花粉がつらい季節の換気方法 ポイントは換気の時間帯

公開日:2021年5月11日

花粉がつらいけど、換気したい……

花粉 換気1
室内の花粉を減らしたい

花粉というのは玄関の開け閉めだけで入ってきてしまうものである。シーズンになるとすぐに溜まってしまうため、花粉症の人にとって換気は必須だ。

しかし、窓を長時間開けていれば逆に外から花粉が入ってきてしまうので、むやみに換気できないという悩みもあるだろう。そこで、ここでは時間帯別の花粉の量や、花粉が部屋に入ってくるのを防ぐ換気の方法などを紹介していく。

花粉飛散のピークは「昼頃」と「夕方」にある

花粉は春に飛ぶというイメージがあるが、季節を問わず飛ぶものである。4月はヒノキやアカマツ、クロマツが飛び、6月から9月はイネやホソムギ、オオアワガエリなどが飛ぶようになる。

また、7月から10月はススキやカモカヤ、ブタクサというようにありとあらゆる花粉が飛んでいるため、一概に春に飛ぶものとはいえない。また、時期によって飛ぶ花粉が異なるのと同じで、1日の中でも花粉の飛散量は異なる。

花粉の飛散量が増える時間帯を把握していれば、家に持ち込む花粉の量を減らせる工夫ができる。部屋に入ってくる花粉量が少なくなれば、その分換気をする時間も短くできる。ここからは、時間帯別の花粉の飛散量を紹介するので、自分のライフスタイルに合わせてなるべく花粉を避けて行動するようにしよう。

花粉飛散のピーク①11時~14時

花粉飛散のピークが始まるのは11時から14時だといわれている。朝6時ごろに開花して花粉が放出されるのだが、これが空気に乗って郊外から都心部まで運ばれてくる。この移動時間がおおよそ3時間から4時間ほどなので、11時ごろから花粉の量が増え始めると思っておくとよいだろう。

また、花粉は下に溜まる性質を持っている。時間とともに地面に落ちていくが、11時以降は人の流れも多く、落ちた花粉が舞い上がることから14時ごろまでピークが続くのだ。花粉を浴びないために、この時間帯はできるだけ外に出るのを避けよう。

花粉飛散のピーク②17時~19時

花粉のピークは14時ごろまで続くのだが、それ以降はいったん落ち着く。そのため14時を過ぎると花粉の症状も出にくくなる。

しかし、夕方になって気温が下がってくると、空気の対流が起こる。これによって落ちていた花粉が舞い上がり、飛散量が再び増えるのだ。

17時から19時ごろまでは2度目のピークとなるため、帰宅時は要注意だ。また、車の往来が激しい都心部では、19時以降も花粉が舞っていることが多いので、夜に出歩くのは避けた方がよいだろう。

なるべく花粉を防ぐ換気方法

住んでいる環境によって違いはあるが、花粉の最盛期になると1時間の換気で約1,000万個の花粉が部屋に入ってくるといわれている。また、換気直後は外から入ってきた花粉が部屋の壁際の床やサッシの部分に溜まることが多い。特に風が強い日には、窓際だけではなく部屋の奥まで花粉が入り込んでしまうこともあるので注意が必要だ。

換気をするのに抵抗を持つ方も少なくはないが、窓を開けなくても部屋には衣類についた花粉が溜まっているので、定期的に開けなくてはいけない。しかし、わずかな工夫で部屋に入ってくる花粉の量は減らすことができる。換気後の花粉対策をすることで症状の発症を軽減できるので、換気による花粉を防ぐ方法を実践してみてほしい。

早朝に換気する

前日の天気の状態にもよるのだが、基本的に早朝は花粉の飛散量が1日の中で最も少ないといわれている。花粉の種類によっても異なるが、例えばスギは朝に開花して花粉を放出するため、早朝はさほど花粉が飛んでいないのだ。

