引越しで出たごみ処分方法は?粗大ごみ回収・引き取りの費用相場、注意点を解説

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引越しのときのごみ処分について徹底解説

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引越し準備をしていると、新居には合わない家具や不要となった家電、書籍など、大量のごみが出るもの。引越し日から逆算し、収集日に処分できるようにうまく調整する必要がある。

今回は、引越しで出たごみの処分方法をご紹介。粗大ごみなど普段捨てる機会の少ないごみを処分する際の費用や、注意すべき点についてもお伝えする。引越しを控えている人はぜひ参考にしてみてほしい。

引越しに伴うごみの処理:計画的に自治体の回収へ出そう

引越し準備は、荷造りや手続きなどで忙しいもの。可燃ごみ・不燃ごみなどの通常の収集で処分できるごみは、なるべく決められた収集日に出そう。引越し当日から逆算して、計画的に片づけを進めてほしい。

ただし引越し直前に出たごみは、収集日と引越し日がうまく合わず処分できないケースもあるだろう。その場合はニオイが漏れないように等工夫して運び、新居の方で捨てる必要がある。

なお、24時間ごみ出し可能な場合を除き、収集日より前に収集所にごみを放置するのはやめよう。

ちなみに、可燃ごみであっても量が多い場合(45リットルを4〜5袋以上出す場合など)は有料になる可能性がある。ごみを大量に出したい場合は、自治体への相談が必要だ。

引越しに伴う「粗大ごみ」の処分方法は?

テーブルやソファなどの粗大ごみも、自治体に回収してもらえる。民間の不用品回収業者と比べると処分費用が安いので、費用を抑えたい人におすすめだ。

手順は以下の通り。

  1. 自治体の「粗大ごみ受付センター」などに、電話やホームページで申し込む
  2. 「粗大ごみ処理券」を地域のコンビニやスーパーなどで購入する
  3. 指定の日時・場所へごみを出す

申し込みの際には、粗大ごみのサイズや品目の入力が必要となる。あらかじめ確認しておこう。

引越しに伴う粗大ごみ処分で気を付けたいこと

粗大ごみの処分には、可燃ごみのような通常のごみ出しとは異なるポイントが3つある。

引越しのごみ処分は計画的に

①自治体の回収サービスは余裕をもって申し込む

粗大ごみを自治体に回収してもらう際には、回収日に注意。自治体による粗大ごみの回収日は決まっており、必ずしも希望の日に申し込めるとは限らないからだ。

特に引越しシーズンや長期休暇の後などは、予約がかなり先の日付になってしまう場合がある。1ヶ月以上先まで予約がいっぱい、ということもあるので、引越しを決めた段階で早めに予約しておき、その日にあわせて持ち物の整理を始めるのがおすすめだ。

②粗大ごみとして捨てることができないものもある

回収対象となる粗大ごみは各自治体で異なる。新宿区を例にあげると、一辺の長さがおおむね30cmを超える家具、寝具、電気製品(家電リサイクル品以外)、自転車などは回収してもらえる。

※参考:新宿区

回収対象外となるものの例が下記のとおり。

粗大ごみ回収の「対象外」となるもの:家電4品目

冷蔵庫(冷凍庫)、エアコン、テレビ、洗濯機(衣類乾燥機)の4品目は、「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」の対象になっている。家電リサイクル法は、指定の家電製品からリサイクルされた部品を回収・再利用し、廃棄物の減量や資源の有効利用を推進するための法律だ。

上記の家電4品目は通常の粗大ごみに出すことができない。
処分方法は、以下の4つだ。

  • 新品に買い替えた際に、処分する製品の引き取りを依頼する
  • 処分する製品を購入したお店に引き取りを依頼する
  • (購入したお店がわからない場合などは)自治体に問い合わせ案内に従う
  • 指定の場所に持ち込む

いずれの場合でも、法律で定められたリサイクル料金を支払う必要がある。金額はメーカーや製品のサイズによって異なる。また、引き取りを依頼した場合には運搬料もかかるため注意しよう。

※参考:経済産業省「家電4品目の正しい処分 丸わかり」

粗大ごみ回収の「対象外」となるもの:危険物、その他

リチウムイオン電池を使用している製品や土、エンジンオイルや薬品などは、一般的な回収が行われていないことがほとんど。

引越しに際してそういったものを処分したい場合は、「何となく不燃ごみに出す」「ゴミ置き場に放置する」などは絶対にせず、行政などに相談しよう。

捨て方が難しいごみの捨て方を解説した記事はこちら▼

③悪質な不用品回収業者に注意する

インターネットやチラシなどを見て、不用品回収業者に依頼を検討する人もいるだろう。不用品回収業者は、行政の粗大ごみ回収が対応していない日時でも依頼を受けてくれるため、自治体の回収日に出せない人や、自分の都合のよい時間に引き取ってもらいたい人にとってはおすすめだ。また、指定場所まで運ぶことなく、一度にまとめて不用品を処分できる。

