【最新版】TSUTAYA TVのおすすめ映画作品20選を解説!メリットとデメリットは?

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TSUTAYA TVで見放題!なおすすめ映画20作品

ここから、TSUTAYA TVに加入したらぜひ観てほしい、おすすめの映画20作品を紹介していく。
いずれも、大手の配信サービスであるAmazonプライムとNetflixで現在は見放題ではない作品を選出している(HuluやU-NEXTなどで見放題の作品は含んでいる)。
配信作品に関しては最新の情報と異なる場合があるので、詳しくは公式ページで確認してほしい。
※見放題の情報は、2020年10月時点のものです。

この記事で紹介している映画

  1. 1:『スリー・ビルボード』(2017)
  2. 2:『ルーム』(2014)
  3. 3:『ガラスの城の約束』(2017)
  4. 4:『THE GUILTY/ギルティ』(2018)
  5. 5:『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)
  6. 6:『デッドプール』(2016)
  7. 7:『ローガン』(2017)
  8. 8:『キングスマン』(2014)
  9. 9:『グリーンブック』(2018)
  10. 10:『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019)
  11. 11:『さよならくちびる』(2019)
  12. 12:『(500)日のサマー』(2009)
  13. 13:『ノッティングヒルの恋人』(1999)
  14. 14:『ヘレディタリー/継承』(2018)
  15. 15:『ブラック・スワン』(2010)
  16. 16:『ゴーストマスター』(2019)
  17. 17:『リトル・モンスターズ』(2019))
  18. 18:『LIFE!/ライフ』(2013)
  19. 19:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)
  20. 20:『ギャラクシー・クエスト』(1999)
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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画!:家族の関係を見つめ直せるヒューマンドラマ3選

まずは、家族との関係が描かれたヒューマンドラマを3作品紹介しよう。いずれも特殊なシチュエーションで展開するが、全ての人が教訓を得られる普遍的な物語となっている。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画その1:『スリー・ビルボード』(2017)

娘を殺された主婦が、犯人を逮捕できないでいる警察への抗議のために、町はずれに巨大な3枚の広告看板を設置することから始まる物語。本作は、それ以上のあらすじを知らないまま観たほうがいいだろう。二転三転する展開は驚きの連続で、どこに“結論”が導かれるのか、全く予想がつかないところにも面白さがあるからだ。登場するキャラクターは善か悪という二元論で分けておらず、それぞれが忘れられなくなる魅力を放っている。

これは「町」という狭い範囲のコミュニティで憎しみや悲劇の連鎖が起こるという物語でもある。何かの事件や出来事に否応なく巻き込まれ、それにより人生が大きく変わり、その時の怒りや悲しみといった感情が負のスパイラルを呼ぶ……多かれ少なかれ誰の身にも起こりうる事態だろう。ラストシーンのセリフがいつまでも心に残る、類まれな傑作だ。

『スリー・ビルボード』の情報

監督:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド ウディ・ハレルソン ほか
製作:2017年
時間:1時間56分

『スリー・ビルボード』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画2:『ルーム』(2014)

監禁された幼い男の子と、その母親が部屋から脱出しようとする物語。特筆すべきは、“7年間”に渡りずっと監禁されていることに対し、男の子の年齢が“5歳”であるということ。ここから、ある残酷な“事実”があることに気づくだろう。そのため、「監禁から解放されてハッピーエンド」という安易な帰着は用意されていない。その辛い現実があってこその、逆説に世の中に溢れている幸せや、親子という関係性のひとつの形を、本作は教えてくれている。

“接写”や“ピンボケ”になる画により、少年の「初めて見る外の世界の大きさを認識できない」視点を表現するなど、演出もこだわり抜かれている。アカデミー主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン(後述する『ガラスの城の約束』でも主演)はもちろん、本作以降も話題作に続々と出演している天才子役のジェイコブ・トレンブレイの熱演も大きな見どころだ。

『ルーム』の情報

監督:レニー・アブラハムソン
原作/脚本:エマ・ドナヒュー
出演:ブリー・ラーソン ジェイコブ・トレンブレイ ほか
製作:2014年
時間:1時間58分

『ルーム』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画3:『ガラスの城の約束』(2017)

