手取り20万で一人暮らしする場合の家賃目安は?生活費をシミュレーション
手取り20万円で一人暮らしする場合の家賃・生活費の目安について徹底解説!

手取り20万円で一人暮らしをしたいけど、どんな生活になるのか想像がつかないという人もいるだろう。
この記事では、「手取り20万円」で一人暮らしをするための家賃の目安について解説する。実際の生活費のシミュレーションや、一人暮らしの節約のコツもあわせて紹介するので要チェックだ。
この記事でわかること
手取り20万円での適正家賃は、6〜7万円
生活費・貯金額シミュレーション!食費の目安は約3.8万円
家賃の安い物件を探すには、都心から離れてみること
このページの目次
「手取り20万円」とは?「月収20万円」との違い
適正家賃について確認する前に、「手取り」の定義を整理しておきたい。
「手取り」は、月収の中から社会保険料、所得税、住民税などが引かれたあと、いわゆる「控除」後の金額のこと。
一方の「月収」とは、それらが差し引かれていない状態の収入を指す。手取りとは、「毎月手元へ入ってくる金額」と考えると良いだろう。
会社員の場合、勤めている会社の制度によって、控除される項目が変わる。具体的には、社会保険に加入していない会社の場合、自分で国民健康保険料を支払う必要があるなどだ。また、フリーランスや個人事業主など確定申告を行う場合は、自身でより細かく確認しておく必要がある。
まずは直近の入出金を確認して、自分の「手取り金額」を正確に把握しよう。
手取り20万円の人の月収・年収はいくら?

一般的に「年収」は、手取りの金額ではなく、社会保険料や税金、その他項目が控除される前の「総支給額」で表される。
月収・年収の目安は、一般的に下記の式で算出できる。
手取り=月収の75%~85%
年収=月収×12+ボーナス
上記を踏まえて、手取り20万円前後の月収と年収を計算してみよう。
手取り15万円、20万円、25万円の月収・年収目安
手取り15万円 | 手取り20万円 | 手取り25万円 | |
月収目安 | 17.6~20万円 | 23.5~26.6万円 | 29.4~33.3万円 |
年収目安 | 200万円~240万円 | 280万円~320万円 | 350万円~400万円 |
手取り20万円の場合の家賃はいくらが適正?
一人暮らしの中で、家賃が占める割合は非常に大きい。手取り20万円の人は、どのくらいの家賃の物件に住むのが適正と考えられるのだろうか。
手取り20万円で一人暮らし:適正家賃は6~7万円
一般的に家賃は「手取りの3分の1」が適切だといわれている。手取り20万円の場合、3分の1は約6.6万円なので、6万〜7万円前後を目安に賃貸物件を探そう。
手取り20万円前後の適正家賃の目安は、以下の通りだ。
手取り15万円 | 手取り20万円 | 手取り25万円 | |
適正家賃 | 約5万円 | 約6.6万円 | 約8.3万円 |
なお、ここで指す家賃とは、毎月家賃とあわせて支払う必要のある「共益費・管理費」を家賃と合算した金額である。賃貸物件を探す際には、共益費や管理費も合わせた合計金額で検討しよう。
また、多くの賃貸借契約では、2年に1度などの頻度で契約更新が発生する。その際、家賃1ヶ月分などの追加費用(更新料)が必要となる場合がある。年間の支払い計画に入れておくとよいだろう。
手取り20万円で一人暮らし:東京23区内に住むのは難しい?
手取り20万円の場合の適正家賃にあたる6万〜7万円の賃貸物件は、どんな物件になるのだろうか。
23区の中で家賃相場が安い区である葛飾区、江戸川区、足立区、練馬区の一人暮らし向け賃貸物件(ワンルーム〜1DK)の平均家賃を比較してみよう。
江戸川区 | 葛飾区 | 足立区 | 練馬区 | |
家賃相場 | 6.3万円 | 6.5万円 | 7.1万円 | 7.6万円 |
上記の4つの区であれば、手取り20万円の適正家賃に近い。港区など人気のあるエリアは高額(約13.9万円)になるため、希望している条件を妥協する必要がでてくるだろう。
試しに、CHINTAIネットにて「23区内の共益費・管理費込み6.5万円以下の物件」を調べてみた。2022年11月時点で30,420件ほどのヒットがあった(物件が一部重複している可能性はある)ので、どんな物件があるか確認してみてもいいだろう。
都内の家賃相場については、記事後半でもより詳しく解説しているので参考にしてほしい。
最適な家賃を算出する方法

