【2021年冬】この冬観たいNetflix(ネットフリックス)おすすめ映画20選!

最終更新日:

※作品の年齢制限は、作品ごとにご確認ください

最新!Netflixオリジナル映画おすすめ5選

最初に紹介するのは、Netflixの目玉とも言える独占配信のオリジナル映画5作品。そのクオリティの高さを、まずは実感してほしい。

1:『tick, tick… BOOM!:チック、チック…ブーン!』(2021)

名作ミュージカル「RENT レント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの伝記映画であり、ミュージカル作品だ。奇妙なタイトルが示しているのは、時計仕掛けの爆弾の「チクタク…ドカン!」という「爆発寸前」、30歳を目の前にして焦る主人公の気持ちそのもの。劇中では年齢が全てではないが「残り時間」はあること、それ以上に創作物を手がけることの尊さ、人生の意義そのものを問い直すかのようなメッセージがあり、何かのクリエイターの方は特に勇気づけられることだろう。

恋人や長年の親友との関係、自身のキャリアなどに悩みに悩む青年の姿が、その内面を示すメロディアスでキャッチーな音楽、そして歌って踊るミュージカルと共に独特の時間感覚で綴られているため、焦燥感と多幸感が入り混じったような不思議な感覚があった。なるべく、楽曲そのものに没入できる環境で観たほうがいいだろう。なお、本作は音楽家リン=マニュエル・ミランダの映画監督デビュー作で、ディズニーアニメ映画『ミラベルと魔法だらけの家』(現在公開中)や『モアナと伝説の海』の音楽を手がけている他、後述する『ビーボ』では声の出演もしている。

『tick, tick… BOOM!:チック、チック…ブーン!』(2021)の情報

監督:リン=マヌエル・ミランダ
出演:アンドリュー・ガーフィールド、アレクサンドラ・シップ、ヴァネッサ・ハジェンズ ほか
1時間55分

Netflixで『tick, tick… BOOM!:チック、チック…ブーン!』を観る

2:『ダマカ: テロ独占生中継』(2021)

落ちぶれた元ニュースキャスターが、ラジオ番組でテロの予告を受けることから始まるサスペンスだ。韓国映画『テロ、ライブ』(2013)のリメイク作品ということもあって、インド映画らしい歌やダンス、それどころかコメディ要素もいっさいナシ。ほとんどがラジオの収録現場という限定的な空間で展開し、1時間44分というタイトな時間の中にスリリングなテロ犯人との攻防がぎっしりとつまった内容となっている。

特徴的なのは、主人公が決して正しい人間ではないことだろう。彼はニュースキャスターへの復帰を果たすために、凄惨なテロを起こしている犯人の報道を「利用」しようとしている。目的がすんなりと成就するわけもなく、その慢心が主人公をさらに窮地へと追いやっていく。だが、そんな彼の人間として残っている正義感や倫理観に希望を託すような展開もまた、ハラハラするサスペンスへとつながっていた。リアリティのことを考えるとツッコミどころもあるし、結末にも賛否両論があるだろうが、まずはエンタメとして面白い映画を期待する方におすすめしたい。

『ダマカ: テロ独占生中継』(2021)の情報

監督:ラム・マドヴァニ
出演:カルティック・アーリアン、アムルータ・スバーシュ、ムルナル・タクール ほか
1時間 44分

Netflixで『ダマカ: テロ独占生中継』を観る

3:『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)

弟が、夫に先立たれた子どもを連れの女性と結婚したことをきっかけに、大牧場主の兄が弟家族へ執拗に精神的な攻撃をしていくというドラマだ。もっと下世話な言い方をすれば「結婚したら兄貴がいびり散らしてくる話」であるが、極めて限定的な舞台で、抑えたトーンでこそ生きる名優たちの演技合戦は見応えがあり、特に主演のベネディクト・カンバーバッチの言動のひとつひとつの「イヤな感じ」はサスペンスフルで、時にはほとんどホラー映画のような様相を呈していた。

描かれているのは、1920年という劇中の時代ではさらに苛烈だったであろう「有害な男らしさ」だ。例えば大牧場主の男は弟の妻が連れてきた息子の「女々しさ」をなじり侮辱するのだが、彼自身にも「ある秘密」があり、そのために他者に攻撃的になり、孤独を極めているのかもしれない、などと想像が及ぶようになっている。種々の要素をハッキリとさせない作劇は良い意味で落ち着かせてはくれず、観終わってみれば「あれはどういうことだったのだろう」とさまざまな思索をめぐらせることができるだろう。集中して観てほしい作品だ。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)の情報

監督:ジェーン・カンピオン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス ほか
2時間 8分

Netflixで『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を観る

4:『レッド・ノーティス』(2021)

タイトルの「レッド・ノーティス」とは、世界の最重要指名手配犯を逮捕するためだけに発令する、特別な国際手配書のこと。FBIのトップ捜査官が、世界最高の詐欺師、さらには凄腕の大泥棒と出会い、とある理由から彼らと手を組み陰謀に立ち向かう様がコミカルに描かれている。端的に言えば「ハリウッド実写版ルパン三世」であり、銭形警部がルパンや峰不二子と手を組んで活躍するようなアクションアドベンチャーとなっていた。

