引越しの費用はどれくらい?世帯人数別の引越し費用や安い時期を解説
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引越し費用の相場はいくら?世帯人数別の費用目安をシーズンや時間帯、曜日別に公開!
引越しにかかる費用は、世帯人数や時期によって変動するため、自身の状況に合わせて予算立てすることが大切だ。引越し費用の目安を押さえておくことで、引越し会社の見積もりを比較する際の参考にもできるだろう。
そこで今回は、引越し費用の内訳の他、シーズンや時間帯、曜日ごとの費用感の違いを詳しく解説。併せて、費用を安く抑えるためのポイントや、引越し会社を使わずに自力で引越した場合の費用も見ていこう。
※本記事に掲載の引越し費用は、「引越し侍」様よりご提供いただいたアンケートデータから算出した目安です。料金相場は市場状況などにより上下するためご留意ください
引越し費用の内訳を解説
まずは、引越し費用の内訳を確認しよう。一般的に、引越し会社に支払う費用は「基準運賃」「割増料金」「実費」「オプション費用」の4つで構成されている。それぞれ具体的にどのような内容なのか解説する。
基準運賃
基準運賃の算出方法は基本的に移動時間による「時間制」と、移動距離による「距離制」の2種類に分けられる。
引越しの移動距離が100kmを超える場合は距離制が、100km以内なら時間制が適用される。時間制は「4時間制」と「8時間制」に分けられ、4時間制は基礎作業時間が午前から午後にまたがらない場合であって、かつ4時間以内の場合に適用される。
基準運賃は、国土交通省が定める「標準引越運送約款」にもとづいて算出されているため、基本的には引越し会社によって大きく変動することはないと考えていいだろう。
割増料金
割増料金とは、作業の時間帯や依頼時期によって、割増される料金のことを指す。引越し会社によって金額は異なるものの、基本的には早朝や深夜、土日祝日に割増料金が適用されると考えていい。
また、荷主の事情で車両を止めておく場合は、「車両留置料」が請求される。さらに、降雪地域では、冬期の引越しに割増料金がかかるケースもある。
実費
荷造り作業の人件費や梱包資材費、有料道路の利用などによって発生する料金は、実費で請求される場合が多い。他にも、トラックのガソリン代が実費負担となるケースもある。
<実費負担となる主な費用>
- 人件費:必要な作業スタッフの人数に応じた料金が発生する
- 梱包資材費:ダンボールやエアキャップ、ガムテープなど、荷造りに必要な梱包資材にかかった費用
- 有料道路利用料金:高速道路や有料道路などを利用した場合の利用料金
オプションサービス費用
一般的な引越し作業の他にオプションサービスを利用した場合には、その料金が加算される。サービス内容や料金は引越し会社によって異なるが、エアコンの取り外しや設置、ピアノなどの特殊な荷物の輸送、不用品の処分などにかかる費用が該当する。
<主なオプションサービスの内容・費用>
- ピアノ運送:4万~5万円(運送距離100km程度の場合)
- 乗用車運送:2万5000~3万5000円(運送距離100km程度の場合)
- エアコンの取り外し:5000~1万5000円
- エアコンの設置:1万5000~2万5000円
※出典:関東運輸局「引越しのモデル運賃・料金」
上記のようなオプションサービスの有無や料金は引越し会社によって異なるため、利用したいオプションがある場合は事前に確認しておこう。
世帯人数別の引越し費用の目安
世帯人数によって荷物量は大きく異なるため、引越しにかかる費用も変動する。ここからは、一人暮らし、二人暮らし、3人以上の世帯それぞれの引越し用の目安を、シーズン別に見ていこう。
一人暮らし(単身)の場合
一人暮らしの引越し費用は、移動距離や荷物の量によっても費用は変動するものの、繁忙期(3~4月)だと通常期(1~2月、5~12月)と比べて1万円以上の差がある。荷物が少なく引越し時期も通常期にできれば、3万円台に抑えることもできるだろう。
【一人暮らし(単身)のシーズン別・引越し費用の目安】
時期 | 荷物が少ない人 | 荷物が多い人 |
