一人暮らしの生活に慣れて生活リズムが整うと、ペットを飼う余裕が出てくる。飼い主に従順な犬はペットの中でも人気が高い動物だ。しかし一人暮らしでも飼えるだろうか?
今回は一人暮らしで犬を飼ってみたいという人に、おすすめの犬種や気をつけたいポイントを解説する。
一人暮らしで飼うなら小型犬がよい
ペット可の物件では犬を飼うことができる。その場合室内飼いが基本になるため、部屋の広さに適した大きさの犬を選ぶことがポイント。一人暮らしのペットには小型犬を選ぶとよいだろう。
飼育数が多い犬種は、ミニチュア・ダックスフンドやトイ・プードル、チワワなど。ポメラニアン、シー・ズー、ヨークシャテリア、ミニチュアシュナウザー、フレンチブルドックも人気を集めている。
小型犬は、一人暮らしでペットを飼いたい人に適しているポイントがいくつかある。特にチワワは、体が小さく運動量が少ないため、毎日散歩に連れて行くのが難しい人に向いている犬種だ。フレンチブルドックも運動量が少なめでほとんど吠えない。留守番が得意なので、一人暮らしで家を空ける時間が長い人におすすめ。
ミニチュア・ダックスフンドは、運動好きなので犬と一緒にアウトドアに出かけたい人に向いている。トイ・プードルやシー・ズー、ポメラニアンはのんびりした性格の犬種。一人暮らしで犬を飼うのがはじめてでも世話しやすい。
ミニチュアシュナウザーは忍耐強い性格で、ヨークシャテリアは落ち着きがあるかしこい犬種のため留守番も可能だ。
犬を飼うにはケージが必要?
犬を飼うことになったら、どんなものが必要だろうか?犬を迎える前に用意しておきたいものをリストアップしていこう。
犬を飼う際の必需品。軽いとひっくり返して遊んでしまうので適度な重さがあるものがよい。
犬を室内で飼う場合、ペットシーツを使って留守中でも排泄できるようにトレーニングしよう。ずれないように固定するためのトレーがあると役立つ。
年齢に合ったものを選ぶのがポイント。犬を迎え入れる前に食べていたものがあれば、同じものを用意しておくのがおすすめ。おやつはしつけの際に活用できる。
室内フリーにするとテリトリーが広くなりすぎて、犬にとってストレスになることがある。犬が留守番できるようにするには、安心できる居場所を作ることが大切だ。寝るスペースとトイレが確保できる大きさのものがおすすめ。
犬を飼う場合、初期費用がどれくらいかかるか気になるところだ。犬を飼うためには住んでいる自治体に飼い主名を登録しなければならない。自治体によって価格差はあるが登録料はおおむね3,000円ほど。犬を飼う義務として必要な狂犬病の予防接種は3,500円だ。ほかに、年1回接種する混合ワクチンは病院によって価格が異なるものの一般的には8,000円ほどかかる。
犬を迎えるための必需品に20,000円ほどかかるため、初期費用として34,500円は必要と考えた方がいいだろう。犬を飼いはじめると、消耗品や食品のほかに買い足すものが出てくるので、予算は多めに見積もっておこう。
一人暮らしで犬を飼うときに役立つものも紹介しよう。犬を迎える初日に間に合わなくても問題ないが、早めに準備しておくとよいものをピックアップした。
犬のストレス発散や飼い主とのスキンシップに役立つ。一緒に遊んでコミュニケーションを取ったり、ひとりで遊んだりできるように用意しておこう。
子犬を飼う場合は粗相や嘔吐をしやすいため、すぐに掃除できるように備えておくと便利だ。
散歩のときの必需品。トレーニングにも使えるので用意しておきたい。万が一のときに備えて迷子札をつけておくのがおすすめ。
犬の健康のためにはきちんと手入れするのが重要なポイントだ。普段から手入れしていると異変に気がつきやすくなるので、早めに対処できる。
犬を連れて出かけるときにはキャリーバッグを使うと動きやすくて便利。日頃から慣れさせておけば、病院に連れて行くときにもスムーズに入ってくれる。
室内犬にも運動は必要?
小型犬には運動量が少ない犬種が多いため散歩がいらないと誤解されやすい。だが、室内で過ごしている犬にとって、散歩はストレスを解消できる大切な時間だ。特に留守番が長い犬は、散歩することで外の世界からの刺激を受け、気分転換につながる。
また、犬と一緒に遊ぶ時間を確保することは、飼い主との絆を深めるのにも役立つ。ドッグランに連れて行くのもおすすめだ。周りの人や犬とコミュニケーションを取ることで社会性が身につき、しつけにもプラスに働く。
ペット可の物件で犬を飼う場合でも、周囲に迷惑をかけないような配慮が必要だ。鳴き声や臭いは、大きなトラブルに発展することがある。留守中に吠えていないか心配な場合は、ペットカメラを設置して様子をチェックしよう。外の物音に反応して吠えていたら、ケージの場所を移動するなどの対策を取ろう。
臭い予防には、定期的なシャンプーや拭き取りシートで手入れするのが効果的だ。しつけがうまくいかないときは、動物病院のしつけ教室を利用するなど専門家を頼るとよい。
ペット可の物件に住めば、誰でも犬を飼えるわけではない。自分一人で犬の世話ができるかよく検討してから決めよう。
例えば、散歩やドッグランなど犬を外に連れて行く余裕がない場合、ストレスを与えてしまうことになる。何日も家を留守にすることがあった場合の対策も必要だ。ペットホテルを利用したり、犬が慣れている人に世話を頼んだりできる環境を整えておかねばならない。
犬の医療費を支払える経済力も飼い主になるためには必要な条件だ。犬は毎年予防接種を受ける必要がある。また、病気をしたときには動物病院に通わなくてはならなくなる。仕事で転居を伴う人事異動がある人も慎重に考えた方が良い。転居先でペットOKの物件を確保できないと、犬を飼い続けられなくなってしまうからだ。
犬を飼いたいと思ったら、どんな世話が必要か事前に情報を集めて本当に育てられるか判断しよう。毎月かかる費用を確保できるかもポイント。もしものときに備えて、ペット保険に関する情報も事前に調べておくのがおすすめだ。犬を迎えると決めたときは、一人暮らしでも飼いやすい犬種を選ぶとよい。必要なものをそろえて住みやすい環境を整えてあげよう。
文=tara