カナヘイがキャラ原案のアニメ『ちみも』を大解剖!制作の裏側やお部屋暮らしシーンのこだわりをプロデューサーに聞いてみた

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大人も癒される地獄系ハートフルコメディ『ちみも』の裏側をプロデューサーさんにインタビュー!

ちみも 三姉妹とちみも
『ちみも』のプロデューサーである、シンエイ動画の永田さんに聞いてみた

カナヘイ(キャラクター原案)×シンエイ動画(アニメーション制作)のコラボで実現した、現在放送中のオリジナルTVアニメ『ちみも』
むつみ、はづき、めいの三姉妹が暮らす鬼神家にやってきた“地獄からの使者”の地獄さんと、12匹の謎の生き物・魑魅魍魎(ちみもうりょう、通称ちみも)たちが繰り広げる日常を描く「地獄系ハートフルコメディ」だ。

今回は、そんな『ちみも』のプロデューサーを務めるシンエイ動画の永田雄一さんにインタビュー。「かわいい」だけにとどまらない、大人にこそ刺さる作品の魅力やこだわりを語っていただいた。

本記事では三姉妹+ちみもが暮らすおうちの間取り図を本邦初公開! CHINTAIらしく、お部屋の設定についても詳しくお聞きしてみた。

シンエイ動画・永田雄一(ながた・ゆういち)さん

シンエイ動画プロデューサー。これまで『忍者ハットリくん』『ちみも』などの作品を担当。アニメーション制作工程において、紙や鉛筆を使用しないペーパーレス化の将来を目指し、自身の作品ではデジタル技術の導入などに積極的に取り組んでいる。

カナヘイさん原案のキャラ×ハードな地獄の意外性

——『ちみも』は、かわいらしい作画とは対照的に「地獄からの使者が人間界を地獄化しにやってくる」という物語設定がユニークですよね。今回のオリジナル作品は、どのように生まれたのでしょうか?

シンエイ動画が手がけている作品のなかには、『ドラえもん』や『忍者ハットリくん』など、とある家に居候するキャラクターがよく出てくるんですよね。

それをヒントに生まれたのが、“地獄からの使者”が居候したら面白いのでは?というアイデア。そこから三姉妹と地獄さん、その間を取り持つマスコット、ちみも達の設定が組み上がっていきました。

ちみも 鬼神家三姉妹が居間にいる様子
鬼神家三姉妹(左から次女はづき、長女むつみ、三女めい)とちみも

 ——キャラクター原案は「ピスケ&うさぎ」などでお馴染みのカナヘイさんですよね

そうなんです。“地獄”とカナヘイさんのかわいらしい絵柄の組み合わせって、面白いですよね。

「地獄」と聞くとダークでおどろおどろしい絵を想像してしまうのですが、「あのカナヘイさんに地獄をテーマにキャラクターを描いてもらったら、どうなるんだろう?」と、会議で名前が挙がり、打診にいたりました。

結果、“地獄”をテーマにした物語に対してかわいいイラストの意外性が見事にハマり、ほっこりとハードを掛け合わせた、これまでにない作品ができたと感じています。

 ——カナヘイさん原案のキャラをアニメーションにするうえで、意識したポイントはありますか?

カナヘイさんが描いてくださったキャラクターの雰囲気を最大限活かすことは意識しています。原案のキャラをアニメ用にデザインし直す際には、カナヘイさんの過去のイラストや漫画をたくさん読み込んで研究しました。

たとえばカナヘイさんが描くキャラクターって、線が太くてしっかりしてるんですよね。これを鉛筆で細く描いてしまうと印象が全く違ってくるので、線の太さにもこだわりました。

今回のアニメーション制作ではCGを使って線の太さを調整することで、カナヘイさんのイラストならではのかわいさを再現しています。

作品の色使いについても、ほんわかした雰囲気を壊さないように真っ黒なブラックやはっきりした原色系は使わず、淡いトーンで色数を絞ったシンプルな色使いで仕上げました。

あとは、12匹のちみも達の動きにもぜひ注目してもらいたいですね!