しかし、不用品回収業者のなかには悪質な業者も存在している。家庭から出る不用品を処分できるのは、「一般廃棄物収集運搬業許可」を受けた業者だけだ。許可を得ず営業する悪質な回収業者に依頼すると、以下のようなトラブルが起きる可能性がある。

  • 無料で回収すると謳いながら後から費用を請求される
  • 見積もりよりも高額な料金を請求する
  • 不用品以外の物も強引に回収される

また、無許可の回収業者のなかには、回収したごみを不法投棄したり、不適切な処理をしたりすることもある。

高額請求のトラブルに巻き込まれず、適切に処理をしてもらうためにも、「一般廃棄物収集運搬業許可」を得た回収業者を選ぶようにしよう。自治体のホームページや電話から確認できる。

※参考:環境省「廃家電や粗大ごみなど、廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」

引越しのときのごみ処理にかかる費用相場

引越しのときに出る粗大ごみの処分は、大量にあればあるほど費用もかかる。料金の目安を知っておけば、引越しにかかる費用も、より明確になるだろう。

ここでは、自治体の回収サービスを利用した場合の費用を、東京都板橋区を例に紹介していこう。

品目 料金
ソファ
(一人用)
800円
ソファ
(二人以上用)
2,000円
マットレス 400円
ベッドマット
(シングル)
1,200円
布団 400円
テーブル
(最大辺1m未満・ガラス製天板除く)
400円〜1,200円
自転車
(16インチ未満)
400円
いす 400円
本棚 400円〜2,800円
電子レンジ 400円
加湿器 400円
※参考:東京都粗大ごみ受付センター

引越し時によく出る粗大ごみをいくつか挙げた。粗大ごみの処分費用は、自治体、サイズなどによって異なるので、申し込み時に必ず確認をして粗大ごみ処理券を購入しよう。

引越しのごみ処分、自治体回収「以外」の5つの方法

引越しのときに不要となったごみの処分方法は、大きくは以下の5つだ。

  • 地域や店舗等でのリサイクルに出す
  • ごみ処理場に直接持ち込む
  • 引越し業者の不用品回収サービスを活用する
  • リサイクルショップやフリマアプリで売る
  • まだ使用できるものであれば、友人や知人に譲る

引越しのごみ処分方法①:地域や店舗等でのリサイクルに出す

引越しの際には、「まだ着られる洋服」や「十分に使える家具」を処分する場合もあるだろう。ただ捨てるのはもったいない……そんなときはリサイクルに出すのもひとつの方法だ。

家具・家電のリユースを行っている自治体がある

不要になった家具や家電などを、地方自治体の「リサイクル活動センター」などが引き取り、リユース販売している場合もある。詳細は自治体のホームページや広報紙から確認する必要があるが、まだ使える家具などを活用できる人に渡せるため、環境負荷を減らせる点はメリットといえるだろう。

衣類の回収を行っているアパレル販売店も

環境保護の観点から、着なくなった衣類の回収を行っている販売店も多い。大手ショップではユニクロ・GU(ジーユー)、無印良品、ZARA、H&Mなど。それぞれ回収対象となる製品の種類や素材は異なり、自社製品のみ回収対象としている場合、他店の製品でも受け付けている場合などがある。事前に調べてから持ち込むようにしてほしい。

※回収を行っているショップ名はCHINTAI調べ(2022年8月時点)

資源になるものは近隣の回収ボックスを利用

衣類や新聞紙、段ボールなどの資源については、自治体が回収ボックスを設置して再利用している場合がある。また食品トレーやペットボトルなどの回収ボックスがスーパーに設置されていることも多い。スーパーによっては、リサイクルを行うと電子マネーのポイントが貯まるシステムを導入している場合もあるため、活用してみてはいかがだろうか。

近くにこういった施設があれば、ぜひリユースやリサイクルも処分方法の選択肢に入れておこう。

引越しのごみ処分方法②:ごみ処理場に直接持ち込む

粗大ごみの処分には費用がかかるが、自分でごみ処理場に持ち込んだほうが料金が安くなる場合がある。車など運搬手段がある人におすすめだ。

ごみ処理場によっては、直接持ち込みにあたって事前予約が必要な所、当日受付が可能な所などさまざまだ。また、引越しの時期や年末は混雑する場合もあるため、スケジュールや処分できるごみ、申し込み方法などを確認しておくと安心だ。

