長押(なげし)とは?賃貸の壁にある木の板の上手な使い方・活用方法をご紹介!

最終更新日:

そもそも「長押(なげし)」とは

長押とは

一人暮らしのために部屋を探す際、部屋の壁に木の板があるのを見たことはないだろうか。

木の板の正体は「長押(なげし)」というもので、もともとは柱と柱を固定させるために使われていたものである。補強の役割があり、鴨居の上にあることが多いが、現在では収納やインテリアとして取り付けられていることが多い。

そこで今回は活用次第では便利な収納である、長押の上手な使い方を紹介する。

長押と鴨居の違いとは

「長押」と似ているものに「鴨居」があるが、2つにはどのような違いがあるのだろうか。

「長押」が柱を支えるための化粧板なのに対して、「鴨居」はふすまや障子などの建具を滑らせるために使われるものである。引き戸を開閉するための溝がついており、レールの役割を果たしている。

「長押」と「鴨居」は、どちらも開口部の上部についているので混同しがちだが、用途はそれぞれ異なる。

最近では洋室に長押がついていることが多い

長押とは

長押は日本の木造建築において、柱と柱を固定するために用いられてきた。しかし建築技術の発達により、現在は本来の役割ではなくインテリアや収納としてつけられている。

また和室につけられる長押だが、洋室についている賃貸物件も少なくはない。内見の際、部屋の壁に木の板がついていたらそれは長押であることが多い。

一見すると不必要なものにも思えるが、さまざまな活用方法がある便利なものである。

長押のメリット

長押の大きなメリットは、収納ケースや収納ボックスなどを使わずに収納できることだ。

一人暮らしの賃貸物件は、収納スペースが限られていることも多い。新たに収納ケースや本棚を置くと手狭になり、洋服や本の置き場所に困るが、そんな悩みを解決してくれるのが長押だ。

長押を取り付ければ、壁一面が収納スペースに変わる。部屋だけでなく洗面所や玄関、キッチンにも取り付ければ壁に浮かせた収納が可能になり、掃除も簡単だ。

また、部屋のコーナーに長押を取り付け、突っ張り棒や物干し竿を渡せば室内干しのスペースができる。使い方次第で幅広い活用法があるのも、長押のメリットといえる。

アイディア次第で色々使える!長押の活用方法!

次に、具体的な活用方法を紹介しよう。主な長押の活用方法には以下の4つがある。

1.ハンガーやフックを長押に引っかける
2.立てかけてディスプレイに
3.引っかけてインテリアに!
4.長押専用のフックを活用して収納を増やす

上手に活用すれば、自分の好みや生活スタイルに合った理想の部屋づくりが可能だ。一人暮らしのインテリアの参考にしよう。

ハンガーやフックを長押に引っかける

まずは、長押にハンガーやフックを引っかける活用法だ。

奥行きのある長押はハンガーやフックがかけやすいため、コートやバッグを吊るして見せる収納にすることができる。お気に入りの洋服を飾ったり、一時置きをしたりと幅広い使い道が可能だ。特にクローゼットが狭い部屋にとって、長押は収納に一役買う大事なものになるだろう。

お店のようにきちんと整理して、おしゃれな空間を演出しよう。

長押の上に立てかけてディスプレイに

2つ目は、長押に立てかけてディスプレイにすることだ。

長押の上に時計や写真、絵画などを立てかけるだけで、おしゃれなディスプレイスペースになる。海外のファッション雑誌や好きな本を立てかければ、カフェのような空間にすることも可能だ。

またコンセント近くに長押を取り付ければ、スマートフォンやタブレットの充電スペースにもなる。テーブルや床がコードで散らからないうえに、見た目にも美しい。

長押に引っかけてインテリアに!

