【オタク部屋訪問】ワンルームで叶えた!ガンダムフィギュアのコレクションルームの作り方
ワンルームで叶えたガンダムのコレクションルームを訪問!
あらゆる年代のあらゆる男性たちが反応する魔法の言葉「ガンダム」。そのフィギュアに魅せられ、大量のコレクションを飾るための部屋を探し、理想のディスプレイを実践している男性がいる。その名は「じだむさん」。
そこで今回はじだむさんに、ディスプレイのコツや工夫など、大量のフィギュアと同居するポイントを伺ったきた。
このページの目次
プロフィール
名前:じだむさん
職業:契約社員
年齢:26歳
instagram : @gdam429
ルームデータ
居住地:埼玉県
居住人数:1人
間取り:1R
家賃:45,000円(管理費込み)
築年数:築23年
愛するガンダムを眺め、世界にどっぷり浸るための部屋
東京都出身のじだむさんは、神奈川県の大学に進学したのをきっかけに一人暮らしをスタート。その後、就職時に実家に戻る選択肢もあったが、「自分のイメージ通りのコレクション部屋を作りたい」と理想の部屋を探した。
当初は都内で探したものの、家賃と広さと折り合いがつかず断念。ちょっぴり下って東京と埼玉の境目にあるこの駅では、家賃がグッと下がり、広さも充分確保できるこの部屋に出会ったという。
「実は住んでみたら静かでゆったりする街だとわかり、一挙両得でした。都心へのアクセスも便利だし、何より10.5畳という広さでこの家賃なら、給料をもっとガンダムにつぎ込めるので…(笑)」(じだむさん)
じだむさんがガンダムと出会ったのは小学生の頃。父親が夢中になっていたゲームにキャラクターとして登場していたのがガンダムだった。
「これは何だろう」と興味を持ってから、ガチャガチャや食玩で少しずつ集め始め、コレクションが本格稼働したのは高校2年生から。じだむさんにとって、ガンダムは何がそんなに魅力的だったのだろう。
「飽きっぽくて、何ごとも長続きしなかった僕が唯一興味を持ち続けられたのがガンダムでした。ガンダムは、一番最初のファーストガンダムから数えると今年で40周年。こんなに長く続いたアニメ作品って、すごいですよね。どんどん新たなフィギュアも登場するし、ガンダムは僕の探究心を刺激し続けてくれる存在です」と熱く語ってくれた。
この部屋で一番お気に入りの場所は「ベッド」。理由は、リラックスしながらガンダムのコレクションが全て目に入る場所だから。そんな風に愛されるガンダムたちも幸せだが、ガンダムを肴にお酒を飲んでいる時が一番リラックスするというじだむさんも相当幸せ。完全な相思相愛の関係に入り込む隙はない。
「日当たり良好」は逆効果!ディスプレイの常識と工夫とは?
この部屋の内覧に来た瞬間にディスプレイ案が浮かんだと話すじだむさん。その時のイメージ通り、西側の大きな窓は完全に締め切ってショーケースを重ねて並べている。
普通の部屋選びで重要視される「日当たり」や「窓の数」は、じだむさんにとってはまあまり意味がない。理由は「日当たりが良いとフィギュアが日焼けしてしまうから」。
「唯一開けている南側の窓のレースカーテンは、紫外線カットのもの。それもフィギュアの変色防止のためです。光が入ることはコレクションには致命的。日光は全く必要ありません」ときっぱり。
ディスプレイへのこだわりも生半可ではない。ショーケースのサイズは、フィギュアを置いた時の空間の美しさを見て、フィギュアに照準を合わせて決める。「このフィギュアにはこのサイズ」という、じだむさん独自の黄金比がある。
ショーケースを適当に選ぶとコレクションがみすぼらしくなるので、絶対に妥協はしないという。
「長く使うものなので、ケースはかなり慎重に選びます。今使っているのはホビーショップで売られているものと、無印良品のアクリルケースの2種類。いつでも買い足せるよう、絶対になくならないロングセラー商品であること。どこでも購入できるよう、広い店舗展開をしている店から買うことを条件にしています」(じだむさん)
照明つきのショーケースもある。これは仕切りが少なく一区画が大きかったので、さらなる工夫が必要だった。100円ショップのスタッキングできるタイプのアクリルケースを逆さに重ねて、大掛かりなひな壇を制作。高さを出すことで密度をつけ、大きなスペースも有効に使ってディスプレイできるようになった。
一番お気に入りは、食玩フィギュア「ガンダムコンバージ」。フルコンプで500体ほどあるというこのシリーズは、現在進行形で終わりは見えない。
1個540円(以前は360円だった)という手頃な値段もさることながら、身長5~6cmほどという集めやすいサイズで高い人気を集めている。
「プラモデルは大きすぎてコレクションは無理な人でも、これなら狭い部屋でも集められる。日本の住宅事情やライフスタイルに合っている部分も魅力です」(じだむさん)
ゴチャつくコレクション部屋を「すっきり」まとめるコツとは?
