実家から出て一人暮らしを始める時にやることは?必要な手続きを引越し前・後に分けて解説

公開日:2018年12月10日

実家から出て一人暮らしする際に必要な手続きとは?

引越しのイメージ
引越しの手続きを自力でやって、心も体も実家から自立してみよう!

実家から出て、初めて一人暮らしをするときは期待とともにさまざまな不安が押し寄せてくるものだ。引越しは、新居の契約をはじめ、ライフラインや郵便物関連の手続きなどやるべきことが多い。これらをきちんと済ませておかないと後々の生活で困ってしまうことになる。

引越しに伴う必要な手続きは引越しの前後で異なるため、あらかじめ整理しておく必要がある。今回は、引越しに必要な各種手続きについて解説していくので、一人暮らしを考えている方はぜひチェックしてほしい。

この記事でわかること
一人暮らしを始める「前」に必要な5つの手続き
一人暮らしを始めた「後」に必要な6つの手続き
一人暮らしする引越し費用の相場は、時期により異なる

実家から出て一人暮らしを始める前に必要な5つの手続き

引越しスケジュール
引越し日までにやっておくべきことをチェックしておこう!

物件が決まったらまずは入居日を早めに確定し、手続きをスタートさせよう。ここでは、引越し前に済ませておきたい手続きを紹介する。

一人暮らし前の手続き①:新居の契約

まずは、一人暮らしをする新居の契約が必要だ。物件の契約までの流れは以下のとおりである。

  1. 物件を探し不動産会社に行く
  2. 内見して物件を確認・決定する
  3. 不動産に入居申込書を提出し、入居審査を受ける
  4. 入居日を決める
  5. 契約を結び、敷金などの初期費用を払う
  6. 住民票などの必要書類を提出する

入居申込時は、申込書のほかに身分証明書の提示が必須だ。また、会社情報や年収などの情報も必要のため、あらかじめ確認しておこう。

さらに、物件によっては連帯保証人を立てる必要がある。このとき、連帯保証人の情報も必要のため、あらかじめ連帯保証人になってくれる人を探しておき、生年月日を、収入の有無などを確認しておこう。

そして本契約に進む場合、以下の書類の提出が必要となる。

  • 住民票
  • 収入を証明するもの
  • 連帯保証人に関する書類(住民票や収入証明、印鑑証明書など)

契約するときには印鑑が必要なので、忘れずに準備しておこう。

一人暮らしの手続き②:電気・水道・ガスの申し込み

電気・ガス・水道の請求書
電気・ガス・水道の手続きは少し面倒……?

実家から出て新たに一人暮らしをする場合は、電気・水道・ガスをそれぞれ個人で新規契約することになる。手続き方法や開通・開栓時の立会いの有無は以下の表のとおりだ。

手続き方法立会いの有無
電気電話・インターネットなし
水道電話・インターネット・郵送なし
ガス電話・インターネットあり

以下で詳しい手続きの方法を紹介していこう。

電気

電力自由化で電気の契約先を選べるようになった。自分に合った電力会社や契約プランを検討し、利用したい電力会社に電話またはインターネットで申し込みをしよう。

マンションでまとめて電力会社に加入している場合もあるので、不動産会社に確認しておこう。電力会社への連絡は、遅くとも1週間前には行っておこう。

入居当日開始手続きが済んでいれば、電気そのものはブレーカーを上げたら当日から使用可能だ。支払い手続きに関しては、電気使用申込書に記入し、電力会社へ送付すると手続き完了となる。

水道

管轄の水道局に電話またはインターネットで連絡し、使用開始日を伝えよう。こちらも、遅くとも1週間前には行っておくのが望ましい。

支払い手続きの方法は、インターネットや申込用紙の送付、金融機関窓口からの手続きなどがある。

ガス

引越し先を管轄する都市ガスまたはプロパンガス会社に申し込みとなる。電話やインターネットで入居日や新住所などを伝えて、開栓手続きを申し込んでおく。

電気や水道と異なり、ガスは利用開始にあたって作業員に来てもらい、入居者立会いのうえで開栓作業が必要となる。ガスの手続きは、余裕を持って2〜3週間前には済ませておきたい。引越しの時期によっては希望通りの日にに予約が取れないこともある。また支払いの手続きも時間がかかる場合があり、口座振替やクレジットカード支払いの場合、手続き完了まで1〜2ヶ月かかることもある。早めに申請しておこう。

一人暮らし前の手続き③:住民票異動(転出届・転居届)

引越し先が実家の市区町村外になる場合は、「転出届」を提出して「転出証明書」を受け取っておく。この「転出証明書」が、引越し後の住民票の転入手続きで必要となる。引越しの2週間前から申請できるため、早めに済ませておこう。

また進学のために一人暮らしをする場合は、生活拠点は実家にあると見なされるため、住民票の異動はしなくても問題はない。成人式の会場は住民票のある地域となるため、実家のある地元で成人式に出席したい場合は、それまで住民票は移さい方が良いだろう。

ただし、運転免許の更新や健康保険証、選挙の案内なども、住民票に記載された住所を元に届くため注意が必要である。

マイナンバーカードによる「特例転出」

マイナンバーカードを持っている場合は、マイナンバーカードを使用した「特例転出」という転出手続きが可能になる。

通常の転出・転入手続きは、転出届を住んでいた市区町村の役所へ提出し、そこで発行された「転出証明書」を持って、転入先の市区町村の役所へ転入届を提出する手続きだ。

特例転出はマイナンバーカードを利用した新しい制度で、マイナンバーカードを持参して転出届を届け出ると、転出証明書なしで手続きが可能になる。

特例転出・特例転入を行える期間は、引越し2週間前から引越し当日までの間。手続きに必要なものは次の通りだ。

特例転出に必要なもの

  • 転出届(役所で記入)
  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードの暗証番号
  • 本人確認書類

