【2021年冬】この冬観たいNetflix(ネットフリックス)おすすめ映画20選!

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この韓国映画がすごい!2選

初めに掲げた通り、『イカゲーム』や『地獄が呼んでいる』など(Netflixの)韓国製のドラマはもはや世界的なコンテンツとなっている。もちろん映画でもクオリティの高い作品が続々と送り出されているので、その中から厳選した映画作品を紹介しよう。

※作品の年齢制限は、作品ごとにご確認ください

15:『悪人伝』(2019)

ゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)やスーパーヒーロー映画『エターナルズ』(2021)にも出演している人気俳優マ・ドンソクの主演作だ。あらすじは、ヤクザの組長が殺人鬼に刺された!刑事が殺人鬼を見つければ法で裁く!組長が殺人鬼を見つければ抹殺する!そんな「どっちが先に殺人鬼にたどり着くか」という、共闘とも三つ巴とも言える戦いが勃発するアグレッシブなもの。それだけで面白いのに、さらにマ・ドンソク兄貴のカッコ良さと戦闘力の高さに惚れぼれできる、まさにエンタメ特化な内容となっている。

特筆すべきは、無差別殺人鬼が見るからに強そうなマ・ドンソクを初っ端からターゲットにしていること。本当に「誰でも良かった」で挑む殺人鬼の胆力もすごいと言わざるを得ない。そして劇中には、マ・ドンソクが女の子と『となりのトトロ』にように雨が降る中で一緒にバスを待ち合わせて、さらに少女に優しく傘をゆずってあげるという萌えシーンもある。劇中では映画史に残ると言っても過言ではない、最高の「守りたい、この笑顔」をもマ・ドンソクは見せるのでキュンキュンできるだろう。

『悪人伝』(2019)の情報

監督・脚本:イ・ウォンテ
出演:マ・ドンソク、キム・ムヨル、キム・ソンギュ ほか
1時間 49分

Netflixで『悪人伝』を観る

16:『野球少女』(2019)

Netflixで配信中のドラマ『梨泰院クラス』でトランスジェンダーの役を演じたイ・ジュヨンの主演作だ。あらすじは、プロ野球選手を目指す女子高生が、女性であるためにテストを受けられず、母親からも強く反対されてしまうというもの。軽快なサクセスストーリーやスポ根ものではなく、静かなトーンで展開する、しかも野球の試合シーンすらいっさいない、暗めのドラマが淡々と展開する内容であるため、ある程度は好き嫌いが分かれるだろう。

だが、「性別」を理由に何かを諦めないことの尊さを訴えた物語は、多くの人を勇気づけるのではないか。特に、娘の才能を経済的な問題から認めてあげることができなかった母親の心情は痛烈で、彼女の物語に涙をする方は多いだろう。また、本作は現実で「天才野球少女」としてメディアから持ち上げられた選手に対して、明らかに「女子が野球をするのか?」という視点が露骨に表れていたことに憤りを覚えたことからスタートした。その現代にはびこる偏見の問題から、性別に限らない、社会からの抑圧に屈しない気高さを讃え、人それぞれの「可能性」というテーマに真摯に回答していることが素晴らしい。

『野球少女』(2019)の情報

監督・脚本:イ・ウォンテ
出演:マ・ドンソク、キム・ムヨル、キム・ソンギュ ほか
1時間 49分

Netflixで『野球少女』を観る

黒い笑いも楽しい?ホラー映画2選

ここからはホラー映画ではあるが、ブラックコメディ的な要素もあり親しみやすい2作品を紹介しよう。どちらも衝撃的なシーンはあるのもののG(全年齢)指定なので、ホラー初心者にもおすすめ(?)だ。その他におすすめなホラー映画は、以下の記事も参考にしてほしい。

※現在『ドクター・スリープ』は配信を終了している

17:『カラー・アウト・オブ・スペース-遭遇-』(2019)