人気コラムニストとなり恋人との婚約も決まった女性が、父との記憶を振り返る物語。かつて父は家族のために“ガラスの城”を建てるという約束をしていたが、定職につかずに理想を語るばかりで、妻や子どもたちに引越しを強要する生活を繰り返していた。やがて父はアルコール依存症となり、家族をさらに苦しめていく。原作はニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに10年以上ランクインし続けたノンフィクション本。つまり、実話に基づいた映画だ。

この父は完全に“毒親”ではあるのだが、決して憎しみをぶつけるだけの存在ではなく、彼なりに信念とプライドをもっていて、何よりも子どもへの愛情もあった。その毒親との縁が大人になっても切れないでいること、子どもとの約束を果たせずにホームレスと化していることが、また悲しい。本作で描かれたことは極端な例だが、「家族との折り合いの悪さ」は誰もが多かれ少なかれ経験することではないか。この映画から、感じることは誰しもがきっとあるだろう。

『ガラスの城の約束』の情報

監督/脚本:デスティン・ダニエル・クレットン
原作:ジャネット・ウォールズ (「ガラスの城の約束」ハヤカワ文庫)
出演:ブリー・ラーソン ウディ・ハレルソン ナオミ・ワッツ ほか
製作:2017年
時間:2時間7分

『ガラスの城の約束』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:ハラハラドキドキが止まらないサスペンス2選

ここからは、まさかの展開の連続に翻弄される、ハラハラドキドキが止まらないサスペンス映画を2作品紹介しよう。どちらも、非英語圏での作品ながら絶賛で迎えられており、人生でなかなか体験し得ないシチュエーションで、最初から最後まで楽しませてくれる映画だ。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画4:『THE GUILTY/ギルティ』(2018)

緊急通報指令室のオペレーターが、電話からの声と音だけで誘拐事件の解決を試みるというシンプルな内容。全編が室内で展開しており、電話の相手の姿を映像として見せることは一切ない。それでも、緩急のある演出と、巧みな会話劇により、電話の相手の状況が次々に変化していき、そのバックグラウンドがじわじわと判明していく様は、とてつもなくスリリングだ。

それ以上の内容を少しでも説明しようものなら即ネタバレにつながる、予想の斜め上を行く展開こそがキモなので、なるべく予備知識を入れずに観るのが良いだろう。タイトルの「罪」が、とても重要な意味を持っていることも、観終わった時にはわかるはず。『SAW ソウ』や『CUBE キューブ』のような、ワンシチュエーションで展開するサスペンスが好きな人には特におすすめだ。

『THE GUILTY/ギルティ』の情報

監督/脚本:グスタフ・モーラー
出演:ヤコブ・セーダーグレン イェシカ・ディナウエ ほか
製作:2018年
時間:1時間28分

『THE GUILTY/ギルティ』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画5:『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)

成績優秀な女子高校生が、試験中にある方法で友人を手助けしたことをきっかけに、カンニングのビジネスにのめり込んでいく。圧倒的なのは、そのエンターテインメントとしての抜群の面白さ。カンニング行為の「バレるかバレないか」のサスペンスが続き、「ああ……!終わった!」となるも、そこからの「その手があったか!」と納得させる逆転劇。テクニカルな編集、テンポの良さ、画作りの上手さ、タイの学歴社会と経済格差の問題を簡潔に示す手際の良さなど、全てがハイレベルだ。

カンニングをエンターテインメントとして魅せるというのは、人によってはインモラルに聞こえるだろう。だが、実際は「カンニングなんて絶対にやってたまるか!」と誰もが思える内容でもある。劇中のカンニングの手口はマネをしようとしても簡単にできるものではないし、客観的に見てもこんなに割りに合わない犯罪もそうそうないだろう。日本ではPG12指定がされているが、むしろ若い人にこそ観てほしい映画だ。

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の情報

監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン チャーノン・サンティナトーンクン ほか
製作:2018年
時間:2時間10分

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:R15+指定の過激なアクション映画3選

ここからは、R15+指定がされている過激なアクション映画を3作品紹介する。いずれも残酷描写こそが重要な意味を持つ、強い刺激を求めるオトナにおすすめできる内容だ。

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画6:『デッドプール』(2016)