前述の通り、手取り20万円で一人暮らしする場合の適正家賃は6〜7万円程度だ。
ただし、こちらはあくまでも目安の金額である。ここからは、より自分のライフスタイルに合った家賃を算出する方法を紹介する。
最適な家賃を算出する方法①:家賃以外に発生する費用を確認しておく
一人暮らしをするには、家賃以外にも光熱費などさまざまな費用がかかる。特に変動費である食費や交際費は、人によって大きく差が出る項目だ。
こうした家賃以外にかかる生活費をあらかじめ見積もっておくことで、家賃に費やすことができるリアルな金額を算出できるのだ。
具体的な費用に関しては、本記事後半の生活費・貯金額シミュレーションをチェックしよう!
最適な家賃を算出する方法②:予算は「管理費・共益費」を含めた合計金額で決める
前述の通り、賃貸物件を探す際には、管理費や共益費も合わせた合計金額で検討しよう。
ちなみに「管理費」「共益費」とは、どちらも賃貸物件の共用部分の管理に必要な費用のこと。
賃貸物件には、
- 毎月家賃とは別に、共益費・管理費を支払う必要がある物件
- 共益費・管理費が家賃に含まれている物件
の2種類がある。そのため、賃貸物件を借りる前に、その物件がどちらに該当するのかを事前に確認しておくことが重要だ。
共益費と管理費について詳細を知りたい人は、下記の記事で確認しよう。
手取り20万円で一人暮らしする場合の生活費シミュレーションと節約術

手取り20万円で1ヶ月間一人暮らしをする場合、生活費はどれくらいになるのだろうか。総務省の家計調査をもとに、【都内に住む手取り20万円の社会人】の想定でモデルケースを算出してみた。
実際の金額は人によって差があるので、あくまで目安として考えておこう。
家賃 | 約6.6万円 |
食費 | 約3.8万円 |
光熱費 | 約0.9万円 |
水道代 | 約0.2万円 |
通信費 | 約0.9万円 |
交際費や娯楽費 | 約2.2万円 |
日用品や雑費 | 約2.1万円 |
貯金など | 約3.3万円 |
合計 | 約20万円 |
この表を見るとわかるように、大きなウェイトを占めるのが家賃だ。手取り額に応じた適切な家賃の物件を選ぶことにより、生活費のバランスを整えやすくなる。
手取り20万円一人暮らしの生活費①:食費
食費の目安:38,000円
基本的に食費は家賃の次に大きな支出だ。頻繁に外食をすると食費が上がりやすいため、自炊中心の生活にすることで出費を抑えられる。
自炊が苦手な場合でも、ご飯だけは自分で炊いて、おかずはスーパーの惣菜やレトルトを活用するなどの方法もある。ぜひ自分に合った節約術を見つけてほしい。
手取り20万円一人暮らしの生活費②:光熱費
光熱費の目安:9,000円
電気代とガス代を合わせた費用が光熱費だ。光熱費は季節によって変動するが、特にエアコンを使う夏・冬は高くなりやすい。ガスは一般的に、プロパンガスよりも都市ガスのほうが安いため、物件選びの際は都市ガスが導入されている物件を優先しよう。
手取り20万円一人暮らしの生活費③:水道代
水道代の目安:2,000円
水道代は2ヶ月に1回、2ヶ月分が請求される。あくまでも目安だが、2ヶ月に1度4,000円程度請求されると考えよう。水道代を節約するために湯船に浸かる回数を減らし、シャワーですませる人もいるが、特に冬は温まるためにシャワーを出しすぎてしまうケースも。追い焚き機能がある物件であればお湯をためた方が割安の場合もある。
手取り20万円一人暮らしの生活費④:通信費
通信費の目安:9,000円
スマホ代やWi-Fi、光回線の利用にかかる費用が通信費だ。現在は格安SIMや低価格なプランも増えているため、節約できるサービスがないか探してみよう。また、「インターネット無料」の物件を選ぶと、通信費が家賃に含まれるため同じ家賃の物件であればお得である。
手取り20万円一人暮らしの生活費⑤:交通費・娯楽費
交通費・娯楽費の目安:22,000円
通勤・通学にかかる電車代など避けられない出費も含まれるが、自転車や徒歩などの移動を増やすことで節約できる。1駅違いで電車の運賃が上がる場合、1駅手前で降りて自宅まで歩けば、節約しながら健康の維持もしやすくなる。
手取り20万円一人暮らしの生活費⑥:日用品費
日用品費の目安:21,000円
以下のような品物を購入する際にかかる費用が「日用品費」にあたる。
- ティッシュペーパーやシャンプー、せっけん、生理用品などの消耗品
- 衣類
- 雑費
消耗品は格安なスーパーに出かけたり、まとめて購入したりすることで節約につながる。コンビニは割高なことが多いので、なるべく安いスーパーまで足を延ばして購入しよう。
手取り20万円一人暮らしの生活費⑦:その他(貯金など)
その他の費用の目安:33,000円
その他の費用として33,000円前後の余裕をもたせておくと良い。
基本的には貯金に回す費用だが、冠婚葬祭費や医療費のように急に必要になる出費もある。余剰金が発生しそうな場合でも、その分を食費、交際費などに充てるのではなく、万一に備え貯金しておくことが大切だ。
家賃の安い物件を探すコツ

