【住む街ガイド】小説『いとみち』の舞台・青森はさまざまな表情を持つ街だった

公開日:2017年12月8日

小説『いとみち』(越谷オサム・著)の舞台である青森。縦向きの信号機など何気ない風景から、素顔の青森を探してみた

いとみち 越谷オサム・著 680円/新潮文庫

いとみち
越谷オサム・著 680円/新潮文庫

『いとみち』のあらすじ

「おがえりなさいませ、ごスずん様!」
<純粋で古典的な津軽弁の話し手>である祖母に育てられたため、凄まじい訛りがコンプレックスになってしまった「相馬いと」が、引っ込み思案で友達もできない現状に一念発起し、青森市のメイド喫茶でアルバイトを始める物語。個性豊かなバイト仲間や客たちとの交流を通じ成長していく姿が眩しいシリーズ作!

青森の魅力は二面性にあり?

越谷オサムの『いとみち』は、青森市が舞台。青森の高校に通う少女、相馬いとが人見知りを直すため、メイドカフェでアルバイトを始める。さまざまな人との関わり合いの中で、彼女は少しずつ成長していく。市内を巡ると、彼女が個性的な人に出会ったように、街のいろんな表情に出会えた。

駅の近くにある青森港は閑静で、いとが好んで歩いたボードウォークはしゃれていた。その先には「青森県観光物産館アスパム」がある。地方都市然とした駅前通りと趣の異なるアートな建物が、街に溶け込んでいるのはおもしろい。

館内で若い男性に話を聞く。魚介やリンゴだけでなく、大根やごぼう、カシスなど名産がたくさんあること。雪は多いが、市内で暮らすのなら不便はないこと。青森の人は情に厚いがシャイだと、照れながら教えてくれた。

街に出ると、全国展開されているチェーン店や、食料や日用品を販売する小売店が多いことに気づく。青森ねぶた祭りなどに代表される非日常の街ではなく、暮らす街としての青森を見ることができた。当日は悪天候だったが、今度は晴天の青森を訪れてみたい。その時は、また違う顔で迎えてくれるだろうから。

小説に登場するスポットを歩いてみよう!

スポット①:ボートウォーク(青森駅付近)

JR青森駅から徒歩すぐいける

JR青森駅から徒歩すぐいける

JR青森駅の北側から青森県観光物産館アスパムの裏へと続く、歩行者専用道。いとが出勤前にあえて遠回りして歩いた場所だ。青森港を横切る橋は、海の上を歩いているような気分を味わえる。

●住所:青森市安方1丁目
●アクセス:JR青森駅から徒歩すぐ

スポット②:青森県観光物産館アスパム

建物は、青森の「A」がモチーフ

建物は、青森の「A」がモチーフ

いとの出勤ルートから見ることができる、青森市のランドマーク。お土産や民芸品だけでなく、ケチャップや菜の花生はちみつなど厳選された名産が買える。13階の展望台では陸奥湾や八甲田山が一望でき、青森の魅力を伝えるパノラマ映画や、県内三会派による津軽三味線なども楽しめる。

●住所:青森市安方1-1-40
●アクセス:JR青森駅から徒歩8分
●TEL:017-735-5311
●営業時間:8:30~21:00
●定休日:12月31日、1月第4月~水曜

スポット③:アウガ新鮮市場

飲食店もあり、買い物ついでに食事も楽しめる

飲食店もあり、買い物ついでに食事も楽しめる

青森駅近くに建つビルの地下にある市場。鮮魚をはじめ、野菜や干物などを取り扱う70以上の店舗が並ぶ。作中では、いとは訪れていないが「市場があるため、買い物袋を掲げた主婦の姿が目に付く」と、その存在が描写されている。

●住所:青森市新街1-3-7 アウガB1
●アクセス:JR青森駅から徒歩1分
●TEL:017-718-0151
●営業時間:5:00~18:30(年末年始除く)
●定休日:不定休

青森の暮らしやすさについて

庁所在地だけあり、市街地で生活に必要な物はすべてそろう。山と海が近いため、イメージどおりに食事は美味。飲食店も多い。駅を少し離れると住宅街がある。そこには学校や病院などが多く、家族でも暮らしやすい。移動の基本はクルマだが、道は広く整備されており、渋滞も少なく快適に運転できる。市内の移動ならバスも便利。

青森駅の家賃相場はこちら!
青森県の賃貸物件はこちら!

文=綱島剛
写真=尾形和美

 

※「CHINTAI2017年9月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
※雑誌「CHINTAI」2017年11月24日発売号の特集は「賃貸DIY」。こちらから購入できます(毎月24日発売)
https://www.chintai.net/magazine/

 

あなたにあったお部屋探し ネットでCHINTAIで見つけよう
あなたにあったお部屋探し ネットでCHINTAIで見つけよう
リンクをコピー
関連記事関連記事