ペット不可物件で動物を飼っているのがバレたらどうなる? 罰則はある?【CHINTAI法律相談所】

ペット不可物件で動物を飼っているのがバレたらどうなる? 罰則はある?【CHINTAI法律相談所】

公開日:2022年11月25日

賃貸物件に関する疑問に弁護士がアドバイス

賃貸にまつわるトラブルや疑問について解説する【CHINTAI法律相談所】。

入居前から入居中、退去時まで、さまざまなタイミングで発生しやすい賃貸トラブル。その疑問や対応について、不動産トラブルに強い瀬戸仲男弁護士に聞いた。

賃貸トラブルは、いつ巻き込まれてしまうかわからない。現在トラブルにあっている人だけでなく、これから賃貸物件を借りる予定の人もぜひ参考にしてほしい。

瀬戸仲男さん
瀬戸仲男 弁護士

「アルティ法律事務所」所長。東京弁護士会、および東京簡易裁判所・民事調停委員に所属。顧問弁護士業務や遺産相続など取扱分野は多岐に渡り、特に不動産問題に精通している。弁護士になる前に不動産会社に勤務しており、不動産業界・実務にも詳しい。テレビやラジオなど多数のメディアに出演し、不動産関係の講演も行っている。
アルティ法律事務所 公式HP

Q.ペット不可物件で犬や猫を飼っているのがバレたらどうなる? 

ペット不可の賃貸物件に住んでいるんだけど、ペットを飼いたい……。もしこっそり犬や猫を飼っているのがバレたらどうなる? 違約金や強制退去など罰則はあるの?

A.罰則の内容は賃貸借契約の内容によって異なる

まずは賃貸借契約書を確認してみよう。「ペットを飼っていた場合は違約金として家賃2ヵ月分を支払う」などと記載されていた場合は、その罰則に従うことになる。一方で「ペットの飼育は禁止する」しか契約書に書いていない場合は当然、違約金については支払う必要がない。もし請求されたとしても、物件に損害がないなら拒否すれば良いだろう。

また、「ペット飼育が判明したら契約解除とする」と契約書に明記されているケースがあるが、その場合も即退去とはならないだろう。賃貸借契約は「継続的契約」であり、大家さんと入居者の信頼関係を基礎としている。入居者の生活を左右する重要な契約であるため、両者間の「信頼関係が破壊された」かどうかで、契約解除が可能か決まる。

今回のケースで言うと、犬や猫の飼育がバレたからといって、即「信頼関係の破壊」とみなされることはないはず。飼育がバレたのに無視して飼い続けたり、家賃滞納など他にも契約違反も犯していたりして、初めて信頼関係の破壊が認められるのだ。

逆に、以前にも契約違反をしていてペット飼育も発覚した場合は、契約解除となってしまう可能性がある。

もちろん、これは「注意されるまではペットの飼育が認められている」というわけではない。いきなり退去させられることがないからと言って、契約違反を軽く見ないように。

ペットを手放すだけでなく、原状回復費も高くつく可能性がある

では賃貸借契約書で、明確な取り決めが記載されていなかった場合はお咎めなしなのか?というと、そうではない。「ペット飼育は禁止」である以上、住み続けるなら愛犬や愛猫を手放すことを求められるだろう。場合によっては、退去時に通常より多額の原状回復費を求められるかもしれない。

犬や猫が室内を汚したり傷つけたりした分はもちろんだが、大家さんが徹底したクリーニングを望む可能性があるからだ。ペット不可物件にしている大家さんからしたら、次の入居者が犬や猫のアレルギーを持っているリスクを考慮すれば、当然の要求と言える。

加えて「妥当な修繕範囲・修繕費か判断しにくくなる」ことも問題だ。本来は大家さんが支払うべき修繕費も犬や猫を原因に負担を要求されたり、臭いが気になるからとフローリングの全面修繕を主張したりする恐れがある。そう言った場合は、内装工事の会社などに見積もりを依頼するなど、第三者を交えて大家さんと客観的な意見を元に話し合おう。

犬や猫の飼育がバレたなら、きちんと謝罪し、誠実に対応することが大切だ。もちろんバレる・バレない以前に、ペット飼育禁止の物件では犬や猫を飼うのはNG。犬や猫に限らず動物を飼いたいなら、ペット可の物件に住み替えてから飼育を始めるのが大前提だ。

ここがポイント!

ペット不可の物件で犬や猫の飼育をしたら、賃貸借契約書の内容に従って罰則を受けます。契約書に違約金が発生する旨が明記されている場合は、支払う必要があります。違約金がない場合でも、せっかく飼った犬や猫を手放さなければならなくなるかもしれません。さらに、場合によっては退去時の修繕費等が高くつくこともあります。ペット不可の物件では、決して動物を飼わないようにしましょう

覚えておきたい法律用語「継続的契約の法理」

継続的契約とは、その名の通り、継続的に取引が発生する契約のこと。当事者間での信頼関係を基礎としているからこそ「長期間に渡る契約が結ばれている」と解釈されるため、正当な理由をなしに契約を解除することはできない。

これは法律の基本となる考え方であり、法律用語では「継続的契約の法理」と呼ばれる。賃貸借契約は当然、継続的契約に該当する。契約を解除するときは両者の合意が必要であり、大家さんが一方的に決めることはできない。

なお、賃貸借契約は入居者の生活に関わるため、賃貸契約書に違反していても、直ちに解約解除の理由と認められることはない。家賃滞納などの明確な違反行為であっても、何度も繰り返すなど悪質な場合のみ認められる。

取材・文=綱島剛(DOCUMENT)

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