小説『1リットルの涙』の舞台・豊橋は美しい池に癒やされる街だった【住む街ガイド】
小説『1リットルの涙』(木藤亜也・著)の舞台・豊橋。小説ではない日記という現実の重さを豊橋という街が受け止める。彼女が見つめていた景色を共有したくなる

1リットルの涙
木藤亜也・著 575円 幻冬舎文庫
『1リットルの涙』のあらすじ
「病気は、どうしてわたしを選んだのだろう」
脊髄小脳変性症という原因不明の難病により、25歳でこの世を去った著者の、発病から20歳までの日記を収めた文庫版。本人が綴ることが難しくなった以降をまとめた母・潮香さんの手記もぜひ併読を。
忍び寄る病を怖れつつ訪れた池のほとり
豊橋市街の中心部に近い場所に、向山大池がある。ここは、亜也が養護学校への転校を考えている時期に、友人のSちゃんと訪れた場所だ。季節は冬。日記の中で彼女が「渡り鳥の鳴き声を聞きながら話した」と書いているように、冬には水面に数多くの渡り鳥が遊ぶ。小説ではない現実の日記、近くには実際に彼女が通っていた母校、豊橋東高校があり、ドラマではロケも行われている。
このあと、彼女の日記にはほとんど屋外の描写がなくなり、病状の進行と共に日記自体が4年後には途切れてしまう。架空世界の小説と違い、難病で亡くなったことを考えると重いけれど、彼女が見つめていた景色を共有したくなる。
小説に登場するスポットを歩いてみよう!
スポット①:向山大池

江戸時代初期に作られた向山大池
向山大池は江戸時代初期に作られたため池。周辺は向山緑地公園として整備され、市街地の中にある市民の憩いの場所として親しまれている。4月下旬にはつつじまつりも開催される。
●住所:愛知県豊橋市向山町字池下
●アクセス:JR・名鉄豊橋駅からバス「大池」または「台町」下車徒歩1分
豊橋の暮らしやすさについて
愛知東部の中核都市。東へ向かえば浜松駅までJR東海道線で約34分、新幹線なら1駅で約12分。西へは名古屋鉄道で名鉄名古屋まで約49分、東海道新幹線で約30分。駅までの距離にもよるがこのあたりが通勤範囲。温暖で海と山に恵まれ、快適に暮らせるはず。ただし、買い物に限らず生活を便利にするにはマイカーが必要だろう。
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文=上田泰久
写真=阿部昌也
※「CHINTAI2017年9月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
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