アメコミヒーローの中でも屈指の人気を誇るデッドプールが活躍する映画だ。デッドプールの特徴は破天荒そのもので、基本的にふざけてながら戦っていて、不死身で、一人称が“俺ちゃん”(原語では単に“I”)で、いきなり読者(観客)に語りかけてくるというメタフィクション的なギャグを繰り出す。そんなメチャクチャなキャラクターでありながら、実は過酷な人生を歩んできた男女が織りなすラブストーリーにもなっているため、大いに共感し応援できる。

主演を務めたライアン・レイノルズは、以前に『グリーン・ランタン』などのアメコミ原作の主演(出演)作が興行的に失敗し、評論家からも酷評されてしまったという苦い経験を持っていた。劇中ではそのことをイジったギャグもあったりする。しかし、この『デッドプール』はR指定映画史上最高の興行収入を記録し、絶賛に次ぐ絶賛で迎えられたということも喜ばしい。なお、続編の『デッドプール2』もTSUTAYA TVでは見放題であり、さらにギャグやアクションもパワーアップしているので、合わせて観てみるのも良いだろう。

『デッドプール』の情報

監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ モリーナ・バッカリン ほか
製作:2016年
時間:1時間49分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画7:『ローガン』(2017)

『X-MEN』シリーズの1つにして、人気キャラクター・ウルヴァリン(通称はローガン)を主役に据えた作品だ。内容は「元ヒーローと少女と老人が旅に出る」というシンプルなもの。物語としては独立しているので他作品を知らなくても楽しめるが、ウルヴァリンが活躍する過去シリーズを観ていると、彼の旅路がより苦しみを抱えたものであることがわかり、より感慨深くなるだろう。残虐描写も、彼らの“痛み”を描くためには必要だと思える。

最大の魅力は、「アメコミヒーローものを西部劇に落とし込む」というコンセプト。説明や登場人物を極力削ぎ落とし、主人公を含めたキャラクターの魅力を前面に押し出すことで、西部劇さながらの緊張感と重圧なドラマが生まれているのだから。同時に、『レオン』のような不器用な男と少女の交流、『ターミネーター2』のような恐るべき敵と戦いながら移動する逃亡劇の面白さも備えている。深い余韻を残すラストシーンまで、ぜひ見届けてほしい。

『ローガン』の情報

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート ほか
製作:2017年
時間:2時間21分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画8:『キングスマン』(2014)

ロンドンの高級スーツ店のテーラーの正体は、凄腕のスパイ。彼がかつての仲間の息子である不良青年をスカウトすることから始まる物語だ。銃をハジく傘を駆使して戦ったり、ブレード付きの義足の美女がアクロバティックな動きで迫るなど、ケレン味たっぷりのアクションが存分に楽しめる。それでいて良い意味で悪趣味な残酷描写もありありで、終盤ではとある“名曲”を二度とまともに聞けなくなってしまう、不謹慎ながら爆笑してしまうトンデモないシーンが待ち受けていたりもする。

知っておいてほしいのは、イギリスの階級社会を皮肉にもなっていること。何しろ、“ブロック”と呼ばれる低所得者向けの集合団地で暮らしていた無職の青年が、いきなりスパイに大出世するのだから。これが「生まれ育った階級にいればそれで良い」という階級社会における典型的な考え方とは正反対になっているというわけだ。なお、続編の『キングスマン:ゴールデン・サークル』も現在TSUTAYA TVで見放題。最新作にして前日譚となる『キングスマン:ファースト・エージェント』が 2021年2月11日に日本で劇場公開予定となっている。

『キングスマン』の情報

監督:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー著『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』(小学館集英社プロダクション)
出演:コリン・ファース ターロン・エガートン ほか
製作:2014年
時間:2時間10分

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TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:キャラクターの関係性が尊いロードムービー映画3選

ここからは、性格が正反対であったり、クセの強いキャラクターが目的のために様々な場所へ旅をする、いわゆる“ロードムービー”のジャンルから3作品を紹介しよう。いずれも旅を通じてお互いのことを知っていき、そして人生における価値観が変化していく過程を丹念に追った作品だ。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画9:『グリーンブック』(2018)

60年代の差別の根強いアメリカを舞台に、黒人のジャズピアニストと、イタリア系白人の運転手の2人が旅を続けるながら友情を深めていく物語。タイトルの“Green Book”とは、黒人向けの旅行ガイドブックのこと。当時アメリカ南部ではジム・クロウ法という、黒人の公共施設の利用を禁止または制限した法律が存在しており、宿泊や食事の提供を拒まれるなどのトラブルの回避のため、黒人たちが利用できる施設のリストが必要だったのだ。

