二重サッシ(窓)ってなに?複層ガラスとの違いやメリットをご紹介
窓には二重サッシや複層ガラスなさまざまな種類がある!
窓の結露がひどい、夏は暑くて冬は寒いなどということでお悩みではないだろうか。そのような悩みの多くは、窓ガラスに原因があることが多い。また、実際にリフォームの現場でも、二重サッシや複層ガラスに変更する人が増えている。
そこで今回は、二重サッシとはどのようなものなのか、複層ガラス(ペアガラス)とはどんな違いがあるのか詳しく解説していく。騒音や結露、断熱や遮熱に関してお悩みの人はぜひ参考にしてほしい。
このページの目次
二重サッシと複層ガラスってなにが違うの?
二重サッシと複合ガラスは、似たような意味が感じ取られることから混同されることが多い。実際に、どのように違うのか具体的に説明できるという人も多くはないだろう。ここでは2つの窓の特徴を解説していこう。
二重サッシは窓が二重になっているもの
二重サッシという言葉の通り、サッシが二重になっている窓のことを指す。通常では1枚だが、2枚の窓が別々に設置されている。
断熱効果が高く、東北や北海道の寒い地域の住宅では、賃貸でも当たり前に設置されている窓である。そのため、暖かい地域の住宅ではあまり採用されることがなかったが、断熱効果のほかに色々なメリットもあり、現在注目を浴びている窓だ
また、二重サッシは外からの防音効果が高いため、飛行機が頻繁に飛ぶ地域などで採用されることが多い。しかし、リフォームの場合は後付けできない場合もあるので注意が必要だ。なお、引き違いの窓にのみ取り付けが可能で、シャノンウインドウにはつけることができない。
複層ガラス(ペアガラス)とは
複層ガラスとはペアガラスと呼ばれるように、2つの窓がペアになって1つのサッシになったものだ。見た目は1枚のガラスのようで、断熱効果が高い。また、夏の蒸し暑い外気も遮ることができ、家の中の温度を過度に上昇させない効果があるため、光熱費の節約も可能となるのだ。
二重サッシのメリットとは?
それでは、二重サッシのメリットについて詳しく解説していこう。
【二重サッシのメリット①】断熱・遮熱効果がある
二重サッシにすることで、断熱、遮熱効果がある。そのため複合ガラスと同じように、冬は暖かく、夏は涼しいというメリットを受けられる。つまり、二重サッシも省エネ効果の高い窓といえる。
【二重サッシのメリット②】結露の防止に
一般的な窓ガラスは、寒い冬などに室内との温度差で窓に結露ができてしまう。結露が起こる理由としては、外の気温によって冷たくなった窓に、室内の暖かい空気が冷やされ、空気中の水分が水に変化するからだ。
窓の結露は、壁や窓の近くにある家具などにもカビが生える原因となるため、放置できない問題である。ところが、二重サッシは窓が二重になっているため、内側の窓ガラスの温度はあまり低くならない。つまり温度差が発生しないため、カビの発生といったトラブルも起きにくいのだ。
【二重サッシのメリット③】室外からの防音効果
二重サッシは、室外からの防音対策にも効果的だ。大きな幹線道路の近くにあるアパートや頻繁に飛行機などが飛ぶ地域のマンションでは、二重サッシが採用されているケースも多い。それほど、二重サッシは外からの防音効果が高いのだ。
さらに、ガラスとガラスの間に防音材フィルムが採用されている防音合わせガラスというものがある。このガラスはさらに防音効果が高いものなので、ピアノやギターなどの楽器を演奏したいという人にもおすすめだ。
【二重サッシのメリット④】防犯効果
二重サッシは防犯の面でも効果的だ。空き巣は主に窓から侵入するもので、鍵を壊して一瞬で侵入されてしまう。しかし、二重サッシだと窓の鍵を2回壊さないといけない。1秒を争う空き巣犯にとっては、二重窓の家には入りたくないというのが本音だろう。
二重サッシのデメリットとは?
二重窓は断熱性や遮熱性、外からの防音に効果的。さらに防犯効果もあるメリットの大きい窓だが、ここではデメリットについても解説していこう。
【二重サッシのデメリット①】窓を二回開け閉めしないといけない
二重サッシには窓が2枚ついているため、窓を二回開け閉めしなければいけない。換気したいときや、ベランダに出たいときなどもすぐに窓を開けることができず、面倒に感じてしまうことも少なくはない。窓を開けるときの手間がかかってしまうことがデメリットだといえるだろう。
【二重サッシのデメリット②】圧迫感がある場合もある
二重窓は窓が内側にあるため、外の景色が見えにくい。そして、窓が二枚あることによって圧迫感を覚えてしまう人もいるだろう。大きなサイズの窓であればより圧迫感を覚えてしまうので、開放的な部屋を希望している人であれば一度検討した方がよいだろう。
【二重サッシのデメリット③】価格が高い
賃貸に住んでいる人は自分でサッシを交換することはあまりないが、自己所有の家やマンションやアパート経営をしている大家さんにとって、二重サッシにすることは費用がかかる問題となる。窓の種類もさまざまで、機能性が高いものであれば1枚で10万円ほどかかるものまであるのだ。
【二重サッシのデメリット④】掃除が大変
二重サッシでは、窓掃除にかかる手間も増えてしまう。普段忙しいビジネスパーソンであれば、億劫になってしまうこともあるかもしれない。その代わり、中の窓にはホコリやゴミがつかないので、家の中を比較的きれいに保つことができる。
二重サッシのある物件がおすすめな人とは?
二重サッシのある物件がおすすめな人は、寒い地方に住んでいる人や、防犯対策を徹底している人などである。また、防音効果も高いので、外の騒音が気になる人や、生活時間帯が人と違うという人などにもおすすめだといえるだろう。
賃貸でも二重サッシを設置できる?
ところで、二重サッシは賃貸住宅でも設置できるのか気にはならないだろうか。賃貸住宅に住んでいる場合、勝手に二重サッシにしてしまうと退去の際に、原状回復義務が発生してしまうので注意が必要だ。
ガラス業者やリフォーム業者などのプロに依頼して二重サッシを設置したい場合は、必ず大家さんや管理会社に連絡を入れてから行うようにしよう。騒音が大きいなどの問題がある物件の場合は、大家さんが負担してくれることもある。
また、最近では賃貸住宅でも穴を空けず、内部に窓を設置くれる業者も多い。退去時にも窓を引き取ってくれるアフターフォローも行っているので、気になる方はこちらを利用するのもよいだろう。
また、プロのガラス業者やリフォーム業者などに依頼する代わりに、DIYで二重窓と似たようなものを設置することも可能だ。その際に、どのような効果がほしいのかを明確にすることが重要だ。
結露に悩んでいるなら結露防止シートを張る、断熱効果には断熱シートを張るなど、二重サッシにしなくても、アイディア次第で今の悩みを解決することができるだろう。
快適な一人暮らしのために二重サッシを視野に入れよう!
二重サッシには断熱効果や防犯効果といった多くのメリットがある一方、デメリットもある。また、賃貸物件であっても、窓に穴などを空けないはめこみ式のものであれば設置することも可能である。結露や防音、断熱や遮熱の悪さでお悩みの人は、二重サッシを設置して、快適な生活を手に入れよう!