転入時は、転出証明書の代わりにマイナンバーカードが必要となるため注意しよう。

なお、特例転出・特例転入は任意のため、転出・転入の際にマイナンバーカードの持参を忘れたなどの場合は、通常の転出・転入手続きを行うことも可能だ。

一人暮らし前の手続き➃:インターネット回線申し込み

インターネットを新規で申し込む際、回線工事が必要になることが多い。約1週間〜1ヶ月ほどかかるおそれがあるので、入居日が決まったらすぐにインターネット契約をしておこう。

〈主な流れ〉

  1. プロバイダーと回線事業者に新規申込
    • プロバイダーと回線事業者の契約が最初からセットになっていることが多く、その場合はプロバイダーの契約を行うと自動的に回線事業者の契約もしてくれる。詳細は契約時に確認することをおすすめする。
  1. 回線工事の実施や接続機器の発送を待つ
    • 回線がない建物の場合、回線を通す工事が必要になる。工事の日程は連絡を入れてから2週間〜1ヶ月以上先になることもあるため注意しよう。

一人暮らし前の手続き⑤:郵便物の転送

実家に届く郵便物の中から、自分宛てのものだけを引越し先の新居に転送することができる。郵便局の窓口に置かれている転居届を出す、あるいは郵便局のHPから申し込むことで無料で転送サービスを受けられる。転送が開始されるまでに1週間ほど時間がかかる場合もあるため、引越し前に済ませよう。

実家から出て一人暮らしを始めた後に必要な6つの手続き

住民異動届
引越し後の手続きもしっかり把握して、漏れがないように!

引越しが終わっても、まだやるべき手続きが残っている。ここでは引越し後の手続きを紹介しよう。

一人暮らし後の手続き➀:住民票異動(転入届)

事前にもらっておいた「転出証明書」と身分証明書や印鑑を持って、引越し先の役所に行こう。役所の窓口で「転入届」を提出することで、住民票の異動が完了する。

役所では「転入届」を提出すると、国民健康保険など転居に伴い手続きが必要なものを窓口で案内してくれる場合もあるため、まとめて済ませておこう。引越し後2週間以内に行うのが目安だ。

また、その後の住所変更時に役立つので、住民票の写しを申請して受け取っておくのがおすすめ。

マイナンバーカードによる「特例転入」

マイナンバーカードを持っていて、「特例転出」を行っている場合は、「特例転入」という簡易的な転入手続きが可能になる。

「特例転入」は特例転出をしたマイナンバーカードを持参して、転入届を届け出ると転出証明書なしで転入できる手続きのことだ。

特例転入を行う期間と必要なものは次の通りだ。

特例転入(引越し当日~引越し2週間後)

  • 転入届(役所で記入)
  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードの暗証番号
  • 本人確認書類

なお、特例転入は転出証明書が必要なくなる代わりに、マイナンバーカーが必須となるため忘れずに持参しよう。

一人暮らし後の手続き②:マイナンバーカードの住所変更

住所が変わったら、マイナンバーカードの変更も忘れてはならない。引越し先に転入してから14日以内に手続きをしなければならないという決まりがあるからだ。もし、転入届を提出してから90日以内にマイナンバーカードの住所変更を行わないと、マイナンバーカード自体が失効してしまう。

また、引越し先によって手続きの仕方が分かれるのも注意点である。現在住んでいる市区町村内での引越しは「住所変更手続き」、ほかの市区町村の場合は「継続利用手続き」である。

一人暮らし後の手続き③:印鑑登録

印鑑登録とは、印鑑が本人のものであると公に証明するための手続きだ。具体的な期限はないものの、重要な手続きでは「印鑑登録証明書」や「実印」が必要となるため、引越しのタイミングで登録しておくことをおすすめする。

一人暮らし後の手続き④:運転免許証の住所変更

運転免許証は本人確認の証明書として使われることが多い。まずは最寄りの警察署に行き、運転免許証の住所変更を済ませておこう。

運転免許証と本人確認のための書類があればすぐに手続きができる。基本的に住民票(原本)・保険証・マイナンバーカード・公共料金のお知らせなどがあれば問題なく済ませられるが、新居の住所が記載されているものでなければならないため注意しておこう。

一人暮らし後の手続き⑤:会社や学校での住所変更

会社や学校に転居したことを連絡しよう。所定の書類に記入して提出する。

会社や学校の書類によっては住民票の添付が必要になる場合もあるため、提出する前に確認し、必要であれば住民票を用意しておこう。転入届を提出する際、そのまま役所で発行してもらうとスムーズだ。

一人暮らし後の手続き➅:各種住所変更

引越し後、住所変更するものは以下のとおりである。

  • 国民年金
  • 国民健康保険
  • 銀行
  • クレジットカード
  • 携帯電話
  • 個人契約の保険
  • 登録しているショッピングサイト等

住所変更の届出が必要なものは意外と多いため、事前にリストアップしておくと良いだろう。国民年金や国民健康保険は、入居先の市区町村の専用窓口で手続きができる。また、クレジットカードや銀行などネットで住所変更できるものもあるため、事前にホームページなどをチェックしておこう。

次のページでは、実家から出て一人暮らしする時の引越し費用の相場や、新生活で最低限用意すべきものをご紹介!

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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