一人暮らしがしたいけど賃貸物件の入居審査に落ちる。どうしたら審査に通る?【CHINTAI法律相談所】

一人暮らしがしたいけど賃貸物件の入居審査に落ちる。どうしたら審査に通る?【CHINTAI法律相談所】

公開日:2022年11月25日

賃貸物件に関する疑問に弁護士がアドバイス

賃貸にまつわるトラブルや疑問について解説する【CHINTAI法律相談所】。

入居前から入居中、退去時まで、さまざまなタイミングで発生しやすい賃貸トラブル。その疑問や対応について、不動産トラブルに強い瀬戸仲男弁護士に聞いた。

賃貸トラブルは、いつ巻き込まれてしまうかわからない。現在トラブルにあっている人だけでなく、これから賃貸物件を借りる予定の人もぜひ参考にしてほしい。

瀬戸仲男さん
瀬戸仲男 弁護士

「アルティ法律事務所」所長。東京弁護士会、および東京簡易裁判所・民事調停委員に所属。顧問弁護士業務や遺産相続など取扱分野は多岐に渡り、特に不動産問題に精通している。弁護士になる前に不動産会社に勤務しており、不動産業界・実務にも詳しい。テレビやラジオなど多数のメディアに出演し、不動産関係の講演も行っている。
アルティ法律事務所 公式HP

Q.一人暮らし向け物件の入居審査が通らない。審査に通る方法を知りたい

一人暮らしがしたくてお部屋探しをしているが、賃貸物件の入居審査に落ちてしまう……。いったい何が悪いの? どうしたら賃貸物件を契約できるか教えてほしい!

A.入居審査に落ちる理由はさまざま。物件によって審査基準も異なる

賃貸物件の入居審査に落ちた理由は明確にはわからない。審査の基準は法律などで定められておらず、審査する大家さんや管理会社、あるいは保証会社によって異なる。審査基準は公開されないので、審査に通らなかった理由を知ることもできない。ただ、一般的には下記が主な基準として挙げられる。

  • 年収:収入が家賃を支払うのに十分か
  • 職業&勤続年数:収入が安定しているか
  • 信用情報:過去に支払いを滞納したことがないか
  • 人柄:トラブルを起こさないか
  • 連帯保証人:万が一の際に滞納金を支払えるか

さらに、大家さんや管理会社などによっては独自の基準を設けている場合がある。例えば、過去のトラブルを理由に、特定の職業を敬遠する大家さんもいる。

そもそも入居審査は、部屋を貸しても問題ないか確認するために行われる。家賃の滞納や近隣トラブルは大家さんにとって避けるべき事態。そういった問題行動を起こすリスクが高いと思われる条件に該当すると、入居審査に落ちることがある。

賃貸物件の条件や審査時の対応を見直すと、審査に通りやすくなるかも

では入居審査を通るには具体的にどうすべきか? その対策としては以下の3つが挙げられる。

  1. 家賃を見直す
  2. 不動産仲介会社からの信用を高める
  3. 保証会社の変更を交渉する

1つ目は、家賃を見直す方法。収入が審査に落ちる理由になっていそうなら、探す物件の家賃を下げて探しなおすと良い。家賃は月収の3分の1割以下が目安と言われるが、月収の3割以下などで探すと審査に通りやすくなるはず。年収自体がネックとなっていそうなら、募集条件を満たしていれば入居できる公営住宅を検討するのもひとつの手だ。

2つ目は、不動産仲介会社からの信用を高める方法。この人には部屋を貸しても問題ないと思ってもらえるように工夫するのも効果的だろう。

身なりを整えて柔らかな態度で接することはもちろん、必要な書類を期日までにきちんと出すこと。加えて、個人事業主や自営業の場合は、数年分の確定申告書など信頼を得られるような書類を追加で提出すると効果があるかもしれない。

3つ目は、保証会社の変更を交渉する方法。保証会社を利用する物件の場合は有効な手段となる。

保証会社は信販系や独立系などさまざまな種類があり、審査に使われる信用情報の出所や取り扱いも家賃保証会社によって異なる。審査結果の理由や、どの信用情報を元に入居審査を行っているかは知ることができないものの、利用する保証会社を変更することで審査に通る可能性があるのだ

上記のように審査に通る工夫をしても、借りられる部屋がなかったら地域の住宅供給公社に相談してみよう。

なお、賃貸物件に対する公的補助はないが、低所得者や高齢者など生活困窮者向けに経済的な立て直しを図る「生活福祉資金貸付制度」が用意されており、住宅入居費(初期費用)も用途として認められている。貯金はないが、どうしても一人暮らしをしなければならないなら、利用を検討してみよう。

ここがポイント!

入居審査は大家さんや管理会社、保証会社が行い、賃貸物件によって審査基準は異なります。当然、落ちる理由もさまざまですが、それは逆説的に「物件によっては受かる可能性がある」ことを意味します。探している物件の家賃を下げたり、身なりを整えて不動産仲介会社に信頼できる人物とアピールしたりすれば、借りられる部屋も見つかるかもしれません

覚えておきたい用語「生活福祉資金貸付制度」

都道府県の社会福祉協議会が資金の貸付けと、相談や支援を受けられる公的制度。貸付けの対象となるのは、必要な資金を借りることが困難な「低所得者世帯」と障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」、65歳以上の「高齢者世帯」。生活に困窮している人に向けた「総合支援資金」が設けられ、住宅入居費に対する貸付も用意されている

住宅入居費は敷金や礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な資金として40万円までの貸付けが可能。要件は下記の通りだ。

(1)低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること
(2)公的な書類などで本人確認が可能であること
(3)現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること
(4)法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること
(5)社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること
(6)他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと

政府広報オンライン「生活福祉資金貸付制度」

もちろん、これは貸付なので返済が必要になる。連帯保証人の有無によって利子が異なり、連帯保証人がいる場合は無利子、いない場合は年1.5%の利子が付く。返済不要の「助成金」や「補助金」ではないので注意

取材・文=綱島剛(DOCUMENT)

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