引越しの際のエアコンの移設方法は? 処分する場合の手順やかかる費用も調査

公開日:2018年7月9日

引越しの際、エアコンはどうする?新居に持っていきたい場合の移設手配や処分の方法

何かとお金がかかる引越し。大型家電の取り外しや処分で悩む人も多いだろう。他の家電製品と違い、エアコンは素人が取り外しや設置するのが難しいといわれている。

今回は、引越しでエアコンを新居に持ち込みたい場合の取り外し・設置手配の方法、業者に依頼する際の費用や注意点、不要なエアコンの処分方法、料金相場などについて解説する。

引越しの際のエアコンはどうする?
引越しの際、エアコンはどうする?

物件に自分で設置したエアコンは、引越しの際に撤去しなければならない

近頃の賃貸物件は、備え付けのエアコンがついているところが増えている。入居当初からエアコンが備え付けであった場合は、引越しの際に新居へ持っていくことは当然できないので、そのまま物件に置いていくことになる。

しかし、自分でエアコンを購入し設置した場合には、退去の際にエアコンを撤去しなければならない。なぜなら、賃貸物件では退去の際に部屋を元の状態に戻す「原状回復義務」があるためだ。

もし引越し先にエアコンを持っていくことができないのであれば、大家さんや管理会社と相談し、エアコンを設置したまま置いていくことができないか、相談してみるのがよいだろう。もしそのまま引き取ってもらえるようであれば、余計な処分費用などを支払わずに済む。

素人がエアコンを取り外すのは危険!

エアコンを撤去しなければならなくなった場合や、新居に持ち込んで使いたい場合。お金を払って業者に頼むくらいなら、自分で取り外してしまおう!と思う人もいるかもしれないが、それは危険だ。

基本的にエアコンの取り外しや設置には専門知識が必要となり、各物件の配管の位置やエアコンの機種ごとに設置の仕方、室外機の取り外し方法も異なる。またエアコンはかなりの重量があり、素人がむやみに触っては思わぬ大ケガにもつながる。エアコンの取り外しや設置は、業者に依頼するのが賢明だ。

また、エアコンは室外機と室内機がセットになって動いている。この2つをつないでいる管の中に、空気を冷やすのに必要な特殊なガスが入っていて、梱包のしかたを間違えるとガスが漏れてしまうおそれがある。取り外しだけでなく、梱包や運搬についても知識のない人が行うと故障につながる恐れがあるので注意しよう。

エアコンを引越し先へ持っていきたい!費用はどれくらいかかる?

エアコンを引越し先へ持ち込みたい場合、取り外し・運搬・新居への取付けという一連の作業が必要になる。依頼先としては大きく分けて2通り。一つは引越し業者に頼む方法。もう一つは、エアコンの専門業者に依頼する方法だ。

引越し時のエアコンの移設方法や、かかる費用は?
エアコンの移設方法や、かかる費用は?

引越し業者に移設してもらう場合は、他の家財の搬出作業と同時進行で行ってもらえる場合が多いため、スムーズに無駄なく引越し作業が進められる。依頼する場合は、引越しの見積もりを頼む時点で「エアコンの取り外し・取付もお願いしたい」という旨を伝えよう。

ただし、引越し業者によってはエアコン移設サービスを行っていない場合もある。また、料金が割高になる場合もあるので、その場合はエアコン専門業者に依頼するのが良いだろう。

エアコンの移設料金は、業者にもよるが2万円~3万円前後が相場となる。また、新居の状況によっては配管・配線が手持ちのエアコンと合わない場合があり、別途調整手数料がかかったり、最悪の場合は設置できないということもありえる。エアコンの配管が特殊な物件かどうかは、大家さんや管理会社が把握している場合もあるので事前に問い合わせておくとよいだろう。

このようにエアコンの引越しにはある程度の金額と手間がかかるので、エアコンを新居へ持ち込むよりも、むしろ新しいものを購入してしまった方が安上がりな場合もあるので要検討だ。

引越し業者に依頼するメリット・デメリットとは

エアコンの移設を引越し業者に依頼する場合、引越しと同時に移設作業してもらえるため、メリットが多い。たとえば、エアコンの取り外しから運搬はもちろんのこと、引越し先での取り付けも任せられたり、引越し代金とまとめて見積もりがされ、計算しやすくなったりと依頼するメリットは多いだろう。

ただし、専門業者に依頼するより料金が高めなことや、引越しシーズンといった繁忙期には対応してもらえない可能性があるなどデメリットもいくつかあるので注意が必要だ。また、専門業者ではなく、引越し業者とのやり取りがメインとなり、細かい料金でトラブルにつながる可能性も考えられる。

しかし、取り外しから運搬、取り付けまでを自分で行う必要がない点は、エアコンの故障を減らすことにもつながるため、料金が高めでも依頼する価値は十分にあるだろう。

エアコン専門業者に依頼するメリット・デメリットとは

一方、エアコン専門業者に依頼する場合は、専門スタッフと直接やり取りすることで、詳細な見積もりを提示してもらうことが可能であったり、引越し業者より料金が安めなことが多かったりする。しかし、気になるデメリットもいくつかあるので、依頼する際は注意が必要だ。

エアコン専門業者に依頼する場合は、運搬を自分で行う必要があり、必然的に故障のリスクは高くなってしまう。また、引越しのタイミングに合わせて、自分で日時を調整し依頼する必要があったり、県外へ引越す場合は、取り外しと取り付けの業者へ別々に依頼しなければならなかったりと、日程調整の手間が増えるのも気になるところだ。

