が引き取ればいい。しかし、2人で購入したものはどちらかが引き取るか、処分することになる。

話し合いでまとまるのであれば、問題はないだろう。とはいえ、買ったばかりのテレビやオーブンレンジなど、高価で使えるものの場合はトラブルになるかもしれない。別れる2人がトラブルになるとさらにこじれてしまうので、家具の配分のやり方についてもきちんと知っておくことが重要だ。

引っ越しの荷物を乗せた軽トラック
同棲相手と別れた際には、家具の配分も決めなければならない

家具や家電の配分の話し合いがまとまりにくい場合は、売却して費用を折半することをおすすめする。リサイクルショップやフリマアプリに出品して、売上金を半々に分けよう。

同棲解消時に考えること②:共同貯金の分け方

共同貯金を行っていた場合、これをどのように分けるか話し合わなければならない。同額を出しあっていた場合は半々に分ければ良いが、金額に差があった場合は話が難しい。双方が納得のいく金額を割り出して分け合おう。

同棲解消時に考えること③:退去費用の負担額

退去費用を半々にするのか、それともどちらかが多めに支払うのかを決める必要がある。故意・過失による部屋の破損がある場合、どちらが破損させたのかによって負担額を増減させても良いだろう。退去費用からは敷金が差し引かれるため、これも加味したうえで計算することがポイントだ。

別れた後もどちらかが旧居に住み続けたい場合は、契約内容を確認する

同棲解消後にどちらか一方が旧居に住み続ける場合、契約内容の確認が必須となる。というのも、契約上の名義人と、実際に住んでいる人が一致していなければならない可能性が高いためだ。名義人以外が旧居に住む場合、必ず名義変更の申請を行い、大家さんや不動産会社からの了承を得よう。

同棲を解消する際の、引越し費用を安く抑える方法

掃除道具と段ボール
掃除をするだけで費用が抑えられる?

引越し費用の目安は、先述したとおり400,000~500,000円だ。高額な費用が必要になるが、以下の方法で一定の引越し費用を抑えやすくなる。

  • 旧居を掃除して「退去費用」を抑える
  • 敷金礼金なしやフリーレントの新居を選んで「初期費用」を抑える
  • 不要なものを処分して「引越し費用」を抑える

具体的なポイントを解説しよう。

旧居を掃除して「退去費用」を抑える

退去費用としてかかる原状回復費用は、退去前に掃除をすることである程度は抑えられる可能性がある。破損した設備を元通りに修復する必要はないが、以下のポイントを押さえてできる限り出費を減らそう。

  • キッチンの油汚れやトイレの汚れを落とす
  • 不要なものを室内に残さず処分する
  • 壁などについた汚れをできる範囲で落とす

各所に汚れが残ったまま退去すると、部分清掃代として追加の費用がかかる場合もあるため要注意だ。できる範囲で構わないので、これまでの感謝の意味も込めて清掃しておこう。また、不要なものを室内に放置したまま退去すると、撤去費用が加算されてしまう。室内は空にして退去することが原則だと考えよう。

敷金礼金なしやフリーレントの新居を選んで「初期費用」を抑える

初期費用を抑えるためのポイントとして、以下の3点を紹介する。

  • 敷金や礼金がかからない物件を探す
  • フリーレント物件を狙う
  • 仲介手数料が安い不動産会社を探す

初期費用の大部分を占める敷金・礼金・仲介手数料をできる限り抑えることがポイントになる。敷金・礼金なし物件は全国的に増えているので、条件の良い物件を優先的に探そう。また、フリーレント物件を狙うのもひとつの手だ。

フリーレントとは、家賃が一定期間無料になる制度だ。例えば2ヶ月のフリーレント物件なら、入居から2ヶ月間は家賃がかからない。ただし、所定の契約期間終了前内に退去すると、退去時にフリーレント分の家賃が追加で請求される可能性があるため注意しよう。

不要なものを処分して「引越し費用」を抑える

引越し費用は、距離や日時、荷物の量によって決まる。距離や日時は自由に決めにくいが、荷物の量を減らすことは可能だろう。不要なものは捨てたり、売却したりして処分し、新居に持ち込む荷物を減らして引越し費用を浮かせよう。

同棲相手と別れた後でも連絡先は残しておこう!

同棲していた部屋からの引越しが完了したら、相手の連絡先はすぐに消したいと思う人も多いだろう。とくに、浮気や金銭トラブルなどで別れる場合、二度と連絡をしたくもないだろうし、連絡されるのも嫌かもしれない。

しかし、同棲解消後であっても、手続き関連や荷物のトラブルなどがあれば、連絡をしなくてはいけない。いざというときに連絡が取れず支障が出ることがあるので、しばらくの間は残しておいたほうが無難だ。

同棲解消が決まったら冷静に話し合い、スムーズに引越そう

一度は一緒に住むという決断をした二人。それなりの愛情も覚悟もあってのことだろう。同棲が解消されてしまう悲しさに加え、引越し作業など大変なことも多く、気持ちは落ち込んでしまうかもしれない。

しかし、逆に考えれば同棲解消は新しい人生の第一歩ともいえる。家具やお金のことはしっかり話し合って解決し、ぜひすっきりとした気分で新たな一歩を踏み出してほしい。

CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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