ハロウィンまで間近! かぼちゃランタンの作り方
もうすぐハロウィンがやってくる。ハロウィンに欠かせないものといえば変装とお菓子とかぼちゃだ。今回は自宅でもハロウィンを楽しむために、かぼちゃランタンの作り方を解説しよう。
この時期になると街でよく見かけるかぼちゃのランタン。これは「ジャック・オー・ランタン」または「パンプキン・カービング」といい、正しい作り方というものは存在しない。今回もあくまで一例として解説していく。
用意するものはかぼちゃ、ナイフ、マジック、スプーン、キャンドル。かぼちゃはなるべく凹凸がないものを選ぼう。腐っている部分があると、穴を開けるときに苦労するので注意したい。
まず、かぼちゃに顔の下書きをしていく。これが意外と難しいので、失敗しても消せる水性のマジックで書くことをオススメする。もちろん表情にも決まりはない。自分の好きなように書いていこう。
下書きが終わったら、かぼちゃの底にナイフで手が入るくらいの穴を開ける。かなり力のいる作業なので、お子さんや女性は男性に手伝ってもらった方が良いだろう。かぼちゃの果肉は分厚いので、ナイフは真っすぐな刃のものではなく、刃がギザギザのパン切りナイフを使用する。
穴を開けたら中身を取り除いていく。かなりの数の種が繊維に絡まっているので、スプーンで一気に穿り出そう。
いよいよ顔の部分に切り込みを入れていく。まずは大きなパーツから切り抜いて練習していこう。曲線を切るときはゆっくりと慎重にナイフを進めていく。「パカッ」と外れたときは快感だ。
パーツがすべて切り抜けた。ここまでのかかった時間はおよそ30分。手慣れた人だともっと早くできるだろう。切り抜いたら、かぼちゃを長持ちさせるためにしばらく乾燥させる。長時間乾燥し過ぎると割れやすくなってしまうので気を付けたい。
あとは底を切り抜いた部分にキャンドルをセットし、着火。そのうえに顔をかぶせると……。
いかがだろう? 若干、不細工な顔になってしまったがそれも愛嬌。かぼちゃから発せられるオレンジの光が部屋を包み込み、なんとも良い雰囲気だ。
と、ここまで解説してきたが、そもそもなぜハロウィンにかぼちゃがシンボルとして使われているかご存じだろうか? そこにはちょっぴり悲しい由来がある。
昔々、アイルランドにジャックという酒好きの男がいた。ジャックはいつも飲んだくれていて、人に迷惑ばかり。そんなジャックがあるハロウィンの夜、道端で悪魔と出会う。悪魔は彼の魂を抜こうとするが、なんとか取引をして魂を守った。
10年の時が経ち、彼がまたハロウィンの夜に道を歩いていると、あの悪魔と再会する。「今度こそお前の魂をもらうぞ」と悪魔。ジャックはとっさの判断で十字架を作る。悪魔は十字架が怖くてしょうがない。そこでジャックはまたもや交渉を挑む。「今後一切、私の魂をとらないことを誓え」と。
月日は流れ、ジャックは死んだ。生きているときに悪さばかりしていたジャックは天国ではなく、地獄に行くことに。仕方なく地獄の門を開くとそこにはあのときの悪魔が。ジャックは悪魔に「俺は死んだから魂をとってくれ」と頼むが、悪魔は「お前の魂はとれない。あのとき約束したからな」と断られる。
ジャックは悪魔にもらった炎をカブに入れ、死界と生界をつなぐ暗くて寒い、真っ暗な道をひたすらさまよい続けることになる。いつしかジャックの持ち歩いていたランタンは死者の魂のシンボルとされ、アメリカに伝わった。アメリカではカブに親しみがないので、かぼちゃに変わっていったそうだ。
こんな小話も知っておくと、ハロウィンパーティーのときに自慢できるかもしれない。けれど、ジャックのように酔っぱらい過ぎて人に迷惑はかけないようご注意を!
(播磨谷拓巳/ノオト)