3つ目の活用法は、長押に引っかけてインテリアにする方法だ。クリアポケットやピンチを引っかけ、ポストカードや飾りを吊るすと簡単にインテリアになる。

ドライフラワーや観葉植物を吊るすのもひとつのアイディアだ。場所を取らずにリラックスできる空間が生まれる。

また、クリスマスのリースや正月飾りを飾れば、インテリアにも季節の移り変わりを感じられるだろう。

長押専用のフックを活用して収納を増やそう

最後は、長押専用のフックを活用し収納を増やす方法だ。長押専用のフックにはさまざまな素材や種類がある。

棚を取り付けられるフックを利用すればさらに収納の幅が広がる。ちょっとした本棚やアクセサリー置き場にぴったりだろう。

長押を玄関に取り付ければ鍵や傘の収納になり、トイレに取り付けると掃除道具の収納場所になる。リモートワークをしている人はデスクの周辺に取り付け、文房具や資料置き場にするのもいいだろう。

一人暮らしは収納が少ないことが多いため、長押の活用で収納が増やせるのはうれしいポイントだ。

長押を後付でつけるときの注意点

長押は活用のアイディア次第で壁がインテリアとなり、収納スペースにもなる。賃貸物件に長押がない場合は、後付で取り付けてもいいだろう。しかし長押を後付でつける際には注意点もある。

長押を後付でつけるときには、以下の3つに注意をしよう。

1.耐荷重を確認する
2.材料が用途に合っているか
3.壁を傷つけないようにする

それぞれひとつずつ見ていこう。

耐荷重を確認しよう

まずは、耐荷重を確認することだ。便利だからとあれもこれもと置きがちだが、耐荷重を超えると破損し、さらには壁を傷つける場合がある。

購入前に耐荷重を必ず確認し、長押には重いものを立てかけないようにしよう。

材料が用途と部屋の雰囲気に合っているか

2つ目は、材料が用途や部屋の雰囲気と合っているかに注意することだ。

長押は部屋の壁だけでなく、洗面所やキッチンにつけることも考えられる。ただしすべて木材の長押をつけてしまうと、せっかくの長押が使えなくなってしまうため注意が必要だ。

洗面所やキッチンなどは、水に強いステンレス製やアルミ製の長押にするなど、場所に合った材質のものを選ぼう。

長押に小物を飾るのか、収納として使うのかなど、用途によって選ぶのも大切だ。小物を飾るつもりで買った長押に、収納棚を取り付けると破損する可能がある。どんな目的で長押を使うのか、事前に決めて購入すると失敗が少ない。

また、材質を部屋の雰囲気に合わせて選ぶと統一感が出る。ぬくもりのある部屋には木目調、モノクロを基調とした部屋にはステンレスのものを選ぶなど、部屋の雰囲気に合わせると長押が悪目立ちすることが少なくなる。

賃貸では壁を傷つけないように注意しよう

3つ目の注意点は、壁を傷つけないようにすることだ。

壁にピンの跡が残るだけでなく、場合によっては壁紙が剥がれてしまうことがある。壁を傷つけないためにも、賃貸物件用のピン跡が目立ちにくいものや、跡が残りにくいものを選ぼう。

また、取り付ける壁の材質にも気をつける必要がある。石膏ボードやベニヤなど、購入する前に壁の種類を確認しておこう。壁の材質に合わないものをむりやり取り付けると、壁が傷ついてしまうので注意が必要だ。

入居者の過失による損耗は、修繕費を負担することになる。退去時のトラブルにならないよう、長押を取り付ける前にまずは大家さんに相談をすると安心だ。

長押を活用して一人暮らしを快適にしよう!

長押は耐荷重や材質に注意すれば、壁一面をインテリアにすることができるものだ。またコートをかけたり、小物を収納したりと収納スペースがさらに広げることもできる。

長押は上手に活用すれば、自分だけの部屋づくりが可能だ。使い方が自由な長押で、快適な一人暮らしを送ろう。

文=CHITNAI編集部

CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

リンクをコピー
関連記事関連記事