「クトゥルフ神話」の始祖としても知られるH・P・ラヴクラフトの小説の映画化作品だ。「ロハスな生活をしていた家族の所に隕石が来襲する」ことから始まる物語で、一見すると露悪的で人を選びそうであるし、実際の本編も不気味な雰囲気に包まれていく様が良い意味で気持ち悪い。だが、威厳のない父親や、思春期らしい悩みを持っている子どもたちなどのキャラクターは親しみやすく、怪奇現象には驚きのアイデアがたくさん込められているので「怖気持ち悪面白い」と楽しめるだろう。

何より、ダメな父親を演じたニコラス・ケイジが愛おしい。彼は懸命に家族を守ろうと奔走するものの、結局はほとんど空回りしていく。とあるとんでもない「キレ方」には思わず笑ってしまうと同時に、心からの同情もしてしまう。家族が地獄のような事態に翻弄される様は2018年の『ヘレディタリー/継承』(同じくNetflixで配信中)らしくもあるが、実は音楽を担当したのが同じコリン・ステットソンだったりする。あと、アルパカがとてもかわいい。だが、そのアルパカが象徴しているのは「リタイアした人の狂った新ビジネス」であるらしく、終盤にとんでもないことになっていくので、アルパカが好きな方は鑑賞に注意が必要だ。

『カラー・アウト・オブ・スペース-遭遇-』(2019)の情報

監督:リチャード・スタンリー
出演:ニコラス・ケイジ、ジョエリー・リチャードソン、マデリン・アーサー ほか
1時間 50分

Netflixで『カラー・アウト・オブ・スペース-遭遇-』を観る

18:『ハッピー・デス・デイ』(2017)&『ハッピー・デス・デイ 2U』(2019)

同じ時間を繰り返してしまう「(タイム)ループもの」の面白さを、殺人鬼が襲いくるホラーとドッキングさせた作品だ。同じ時間を繰り返すことで学びや気づきを得ていくループもののツボが押さえられいることはもちろん、犯人を推理するミステリー的面白さがある上、ひと時たりとも退屈をさせない工夫が随所に込められていて、さらには同じ時間を繰り返すからこそ「天丼」的なギャグも大笑いできると、圧倒的なまでに面白いと思える要素が揃っている。多少の下ネタはあるもの、直接的な残酷描写もほぼなく、万人が楽しめるだろう。

主人公の性格が悪いということも重要で、何度も殺されてキツいタイムループを繰り返しても同情せず笑って観られるし、自分の幸せを最優先にしているからこその唯我独尊的なパワーは痛快だし、そんな彼女が人生の気づきを得ていく過程には大きな感動もあった。そして、ぜひ続編の『ハッピー・デス・デイ 2U』とセットで観ていただきたい。そちらは完全に「続き」から始まる上に、序盤からあっと驚けるし、前作で気になっていた伏線がやっと回収されたりもするのだから。ホラーでありながら楽しい作品を求める方には、最優先で観ていただきたい。

『ハッピー・デス・デイ』(2017)の情報

監督:クリストファー・ランドン
出演:ジェシカ・ロース、イズラエル・ブルサード、ルビー・モディーン ほか
1時間 36分

Netflixで『ハッピー・デス・デイ』を観る

『ハッピー・デス・デイ 2U』(2019)の情報

監督:クリストファー・ランドン
出演:ジェシカ・ロース、イズラエル・ブルサード、フィー・ヴー ほか
1時間 40分

Netflixで『ハッピー・デス・デイ 2U』を観る

驚嘆できる&圧倒されるアニメ映画2選

最後に、アニメーションとしてのクオリティ、はたまたエンターテインメント性の高さに驚嘆できる2作品を紹介しよう。対照的な作風であるが、どちらも「知る人ぞ知る」にしておくのはもったいない、もっと多くの人に観てほしいと心から願う作品だ。

19:『サイダーのように言葉が湧き上がる』(2021)