そのような背景がありながら、生まれも育ちも全く異なる2人の掛け合いは、なんとも微笑ましく、誰もが彼らのことを大好きになれるだろう。物語を通して伝わってくるのは、人種や国籍などの単純な“区分け”では到底推し量れない、その人自身の魅力だ。イチャイチャしている中年男性たちに“萌え”ながらも、差別がいかに間違ったものであるかを気づける内容になっているのだ。ちなみに、劇中にはケンタッキー・フライドチキンを美味しそうに食べるシーンがあるため、観た後に絶対に食べたくなることも告げておく。

『グリーンブック』の情報

監督:ピーター・ファレリー
出演:ヴィゴ・モーテンセン マハーシャラ・アリ リンダ・カーデリーニ ほか
製作:2018年
時間:2時間10分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画10:『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019)

CMディレクターをしている30歳の女性が、病気の祖母を見舞うため、親友とともに大嫌いな地元に帰る。劇中では大きな出来事がほとんど起こらず、説明も最小限だが、その中にも想像が膨らむ“余白”がたくさんあるため、とても豊かな映画になっている。優れた作家の発掘を目的とした「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016」で審査員特別賞を受賞した企画の映画化した作品でもある。

主演の夏帆が心を荒みつつある女性を好演していることはもちろん、その親友に扮したシム・ウンギョン自身が「『アナと雪の女王』のオラフみたい」と言っている通りの破天荒なキャラになっているのも大きな魅力。「たとえ大きな出来事が起こらなくても、どこかに行って、人生で大切な何かを持ち帰ることってあるよなあ……」と共感できる、良い意味で気の抜けたセリフ回しもクセになる、独特の味わいに満ちた映画だ。

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』の情報

監督/脚本:箱田優子
出演:夏帆 シム・ウンギョン ほか
製作:2019年
時間:1時間32分

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』をTSUTAYA TVで観る

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画11:『さよならくちびる』(2019)

インディーズ音楽シーンで少しだけ話題を集めた2人組女性ユニットが解散を決め、そのサポート役だった青年とともに日本縦断の解散ツアーに出る。彼女たちの過去、初々しい“なれそめ”も並行して描かれているからこそ、現在の彼女たちのギスギスしたやりとりが際立って切ないものに感じられる。それでいて、「関係を綺麗さっぱりにする」という決意に爽やかさがあるのも魅力的だ。

主演の門脇麦、小松菜奈、成田凌が、それぞれ「この人は現実に存在している」としか思えない人間味のあるキャラクターを好演し、その関係性が徐々に変化をしていく様は楽しく観られるだろう。音楽そのものが大きな魅力であり、主題歌プロデュースを秦基博、挿入歌の作詞・作曲をあいみょんが担当しているというのも実に豪華。将来の道に悩んでいる人、好きだった人との付き合い方に悩んでいる人に観てほしい。

『さよならくちびる』の情報

監督/脚本/原案:塩田明彦
うた:ハルレオ
主題歌/挿入歌「さよならくちびる」(作詞/作曲:秦基博 Sound produced by 秦基博)
挿入歌「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」(作詞・作曲:あいみょん) (ユニバーサルシグマ/UNIVERSAL MUSIC LLC)
出演:小松菜奈 門脇麦 成田凌 ほか
製作:2019年
時間:1時間56分

『さよならくちびる』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:男性目線で進むラブストーリー2選

ここからは、男性の視点で進行するラブストーリーの映画を2作品紹介しよう。男性が共感しやすいのは言うまでもないが、男性ならではの素直で可愛らしい恋心に気づける内容でもあるため、女性にも大いにおすすめだ。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画12:『(500)日のサマー』(2009)

建築家を夢見ていた青年が、女性に一目惚れして積極的にアタックするも、ドライにあしらわれ翻弄されてしまう様を描く。特徴的なのは、時系列がシャッフルされていて、場面転換ごとに「(出会ってから)○○日目」と表示されること。これが、「幸せだった頃」と「そうじゃなかった頃」の落差が際立つという効果を生んでいる。主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットがハマり役なのは言うまでもないが、おませな妹を演じたクロエ・グレース・モレッツが”恋の相談役”になっているのも微笑ましい。