住む街を決めるのは、部屋探しの楽しみのひとつ。生活費の試算をした後は、家賃の安い物件を探すコツもチェックしておこう。
自分が納得できるラインを決めることで、なるべく家賃を抑えながら物件を探すことができる。早速、家賃の安い物件を探すポイントについて確認していこう。
家賃の安い部屋を探すコツ①:都心エリアから離れてみる
ここでは「東京で一人暮らし」をする場合で考える。23区だけでもかなり範囲が広いが、市部を入れれば選択肢はさらに広がる。都内のそれぞれのエリアにおける家賃相場(1R~1DK)を調べてみた。
平均家賃(1R・1K・1DK) | 市区町村 |
---|---|
~5万円 | 武蔵村山市:4.20万円 八王子市:4.30万円 多摩市:4.30万円 東大和市:4.40万円 東村山市:4.40万円 小平市:4.40万円 東久留米市:4.50万円 日野市:4.50万円 清瀬市:4.80万円 あきる野市:4.80万円 青梅市:4.80万円 西多摩郡瑞穂町:4.90万円 稲城市:5.00万円 |
~6万円 | 国立市:5.20万円 昭島市:5.20万円 国分寺市:5.30万円 西東京市:5.37万円 福生市:5.40万円 狛江市:5.40万円 立川市:5.40万円 府中市:5.50万円 小金井市:5.70万円 江戸川区:5.90万円 調布市:5.50万円 三鷹市:6.50万円 羽村市:6.00万円 |
~7万円 | 葛飾区:6.20万円 町田市:6.20万円 足立区:6.50万円 |
~8万円 | 練馬区:7.20万円 武蔵野市:7.20万円 杉並区:7.40万円 板橋区:7.70万円 中野区:8.00万円 |
~9万円 | 荒川区:8.25万円 世田谷区:8.30万円 北区:8.40万円 豊島区:8.40万円 |
それ以上 | 文京区:9.90万円 墨田区:9.90万円 大田区:8.30万円 目黒区:9.90万円 品川区:10.20万円 江東区:10.40万円 目黒区:10.50万円 台東区:11.00万円 新宿区:11.40万円 中央区:10.40万円 渋谷区:10.50万円 港区:12.40万円 千代田区:13.20万円 |
千代田区や港区といった都心エリアの平均家賃は、手取り20万円の人の適正家賃である6~7万円の2倍近く。基本的には都心から離れるほど家賃は安くなる傾向にある。通勤・通学時間は増えるかもしれないが、手っ取り早く家賃を抑えることができる方法だ。
家賃の安い部屋を探すコツ②:徒歩分数を伸ばしてみる

都心から離れたエリアの物件ではなく、駅から少し距離のある都心の物件を選ぶのも1つの手だ。
基本的に駅から近い物件は家賃が高く、駅から離れるにつれて安くなっていくとされる。そのため、駅徒歩15分以上の物件を探せば、都心の物件であっても比較的家賃の安い物件を見つけやすくなる。
家賃の安い部屋を探すコツ③:築年数の古い物件をねらう
新築や築浅の賃貸物件は人気があり、家賃も高い。対して築年数の古い物件は、新築や築浅の物件に比べて家賃が安い。また、内装のリノベーションや、設備の交換などがされているケースもあるので、建物の古さを気にしなければ家賃を抑えられる。
しかし、築年数の古い賃貸物件の場合、気密性が低くエアコンなどの空調が効きにくい場合がある。その結果、電気代がかさんでしまうケースもあるので、建物の構造を調べたり、内見で窓や室内の様子を確認したりして総合的に判断しよう。
家賃の安い部屋を探すコツ④:収納スペースを妥協する
収納スペースが広い部屋は、収納スペースが狭い部屋よりも家賃が高めな傾向にある。同じような間取りの場合でも、収納スペースを少々妥協することで家賃を節約できる。
収納付家具や収納アイテムを活用すれば、収納スペースを増やすこともできるので、荷物の量を考慮し、自分に合った収納スペースを考えてみよう。
手取り20万円で一人暮らしは可能!なるべく家賃の安い部屋を探そう
手取り20万円で一人暮らしをする場合、適正家賃は6〜7万円となる。住むエリアや希望する条件を譲歩すれば、23区内であっても適正家賃内で部屋を見つけることが可能だ。
ただし上記はあくまで目安。食費や娯楽費、貯金など、必要な支出をしっかり想定しておくことで、より現実的な家賃設定ができるはずだ。自分のライフスタイルに合った物件を見つけて、一人暮らしを満喫しよう!
文=CHINTAI編集部
2022年11月加筆=CHINTAI情報局編集部