【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた

公開日:2021年8月25日

なんとなく健康やダイエットに良さそう…?ノンアルコールビールの疑問をメーカー担当者に直撃取材

アルコールが入っていないビール、それが「ノンアルコールビール」。
名前はシンプルで分かりやすいけれど、ノンアルコールビールについては意外と知らないことが多い。「運転前や未成年が飲んでも大丈夫なの?」「ダイエット効果がある?」「健康に良いという噂は本当?」という疑問に即答できる人は少ないだろう。

また「体脂肪を減らす」「糖の吸収をおだやかにする」などのプラスαの機能を謳った商品もズラリと並び、「こんな機能まであるワケ?」とさらなる疑問が追い討ちをかける。

そこで今回は世界初、アルコール分0.00%のノンアルコールビールを開発したキリンビールを直撃! マーケティング部でノンアルコールを担当されている佐藤さんに、基本的な疑問から最新事情まで、ノンアルコールビールのさまざまな疑問をぶつけてみた。

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた グラスビール
そもそもノンアルコールビールって知らないことが多すぎる…教えてキリンビールさん!

そもそも「ノンアルコールビール」とはどんなもの?

アルコール1%未満のビールテイスト飲料を「ノンアルコールビール」と呼ぶ!

アルコール分0.00%のビールテイストの飲料、というのがノンアルコールビールの定義です」と佐藤さん。「ただし日本の酒税法では、アルコール1%未満ならノンアルコールとされているので、例えば0.5%の微量にアルコールが含まれる商品もノンアルコール」なのだそう。

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた 並んだグラスビール
現在は微アルコールよりも0.00%の完全なノンアルコールが主流

2009年にキリンビールが発売した「キリンフリー」は、世界初のアルコール分0.00%のノンアルコールビールだった。それ以前は「ノンアルコール」といえども少量のアルコールを含む商品が主流だったので、「完全なノンアルコールビール」の発売は画期的だったそうだ。

それでは「ビール」と「ノンアルコールビール」の違いを簡単に言うと一体なんなのだろう。

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた キリンフリー
2009年、世界に先駆けて発売したアルコール0.00%のキリンフリー

酔う楽しさやご褒美感のある「ビール」 VS 時と場所を選ばない「ノンアルコールビール」

仕事終わりや飲み会、自分へのご褒美に「プシュー!ゴクゴク!プハー!」と誰もが極楽を感じるビール。アルコール度数は平均4.5〜5%程度で、独特の味わいや爽快感に加え、酔う楽しさや高揚感が大人気のまさにアルコールの王道。

それに対しアルコール分0.00%の「ノンアルコールビール」は、アルコール分ゼロのビール風味炭酸飲料なので、運転前でも仕事中でも、妊産婦でも健康を気にされている方でも、文字通り「いつでも・どこでも・誰でも」楽しめる、人と時と場所を選ばない飲み物といえる。

「仕事中や運転を控えている時など、飲みたいけど飲めないシチュエーションでもノンアルコールビールならプチご褒美の一杯が楽しめます。リモートワークが増え、オン・オフの切り替えの難しさを感じる人も多いなか、ノンアルコールビールをリフレッシュのきっかけに使ってほしいです」(キリンビール・佐藤さん)

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた ビールで乾杯する人々の手
一口目の爽快感はビール・ノンアルビールに共通した楽しみ

課題だった“味”の部分もこの10年で驚くほど改良され、「ビールの代わりに仕方なく飲むもの」から「積極的に購入する飲料」にまで格上げされている。もう「ノンアルビールで我慢」するのではなく、タイミングや場所でビールかノンアルかを使い分ける時代なのだ。

特に飲食店でのアルコール飲料の提供が制限されているコロナ禍にあっては、飲食店で取り扱いのある小びんのノンアルコールビールの出荷実績が前年同月比で3.5倍になる月もあり、ますますノンアルコールビールに注目が集まっている。

ノンアルコールビールでも酔う!?「空酔い」は脳の錯覚

ノンアルコールビールを飲んだのに「酔った気分になった」「お酒を飲んだときのような高揚感がある」、いわゆる「空酔い」といわれる現象がある。

京都大学と酒造メーカーが共同で行った実験で、22人の男女にノンアルコールワインを飲んでもらいリラックス度を計測したところ、アルコールを飲んだときほどではないものの、「リラックス度数」が上がり「高揚感・楽しさ」を感じたという結果が得られた。(*1)

