【子育てと賃貸】戸建て賃貸で自由を手に入れた家族を取材してみた

公開日:2017年8月31日

子どもがのびのびできり家を求めてお部屋探し。家の購入をあきらめたことで広がった家族の可能性とは

子どもがのびのびと過ごせる部屋を求め

あやのさん家族がこの戸建賃貸に引越したのは昨年10月のこと。
5年前に結婚してからは板橋区駅前のマンションに暮らし、2人のお子さんにも恵まれたが、とうとうその時が来てしまった。階下からの騒音苦情である。

「飛び跳ねたら叱り、騒げば怒り、今考えると私もピリピリしていました」と当時を振り返る。窓を開けてお昼寝もできないような騒がしい環境にも背中を押され、引越しを決意した。

物件探しの条件を子どもがのびのび過ごせる部屋と決め、これだけはブレないようにした。

複数の不動産屋に条件に合う物件が出たらメールをくれるように頼んでおいたが、申し訳程度に週1回連絡が来るだけ。業を煮やしてネット検索をしたところ、この物件に出合った。

「ネットで私が検索したものは全て内覧可能でした。ネットは情報の更新も早くて便利ですね」

一軒家での新しい暮らしをスタート

治安も良いので子どもを歩きやすい、静かな住宅街

一軒家への引越しに不安がなかったと言えば嘘になる。

「ご近所付き合いやゴミ出しなど、面倒な人間関係に巻き込まれたらどうしよう、なんて」
でも実際は、会えば挨拶をする程度、町内会への勧誘もなく拍子抜けするほど気楽だという。

「近隣は私たちより少し上の世代の方が多いので、そのせいでしょうか。もともとこの家がリフォームのための仮住まいなど、短期貸し出し用の物件だったからかも」と話す。

引越した後は子どもを叱る回数が格段に減り、おひな様やかぶとなど季節の品を飾るスペースの余裕もできた。

「子どもは2階で寝ているので、夜遅くに帰宅した主人がリビングで音楽を聴いたり、夫婦でお酒を飲んだり、格段に生活しやすくなりました」

電気代がちょっぴり値上がりしたが、それを帳消しにする満足感があるという。

現在育休中のあやのさんは、原状回復できる範囲のお手軽プチリフォームに夢中だ。

「古い物件なので創意工夫しないと不便というのがスタート地点。工夫して住みやすくするのは楽しい」と手をかける楽しさも語ってくれた。

リビングの一角に現状回復できる壁紙を貼ってオシャレな空間を演出

新しい「家」の形とは

戸建賃貸での暮らしを満喫しているあやのさん夫婦だが、数年前に分譲住宅を購入しようとして頭金まで支払い、ギリギリで思い留まった経験の持ち主。

「将来夫の両親との同居がどうなのか、本当にこの家に一生住み続けるのか、迷いに迷ってキャンセルしました。夫の『本当にこれでいいの?』という言葉で考え直したんです」

頭金が戻って来なかったのは痛かったが、その後夫はフリーランスへ転向し、その影響もあって海外移住も将来の選択肢として考え始めている。

「家を購入しなかったことで、家族の未来を自由に考えられるようになりました。マイホームを建てることが夢だった親世代と違い、私たちはその時々で住みたい所に賃貸で自由に住み替えていく世代なのかも。今後は子育て世代のための戸建賃貸も増えていくかもしれませんね」と最高の笑顔を見せてくれた。



文=元井朋子
写真=古本麻由末

※「CHINTAI2017年4月20日号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています。
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