本作では、アニメーターの人たちが自由にアイデアを盛り込んで、いろいろな場面でちみもに演技をつけてくれたんです。そのため喋っている登場人物に注目させるシーンでも、後ろでちみも達がさりげなく動いていたりします。

2回、3回と繰り返し作品を観るときには、ちみもの動きに注目してもらえると、「このとき、ちみも達はこんな動きしてたんだ!」と発見があって面白いですよ。

カナヘイさん原案のキャラのかわいらしさに加え、ちみも達のモチモチとした動きにも癒される

鬼神家の自宅を大解剖!現代の生活を反映したリアリティへのこだわり

鬼神家三姉妹が地獄さんの就職祝いパーティーをしている様子
鬼神家の三姉妹と地獄さん、ちみも達が集う自宅の居間には“あるモノ”がない…!?

 ——鬼神家三姉妹の自宅についても教えてください。地獄さんとちみもが居候することになる鬼神家の家は、どのように設計していったのでしょうか?

古民家風ながら洋風なとんがり屋根があって、ちょっとへんてこな家ですよね(笑)。

このような和洋折衷の不思議な家になった経緯には、視聴者の方に「“ちみも”に出てくる家だ!」と一目でわかってもらいたいという思いがありました。

鬼神家三姉妹が暮らす家
日本の伝統的な住宅に洋風建築が混ざった和洋折衷の家はインパクト大!(資料提供:シンエイ動画)

鬼神家の三姉妹が住んでいる家は鎌倉の古民家をイメージしているんですが、ただ古民家として設計していくと、ありきたりな見た目で、ただの和風の家になってしまって。

「どうしたらこの作品らしい家を作れるか?」を試行錯誤して辿り着いたのが、現在の和洋折衷の家だったんです。

結果、和を感じさせる縁側や畳の部屋と、洋を感じさせる玄関やとんがり屋根を組み合わせた家ができあがりました。

ちみも 鬼神家三姉妹が暮らす家の間取り図1櫂
鬼神家の見取り図を大公開!居間のテーブルにはラグが敷かれているなど、細やかなこだわりが伝わってくる(資料提供:シンエイ動画)
ちみも 鬼神家三姉妹が暮らす家の見取り図 2階
特徴的なとんがり屋根の下にあるのは、美大に通う次女・はづきの自室。ユニークな円形の間取りが美大生らしい……!?(資料提供:シンエイ動画)

——自宅のデザインでこだわった点があれば教えてください。

淡い色合いで『ちみも』のファンタジーな世界観を感じさせつつも、“ちょっとした仕掛け”で現実っぽさを出していています。

たとえば、鬼神家にはテレビがないんです。これは、今どきの若い方がテレビよりもスマホやタブレットで映像を観ることが多いという生活事情を反映させたものです。

ちみも 鬼神家三姉妹が暮らす家のキッチン
淡い色合いで描かれたキッチンの右側には、今どきらしい「IHコンロ」を発見!(資料提供:シンエイ動画)

他にも細かいところだと、当たり前のようにキッチンのコンロをIHにしたり、長女むつみの部屋にはふすまに沿うようにタンスを設置したりと、現実的な演出を意識しました。

現代ならではの生活事情やよくある生活様式を意識して取り入れることで、フィクションとリアリティをうまく結びつけるとともに、より“今の作品”らしく仕上がったと思っています。

ちみも 鬼神家三姉妹が暮らす家の庭にある物置
人間界における地獄さんの仮住まいである「物置き」にも注目!(資料提供:シンエイ動画)
ちみも 電話をする地獄さんと見守るちみもたち
鬼神家の物置きで居候生活を送る地獄さん。“地獄からの使者”らしからぬ不器用な一面も魅力だ

ちなみに、地獄さんが居候している「物置き」もごくごく一般的なデザインにこだわってリアリティを出しました。

地獄さんには、蔵のような趣や重厚感のある建物の方が似合うかもしれませんが、よく見かける物置きにしたことで、地獄さんの居候生活により悲壮感が出てますよね(笑)。

作品に込められた「ちょっとした地獄を笑えるといいよね」の思い

ちみも 就職面接を受ける地獄さん
第2話「働きたくて、地獄」では地獄さんが就職活動に苦戦するなど、リアルで共感できる“地獄”も見どころ

 ――地獄というテーマを描くうえで、意識したことはありますか?