このプロットからもわかる通り、「あー楽しかったー!」と観終えることができる、良い意味で毒にも薬にもならない、気軽に観られる娯楽作である。だがアイデア&ギミックの多いアクションが満載で、キャラの関係性もただただ楽しく観られるので、「そういうもの」を求める方にはおすすめだ。ドウェイン・ジョンソン、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドットというハリウッドきってのスター俳優の共演というゴージャスさも味わえるだろう。なお、ファミリー向けにも思えるところだが、ほんの少しだけ下ネタもあるのでご注意を。

『レッド・ノーティス』(2021)の情報

監督:ローソン・マーシャル・サーバー
出演:ドウェイン・ジョンソン、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドット ほか
1時間 57分

Netflixで『レッド・ノーティス』を観る

5:『ビーボ』(2021)

家族で観られる、楽しいアニメ映画を求める方におすすめしたいのが、この『ビーボ』だ。物語は「大切な人の愛の歌を届け届けるために、ミュージカルの才能を持つキンカジュー(サルのような動物)と、エキセントリックな女の子が大冒険!」とわかりやすい。アニメ映画お約束の「ちょっとイヤなやつ」が環境意識が高く動物にも詳しい女の子というのもユニークで、とてつもなく怖いはずの巨大蛇もどこか憎めない。とにかくキャラクターみんなが魅力的なのだ。

旅を続けるうちに交流を深めていくバディもの&ロードムービーであり、さまざまな試練が襲い来るアクションアドベンチャーであり、ドタバタな展開にケラケラと笑えるコメディでもあると、全方位的に面白さが詰まっている。成河、東郷姫奈、山路和弘の日本語吹き替え版も文句なしのクオリティだ。何よりミュージカルの楽曲が歌詞も含めて楽しくって仕方がないので、ぜひ「聴き入れる」環境でこそ観てほしい。

『ビーボ』(2021)の情報

監督:カーク・デミッコ
出演:リン=マヌエル・ミランダ、ヤナイアリー・シモ、ゾーイ・サルダナ ほか
1時間 39分

Netflixで『ビーボ』を観る

シンプルイズベスト!娯楽性抜群のアクション映画2選

ここからは、わかりやすいプロットのアクション映画2作品を紹介。どちらもシンプルがゆえの面白さに満ちていながらも、脚本にも手が込んでおり奥深さもある作品だ。

6:『21ブリッジ』(2019)

『ブラックパンサー』(2018)などで知られ、2020年8月に大腸癌のために43歳の若さでこの世を去った、チャドウィック・ボーズマンの主演作だ。その内容は「深夜にマンハッタンを全面封鎖し強盗犯を追う」クライムサスペンスであり、包囲の手をかい潜って逃走した犯人を追い詰めようとするが、その間に刻一刻とタイムリミットが迫っていき、さらに驚きの展開も訪れる……と、単純明快なエンタメ性が打ち出されていた。

設定だけだと荒唐無稽にも思えるが、元ニューヨーク警察がアドバイザーになるだけでなく出演もしており、劇中に登場する警察のほとんどが現役あるいは元警察官だ。スタッフも一流が揃っているため、存分にリアリティや緊張感もある内容となっていた。主人公は理性的かつ「行き過ぎた正義感」も持つ男だが、その人間性を示す「笑顔」のシーンにも注目してほしい。チャドウィック・ボーズマンという俳優自身の揺るぎない信念、その繊細な内面も表現されているかようだった。

『21ブリッジ』(2019)の情報

監督:ブライアン・カーク
出演:チャドウィック・ボーズマン、シエナ・ミラー、J・K・シモンズ ほか
1時間 39分

Netflixで『21ブリッジ』を観る

7:『アップグレード』(2018)

全身麻痺の男が最新のAIチップを埋め込まれ驚異的な身体能力を獲得し、妻を殺害した組織に復讐を試みる、という設定だけ聞くといかにもB級にも思えるあらすじの作品だ。実際に製作費は300万ドルという低予算ではあるが、約100分の上映時間の間にSF・アクション・ドラマ・PG12指定相当のショッキング描写など、この手の映画に求められることがギュッと詰まっている、見せ場がたっぷりのサービス精神に満ちた内容となっていた。

見どころは「機械的」に敵を攻撃するアクションのギミックだろう。予備動作がなく関節を素早く動かし、冷静に対象を駆逐していく様はホラー的な怖さもあるが、同時にその「予想外の戦闘力」は痛快でもある。ネタバレ厳禁の驚愕のラストも味わい深い。「掘り出し物」という言葉でももったいない、知る人ぞ知るアクションエンターテインメントの快作だ。

『アップグレード』(2018)の情報

監督・脚本:リー・ワネル
出演:ローガン・マーシャル=グリーン、ベッティ・ガブリエル、サイモン・メイデン ほか
1時間 40分

Netflixで『アップグレード』を観る

次のページでは、「重いが重要な知見を与えてくれるドラマ映画2選」など7選を紹介する。

リンクをコピー
関連記事関連記事