【住む街ガイド】小説『名古屋16話』の舞台・熱田は「神宮の杜」に守られた街だった

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小説『名古屋16話』の舞台・熱田には、尾張名古屋発祥の街大都会の中で唯一古代のままに残された杜がある。街のどこからでも見えるその圧倒的な緑に、この街の魅力をみた

 名古屋16話 吉川トリコ・著 1620円 ポプラ社

名古屋16話
吉川トリコ・著 1620円 ポプラ社

『名古屋16話』のあらすじ

名古屋在住で知られる著者が、市内16区を舞台に描いた物語。1話わずか10ページに満たないショートストーリーにもかかわらず、それぞれの異なる街の匂いや色が感じられ、地元の人々だけでなく、旅のガイド本としても役立つこと間違いなし! 長野、静岡、滋賀、三重、福井などを舞台にした「8の旅」も収録されていて、お得感もアリ!

一歩入れば別世界地元民に敬愛される街

「―――熱田さんの大鳥居をくぐって一歩足を入れるとまるきり別世界だった。ひんやりした風が吹きわたり、木々の隙間からわずかに注ぐ光が荘厳な杜の中を跳ねまわる」

『名古屋16話』の第十六話、熱田区。父母の離婚によって三重に転居した主人公が訪れたのは、父と行った思い出のある熱田神宮だった。巨大な緑の社は、ほとんど起伏がない名古屋という大都会の中で、遠くからでもその威容を見せつけている。東京で言えば明治神宮を連想するけれど、その社叢の深さが違う。なんといってもヤマトタケルノミコト以来の古代から続く神社なのだから。

「―――なにかいる、という気配がぴりぴり肌を刺すように感じられて」という主人公の子どもの頃の感覚は、大げさではない。大きな鳥居をくぐるたびに改まって頭を下げる人々が多いのも、ここが観光スポットという以上に地元の人々の尊崇を受けていることがわかる。

森を右に見て、南へ迎えばあつた蓬莱軒、そこから東海道を西に進めば堀川を渡る白鳥橋。今は市街地に埋もれていても、中世まで湊町だった名残のように、潮の香が満ち潮に乗って川を遡ってくる。

小説に登場するスポットを歩いてみよう!

スポット①:熱田神宮

三種の神器の一つ、草薙剣を祀る日本有数の古社、熱田神宮

三種の神器の一つ、草薙剣を祀る日本有数の古社、熱田神宮

 国道19号に架かる歩道橋から熱田神宮を望む

国道19号に架かる歩道橋から熱田神宮を望む

かつては伊勢湾に突き出た岬に位置していたという。この短編の主人公は、熱田神宮を再訪しながら過去を振り返っていく。作中には「ああ、気持ちええなあ。やっぱりここは神様のいるところや」という描写も。

●住所:愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1
●アクセス:名鉄神宮前駅から徒歩3分
●開門時間:参拝は24時間可能

スポット②:あつた蓬莱軒

全国的に知られるひつまぶしの名店、あつた蓬莱軒

全国的に知られるひつまぶしの名店、あつた蓬莱軒

刻み込んだ蒲焼きをご飯にのせ、タレをかけたひつまぶしは名古屋の名物料理で、この蓬莱軒が起源ともされている。作中では主人公が父の再婚相手の母子と引き合わされる場所となっている。

●住所:愛知県名古屋市熱田区神戸町503
●アクセス:地下鉄名城線伝馬町駅から徒歩7分
●TEL:052-671-8686
●営業時間:11:30~14:00(L.O)、16:30~20:30(L.O)
●定休日:毎週水曜日・第2、第4木曜日(祝日は営業)

熱田周辺の暮らしやすさについて

名鉄神宮前駅から名鉄名古屋駅へはたった2駅、7分ほど。市バスを含め交通手段が多いのでどこへ行くにも便利なエリア。買い物では北に大型店のイオンモール、神宮前駅の東にアオキスーパーなどがある。名古屋高速、国道1号、国道247号と幹線道路があり車移動にも便利だが、交通量が多いので騒音には気を付けて物件を選びたい。

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文=上田泰久
写真=阿部昌也

※「CHINTAI2017年9月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
※雑誌「CHINTAI」2017年11月24日発売号の特集は「賃貸DIY」。こちらから購入できます(毎月24日発売)
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