俳句が趣味だが人とのコミュニケーションが苦手な少年と、ライブ配信では人気者だが歯の矯正がコンプレックスになっている少女による、ひと夏の物語だ。それと並行して、ショッピングモールという舞台で展開する、「思い出のレコード」をめぐる群像劇も展開していく。その過程で若者の等身大の恋心と、誰かのために一生懸命になることの尊さが描かれており、タイトルさながらの爽やかな感動があることだろう。市川染五郎と杉咲花を筆頭とした声の演技も文句なしにハマっていた。

『映画 聲の形』(2016)の牛尾憲輔の音楽、わたせせいぞうを思わせるシティポップ調の背景も忘れがたい印象を残す。「登場人物と同じ年代の少年少女に観て欲しい」という作り手の願いがダイレクトに伝わるし、「かつての記憶」が重要になる物語には大人こそ涙腺が刺激されるだろう。なお、Netflixでは同じくイシグロキョウヘイ監督のオリジナル長編アニメ『ブライト サムライソウル』も配信中で、こちらはNetflixオリジナル実写映画『ブライト』のスピンオフ作品でありながら、単体で楽しめるファンタジー冒険活劇となっている。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』(2021)の情報

監督:イシグロキョウヘイ
出演:市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ ほか
1時間 26分

Netflixで『サイダーのように言葉が湧き上がる』を観る

20:『トゥルーノース』(2021)

北朝鮮強制収容所で暮らす、日系家族と仲間の姿を追った3DCGアニメだ。そこは食事を摂ることもままならず、子どもであっても強制労働を強いられ、見せしめに公開処刑も行われるという、文字通りの生き地獄。過酷な環境でも人間性を捨てず、希望を掴み取るまでの物語は『ショーシャンクの空に』(1994)のようでもあり、厳しく苦しい生活が生々しく描写されていることからは『火垂るの墓』(1988)も思わせた。

3DCGで作られた舞台やキャラクターは一見すると「ローポリゴン」的でひと昔前の印象もあるが、泥まみれになるなどの表現のディテール、陰惨で無機質な強制収容所の内情はリアルで妥協は感じさせない。在日コリアン4世であり、幼い頃から帰還事業で北朝鮮に渡航後に消息を絶った人たちの話を聞いていた清水ハン栄治監督が、実際に収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い10年もの歳月をかけて作り上げた労作だ。この問題を知るには最適な題材であるし、「脱獄もの」としてのエンタメ性も高いので、まずは観てほしい。

『トゥルーノース』(2020)の情報

監督・脚本・プロデューサー:清水ハン栄治
出演:ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス ほか
1時間 34分

Netflixで『トゥルーノース』を観る

Netflixのその他のおすすめ映画

・ポップに展開する復讐もの&西部劇の『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野
・1995年以降の日本における青春を遡って体感できるドラマ『ボクたちはみんな大人になれなかった
・ファンタジックな映像表現も魅力的なファミリー映画『クリスマスとよばれた男の子
など、ハイクオリティなNetflixオリジナル映画がさらに続々と送り出されている。

さらには
・ジュディ・ガーランドの晩年と幼少期を並行して描く伝記映画『ジュディ 虹の彼方に
・イギリス兵のある1日を全編ワンカットに見えるように追う戦争映画『1917 命をかけた伝令』※12/5配信開始
・女子高生ががんばる姿に周りの少年少女が勇気づけられる青春映画『のぼる小寺さん
・深夜に殺人が行われる銭湯を舞台にしたサスペンスコメディ『メランコリック

などもとてもおすすめだ。ぜひ、合わせてチェックしてほしい。

ヒナタカ

WEB媒体を中心にオールジャンルの映画を紹介・解説する雑食系映画ライター。「サイゾー」「女子SPA!」「ねとらぼ」「Cienams PLUS」などで執筆中。おすすめは「リリイ・シュシュのすべて」「ビッグ・フィッシュ」で検索すると1ページ目に出てくる解説記事。

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