オートロック付きマンションは安全?メリット・デメリットについて解説
多くの人が気になる、マンションの「オートロック」の有無

オートロックは、賃貸物件のセキュリティとして代表的なもののひとつだ。物件探しの際に条件に入れる人も多いのではないだろうか。しかし、本当にオートロック付きのマンションは安全なのか、不安に思う人もいるはず。
今回は、オートロック付きマンションのメリット・デメリットや、注意点などを解説していく。これから賃貸物件を探す人は、ぜひ参考にしてほしい。
このページの目次
そもそもオートロックとはどんなもの?
国土交通省の「住生活総合調査結果」によると、オートロックとは以下のような定義となっている。
”建物内に共用玄関のドアがあり、外からドアを開けるためには、鍵や暗証番号などを用いるか、居住者などに内側から鍵を解除してもらう必要がある共同住宅”
国土交通省住宅局 平成30年 住生活総合調査結果
オートロックは、カードや鍵、暗証番号が認証されると共用玄関の扉の鍵が開くシステムだ。扉が開いた後は一定の時間が経つと、自動的に施錠される。これがオートロックといわれる由縁である。
オートロック付きマンションを選ぶメリット

オートロックは来訪者を確認してから施錠を解除できるため、許可のない部外者の共用玄関からの侵入を防ぐことができる。カメラ付きなら訪問者を目視でも確認できるので、入居者にとってはより安心といえるだろう。
オートロックのメリットは3つある。
オートロックのメリット①:不審者が侵入しづらい
オートロックのマンションに共用玄関から入るには、中から開けてもらう以外に鍵やカード、もしくは暗証番号を知っている必要がある。基本的に住民や管理会社などの関係者以外は、施錠されたドアを開けることはできないということだ。
自分の住んでいるドアの前まで知らない人間が入ってくる可能性が下がるので、一人暮らしの場合は特に安心感があるだろう。
オートロックのメリット②:セールスや勧誘を回避できる
セールスや勧誘が苦手という方は、来訪者とインターホン越しにやりとりができるので、心理的な負担が少なくて済む。
カメラがあるマンションなら、知らない人の場合には応答しないこともできるので、会話自体を回避できるのだ。
オートロックのメリット③:空き巣に入られにくい
オートロックのマンションは住居に侵入するまでに時間がかかってしまうため、オートロックなしの場合に比べると空き巣対策に効果的といえる。ただし、一度建物に入ってしまえば自由に動けるので、オートロックだからといって住戸の鍵をかけ忘れることのないように注意しよう。
また、オートロック付きのマンションは、共用玄関などに防犯カメラが付いていることも多い。設備としてついているかどうか、あわせて確認してみよう。
オートロック付きマンションに入居するデメリット
安心感という面ではメリットばかりのオートロックだが、お部屋さがしの前にデメリットも押さえておきたい。ひとつずつ見ていこう。
オートロックのデメリット①:家賃が高い傾向がある
オートロック付きのマンションは、共用玄関があるようなしっかりした造りのマンションがほとんど。同じような立地や同じような間取りであっても、マンションの方がアパートに比べて家賃相場は高くなる。
さらに、オートロックが付いたマンションは、オートロックが付いていないものより家賃が高めに設定されている傾向がある。
オートロックのデメリット②:鍵を忘れたり紛失したりすると締め出される
鍵を使うタイプのオートロックの場合、鍵を忘れて外に出てしまうと建物の中に入ることができなくなる。
一人暮らしや同居人が出かけている場合、中から開けてもらうことも難しい。大家さんに連絡するか、ほかの住民が通るまで待ちぼうけという事態になってしまうのだ。
オートロックのデメリット③:郵便物を共用玄関まで取りに行かなければいけない
住戸の前まで届く宅配便などと異なり、新聞や郵便物は共用玄関の集合ポストに配達される。オートロックのないマンションだと住戸のドアにポストがついている場合があるが、オートロックでは共用玄関まで取りに行かなければならない。
オートロックの種類