ただつらくて苦しい地獄を描くのではなく、「ちょっとした地獄を笑えるといいよね」という方針で、自分達の生活に潜むいろいろな「○○地獄」を描くようにしました。

たとえば「洗濯機から取り出した服がティッシュまみれだった」みたいなことって、本人にとっては地獄だけど、ちょっと笑える面もあるじゃないですか。そういう地獄をクスッと笑ってもらえればと、モチーフ選びにはこだわりましたね。

シナリオ会議では、それぞれが思う「○○地獄」を出し合って、よりクスッと笑えるネタや共感できるネタをピックアップしていきました。

個人的には、シリーズ後半で出てくる「すりごまを床にばらまく地獄!」が印象に残っています。あとは「スマホを便器に落とす地獄!」なんかもリアルですよね(笑)。

ちみも 地獄さん
人間界で三姉妹との暮らしに翻弄されながらも、“人間界地獄化計画”を企む地獄さんとちみも達

——シナリオ会議のエピソードなどを聞いていると、制作現場のほんわかした雰囲気が伝わってきます

そうですね。……とはいえ制作スケジュールはなかなかシビアで、現場は地獄のようでした(笑)。

——そうだったんですね(笑)。制作で特に苦労したところはありますか?

シーンごとにちみもが全員揃っているかどうかチェックするのには時間がかかりましたね。

ちみもには「おもち」「かっぱ」「ツバサ」など12匹それぞれに名前と見た目の個性があるんですが、「ぶち」だとぶち模様の位置を間違ったり、「シャレオツ」だとリボンを描き忘れたりといったミステイクが起こりやすかったんです。なので、そういった確認は徹底していました。

後ろ姿が一緒の子は特に気をつけて、迷子がいないようにしていました。

ちみも 12匹のちみもたち
それぞれ三女のめいが付けた名前を持つちみも達。個性豊かな性格や動きがあるのも楽しい

 ――「迷子がいないようにする」とは、なんともかわいらしい苦労エピソード……!

締切には追われていましたが、このゆるーいキャラクター達や地獄をクスッと笑うような作品テーマに救われている部分はすごく大きかったですね。

ちみもや鬼神家の三姉妹、地獄さん達のおかげで、制作が大変な時期も重い気分にならず、明るく向き合うことができました。

 ――——最後に、本作の見どころをお願いします

『ちみも』はカナヘイさんのかわいい絵と地獄という酷なテーマのギャップとともに、日常に起こるファンタジーなできごとを描いているかと思えば、その中にリアリティが現れてくるという意外なギャップを楽しめるコメディです。また、実はどこにでもいる一家の普遍的な日常と喜怒哀楽が描かれたホームドラマとしても楽しんでもらいたい作品になっています。

たとえば、地獄さんは“地獄からの使者”らしい力を使うことができる一方で、1話の不動産のシーンではたくさんの証明書や書類を求められてうろたえたり、2話では就職活動で苦労したり……(笑)。そんな「かわいい」だけじゃない、リアルで共感できる地獄エピソードにも注目して楽しんでもらえたらと思います。

作品を通してちみも達に癒されつつ、身の回りの地獄を笑い飛ばして、チルな気分に浸ってもらえたら嬉しいですね。

ちみも めいとちみもたち
永田さん、お話ありがとうございました!

TVアニメ『ちみも』はテレビ東京ほかにて好評放送中!

テレビ東京にて毎週木曜深夜1時30分~、BS朝日にて毎週金曜夜11時~放送中
各種配信サービスにて 7月8日から 毎週金曜深夜0時~ 配信中
※配信サービスにより、配信日時などが変動する場合がございます

公式サイト: https://chimimo.jp
公式Twitter:https://twitter.com/chimimo_anime
公式Instagram:http://instagram.com/chimimo_anime
©ちみも

ちみも メインビジュアル
シンエイ動画・永田雄一(ながた・ゆういち)さん

シンエイ動画プロデューサー。これまで『忍者ハットリくん』『ちみも』などの作品を担当。アニメーション制作工程において、紙や鉛筆を使用しないペーパーレス化の将来を目指し、自身の作品ではデジタル技術の導入などに積極的に取り組んでいる。

取材・文=市川茜

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