チンチラの寿命は10年以上!専門家が初心者向けに飼育方法を解説

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チンチラに長生きしてもらうために。チンチラの寿命を伸ばす飼育方法を専門店に聞く

チンチラの飼い方と寿命

本記事では小動物専門店 mouの川崎美王さんに、チンチラに長生きしてもらうための飼い方のコツや秘訣を解説してもらう。

ここからはチンチラと一日でも長く一緒に過ごすために、寿命を伸ばす飼育のコツや、病気への対策について伺っていく。

チンチラの寿命を延ばす飼育のコツ

大事なパートナーには少しでも長生きしてほしい

縁があって迎えたチンチラに長生きしてもらうために、飼い主ができることを知っておこう。環境の管理はもちろん、適切な接し方や食事でチンチラの健康を守れる。

①風通しがよく明るい場所にケージを設置する

ケージはエアコン・扇風機などの直風が当たらない場所に置く。窓の近くは直射日光で熱中症のリスクが高まるので注意が必要。

②温度を21℃~22℃、湿度を50%以下に保つ

チンチラはとても密度のある毛皮を纏っている動物で汗腺が無く自分で温度調整が出来ない。温度湿度計で確認しながらエアコンや除湿機で通年にわたり温度を20℃~22℃、湿度を50%以下に保つのが理想。特に温度や湿度が上昇する春先は注意しながら管理する。

③チンチラはにおいに敏感。芳香剤に注意!

チンチラは優れた嗅覚の持ち主なので、芳香剤や柔軟剤、灯油などの強いニオイはストレスになるので避ける。アロマテラピーやお香も控えよう。

④人に慣れさせる・仲良くなる

チンチラの名前を呼んだりケージに手を入れたりして人に慣れさせる。コミュニケーションができて楽しいだけでなく、日々の健康チェックや動物病院の診察のときにも役立つ。

チンチラの様子を見ながら少しずつチンチラ側から寄ってきてもらうのが仲良くなるコツ。チンチラは身を守るためにかむことがあるため、怖がらせない接し方が重要になる。

⑤チンチラの診察ができる動物病院を探しておく

飼い始めた直後に体調を崩しやすいので、チンチラを迎える前にを診察してくれる近くの動物病院を見つけておくことが理想。ペットショップで紹介してもらったり、近所の動物病院にチンチラの診察が可能か問い合わせたりして見つけよう。

⑥食事は牧草中心にする

チンチラの主食の牧草は絶やさないように出来れば1日朝晩2回ほど牧草入れに補充する。牧草は前歯(切歯)や奥歯(臼歯)を適度にすり減らし、胃腸の働きを維持するために欠かせない。飽きさせないようにときどき牧草の産地やメーカー、種類を変えてみるのも良い方法。

⑦「へやんぽ」で適度な運動をさせる

チンチラをケージから出して部屋を散歩させる「へやんぽ」は、好奇心旺盛なチンチラにとってアクティブに活動できる時間。飼い主にとっても、楽しいコミュニケーションを図ることができる。1〜2日に1回、30分〜1時間程度を目安に「へやんぽ」を行おう。チンチラの薄明薄暮性(明け方から朝、夕方から夜)の生活リズムに合わせるのも一案。「へやんぽ」の前には、かじられると危険なコード類や観葉植物は片付けたり囲ったりしよう。脱走や行方不明を防ぐためにも安全管理を徹底しよう。

チンチラに多い病気と対策

小さな変化を見逃さない飼い主の観察力が、チンチラの健康を守る。チンチラに多い病気と対策を知っておき、長生きできるようにサポートしてあげたい。

チンチラに多い病気①熱中症

チンチラは涼しい地域に生息していた動物なので暑さが苦手。気温が28度を超えると熱中症を起こしやすくなる。ただしアクティブに活動する「へやんぽ」の最中には、室温は20度程度まで下げよう。ほぼ一年中通してエアコンで温度を管理する必要がある。

チンチラに多い病気②下痢

合わない食事、急激な温度変化、ストレスなどがきっかけになって一時的に下痢を起こすことがある。ウイルス、細菌、寄生虫の感染が原因になるケースもある。もし見つけたら、ウンチを持って早めに動物病院を受診しよう。

チンチラに多い病気③不正咬合

歯のかみ合わせが悪くなってしまった状態を不正咬合(ふせいこうごう)という。前歯(切歯)の不正咬合は、ステンレス製のケージなどの硬いものを常にかじる癖などが原因で起こることが多い。牧草を食べさせない生活等不適切な飼育により奥歯(臼歯)がすり減らず伸びてかみ合わせが悪くなることもある。

チンチラに多い病気④皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)とは、皮膚にカビが繁殖して起きる、チンチラに最も多い皮膚の病気。目、鼻、口、耳の周りや足にフケが増えて脱毛することもある。ストレスなどで免疫が低下したときに発症しやすい。人にも感染する人獣共通感染症のひとつなので、見つけたらすぐに動物病院へ。

賃貸物件でも飼いやすいチンチラ。迎え入れる前に心構えと準備を!

フワフワでかわいいチンチラは、しぐさや行動の感情表現も豊か。気分が盛り上がってピョーンとジャンプしたかと思えば、ご機嫌ななめのときには飼い主を無視したり気を引くために可愛いいたずらをしたりする。好奇心いっぱいの陽気なチンチラは、賃貸物件でも飼えるペットとしてさらに人気が高まるだろう。

なんといってもフワフワもふもふの可愛いが詰まったフォルムが素晴らしいですね、見つめているだけで癒されます。フレンドリーで明るい性格、自分の名前や短いフレーズも覚えてくれる賢さも魅力です。
寿命が長い動物なので、一緒に暮らしているうちにペット以上の大切な存在になってくれると思います。チンチラの飼育には手間や時間、お金もかかって大変なこともあるけど、それ以上に楽しみが大きいですよ!

これからチンチラを飼おうと思っている方は、専門店に相談して迎え入れる準備をしっかり整えよう。夢中になれる理想のチンチラにきっと出会えるはずだ。

監修:小動物専門店 mou 川崎美王さん

自身もチンチラをペットとして飼っていた経験があり、チンチラ好きが高じて「小動物専門店 mou」を開業。
小動物専門店 mouでは、チンチラにとって適切な環境下で飼育管理を行っている。また必要に応じて近隣動物病院と提携し健康診断・検便も実施している。常時30~60匹のチンチラがいてカラーバリエーションも豊富。日本では希少な長毛種・アンゴラチンチラや、巻き毛種のカーリーチンチラにも会える。

文=金子志緒
写真協力=小動物専門店mou・株式会社川井

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