【タロット占いの基本を占い師が解説】大アルカナって何?良くない結果がでたら?疑問を解決
タロットカードってどんな占い?占い師さんに聞いてみた
中世から現代まで、数百年の間に世界中で親しまれてきたタロット占い。Webサイトなどで占ってみたことはあるけれど、詳しい仕組みはよく知らない人も多いのでは? CHINTAI情報局の「タロット占い」のページで監修を担当してくださっているマリィ・プリマヴェラ先生に、タロット占いの基本的な疑問などを解説していただいた。
そもそもタロットカードとは?
先生によると、タロットカードの起源は意外と新しく、15世紀の北イタリアが発祥と言われているのだそう。
マリィ先生:「当初はカードゲームであり、貴族たちが楽しむために使われていました。現在のように占いの道具ではなく、言ってみればトランプの発展形のような感じで使われていたのです」
もともと遊びのツールであったカードが、運勢を占うツールになっていったのだ。
記録がないため正確な時期はわからないそうなのだが、少なくとも20世紀に入ってからアーサー・ウエイトという人が魔術やシンボリズムの研究をする中でタロットカードを自分流に描き直し(ウエイト自身は絵柄を指示し、実際に描いたのはパメラ・コールマン・スミスという女性)、占いに使ったことがわかっている。
これが「ウエイト版(ライダー版とも呼ばれる)」と呼ばれるタロットカードであり、現在、最もメジャーなカードだ。
CHINTAI情報局のページも、この「ウエイト版」によるタロット占い。ほかにもマルセイユ版、トート版などのタロットがあるそう。
タロットカードの仕組みは?
タロットカードは全部で78枚あり、22枚が大アルカナ(絵札)、56枚が小アルカナ(数札)と呼ばれている。何となく神秘的な絵柄が描かれているイメージのあるタロットカード。「タロット」と言われてイメージするのは大アルカナのカードのことが多い。
マリィ先生:「アルカナとは「秘儀」「秘密」という意味を持つラテン語。いかにも占いに適した言葉ですね」
先生によると、タロットカード78枚を全部使って占うのは、初心者には難しいそう。CHINTAI情報局のタロット占いページを含め、大アルカナだけで占うものも世の中には多い。
大アルカナのカード
マリィ先生:「大アルカナは壮大なストーリーとして成り立っています。『0 愚者』から『21 世界』まで順番にカードを追っていくと、何も知らない無邪気な若者が旅に出て、知恵をつけ、成長していき、途中、挫折も味わいながらも復活を果たし、最後には万物が調和した完璧な世界を手に入れる、そんな物語が描かれていることがわかります。ですから、その物語の場面場面からタロットカードを解釈すればいいのです」
全部で78枚あるタロットカードだが、たとえばトランプのように数の順にカードが作られているわけではない。大アルカナは、上部に0から21までのローマ数字が描かれ、下部にはカードの名前が英語で書かれている。
小アルカナのカード
一方の小アルカナはトランプを発祥としていると言われ、棒(ワンド)、剣(ソード)、杯(カップ)、金貨(ペンタクル)の4種類のカードから成り立ち、それぞれに1~10の数札と、キング、クイーン、ページ、ナイトの4つの絵札がある。
マリィ先生:「とくにライダー版タロットカードには、数札が暗示する事柄がイラストとして描かれていますから、カードの意味が一目瞭然です」
78種類すべての解釈を理解できれば、さまざまなテーマを占うことができそうだ。
マリィ先生:「大アルカナ、小アルカナを合わせて使いこなせるようになると、タロット占いの世界は一気に広がっていくことでしょう」
タロットカードの占い方
タロットカードの占い方というと「混ぜてから引く」というイメージがあるが、実はしっかりとした手順があるそう。
占いの手順
①何も置かれていないテーブルなど、カードを広げられるスペースを用意する
マリィ先生:「カードを傷めないようタロットクロスを敷く場合も多いのですが、なくてもまったくかまいません。
さあ、いよいよタロットカードに手を触れましょう」
②カード全部を一束にし、裏向きに置き、混ぜていく
カード全部を一束にし、裏向きに置く。そしてカードの山を崩すようなイメージで、両手で78枚のカードを時計回りに混ぜていく。
マリィ先生:「このとき、ゆっくりと呼吸し、占いたい内容を思い浮かべながら、カードをシャッフル(混ぜる)に集中することが大事です」
③再度カードをまとめ、縦置きにする
心ゆくまでシャッフルしたら、もう一度、カードをひとつの山にまとめる。このとき縦置きにすること。それによってカードの上下が決まる。
マリィ先生:「これはカードを解釈するときにとても重要なポイント。カードが正位置なのか逆位置なのかが、ここで決まるのです」
④カードをカットして3つの山をつくり、再度まとめる
最後に上下を変えないようにしながら、カードの山を3つに分けて(カットして)する。すると左、中央、右と3つの山ができるので、この3つの山を再度、ひとまとめに。
このとき、元と同じカードの並びにならないように注意する。たとえば左→中央→右の順にカードの小さな山を作ったなら、ひとまとめにするときには、中央→右→左というように、カットしたときと違う順番でまとめていこう。
マリィ先生:「ここまできたら、あとはカードを引くだけ。さあ、どんなカードが出てくるでしょうか?」
占う時に大切にしたいポイント
先生曰く、大切にすべきポイントはこの3つ。
- 心を落ち着かせること
- 占いたいことをはっきりさせること