---|---|---|
繁忙期(3~4月) | 5万2000円 | 7万0000円 |
通常期(1~2月、5~12月) | 3万4560円 | 4万2000円 |
一人暮らしで荷物が少ないのであれば、「単身パック」などのお得なサービスを利用するがおすすめだ。単身パックとは、決められた大きさのボックスに入るだけの荷物を運んでくれる格安のプランのこと。通常の引越しではトラックを貸し切ることが多いが、単身パックならその引越し会社専用のボックスで荷物をまとめて運ぶため、費用を大きく抑えることができるのだ。
二人暮らしの場合
二人暮らしの場合の引越し費用は、繁忙期に利用すると10万円近くかかってしまうことも。通常期であれば、繁忙期と比較し3万円程度安く抑えられるため、引越しの時期は慎重に検討したいところだ。
【二人暮らしのシーズン別・引越し費用の目安】
時期 | 費用 |
---|---|
繁忙期(3~4月) | 10万円 |
通常期(1~2月、5~12月) | 7万円 |
二人暮らしの引越しで活用したいのが、「立ち寄りプラン(2箇所積み)」と呼ばれるサービスだ。立ち寄りプランとは、2ヵ所から荷物を運び出したり、2ヵ所へ荷物を降ろしたりすることができるプランのこと。別々に住んでいた2人が、結婚や同棲、ルームシェアなどで同じ部屋に引越しをする場合におすすめだ。
他にも、子どもの独立と実家の建て替えを同時にするときや、引越しを機に大型の家具・家電類を人に譲りたいときなどにも重宝するサービスだ。
3人以上のファミリーの場合
荷物量の多い3人以上の世帯の引越しは、費用が高くついてしまいやすい。次の表からもわかるように、3~5人家族が繫忙期に引越すと、費用は10万~15万円近くになってしまうことも。
【3人以上世帯のシーズン別・引越し費用の目安】
時期 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族 |
---|---|---|---|
繁忙期(3~4月) | 11万9900円 | 13万0000円 | 14万3000円 |
通常期(1~2月、5~12月) | 7万6000円 | 8万0000円 | 8万1000円 |
引越しの際にかかるお金は引越し会社に支払う料金だけではない。賃貸物件へ引越す場合であれば、敷金や礼金、仲介手数料、前家賃などもかかるため、できるだけ安い引越し会社やプランを選びたいところ。
引越しを機に大型の家具や家電類を買い替えたいのであれば、大型の物は引越し後に購入することにして、運搬する荷物をできるだけ減らすのもおすすめだ。また、荷物の梱包などはできるだけ自力で行い、引越し会社に依頼する作業を減らすのも費用を抑えることに繋がる。まずは見積もりを確認して不要なオプションやサービスは外すなど、なるべく安いプランを選ぶと引越し費用の節約になるだろう。
引越しはいつがおすすめ?時期別の引越し費用
引越しにかかる費用は、時期によっても大きく異なる。引越す時期を選べるのであれば、できるだけ費用の安い時期となるよう調整してみよう。時期および世帯人数別の引越し費用の目安は、次のとおりだ。
【時期および世帯人数別の引越し費用の目安】
時期 | 単身 (荷物少) | 単身 (荷物多) | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族 |
---|---|---|---|---|---|---|
2~4月の平均相場 | 4万8144円 | 6万261円 | 9万3871円 | 10万5687円 | 11万7656円 | 14万9444円 |
5~7月の平均相場 | 3万3831円 | 4万2348円 | 6万8036円 | 7万9111円 | 8万3173円 | 9万8889円 |
8~9月の平均相場 | 3万1721円 | 4万1137円 | 6万7077円 | 7万8783円 | 8万2750円 | 10万3083円 |
10~1月の平均相場 | 3万3825円 | 4万67円 | 6万4948円 | 7万5125円 | 8万675円 | 9万4873円 |
ここからは、各シーズンの費用相場と特徴を見ていこう。
