希望の物件が見つかり、引越し業者も手配した。水道・ガスなどのライフラインの手続きも終え、後は荷造りを進めるのみ……そのタイミングで一安心してはいないだろうか。
引越し間際にやるべきことで、忘れがちなのが「転出届」をはじめとする行政手続きだ。うっかり手続きを忘れてしまうと、引越し以前に住んでいた地域の役所にわざわざ出向かなければならなくなったり、場合によっては罰則もあったりすることをご存じだろうか。
今回は、旧住所とは別の市区町村へ引越しをする際に必要な転出届の内容や必要書類、提出期限について紹介する。
引越しの際には役所でさまざまな手続きを行う必要がある
転出届の手続きについて知る前に、まずは引越しに伴う届出の種類について知っておこう。
・転出届:他の市区町村へ引越す際に、旧住所のある役所に提出する書類
・転入届:他の市区町村から引越してきた際に、新住所のある役所に提出する書類
・転居届:同一の市区町村内で引越す際に役所に、提出する書類
同一の市区町村内で引越しする場合は、転居届のみを出せば手続きは終了する。しかし、他の市区町村へ引越しする場合は、あらかじめ旧住所地にて転出届を出したうえで、新住所地にて転入届を提出しなければならない。
転出届は「この自治体から出て行き、この住所に引越します」という届出、転入届は「この住所からこの自治体へ引越してきました」という届出なのである。
転出先、転入先それぞれの役所で手続きが必要だ
結論を言うと、転出届の提出期限については引越しの前後14日以内に行うことと義務付けられている。このため、実は引越しが済んでしまった後でも、引越し日から14日以内であれば転出届は受理される。
引越し後2週間以内であれば転出届は提出可能
ただし本来であれば、住民票の異動は、引越しという事実的な体の移動にできるだけ合うように行うのが望ましい。また他の市区町村へ転出する場合には、わざわざ引越し後に旧住所地まで戻ってくるのは面倒にもなる。このため、転出届の提出は、なるべく引越し当日までに済ませるのが良いだろう。
また「どうしても転出届の提出が引越し後になってしまう」という場合にも、実態と相違がないよう、できる限り速やかに届出を行うようにしよう。
転出届、転入届、転居届は、役所に登録している住民票(住民基本台帳)の住所を変更するために必要となる、住民基本台帳法によって定められた義務である。よって、期限内に転出届を提出しない場合には5万円以下の過料を科せられるとの罰則が設けられている。
住民票には氏名や生年月日などの情報が記録され、国民健康保険、国民年金、児童手当など各種行政サービスの基礎となっている。このため、住んでいる市区町村で、行政サービスを確実に受けられるようにするため、住所を移した場合は速やかに住民票の住所変更の届出を行うことが法律で義務づけられているのだ。
もし万が一、うっかり期限を過ぎてしまったとしても、各自治体の裁量によっては過料の支払いを免れる場合もあるが、基本的には速やかに住民票の異動手続きを行うようにしよう。
最後に、転出届の提出時に必要なものをあげておく。
・転出届(住民移動届)
※各自治体の役所窓口に置いてある
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
・印鑑
・国民健康保険被保険者証(加入者のみ)
・委任状(代理人によって手続きを行う場合)
なお、原則として届出は旧住所の市区町村窓口にて行うが、自治体によっては郵送による届出を受け付けているところもある。急な引越しなどで手続きが間に合わない場合には便利。詳しくは役所の窓口へ問い合わせるといいだろう。
印鑑など必要書類は事前に確認を
引越しまで、まだまだ余裕があると思っていても、引越し日が近づくと、新居の掃除や家具の準備、荷物の梱包など忙しくなってしまう。いざとなって慌てないためにも、転出届は余裕をもって提出しておこう。
余裕を持って忘れずに手続きしよう
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文=花山 さくら
子連れ離婚をきっかけにライターデビュー。多様な資格を武器に、現在は独立してフリーライターとして活動中。