部屋づくりをするうえで、様々なコレクターたちのコレクション部屋を参考にしたというじだむさん。でもそこで気になったのは「統一感のなさ」だったという。
「フィギュア自体、カラフルなものが多いので、どうしても並べると雑然とした印象になってしまう。なのでこの部屋の家具や小物などは、赤・白・黄色・青というガンダムカラーに合わせることで、少しでも統一感を持たせるように工夫しました」(じだむさん)
赤をメインカラーに、シェルフや戸棚などの色を4色に揃えた一見ポップなインテリアは、ズラリと並ぶフィギュアと一体感を感じさせる。
また、種類の違う家具も凸凹しないように奥行きの長さを揃えラインを一直線にするとすっきりする。ちょっとした気配りで、大量のコレクション部屋も落ち着いて見えるのだ。
「少々派手な部屋に見えるかもしれませんが、フィギュアを悪目立ちさせない目的もあります。せっかくの一人暮らしなので、理想通りの部屋に自由に作り込んでいく楽しさもある」とこだわりを見せた。
ただ漫然とコレクションを並べていては、ゴチャつきは解消しない。モノが多い部屋だからこそ、積極的に色や形をコーディネートすることで部屋に統一感が生まれる。
夢のスペースは邪魔させない!「生活感のあるものは部屋の外へ」こだわりの収納術
この部屋で目に入るのはガンダムグッズばかりで、洋服や日用品などが部屋にほとんどない。「この部屋はガンダムのコレクションのための部屋なので、生活感のあるものはメインのスペースには絶対に持ち込まないようにしています」と、徹底したガンダムワールドを維持している。
では生活感のあるものは、一体どこにしまっているのだろうか…?
玄関にはたっぷり収納の下駄箱と、その上には突っ張り棒で立体的に作られた簡易クローゼットがあり、家の出入りの間際に身支度を整えられるようになっている。
ちなみに玄関から入ってすぐが台所、そのすぐ横に洗面台もあり、生活圏とガンダム圏がはっきり分けられる間取りになっているのだ。
「突っ張り棒に掛けられない洋服は脱衣場に集めてドアは閉める。とにかく部屋に余計なものはおかず、ガンダムのコレクションに集中させています」(じだむさん)
コレクションを楽しむために、自分自身の洋服さえ排除する筋金入のガンダム愛…これにはぐうの音も出ない…なぜか完敗した気分だ。
そんなじだむさんの部屋の一番奥まったところには、プラモ作りのための作業机がある。ちょっと覗かせてもらうと、赤い机に塗料やピンセット、綿棒などのほか、エアブラシや塗装ブースなど本格的なツールがずらりと並んでいた。完全に趣味の範疇を超えた装備に見えるが、あくまでも「楽しみ」のためのスペースなのだそう。
「買うスピードに作るスピードが追いつかなくて、箱のまま置いてあるプラモデルが山積みになっています」(じだむさん)
「作る」と「集める」ではどちらが楽しいかを聞くと、「集めるのが一番楽しい!」と即答した。「新しいフィギュアが出る、と聞いた時が一番盛り上がります。人気商品だと売り切れることもあるので、“まだあるかな”とか“今日買えるかな”とかドキドキする感覚がたまらない」と相好を崩した。
ガンダムはこれまでも、これからも終わらない。永遠に増殖し続けるフィギュアたちを、追い求めるじだむさんの旅はまだまだ続く。
文=元井朋子
写真=北原千恵美