ラブストーリーの映画として紹介はしたが、実は冒頭で「断っておくが、これは恋物語ではない」という宣言もされていたりもする。確かに、これは恋そのものの素晴らしさというよりも、恋心に振り回される男性の悲哀を描いたコメディ映画と言ったほうが正しいだろう。だが、そうした苦い経験を含んだ恋をしたからこそ、重要な学びを得ることもあると、本作は教えてくれる。いわば、恋を超えて悲喜こもごもの人生の尊さを描いた作品でもあるのだ。

『(500)日のサマー』の情報

監督:マーク・ウェブ
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット ズーイー・デシャネル クロエ・グレース・モレッツ ほか
製作:2009年
時間:1時間37分

『(500)日のサマー』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画13:『ノッティングヒルの恋人』(1999)

本屋を経営する男が、ハリウッドの大女優と恋に落ちる。彼らが次第に惹かれあっていく過程はそれだけで面白く、その“立場の違い”がもたらすシチューションも楽しい。主人公が雑誌記者を装って質問を投げかけたり、妹の誕生日パーティで悩みを打ち明けたりする過程は、ほのぼのとした雰囲気でありつつ、彼らの内面に鋭く迫っている。

ヒュー・グラント演じる冴えない男からにじみ出る優しさ、ジュリア・ロバーツ扮する大女優の色気と可愛らしさと、主演2人の魅力が突出しているのは言うまでもない。強烈なファッションセンスの妹、不躾ながらもどこか憎めない性格のアパートの同居人といった、周りのクセの強いキャラクターも忘れられなくなるインパクトがある。現実ではあり得なさそうなロマンチックな物語でありながら、普遍的な悩みに寄り添っている物語だ。

『ノッティングヒルの恋人』の情報

監督:ロジャー・ミッチェル
出演:ジュリア・ロバーツ ヒュー・グラント ほか
製作:1999年
時間:2時間4分

『ノッティングヒルの恋人』をTSUTAYA TVで観る

TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:身の毛がよだつ、本気で怖いホラー2選

ここからは、「本気で怖い!」思えるホラー映画を2作品紹介しよう。どちらもトラウマになってもおかしくない強烈な描写も含んでいるため、ぜひ“覚悟”の上で観てほしい。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画14:『ヘレディタリー/継承』(2018)

2020年2月に日本で公開されヒットした『ミッドサマー』のアリ・アスター監督の長編デビュー作だ。「ここ50年でのホラー映画における最高傑作」など絶賛を受けた本作は、とにかく「家族が呪いにかけられ地獄に追いやられる過程」を容赦無く描いている。オープニングの“騙し絵”のような演出から始まり、重低音が鳴り響く音楽が不安を煽り、全編が「悪い方向にしか行かない」という不穏さ……いや、絶望感に満ちている。

本作の「あなたの永遠のトラウマになる」というキャッチコピーは伊達ではない。観た人の心に一定以上の傷を残す最悪な出来事が序盤から起こり、クライマックスではその最悪をさらに超えた、生き地獄のような光景が広がるのだから。あらゆるシーンにラストへつながる伏線が隠されている巧妙な作りになっていて、それがまた物語の「逃れようのなさ」を示しているようでもある。怖いのが苦手という方には絶対におすすめできない、規格外かつ新たな伝説を築いたホラー映画だ。

『ヘレディタリー/継承』の情報

製作:A24(ケビン・フレイクス ラース・クヌードセン バディ・パトリック)
監督・脚本:アリ・アスター
出演:トニ・コレット ガブリエル・バーン ほか
製作:2018年
時間:2時間7分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画15:『ブラック・スワン』(2010)

内気な性格のバレリーナが大役に抜擢され、そのプレッシャーから心のバランスを崩していく様子を描く。例えば、過剰な愛情を主人公に注ぐ母親、バレエ団の監督のとあるセリフ、ライバルとの関係性……そうした愛憎入り乱れる心理が互いに影響し合うことで、主人公はさらなる重圧に飲み込まれていく。終盤では彼女の心理を“一気に突き崩す”演出があり、悪趣味なまでのカタルシスがあった。