まとめると、引越し料金を抑えたい人はエアコン専門業者、料金が少し高めでも故障のリスクを減らしたい、もしくは県外へ引越す予定の人は、引越し業者に依頼するのが良いだろう。

エアコンの引越しを業者に依頼する際の注意点

引越し業者と専門業者。どちらに依頼する場合も、トラブルへ発展する可能性があることは、頭に入れておかなければならない。ただし、事前に注意していれば、未然に防げることあるので、どのようなトラブルが発生しがちなのか把握しておこう。

見積額と最終的にかかる額が異なる可能性がある

業者に依頼する場合、料金トラブルに発展することが比較的多い。エアコン工事では、想定していた工事以外に、追加工事が必要となる場合があるため、知らされていた料金よりも、高い金額が請求される可能性があることは頭に入れておこう。

ただし、中には理不尽に高い料金を請求してくる悪質な業者もおり、見極めることは難しい。そのため、業者に依頼する際は、追加工事がある可能性、その場合どれくらい料金が上乗せされるのか、事前に聞いておくと良いだろう。

作業中にエアコンが故障するトラブル

業者に依頼した場合でも、作業中にエアコンが故障するトラブルが発生する可能性はある。業者がエアコンを故障させる原因は、接続不良やエアコン自体が古いなどさまざまで、十分ありえることだろう。

故障によるトラブルを防ぐためには、できるかぎり実績が多い専門業者に依頼するか、補償がついている業者に頼むのがおすすめだ。

引越しを機にエアコンを買い変えたい!3つの見極めポイント

部屋にあるシンプルなエアコン
エアコンを買い替えるべき人とは?

エアコンの状態などによっては、エアコンを移設するより買い替えたほうが良い場合もある。業者の依頼料金は2万円〜3万円前後が相場となるため、エアコンを購入しても、ほとんど料金が変わらないことも考えられる。なお、エアコンを買い替えても良いかは、以下の3つから見極めてほしい。

長期間ずっと同じエアコンを使用している

10年以上、同じエアコンを使い続けている場合は、いつ故障してもおかしくないため、引越しのタイミングで買い替えたほうが良いだろう。エアコンの寿命は、およそ10年~15年なので、引越しのタイミングで、10年経過している場合は、取り外しの手間などを考えても買い替えがおすすめである。

省エネ機能がないなど、機能が古い

古い機種のエアコンの場合は、省エネ機能などが搭載されておらず、費用が余計にかかっている可能性がある。10年前の機種と最新の機種を比較した場合、年間でおよそ3,000円安くなることが分かっており、これから数年使用し続けることを考えれば、その金額差は無視できない。

省エネ機能がついていない場合は、月額料金を節約する意味でも、引越しのタイミングが買い替えのタイミングと捉えて良いだろう。

引越し先の部屋が今より広い

引越し前の部屋で快適に使えていたエアコンでも、部屋が広くなると十分に性能を発揮できない可能性が考えられる。たとえば、6畳用のエアコンを10畳の部屋で使用すると、電気代が余計にかかる上、快適な温度になるまでに時間もかかってしまう。

住居が変わる場合は、引越し先の部屋の広さに最適なエアコンに買い替えることで、コストの削減につながる可能性がある。

引越し時、エアコンを処分する場合の方法や費用は?

エアコンの処分にかかる費用を計算する女性
エアコンの処分にかかる費用は?

新居に備え付けのエアコンがあり、現在使っているものは不要になったという場合。古いエアコンは処分するにはどうすればよいだろうか。

実はエアコンは、テレビ・冷蔵庫・洗濯機とともに「家電リサイクル法」のリサイクル対象に指定されていて、粗大ごみとして廃棄することができない。資源や環境を守るため、決められたリサイクル方法に則って回収・分解され、部品ごとに有効に再利用されることとなる。

上記家電4品目を処分する際には、リサイクル費用を負担する義務が発生する。エアコンのリサイクル料はメーカーや機種によっても異なるが、972円~となっている。

エアコンを処分する場合、一番手っ取り早いのは、そのエアコンを購入したお店、または新しいエアコンを購入する店に引き取りを依頼することだ。その場合、上記のリサイクル料金はその店に支払うこととなる。加えて、取り外し作業にかかる手数料、運搬費用などが別途発生するが、料金は店舗によって異なるため、直接お店に問い合わせてみよう。

エアコンを購入した店が遠方にある等で引取りを依頼できない場合には、現在住んでいる自治体へ相談しよう。基本的には、自治体から認可を受けた処分業者に直接エアコンを持ち込み、廃棄処分をお願いするという方法になる。その場合、エアコンを処分業者に持ち込む前に郵便局でリサイクル料を振込むこととなる。詳しくは自治体の廃棄物担当窓口へ問い合わせてみよう。

エアコンを引越し先に持っていくかどうかは、かかる費用によって検討を!

賃貸物件に自分で設置したエアコンは、原則、退去時に撤去しなければならない。エアコンを新居で使用しない場合は、まずは大家さんや管理会社に相談し、残していってもよいか確認するのが良いだろう。

もしも新居にエアコンを持ちこみたい場合は、まずは引越し業者に取り外し・取りつけの見積もりを依頼してみよう。処分する場合には、廃棄するエアコンを購入したお店、または新しいエアコンを購入する店に引取りを依頼するのが手っ取り早い。新居に持っていくよりも処分して買い替えたほうが安く済む場合があるので、引越し料金と廃棄にかかる料金などを総合的に考え、どうするのが一番得か考えてみるとよいだろう。

文=ブロック
※2021年2月加筆=CHINTAI情報局編集部

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

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