3~4月の引越し費用
年度の変わり目で、新生活に向けて引越す人も多い3~4月。引越し会社が年間で最も忙しい時期であるため、特に費用が高くついてしまう。単身者でも荷物が多いと6万円超え、2人以上の世帯では10万円を超えてしまうケースも珍しくないだろう。
5~7月の引越し費用
4月下旬から引越し会社の忙しさは徐々に落ち着いていくため、5~7月の引越し費用は、2月や3月ほど高額にはならない。ただし、5月上旬のゴールデンウィーク期間は、料金が上がる傾向があるため注意が必要だ。
8~9月の引越し費用
暑さが厳しい8~9月は、引越す人も少ない傾向があるため、比較的料金も抑えやすい。ただし、9月になると転勤や転職に伴い引越す人が増えるため、タイミングや引越し会社によっては多少料金が高くなる可能性がある点にも留意しよう。
10~2月の引越し費用
転勤などのタイミングで料金が高くなる傾向がある8~9月と比べ、10月に入ると引越し料金が比較的落ち着く傾向に。特に11月からは、賃貸物件の空室情報が増えて選べる物件の選択肢が多くなり、不動産会社に払う初期費用も抑えやすいので、引越しにおすすめのシーズンといえるだろう。年末年始の忙しい時期を避けてスケジュールを組めば、費用を抑えつつスムーズに引越しを済ませられるはずだ。
引越しする曜日や時間帯によって費用は変わる?
仕事や家族のライフスタイルなどの都合上、引越す曜日や時間帯に制限がある人もいるだろう。引越し費用は、引越しする曜日や時間帯によってどのように変動するのかも確認しておこう。
曜日別の引越し費用の相場
引越し費用は、平日と土日・祝日によって大きな違いはないものの、別の都道府県へ引越す場合は多少変わってくるため、その差を確認しておこう。
【平日・休日による引越し費用相場の変動】
引越し先 | 希望日 | 単身者 | 家族 |
---|---|---|---|
同都道府県内 | 平日 | 4万465円 | 8万2765円 |
同都道府県内 | 土日 | 4万930円 | 8万120円 |
同都道府県内 | 祝日 | 4万30円 | 8万3133円 |
別都道府県 | 平日 | 7万7749円 | 15万2586円 |
別都道府県 | 土日 | 7万5385円 | 15万1921円 |
別都道府県 | 祝日 | 8万1304円 | 18万6000円 |
単身者の場合は、平日と土日・祝日でそこまで大きな差がないことがわかる。同じ都道府県内なら4万円程度、別の都道府県へ引越すのであれば7万~8万円程度が相場だ。単身で引越す場合は、曜日ごとの金額差についてそこまで意識する必要はないといえるだろう。
一方、家族で引越す場合も、同じ都道府県内での引越しで8万円程度と、こちらも大きな差は見られない。ただし、都道府県をまたぐ引越しで祝日に作業を依頼した場合は、平日や土日と比べて20%程金額が高くなる傾向があるため注意したい。
祝日の引越し料金が高くなる理由としては、祝日を含めた連休を使って引越しの予定を立てる人が多いということが挙げられる。少しでも引越し費用を安く抑えたいのであれば、平日にスケジュールを立てるのがおすすめだ。
時間帯別の引越し費用の相場
引越しの時間帯は、「午前」「正午~15時」「午後15時以降」の3つに分けられる。各時間帯の料金の相場は次のとおりだ。
【時間帯による引越し費用相場の変動】
希望する時間帯 | 単身者 | 家族 |
---|---|---|
午前 | 6万9138円 | 11万6433円 |
正午~15時 | 6万4365円 | 9万2629円 |
15時以降 | 6万8555円 | 9万1331円 |
引越し費用の相場は午前中が最も高く、家族で引越す場合は10万円を超えてしまうことも。一方、午後は午前と比較して、家族での引越しの場合2万~2万5000円程度安くなる傾向にある。
午前中の引越し作業は「午前便」と呼ばれ、他の時間帯に比べ人気の高い時間帯のため引越し会社への依頼が集中する。したがって、他の時間帯よりも料金が割高に設定されているのだ。料金を抑えたい場合は、依頼の少ない午後に引越し作業を依頼するといいだろう。
引越し会社によって料金が異なる理由とは?