オートロックと一口にいっても種類や特徴が異なる。どのようなものがあるのか、ひとつずつ見ていこう。
オートロックの種類①:集合キー式
集合キー式は個室の玄関と同じキーを使用する。ひとつの鍵で共用玄関と住戸のドアの両方を開けることができる。そのため、鍵を別々に持つ手間もない。オートロックのなかでは、もっとも多いタイプといわれている。
複製のリスクがあるため、セキュリティに関してはほかのタイプのオートロックより弱いといえる。
オートロックの種類②:暗証番号式
暗証番号式は、番号を覚えていれば解除できるため、鍵やカードを忘れたり紛失したりして締め出される心配がない。
しかし、シンプルな分、暗証番号を入力している場面を部外者に見られるおそれがあるので、周囲に注意しながら解除しよう。
オートロックの種類③:カードキー式
カードキー式とは、カードを差し込んだりかざしたりして施錠を解除する方法だ。財布や定期入れ、スマホケースなどに収納できるので、持ち運びに便利である。
住戸の鍵だけをもって外出してしまい、うっかり締め出されないように注意が必要だ。
オートロックの種類④:ハンズフリーキー(非接触)式
ハンズフリーキーは非接触タイプともいわれ、ICチップが付いたタグやキーなどを近づけると施錠を解除できる。カバンやポケットに本体の鍵が入っていても施錠を解除できるので、両手がふさがっている場合にも便利だ。
最近ではスマホのアプリに対応しているものもあり、スマホ画面で「解錠」を押すことでドアが開く。
オートロックの種類⑤:指紋認証式
あらかじめ認証システムに登録した指紋が、センサーに押し当てた指紋と一致した場合に開錠できるタイプだ。指紋の一致率は極めて低く、大規模マンションだとしても防犯性能が下がることはないという。
オートロックの種類⑥:顔認証(生体認証)式
スマホでもおなじみの顔認証(生体認証)システムは、オートロックにも応用されはじめている。精度の高い顔認証システムの場合、双子であっても違いを見分けられるという。機器に触れる必要もないため、衛生面でも優れているといえそうだ。
オートロックでも気をつけるべきポイント・防犯対策
オートロックというとつい油断してしまいがちだが、基本的な防犯対策は忘れずにおこないたい。
基本的な防犯対策:オートロックを過信しない
オートロック付きのマンションだからといって、「建物の中にいる人=住民・関係者」であるという保証はない。宅配業者などになりすましたり、住民が出入りする際の隙を利用したりと、侵入される可能性は大いにある。
また、同じマンションの住民が犯罪をおかしてしまう場合もあるかもしれない。オートロックだからと油断することなく、玄関や窓はしっかり施錠しよう。
基本的な防犯対策:共用玄関・住戸に入る前に後ろを確認する
共用玄関や自分の住戸に入る前は必ず振り返り、怪しい人がいないか確認しよう。オートロックは勝手に鍵がかかるので、扉が閉まったあとに施錠されるかを少し待つのもいいかもしれない。もしも怪しい人物がついてきた場合は、一度その場から避難して、様子を見よう。
基本的な防犯対策:エレベーターの同乗者にも注意する
エレベーターの同乗者が不審者である可能性もある。
特に自分と同じ階でエレベーターを降りてきた場合は警戒心を高めよう。住戸に押し入られて被害に遭うケースもあるため、入室前は周囲を確認しておきたい。
オートロックの鍵を失くしてしまったときはすぐに連絡を!
便利なオートロックだが、鍵を失くしてしまった場合の影響も大きい。自分だけではなく、同じ建物の入居者の安全にも関係してくるからだ。
鍵やカードのスペアがあったとしても、落とした鍵を拾った人が侵入するおそれがあるので、すぐに大家さんや管理会社へ連絡をしよう。
オートロック付きマンションでも油断は禁物!しっかり防犯対策しよう
オートロック付きのマンションに住むことのメリットやデメリット、注意点などを詳しく解説した。
オートロック付きといっても、侵入方法はたくさんあるので過信してはいけない。身の回りの防犯対策や、鍵やカードの管理をしっかり行いつつ、メリットがいっぱいのオートロックマンションの生活を楽しもう。
文=CHINTAI編集部