木造アパートのメリット・デメリットとは?木造物件の選び方や快適に暮らすコツも紹介
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木造アパートってどうなの?メリット・デメリットが知りたい!
賃貸物件を探す際、候補となるもののひとつが木造アパートだ。木造アパートとは、主要構造部に木材を使用した建物のことで、そのほとんどが2階建て以下となっている。
今回は木造アパートが持つメリットやデメリットについて解説していく。また、木造アパートの選び方や快適に生活するコツなども紹介していくので、物件選びの参考にしてほしい。
木造アパートに入居する5つのメリット
木造アパートには具体的に、どのようなメリットがあるのだろうか?主なメリットは次の5つだ。
木造アパートのメリット①:比較的家賃・管理費が安め
木造アパートは比較的家賃・管理費が安く設定されている。木造アパートは建設する際のコストを抑えられるため、鉄骨や鉄筋コンクリートの物件と比べて家賃が安いことが多い。また、木造アパートは2階建て以下であることがほとんどであるため、エレベーターがついていない場合が多い。共用設備が最小限で済む分、管理費も安く抑えられる。
家賃が安くなれば、その分敷金や礼金の額も下がるため、初期費用をできるだけセーブしたい人にも木造アパートはおすすめだ。
木造アパートのメリット②:通気性が良く、湿気がこもりにくい
木造のアパートは、通気性の良さが特徴のひとつ。鉄筋コンクリート造等と比較して湿気がこもりにくく、結露やカビ、ダニも発生しづらいため、カビやダニに対してアレルギーを持つ人におすすめだ。また、木材の持つ調湿作用により、湿度が高くなる夏はジメジメしにくく、冬は湿度を保つことができるメリットがある。1年を通じて快適に過ごせるのも魅力である。
木造アパートのメリット③:空間を広く感じやすい
鉄骨や鉄筋でできた物件の場合、天井や壁に梁や柱があることから、凹凸が生まれてしまう。この凹凸により、部屋に圧迫感を感じる人も少なくはない。
一方、木造アパートの場合、基本的に天井や壁に梁や柱がないため凹凸ができない。すっきりとした空間で、広さを感じやすいというメリットがある。
木造アパートのメリット④:家具を配置しやすい
前述したように、鉄骨や鉄筋の物件は天井や壁に梁・柱があることも多く、デッドスペースが生まれやすい。「思ったように家具を置けない」「家具を置いても隙間が多くて見た目が悪くなってしまう」など、家具の配置で困るケースも少なくはない。
木造アパートは梁や柱がないので、家具を配置しやすい。家具のレイアウトやコーディネートの幅が広がり、自分好みの居住空間を作れるだろう。
木造アパートのメリット⑤:デザイン性の高い物件もある
木造アパートは、鉄やコンクリートよりも加工しやすいことから、設計面での自由度が高いという特徴がある。デザイナーズアパートを始め、デザイン性の高い物件も多く、おしゃれな外観や内装の物件に出会える確率も高まるだろう。
木造アパートに入居する4つのデメリット
木造アパートにはメリットがある一方、注意すべきデメリットも多く、「木造アパートはやめておいた方が無難」といわれることも少なくはない。ここからは、具体的なデメリットを全部で4つ紹介していく。
木造アパートに入居するデメリット①:比較的防音性が低い
最初のデメリットとして、防音性の低さが挙げられる。木造は鉄骨や鉄筋などと比べて軽いため、生活音が周囲に響きやすいという特徴がある。自室で話している声やドアを開け閉めする音、足音などが隣の部屋や階下に響いたり、反対にほかの住人の生活音が聞こえてきたりする可能性もあるだろう。
ただし、間取りや使用している建材によっては、生活音が響きにくい物件もある。クッション性の高い床素材を使っている、あるいは遮音材を取り入れているなど、防音性能が高い賃貸物件も珍しくない。
また、自分で防音シートをつけたり、床に厚手のカーペットを敷いたりすることで、音漏れの対策に役立つ。
木造アパートに入居するデメリット②:冷暖房が効きにくい
冷暖房が効きにくいのも、木造アパートが持つデメリットといえる。先で述べたように、木造アパートは通気性に優れている。通気性が良いということは気密性も低く、室内にある空気が外に逃げやすいことを意味している。
夏は冷房をかける前に風通しを良くして、部屋にこもった熱を外に逃がしてあげよう。冬は暖かい空気が逃げないように、保温性のあるカーテンをつけるのがおすすめだ。
木造アパートに入居するデメリット➂:火災や地震に弱い
木造アパートは木でできているため、火災に弱いという欠点がある。また、鉄筋コンクリートと比べると地震にも弱く、特に築年数が古い物件では耐震性に不安を覚えるかもしれない。
2000年6月に建築基準法が改正され、耐震性の基準が見直された。そのため、2000年以降に建てられた木造アパートなら、一定の耐震性が確保されているといえる。
木造アパートに入居するデメリット➃:虫が出やすい