これは、ノンアルコールビールの本物に近い風味や味わいを感じ、以前アルコールを飲んだときの記憶が想起されて酔いに似た感覚になるというもの。そこに「プラシーボ効果(*2)」も重なれば、「病は気から」ならぬ「酔いもノンアルから」になる。
もちろんアルコールは摂取していないので、これは完全な脳の錯覚で気分の問題。でも肝機能の負担もなく、気分の高揚や楽しさが得られるならちょっぴりお得な気分だ。

(*1)NHKスペシャル 食の起源より
(*2)本来は薬としての効果のない物質によって得られる効果のこと。(全日本民医連HPより)

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた テントでノンアルコールビールを飲む2人の助成
ノンアルビールの風味や香りだけでもリラックス効果が得られる

ビールとノンアルコールビールの「作り方の違い」に注目してみた

そもそもビールは麦やホップをベースにして作った麦汁に、ビール酵母を加えて発酵させ、アルコール分を発生させたもの。

それに対しノンアルコールビールは、麦汁由来または大豆由来のベース液に酵母を入れず、発酵そのものをさせないのでアルコール分が発生しない。「発酵しないのに、どうしてビールの味がするの?」と疑問に思うかもしれないが、「ビールの醸造技術」と「香味調合の技術」を駆使して、ノンアルコールビールの風味が仕上がっている。

ちなみに海外のノンアルコールビールは、普通にビールを製造したあと、アルコール分を取り除く方法が主流となっている。ノンアルコールビールの作り方でもお国柄が出るのである。

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた 麦畑
美味しいノンアルコールビールにも、質の良い麦とホップが必要なのは同じ

運転中・妊娠中の飲用は?ダイエットにいいって本当?ノンアルコールビールと健康の関係

ノンアルコールなら「誰が飲んでもOK」なの?

言ってしまえばノンアルコールビールは「ビール味の炭酸」。運転前や妊娠中、授乳中、仕事中でも飲むことはできる。医師からお酒を止められている人や肝機能に心配がある人(持病のある人は必ず医師に相談してから)、高齢者でもノンアルコールなら肝臓に負担がないので安心して飲用できる。

法律上は問題ないが、パッケージがお酒に似ているだけに運転中にカップホルダーに入れて飲むのは誤解を招きそうだし、会議中に飲むのもはばかられる。つまり最終的には「タイミング」や「どう見えるか」の倫理観・価値観の問題になりそう。

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた 車のイメージ写真
法律上ではノンアルコール飲料なら運転しながら飲むことも可能だが…

なお、いくらノンアルコールといっても、未成年の飲用は推奨されていない。

「未成年者に関しては、アルコール摂取のきっかけになったり助長させてしまう恐れがあるので推奨していません。パッケージにも“20歳以上の方の飲用を想定して開発しました”と明記し、販売店様ではお酒売り場のそばに置かれていることがほとんどです」(キリンビール・佐藤さん)

またアルコール依存気味の人は苦労して断酒をしても、ノンアルコールビール飲用が引き金となって再飲酒につながる可能性もあるので、避けた方が賢明だ。

健康やダイエットにも効果あり? 健康機能を謳ったノンアルコールビールが多いワケ

ノンアルコールビールが「健康やダイエットに良い」というイメージを持たれるようになったのは、「特定保健用食品(以下トクホ)」や「機能性表示食品」のノンアルコールビールが多く販売されているからだろう。

2015年から機能性表示食品制度が導入され、各社が調査した科学的根拠を届け出れば、その商品の機能性を表示・販売できることになった。
以降は「脂肪減少」「脂肪と糖の吸収をおさえる」「プリン体ゼロ」などの健康にフォーカスした商品から、「コラーゲン配合」などの美容系まで、多彩な機能を持ったノンアルコール商品が勢揃いしている。

ちなみにトクホは消費者庁の臨床試験を経て認可がおりないと表示することができない「国のお墨付き」。申請から認可がおりるまで、時間もお金もかかるので、トクホのノンアルコールビールの種類は少ない。
それでは「トクホ商品」の方が効果を期待できるのかといえば、含まれる成分や含有量によるので一概には言えないのが本当のところだ。

【ノンアルコールビールと健康】肝臓に良い?太る?運転はOK?キリンビールさんに聞いてみた ノンアルコールビールの缶
今やノンアルコールビールは味わいや好みに加え、機能でも選ぶ時代なのだ

カロリーやプリン体など…ノンアルコールビールの健康面でのメリットとは?

