今月分の家賃が払えない! 家賃滞納してしまうと、どうなる?【CHINTAI法律相談所】

今月分の家賃が払えない! 家賃滞納してしまうと、どうなる?【CHINTAI法律相談所】

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賃貸物件に関する疑問に弁護士がアドバイス

賃貸にまつわるトラブルや疑問について解説する【CHINTAI法律相談所】。

入居前から入居中、退去時まで、さまざまなタイミングで発生しやすい賃貸トラブル。その疑問や対応について、不動産トラブルに強い瀬戸仲男弁護士に聞いた。

賃貸トラブルは、いつ巻き込まれてしまうかわからない。現在トラブルにあっている人だけでなく、これから賃貸物件を借りる予定の人もぜひ参考にしてほしい。

瀬戸仲男さん
瀬戸仲男 弁護士

「アルティ法律事務所」所長。東京弁護士会、および東京簡易裁判所・民事調停委員に所属。顧問弁護士業務や遺産相続など取扱分野は多岐に渡り、特に不動産問題に精通している。弁護士になる前に不動産会社に勤務しており、不動産業界・実務にも詳しい。テレビやラジオなど多数のメディアに出演し、不動産関係の講演も行っている。
アルティ法律事務所 公式HP

Q.今月の家賃が払えない!家賃滞納してしまうとどうなる?対処法が知りたい。

突然の出費が重なり、今月分の家賃が払えない……。もし家賃を滞納してしまったなら、どうなる? 退去させられたりするの?

A.即退去を命じられることはない

民法601条では「賃料を支払うことによって契約の効力を生じる」旨が明記されている。家賃の支払いは入居者の責務なのだが、家賃を滞納したからといって、すぐに退去を勧告されるわけではない

民法541条では「相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」と定めている。この条文は「ただし、期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない」と続く。

つまり、大家さんが入居者を退去させられるのは、期間を設けて催促しても入居者が家賃を支払わなかった場合となる。加えて、滞納している家賃の金額や期間が「軽微でない」と判断されることが条件なのだ。

賃貸借契約解除の目安は家賃3ヵ月分以上

家賃滞納による契約解除の基準は法律で定められているわけではないが、民事裁判では「家賃3ヵ月分以上の滞納」から賃貸借契約の解除が認められる傾向にある。

入居者にとって賃貸物件は生活の拠点。前述の通り、家賃の支払いは入居者に課せられる責務だが、多少滞納したからといって即契約解除というのは「社会通念的にやりすぎだ」とみなされることが多い。

そのため、1〜2ヵ月の滞納で即退去となることはめったにない。家賃を滞納したら、まず大家さんや管理会社、あるいは家賃を立て替えた保証会社から家賃支払いを催促されるのが一般的だろう。

事情を説明して、きちんと期日までに返済すれば賃貸借契約の解除にまでは至らないはずだ。まとめて払うのが難しかったなら、期日を明確にした上で分割払いをできないかと相談するのも良い。相手によっては「滞納分の家賃を支払ってくれるなら、まとめて払わなくてもOK」「滞納額を分割し、毎月の家賃に上乗せして支払ってくれれば良い」と納得してくれることもあるだろう。

もちろん、短期間で何度も滞納を繰り返した場合など、3ヵ月分以下でも契約解除が認められるケースもある。3ヵ月以内なら滞納して良いというわけでもない。もし滞納してしまったら、大家さんや管理会社に誠意をもって謝罪し、返済を約束するように。

ここがポイント!

家賃を滞納しそうになったら、まずは大家さんや管理会社に連絡。誠意を持って謝り、返済の意思をきちんと伝えましょう。もちろん、滞納金はすみやかに返すことが大切です!

覚えておきたい賃貸用語「賃貸借」

民法601条にて定められている。条文は下記の通り。

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。

民法 – e-Gov法令検索

建物の賃貸借では、大家さんが「問題なく生活できるよう部屋を整備すること」、入居者が「家賃を支払い、契約期間が終了した際には退去すること」を約束することで、初めて契約が有効となる。入居者にとっては家賃の支払いが責務であり、家賃滞納は明確な債務不履行となるのだ。

取材・文=綱島剛(DOCUMENT)

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