山地に住んでいる人の場合、早朝であっても花粉の影響を受けるかもしれない。しかし、一般的にスギ林周辺から徐々に都市部へと飛散していくので、5時から6時ごろであれば、換気をしてもそこまで花粉が入ってくることはないだろう。

また、雨が降っている日であれば、花粉は雨に付着して地面に落ちるので、早朝でなくても換気をすることは可能だ。ただし、雨が降った後の空気は比較的澄んでおり、花粉も飛散しやすくなるため、朝でも長時間の換気はしない方がよいだろう。

窓は全開にしない

窓を全開にした方が、より早く室内を換気できると思うかもしれない。しかし、全開にすると当然だが大量の花粉が入ってくる可能性がある。

早朝であれば比較的花粉の量は少なくなるが、それでも風が強い日などはたくさん入ってくるかもしれないので、全開にするのは避けるようにしよう。

室内に空気の流れを作っておけば、窓を全開にしなくてもよい。また、窓を開ける目安は10cm程度で十分だ。時間もできるだけ長めにした方がよいイメージがあるが、10分程度で高い効果を得ることができる。

それでも多少の花粉は侵入してくるので、溜まりやすい窓際の床やサッシの部分はしっかり掃除をしよう。このとき、掃除機をかけてしまうと花粉が飛び散ってしまうので、濡れた雑巾やウエットシートなどでできるだけ丁寧に拭き上げるようにしよう

レースカーテンをつける

高層マンションなど、外から家の中が見られないところに住んでいる場合、レースカーテンをつけないという家もあるだろう。しかし、レースカーテンは窓から入ってくる花粉やホコリをキャッチしてくれる役割がある。

ちなみに、10cm開いた窓から入ってくる外気をレースのカーテンに通すと、本来であれば約1,000万個入ってくる花粉を4分の1程度に減らすことができるのだ。

なお、細かい織り目のレースカーテンの方が花粉の侵入を防ぐ効果が高いので、これから購入するという人は細かく織られているものを選ぼう。また、最近は花粉をキャッチするレースカーテンも販売されているので、花粉対策ができるものを選ぶのもおすすめだ。

空気清浄機を利用する

空気清浄機は、汚れた空気を吸い込んで異物や不要物を取り除き、きれいな空気にしてくれる家電製品だ。この性能を活かすことで、換気のときに流入する花粉が室内に飛散するのを防ぐことができる。

開けた窓に向かって空気清浄機をセットし、換気をしている間はずっと作動させておこう。こうすることで、花粉を含む外気が入ってきても、空気清浄機が花粉を取り除いた空気に変えてくれる。

また、換気のとき以外でも空気清浄機は活躍してくれる。花粉は部屋の低いところに溜まりやすいので、空気清浄機を床に近い高さに置いておくと、玄関やほかの部屋から入ってくる花粉を除去できるのだ。

空気清浄機の性能を活かすには、吸い込み口や吹き出し口に空気の流れを遮るようなものを置かないようにしよう。エアコンと対角の位置に設置すると、より高い花粉除去効果が期待できる。

空気清浄機は24時間つけておくのがベストだ。人の出入りがある時間帯や換気時、洗濯物を取り込むときなどは最大にするといった工夫をすることで、より効率よく花粉を除去できる。

花粉の季節でも換気はしよう

花粉 換気2
正しく換気して部屋の花粉を減らそう

コロナ禍では換気が必須であり、窓を開けること自体はつらいことではない。しかし、花粉症の方が不用意に換気をすると、症状がひどくなってしまう。できるだけ窓は開けたくないというのが本音かもしれない。

しかし、花粉の飛散量が少ない時間を選ぶ、開け方に工夫をするといったことを心がければ症状の悪化も防げるので、花粉に負けないように部屋の空気をきれいに保とう。

https://www.chintai.net/news/2022/06/13/145587/
リンクをコピー
関連記事関連記事