住所を表す方法は2つある?住居表示と地番とは

公開日:2014年8月14日

住所を表す方法には何があるの?

自分が引越した新居の契約書を改めて見ていたら、ふと見慣れない表現が……。「○○区○○町○丁目○番○号(住居表示)」。

住居表示は政令指定都市で導入されていることが多いが、その中でも唯一京都市は採用していない
住居表示は政令指定都市で導入されていることが多いが、その中でも唯一京都市は採用していない

これまでに何度か引越したことがあるけど、「住居表示」なんて書かれていたのは初めて。住所にわざわざ「住居表示」って書くのには何か理由があるの? CHINTAIの情報審査室・青木さん、教えてください!

「実は、住所を表すには2つの表記方法があるんです。一つは『住居表示』と呼ばれる建物を特定するためのもの。もう一つは、『地番』と呼ばれる土地を特定するためのものです」

もともと、住居表示が導入されるまでは、建物も地番で表していたそう。ところが、地番は本来建物の場所を表すのが目的ではないため、同じ地番の中に複数の建物があったり、番号が飛び飛びになっていたりして、行政サービスや郵便配達など、生活面で不便な点が多かった。そこで1962年5月10日に「住居表示に関する法律」が施行され、住居の所在を分かりやすく表示することになったのだ。

「住居表示の制度を導入するか否かは、各自治体の判断に委ねられています。地番のままでも不便ではないなど、住居表示を導入していない地域もありますよ」

東京都内を例に見てみると、23区内でも新宿区は一部の区域で住居表示が未実施で、国立市や日野市、調布市は制度を導入していない。

でも、普段生活するうえで住居表示と地番を意識する必要性はほとんどない。その知識が必要になる場面はあるのだろうか?

「物件購入時などに行う不動産登記は地番で行いますので、いま賃貸物件に住んでいても、ゆくゆくは~という方は知っておいて損はないです。物が建つまでは地番しかないので、物件広告の住所は地番で表します。『○○区○○町○丁目○○番○(地番)』という表記を目にする機会があると思います。建物が建って住居表示が決まると物件広告の住所は住居表示に訂正されます」

なるほど! せっかく得た知識を生かさない手はないので、当分家を購入する予定がない人は「住所の表し方が2つあるって知ってた?」なんて豆知識を披露するのもアリかも?


(南澤悠佳/ノオト)

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