木で作られた木造アパートは隙間が生まれやすいことから、虫が発生しやすいデメリットがある。
ただし、木造アパートであっても構造や入居後の対策次第では虫の発生を予防することは可能だ。虫が侵入しそうな箇所を塞いだり、防虫剤をあらかじめ準備しておいたりと、事前に対策を講じることが大切だ。
次は木造物件を選ぶ時のポイントや、木造物件でよりよい生活を送る際のポイントを紹介していく。
木造アパートを選ぶ際の3つのチェックポイント
家賃や管理費の安さなど、多くのメリットを持つ木造アパート。できるだけ快適に過ごせる物件を見つけるためには、下記3つのチェックポイントに沿って確認しよう。
木造アパート選びのチェックポイント①:日当たり
- 物件の方角はどうか(南と東向きが一般的に人気とされる)
- 採光面の方角にビルなど日光の妨げになるものはないか
- 日中に内見する
木造の物件は鉄筋コンクリート造などと比べて通気性が良い一方、冬場には寒く感じることもある。日当たりが良い物件であれば、日中は日差しが入るため室内も明るく、部屋を暖かく保つことができる。
日当たりは物件によってまちまちで、「南向き」と書いてあっても、周囲の建物に日差しが遮られていることもある。実際に内見に行き、自分の目で確認することをおすすめする。
木造アパート選びのチェックポイント②:耐久性
- 外観にひび割れなどが入ってないか
- 地盤を調べてみる
- 建築された年がいつか確認する(1981年と2000年に注目)
耐久性に不安を感じる場合は、内見時に外観に大きなひび割れがないかどうか確認すると良い。それでも不安だと感じるなら、その土地が過去沼地の埋め立て地ではないかなど、地盤を調べてみると参考になる。
また、2000年に木造建築物の耐震基準を見直す法改正が行われているので、2000年の6月1日以降に建てられた物件に絞って探すという方法もある。古めの賃貸アパートを検討している場合でも、現行の耐震基準が設定された1981年6月以降に建てられた物件を選ぶとよい。
木造アパート選びのチェックポイント③:騒音
- 洗濯機置き場や窓ガラスが隣の部屋や隣の建物に近い場所にないか
- 賃貸アパートの近くに騒音が起こりやすい環境(幹線道路や線路、工場など)はないか
- 自分の部屋のリビングや、寝室と隣の部屋のユニットバスが隣り合っている間取りになっていないか
- 壁材に遮音材を使っていたり、遮音性が高いサッシを使っていたりするような新しめの物件を選ぶ
騒音についても、やはり実際に現地へ行って確認するのが一番だ。上下左右にほかの住戸と接している部屋に比べ、最上階や角部屋などなるべくほかの住戸と接していない部屋の方が騒音のリスクが少ない。そういった意味では、最上階の角部屋が木造物件の中では比較的騒音も感じにくいといえる。
また、隣の住戸のユニットバスが自分の部屋のリビングと隣り合っていたり、洗濯機置き場が隣の部屋の近くにあったりするような間取りも騒音リスクが高くなる。隣の住戸の間取りも確認すると良いだろう。
他にも、集合ポストやゴミ置き場などの共用スペース、ベランダや庭などのスペースがきれいに保たれているかどうかで、近隣住民の生活マナーをある程度把握することもできる。
もちろん古い物件より新しめの物件の方が騒音が少ない傾向にあるので、新しめの物件で遮音材や遮音サッシを使っている賃貸アパートに絞って探しても良いだろう。
木造アパートでより快適な生活を送るためのコツ
木造アパートでより快適な生活を送るためには、いくつかのコツがある。。
木造アパートで暮らすコツ①:騒音対策をする
木造賃貸アパートに住む場合は、やはり騒音対策をきちんとすることがポイント。ブラインドを使うよりも、厚手のドレープカーテンとレースカーテンを2重にかけた方が音漏れ対策には効果的だ。
また、隣の住戸との境になる壁面に沿って、本棚や収納棚を設置すると隣への音対策になる。また、2階以上に住むときは足音の問題を解消するために防音マットや簡易畳、厚手のカーペットを利用するのがおすすめである。椅子やテーブルの脚にカバーをつけることも忘れずに。
木造アパートで暮らすコツ②:適度に近所付き合いをする
必要以上に親しくなろうとする必要はないものの、普段から何気なく会話する習慣ができていれば、お互いの音がどのくらい相手に聞こえているかを確認しやすい。
家族構成や生活スタイルの変化など、自分が原因で騒音トラブルが起こる可能性がある出来事が起きた場合は、前もって近隣に声を掛けておくとトラブルを未然に防ぐことができる。
木造アパートのメリット・デメリットを知って、物件選びの参考にしよう
このように、耐久性や騒音などの心配はあるが、家賃・管理費の安さや通気性の高さ、家具配置のしやすさなど、隠れたメリットがたくさんある。デザイン性が高い物件や、防音性・耐震性に優れた物件もたくさんあるので、いろいろと比較してみるのがおすすめだ。
今回ご紹介したメリットとデメリット、内覧時のチェックポイントを把握し、理想の物件を見つけてほしい。