カロリーの高さはアルコール度数に比例しているので、ノンアルコールビールは総じてカロリーは抑えめ。また糖質は低いものが多いので、普通のビールに比べると体重増加の要因は少なく、ダイエットの助けにはなるはずだ。

さらにノンアルコールビールにはアルコール分が入っていないので、肝臓への負担も無い。含有プリン体もビールに比較すると半分程度で、プリン体ゼロの商品も多い。摂りたくない成分があれば、「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」「香料・甘味料無添加」など、自分好みの種類を選べるのもノンアルコールビールのメリットだ。

「これは体に余計なものを入れない、摂取しないという“レスな健康意識”です。それに対し、体脂肪を減らす、脂肪や糖の吸収を抑えるなど“プラスの健康価値”を提供できるのもノンアルコールビールの特徴ですよ」(佐藤さん)

例えば「キリン カラダFREE」にはお腹まわりの脂肪を減らす機能、「キリン パーフェクトフリー」には脂肪の吸収を抑える、糖の吸収をおだやかにするダブルの機能がある。これは臨床試験の結果に基づくもので、機能性表示食品として認められている。

「脂肪を減らす“熟成ホップ由来苦味酸”は、キリンが10年以上、100人以上の研究員を動員して開発した独自の素材。健康志向が高まるなか、各社しのぎを削って独自の機能を謳った商品を打ち出しているので、飲み比べてみるのも楽しいと思います」(キリンビール・佐藤さん)

上記のような健康面でもメリットも、揚げ物のおつまみを山ほど食べたり、酒量を増やしてしまってはその恩恵は受けにくい。あくまでも適量を守りつつ、続けることが大切だ。

キリンビールのノンアルコールビール全商品紹介! 担当者おすすめポイントやアレンジも

ここからは、キリンビールの特徴あるノンアルコールビールを紹介していく。
佐藤さんにプロならではのおすすめのポイントや飲み方を聞いたので、ノンアルコールビール選びの参考にしよう!

キリンビールのノンアルコールビール①:「グリーンズフリー」

【2021年2月発売】【香料・甘味料無添加/ノンアルコールビール】キリン グリーンズフリー [ ノンアルコール 350ml×6本 ]
グリーンズフリーのキリンビール公式商品情報はこちら

麦やホップなどビールと同じ原料を使用。素材を引き出す新製法と雑味を取り除く技術を組み合わせた、香料・甘味料無添加のノンアルコールビール。

「希少なネルソンソーヴィンホップのみずみずしい香りを存分の楽しめるよう、香りが立ちやすいワイングラスなど、丸みのあるグラスでお楽しみいただきたい一品です」(キリンビール・佐藤さん)

キリンビールのノンアルコールビール②:「カラダFREE」

【お腹まわりの脂肪を減らす】キリン カラダFREE(カラダフリー) [ ノンアルコール 350ml×6本 ]
カラダFREEのキリンビール公式商品情報はこちら

お腹まわりの脂肪を減らす機能を持った「熟成ホップ由来苦味酸」を配合したノンアルコールビール。ホップをあえて熟成させることで生まれるこの成分は、キリンが10年以上かけて開発した努力の結晶。

「1日1本、12週間継続して飲むことでお腹まわりの脂肪の減少が臨床試験で確認されています。スッキリ・ゴクゴク飲める爽快な味わいが特徴なので、お風呂上がりにキンキンに冷やして飲むのがおすすめです」(キリンビール・佐藤さん)

キリンビールのノンアルコールビール③:「零ICHI」

キリン 零ICHI 缶 [ ノンアルコール 350ml×6本 ]
零ICHIのキリンビール公式商品情報はこちら

麦汁ろ過工程で最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う「一番搾り製法」を採用。麦の美味しさを丁寧に引き出した、ビールに近い本格的な味わいのノンアルコールビール。

「ビールの代わりになる飲みごたえがポイント。食事に負けないしっかりした風味・上品なコクが持ち味なので、食事と一緒に楽しんでいただきたいです」(キリンビール・佐藤さん)

キリンビールのノンアルコールビール④:「パーフェクトフリー」

キリン パーフェクトフリー 350ml×6缶パック [機能性表示食品]×6本
パーフェクトフリーのキリンビール公式商品情報はこちら

「脂肪の吸収を抑える」+「糖の吸収をおだやかにする」というダブル機能を持つ難消化性デキストリンを配合した、機能性表示食品のノンアルコールビール。

「どんな食事にも合うキレとのどごしが特徴。食事で摂取する脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするので、ぜひ食事前や食事とご一緒に」(キリンビール・佐藤さん)



次のページでは、ビールだけじゃない! 最近注目のノンアルコール飲料事情を見ていこう。

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