- 同じことを何度も占わない
心を落ち着かせること
先生が「タロットカードで占う場合に最も大切」と話すのは、心を落ち着かせること。そして、神経を集中させてカードに向き合うこと。
マリィ先生:「もしも気分が散漫なままカードを開いたら、そこに現れたカードの意味を正しく読み取れないでしょう。それどころか、そもそも何を占うのかさえ分からなくなってしまったり、カードが導き出した答えをあいまいなまま受け取ることになったりしてしまいます」
占う時は、静かな場所、余計な視覚的ノイズが目に入らない場所を選んでタロットカードを広げよう。
マリィ先生:「また占う前に深呼吸する、あるいは瞑想するなど心に雑音が入り込まないようにするのも、タロット占いの準備として効果的でしょう」
占いたいことをはっきりさせること
もうひとつ大切なのは、何を占いたいのかをはっきりさせること。『恋愛運は?』『金運は?』など漠然とした質問の仕方では、やはり漠然とした答えしか返ってこないのだとか。質問事項をできるだけ具体的に、詳細に絞り込むことが大切だ。
マリィ先生:「たとえば『〇〇さんと恋愛関係になれるか?』『貯金を〇円増やしたい。私にできるだろうか? そしてその方法は?』というように。すると、より具体的でしっくりくる解答をタロットカードが届けてくれるはずです」
具体的な質問を用意することは、自分自身の望みと向き合うことにもつながる。占いをよい機会ととらえて、大切にしたいことや願いについて、ゆっくり考える時間をとってみるのもいいかもしれない。
同じことを何度も占わない
一番「知らなかった……」と思ったのは3つめ。同じことを何度も占うのも避けるべきなのだそうだ。「なんだか違うな」と思って、ついつい引き直してしまった経験があるのでは?
マリィ先生:「同じことを占うのは、タロットからのメッセージを信じていないということになります。
一度出た占い結果は、3カ月~半年ほど先までを見通します。どれほど気に入らない内容でも、その間、黙ってそれを受け入れるのがタロットカードを信頼しているということなのです」
占いたいことを具体的にすることで「次は違う切り口で質問しよう」と打開策を探すこともできるはず。
占い結果との向き合い方
この記事を読んでいる方は、少なからずタロットカードに興味を持っているはず。占い結果は色々な受け取り方ができそうだが、どのように向き合えばいいのだろうか。
マリィ先生:「タロットカードが導き出してくれた占い結果に、なんであれ全幅の信頼を置いてください。タロットに無条件の信頼を置くことです。
タロットは、私たちが真摯な気持ちで向き合うかぎり、いつも正しい答えを教えてくれます。反対に、ちょっとでも占い結果に疑いの気持ちを持ったら、タロットが与えてくれるメッセージもいい加減なものになってしまい、その占いは失敗に終わると思っていいでしょう。
占い結果は、常に正しいのです。そして正しい道へと私たちを導いてくれるのです。それがどれほど悪い内容だったとしても、あるいは納得のいかないものだったとしても、そこには必ず私たちの心や日々の生活に対する何らかの指針が含まれているものです。それを読み取ろうとする熱意とでもいえるような気持ちを持ってください。
つまり真剣に、本気で占い結果に向き合うことこそが、正しいタロット占いの在り方なのだと思うのです」
タロット深く研究してきた占い師であるマリィ先生ならではの、向き合い方へのアドバイスだ。
良くない結果が出たときは?
マリィ先生:「良くない占い結果が出たとしたら、ガッカリして当然です。けれど落ち込むだけでは占いを十分に生かしているとは言えません。良くない結果を避けるにはどうしたらいいかを考えてください。
仮にトラブルを示唆する結果が出たとしましょう。これは『今のままではトラブルにあう』ということなのです。だったら生活パターンを変えたり、物の見方を変えたりしてみましょう。すると『今とは違う私』になれるわけですから、トラブルを避けることができるというものなのです」
占い結果は「避けられないもの」ではなく、今の状況や少し先に待っていることを教えてくれているものと捉えれば、打開策を考えるきっかけにもなりそうだ。
現実とずれている結果だなと思ったときは?
マリィ先生:「現実とずれを感じる占い結果だと感じたら、もう一度、自分自身を振り返ってみてください。本当に思い当たる節はありませんか。
一見、まったく的外れなメッセージだと思ったとしても、よくよく考えてみると案外、当てはまることがあるはずです。仔細に自分自身を見つめ、自分の生活を思い返してみましょう。とくに自分では認めたくない性格上の欠点や、生活のネガティブな側面などを洗い出してみることをおすすめします」
占いではついつい自分に都合の良いメッセージだけを拾おうとしてしまいがち。「どうしてこんな結果がでたのかな?」と考えてみるのもいいかもしれない。
タロットカードの魅力は?
最後に、先生にタロットカードの魅力について聞いた。
マリィ先生:「タロットカードは78枚すべてに色鮮やかな絵が描かれています。そこには示唆に富むシンボル、たとえば沈みかける太陽、足元の麦の穂、王冠などさまざまなものが見受けられます。単にタロットカードの意味を知るだけでなく、そのシンボルたちが何を物語っているかを探ることで、より深いリーディングができるのが魅力と言えます。
また、カードの絵柄から直感的に感じ取ったことが占い結果に反映されるのも、タロットカードの素晴らしいところでしょう」
先生、ありがとうございました!興味を持った人はぜひこの機会にタロット占いを体験してみよう。