また、意図的に「どこからが現実で、どこからが幻覚(夢)なのか」という境界線が曖昧になっている映画でもある。“鏡”というアイテムがいかに使われているかに注目してみると、より解釈が広がるはず。観た後に、一緒に観た人と「あのシーンってどういう意味?」と話し合ってみるのもいいだろう。アカデミー主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマンの演技は圧巻という言葉では足りないほどに完璧だ。

『ブラック・スワン』の情報

監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ほか
製作:2010年
時間:1時間50分

『ブラック・スワン』をTSUTAYA TVで観る

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TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:黒い笑いが癖になる?オトナ向けコメディホラー2選

ここからは、前述した「本気で怖い!」思えるホラー映画とはある意味正反対の、ブラックな笑いに満ち満ちたコメディホラーを2作品紹介しよう。「スプラッターも笑って観られる」というオトナだけにおすすめだ。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画16:『ゴーストマスター』(2019)

いわゆる“壁ドン”をする胸キュン恋愛映画の撮影現場が、阿鼻叫喚の地獄絵図と変貌する様を描く。序盤に胸キュン映画への悪意を全開にした、R15+指定大納得の強烈なギャグがぶっ込まれ、その後は登場人物が次々に殺されるというパニックホラーへと転換していく。もともとは「TSUTAYAクリエイターズプログラム」という映像作家の発掘企画で準グランプリに選ばれた作品なのだが、よくもこんなものを映像化できたと驚くしかない(褒めている)。

主演の三浦貴大と成海璃子が素晴らしいのはもちろん、「壁ドン映画に引っ張りだこのイケメン俳優」を演じた板垣瑞生を抜きにしてこの映画は語れない。板垣は『ホットギミック ガールミーツボーイ』や『放課後ロスタイム』など、実際に中高生がメインターゲットの青春恋愛映画にも出演しているのにも関わらず、ノリノリで撮影に臨み、熱演を通り越して本気で怖くなる怪演を見せている。万人向けからはほど遠い内容であるが、『スペースバンパイア』や『死霊のはらわた』といった往年のホラー映画が大好きという方には、大プッシュでおすすめだ。

『ゴーストマスター』の情報

監督:ヤング・ポール
脚本:楠野一郎 ヤング・ポール
出演:三浦貴大 成海璃子 ほか
製作:2019年
時間:1時間31分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画17:『リトル・モンスターズ』(2019)

甥っ子の幼稚園の遠足に同行したら、なぜかゾンビに出会ってしまった……!というとんでもないシチュエーションで展開する物語。子どもたちが活躍するとは言え、ゾンビ映画ならではの残酷描写もアリアリ、下ネタの会話も満載と、完全にオトナ向け。それでいて、冴えないミュージシャンが成長していく過程はけっこう感動的であったりもする。

この映画で改めて認識できるのは、幼稚園の先生は命がけで子どもを守っているという真実。そもそも子どもは気まぐれかつ自分勝手で、遠足などの外出の行事の時にはより危険にさらされているのは言うまでもない。ゾンビがいなくてもそうなのだから、「子どもたちを歌で楽しませながら脱出を目指す」という劇中のミッションがいかに大変なのかは、想像に難くない。また、ゾンビ映画はウイルスのパンデミックを揶揄していることが多いのだが、本作のラストシーンも、新型コロナウイルスが蔓延した今に観ると、より味わい深いものになっていた。

『リトル・モンスターズ』の情報

監督/脚本:エイブ・フォーサイス
出演:ルピタ・ニョンゴ ジョシュ・ギャッド ほか
製作:2019年
時間:1時間34分

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TSUTAYA TVの見放題のおすすめ!:人生を見つめなおす冒険の旅へ出発するアドベンチャー映画3選

最後に紹介するのは、人生を見つめ直すきっかけとなる旅を描いた、アドベンチャー映画3作品。いずれも、現実ではありえないファンタジックな描写も備えながらも、現実にフィードバックできる学びを得られる作品だ。

TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画18:『LIFE!/ライフ』(2013)

雑誌”LIFE”の写真管理部で働く男性が、表紙を飾る写真のネガを探す旅に出る物語。その最大の特徴は、全編でファンタジックな”空想”が展開すること。例えば、主人公は火災が起きたビルへ大ジャンプして犬を救出したり、いきなり雪山登山中のイケメンに変身して好きな人に声をかけたりする。それらは奇天烈であり、ときに美しく、ときに笑いを届けてくれるので、楽しくって仕方がない。