引越し会社では、それぞれ異なるサービスや料金体系を用意しているため、同じ荷物や距離を運ぶとしても、利用する引越し会社によって料金は異なる。複数の引越し会社で見積もりを出してもらって比較し、納得のいく価格を提示した引越し会社に依頼することもポイントだ。
ここからは、引越し会社ごとに見積もりが変動する主な理由を解説。引越し会社やプラン選びの参考にしてほしい。
理由①:得意分野が異なる
引越し会社のなかには、「単身プランが得意」「ファミリープランがメイン」「長距離の引越し向け」というように、得意分野がある引越し会社も存在する。引越し会社の得意・不得意は料金にそのまま反映されるため、「単身プランが得意な引越し会社にファミリーでの引越しを依頼する」といった選び方をすると、料金が高くついてしまう可能性がある。引越し会社ごとの得意分野をチェックして、自分の引越しの条件に合うプランを用意しているところに依頼することが、費用を安く抑えるポイントだ。
理由②:規模が違う
全国規模の大手の引越し会社なのか、地域密着型の中小規模の引越し会社なのかによっても、料金は異なる。全国に支店がある大手の引越し会社なら長距離輸送にも対応してもらえるうえ、オプションなども充実しているが、料金は比較的高めに設定されている傾向がある。
一方、中小規模の引越し会社は対応エリアが限られている分、その地域の交通事情や地理について詳しく、細かな要望にも柔軟に応じてくれるところが多い。また、料金も大手と比べて安い傾向がある。
このように、引越す距離に応じて引越し会社の規模を見ながら選ぶのもおすすめだ。
理由③:混み具合が違う
引越し作業を依頼した予定日にその引越し会社の手が空いているかどうかも、料金と深く関係している。引越し会社はあらかじめトラックや作業員を確保するが、経費をできるだけ抑えるためにも、予約は1件でも多く入れたいと考えている。したがって、想定よりも予約が少ない日であれば、繁忙期であっても割安な料金を提示してもらえる可能性があるだろう。
理由④:特別プランによって料金が変動する
引越し会社は、他社との差別化のためにさまざまなプランを用意している。そのプランを適用するための条件を満たしているときは、割安な料金で利用できることもあるだろう。
プランによっては、一般的な内容よりも受けられるサービスが減るものもあるため、依頼する際は契約内容をきちんと確認し、納得したうえで予約するようにしよう。
特別プランの例としては、次のようなものが挙げられる。
梱包や運び入れを自力で行うチャータープラン
チャータープランとは、引越し会社がトラックとドライバーだけを手配し、家具の梱包やトラックへの運び入れなどは自分で行うプランのこと。自力で行う作業が多い分、低料金で利用できる点が魅力だ。
梱包から荷解き、家具設置までお任せのトータルサポートプラン
トータルサポートプランとは、梱包から荷解き、家具の設置までを作業員に任せるプランだ。なかには家具の購入やレイアウトなどを依頼できるプランもある。引越しで時間や手間のかかる作業のほとんどを依頼できるため、忙しい人におすすめだ。
シニア向けのプラン
大きな荷物の持ち運びなどが難しいシニア向けのプランもある。梱包や荷解きはもちろん、家具の設置なども依頼できる。
次のページでは、引越しにかかるコストを抑えるテクニックをご紹介する。