本が読み放題!図書室付きシェアハウス「biblion高瀬川」での暮らしを取材してきた
このページの目次
京都にある本と暮らせるシェアハウス「biblion高瀬川」。近隣古書店がセレクトする古本が読み放題という、ユニークなシェアライブラリーのある物件にお邪魔した

京都にある図書室付き賃貸物件「biblion高瀬川」
biblion高瀬川のお部屋

家賃:63,000円
間取り:1R(11.4㎡)
物件名:biblion高瀬川
所在地:京都市下京区
構造:SRC造3階建て
築年数:44年
戸数:6戸
設備:巨大本棚、LDK、浴室、シャワールーム、洗面、屋上、コーヒーメーカー、トースター、アイロン
文化的シェアハウスの魅力は視野や知見が広がること




玄関を開けてすぐに目に飛び込んでくるのは、約20畳もある広い吹き抜けのLDK。壁には、こちらのシェアハウス「biblion高瀬川」の最大の特徴である本棚が造作されている。天井まで届く巨大なサイズで圧巻の存在感を放つ。
この本棚に並べられた本は、契約している近隣の古書店「古書 ダンデライオン」によるセレクト。文芸書から専門書など幅広いジャンルの古書が並び、さらに不定期で約50冊ずつ入れ替えてくれるという。もちろん気に入った本があれば、購入することも可能だ。また、住人用にも棚にスペースが与えられているので、みんなに読んで欲しい本を置いておけば、自然とシェアされる。
数百冊の本を好きな時に読むことができ、しかも自分では選ばないような本との出合いがある。まるでちょっとした図書室を思わせるユニークさ。そんな本好きにはたまらないこの物件に、7月から住み始めたAMさんに話を聞いた。
biblion高瀬川を選んだのは家賃が安いのと、家具家電などをそろえなくていいといった理由が大きかったという。確かにオーブンレンジ、トースター、そしてデロンギ製のコーヒーメーカーなどが一通りそろっているというのは魅力的だ。とはいえ、元々は読書好き。この環境で本に手が伸びないわけがない。以前よりも月に読む冊数が増え、お風呂に本を持ち込んで半身浴をしながら読むようにもなったそうだ。
「私は基本的にミステリー好きですが、ここには自分では絶対に選ばないジャンルの本もあります。最近面白かったのは、花街や舞妓さんを取り上げた写真集。せっかく京都に住んでいるのだからと読んでみました。他にも、シェアハウスの住人から江國香織の恋愛小説や建築関係の本を薦められて読んでみました。そういった交流も楽しいですね」
住人同士の交流は、本の貸し借りだけではない。同世代のハウスメイトが多いおかげで、街へ繰り出す機会も多いという。長く京都に暮らしている人も多く、静岡出身のAMさんをいろいろなところへ案内してくれるそうだ。
京都はオシャレなカフェが多いことでも有名な街だ。AMさんも、「カフェに本を持っていって、コーヒーを飲みながらゆっくりと読みたい」と語る。しかし、しばらくはその願いもお預けかもしれない。
「ここのリビングは雰囲気もオシャレだし、心地よいソファもある。目の前にはたくさんの本。快適すぎてカフェに行く必要がないんです」
取材の最後、「本と京都を通じたハウスメイトとの交流のおかげで、前よりアクティブになった気がします」と爽やかな笑顔を見せてくれたAMさん。biblion高瀬川は、住む人にポジティブな変化を与えてくれる、そして視野を広げてくれる物件なのかもしれない。
京都府の賃貸物件はこちら!
駅から探す京都府の賃貸物件はこちら!
文=笹林 司
写真=阿部昌也
※「CHINTAI2017年12月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
※雑誌「CHINTAI」2017年12月22日発売号の特集は「引越しでトクする本」。こちらから購入できます(毎月24日発売)
https://www.chintai.net/magazine/