なお、ごみ処理場の利用は自治体に住んでいる方のみに限られている。事前登録や当日受付の際には、免許証などの本人が確認できるものが必要となるため、前もって準備をしておこう。

引越しのごみ処分方法③:引越し業者の不用品回収サービスを活用する

引越し業者によっては、不用品を回収するサービスを行っている。費用はかかるものの、予約すれば引越し当日に回収してもらえるため、粗大ごみ処分の予約が取れなかったという人や、手間をかけたくない人におすすめだ。

不用品回収サービスについては、引越し業者のホームページから確認したり、見積もり依頼をする際に問合せしたりしよう。

引越しのごみ処分方法④:リサイクルショップやフリマアプリで売る

リサイクルショップは出張買取に対応している場合も多い

不用品をリサイクルショップで買い取ってもらえれば、処分できるうえお金にもなる。点数が多く店舗に持ち込めない場合でも、出張買取や宅配買取を利用すれば自宅にいながらの査定も可能。買取不可の場合でも、そのまま引き取ってもらえるところであれば、手間をかけることなく処分できる。

高額で買い取ってもらえるケースは少ないが、汚れを拭き取り、きれいな状態にすれば査定額が上がる可能性がある。

フリマアプリの利用はメリット・デメリットを考慮して

また、フリマアプリを活用するのも処分方法のひとつだ。日常的にフリマアプリを利用していれば、出品ややり取りもスムーズに行える。値段も自分で設定できるので、売れてしまった後で「思っていたより価格が安かった」と肩を落とすこともない。

ただ、フリマアプリを利用する際には以下の2つの点に注意が必要だ。

<出品したものが引越し前までに売れない場合がある>

売れなかった時には新居に持ち運ぶのか、別の方法で処分するのかを事前に考えておく必要がある。

<ユーザー同士のトラブル>

気軽に利用できるフリマアプリだが、出品する際には買い手側への誠意ある対応を心がけよう。例えば、汚れや傷がついている物であれば、出品時に注意書きをしたり、該当箇所を写真に撮ったりして買い手側が購入前に確認できるようにしよう。また引越し前は手続きや荷造りで忙しいといっても、購入者への連絡や発送が遅れると印象が悪く、最悪の場合は取引キャンセル・返金対応なども必要になるため注意したい。

引越しのごみ処分方法⑤:友人や知人に譲る

自分にとっては不要でも、友人や知人など近い人にとっては必要な場合がある。処分をする前に声をかければ、実物を見てもらえるうえにそのまま譲るのも可能だろう。自分たちで運べば費用もかけずに処分できる。

注意点としては、ソファやベッドなど大きな家具を運ぶ際には、床や扉などに傷をつけないようにすること。室内だけでなく共用部分にも注意が必要だ。運び慣れていないとけがをする恐れもあるため、配送業者などプロにお願いするのが無難だ。

もし引越し当日にごみが出た場合はどうする?

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事前に不用品を処分しても、引越し当日にごみが出る場合も考えられる。かと言って、そのまま部屋に残して引越すわけにはいかないだろう。どのように処分すればいいのか。ここでは2つの方法を紹介する。

引越し業者に相談

先述のとおり、引越し業者のなかには不用品を回収するサービスを実施している場合がある。当日にごみが出た場合は、対応してもらえるか相談してみよう。不用品の回収サービスは事前に依頼をするものであるため、必ずしも対応してもらえるとは限らないが、状況によっては可能な場合もある。

新居に持ち込んで捨てる

当日にごみが出たり、処分が間に合わなかったりした場合は、新居へ持ち込んでから処分しよう。引越し先の市区町村が変われば、ごみの出し方が大幅に変更する場合がある。ホームページなどから指定の出し方を必ず確認して、処分をしよう。

また、当日までに捨てられなかったものを引越し先で捨てたい場合は、お願いしている引越し業者に相談が必要だ。特に、見積もり時に含まれていない粗大ごみを運ぶ際には、追加料金がかかる可能性がある。

引越しで出たごみは正しく計画的に処分しよう

引越しで出たごみ・不用品の処分方法や、費用について紹介してきた。フリマアプリで売るにしても、自治体の粗大ごみ回収に出すにしても、引越し当日までに処分しなければ、要らないものを新居にまで持ち込むことになる。引越しで出る不用品やごみは、早めの処分がおすすめだ。

時間がないからと悪質な不用品回収業者を利用するのは避け、スケジュールに余裕を持って計画的に処分をしよう。

CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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