だが、主人公が体験するのは、空想ではなく現実の冒険ということがミソ。その道中は大小様々な人生の教訓が詰まっており、結果的に「自分も何かをやってみよう」と現実でアクションを起こす気持ちにさせてくれる。なお、原作小説が書かれたのは1939年のこと。、実在の雑誌“LIFE”が登場し、デジタル化で雑誌の廃刊が決まるというのはこの映画オリジナルの設定。空想の世界だけでなくリアルな現代社会も描くことで、現代に生きる人に向けたメッセージをより鮮明にしたことも美点だ。

『LIFE!/ライフ』の情報

監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー クリステン・ウィグ ほか
製作:2013年
時間:1時間54分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画19:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)

過酷な漂流生活を綴る内容でありながら、ファンタジックで美しい映像で彩った映画だ。サブタイトル通り、狭いボートの中でトラと共にサバイバルするという特異なシチュエーションはそれだけで面白い。実は、物語にはとある“真実”が隠されており、それが明かされることによって、今まで観てきた出来事や、美しい風景に違った意味が込められているというのが、何よりも重要だ。

そのトラに付けられた”リチャード・パーカー”という名前は、“ミニョネット号事件”や”ノアの反乱”など、複数の海に関わる出来事で無残に死んだ者たちの名前から取られている。その“名前を付けた理由”を考えてみると、さらに奥深く、そして苛烈な物語であることに気付けるだろう。人生観を見つめ直すきっかけになる、勇気と希望をたたえた、優れた人間讃歌だ。

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』の情報

監督:アン・リー
出演:スラージ・シャルマ イルファン・カーン ほか
製作:2012年
時間:2時間7分

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TSUTAYA TVで見放題のおすすめ映画20:『ギャラクシー・クエスト』(1999)

往年のSFテレビドラマに出演した栄光にすがるも、今ではすっかり落ち目になった俳優たちが、本物の宇宙戦争に巻き込まれてしまうという内容。有名SFシリーズ「スタートレック」のパロディ作品なのだが、そちらを観ていなくても問題なく楽しめる。物語の核となるのは「嘘という概念を知らない宇宙人たちにヒーローと間違われてしまう」ということ。そのため、宇宙人たちはドラマが“作り物”であることも当然知らない。そのギャップは笑えるのだが、やがて切ない展開へと繋がっていく。

特筆すべきはキャラクターの魅力。お互いにケンカもして、時には仕事に対するグチを言っているけど、基本的には正義心を持った”良い奴ら”が、ヒーローと慕ってくれる宇宙人のために奮闘する様は何とも気持ちがいい。伏線もたっぷり盛り込まれ、全ての“作品を愛するオタク”が歓喜する痛快無比なシーンがあるのもたまらないし、「ひどい脚本」を痛烈に批判したギャグはもう爆笑もの。SFコメディというジャンルの最高傑作の1つだ。

『ギャラクシー・クエスト』の情報

監督:ディーン・パリソット
出演:ティム・アレン シガーニー・ウィーヴァー ほか
製作:1999年
時間:1時間42分

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TSUTAYA TVで名作映画に出会おう!

「TSUTAYA TV単体でのラインアップ数は決して多くはない」と前述したが、見放題作品の中にも、名作がたくさんあることをわかっていただけだろうか。上記に挙げた中では、特に『グリーンブック』や『ヘレディタリー/継承』という人気作が、現在は”TSUTAYA TV”でのみで見放題であるという事実も注目するべきだろう。

さらには、スタジオジブリ作品をはじめとした、配信サービスにそもそも提供がない映画も合わせて堪能できる”TSUTAYA DISCAS”も利用できるというメリットは大きい。ぜひ、映画が好きだという方は、選択肢の1つとして検討してみてほしい。

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ヒナタカ

>インディーズ映画や4DX上映やマンガの実写映画化作品などを応援している雑食系映画ライター。過去には“シネマズPLUS”で、現在は“ねとらぼ”や“ハーバー・ビジネス・オンライン”などで映画記事を執筆。“映画レビューブログ”も運営中。『君の名は。』や『ハウルの動く城』などの解説記事が検索上位にあることが数少ない自慢。

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