部屋の湿度は何%が最適?適切な湿度で起こるメリットと注意点

公開日:2021年3月15日

部屋の湿度って気にしてる?適切に保つことで得られるメリット

部屋の湿度をイメージした画像1
部屋の湿度を調整することは意外と大切

部屋にいると、のどの痛みを感じたり、くしゃみや鼻水が出たりすることはないだろうか。実はこれらの不調の原因に、湿度が関係していることがある

室温については気にすることが多くても、湿度に気をつけている人は意外と少ない。しかし湿度は私たちの健康に大きな影響を与える大切なもの。湿度が低いと空気が乾燥してしまい、風邪を引きやすくなる。反対に湿度が高くなるとカビやダニが発生し、アレルギーを発症してしまうこともある。

そこで今回は、適切な湿度の目安や、湿度に関するお悩みを解決して健康に過ごすためのポイントを紹介していく。部屋を適切な湿度に保ち、快適に過ごすためのヒントにしよう。

適切で健康的に過ごせる湿度は何%?

室内の適切な湿度は40〜60%といわれている。湿度が40%以下だと肌やのどの乾燥、ドライアイなどの原因となる。

また風邪やインフルエンザのウィルスは、湿度が40%以下の環境で活発化する。そのため、湿度が下がる冬に風邪を引きやすくなるのだ。

反対に湿度が60%以上あるとカビやダニが繁殖しやすい環境となる。カビやダニはアレルギーなどの健康被害だけでなく、家具や家へのダメージも引き起こしてしまう。

部屋の湿度は在宅ワークのパフォーマンスにも大きく関わる!

リモートワークをしている人が増えているが、集中力が途切れ、生産性が落ちてしまったと感じたことはないだろうか。実はこれにも湿度が関係しているのだ。

たとえば夏は汗による不快感、冬はドライアイや肌の乾燥が気になり、普段のパフォーマンスが発揮できなくなる。

労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」では、空調を設けている会社には湿度40%以上70%以下にするという努力義務が課せられていることがわかる。そのため、湿度の調整に配慮している企業も少なくはない。

また、適切な湿度を保つことは体調管理にもつながる。冬は乾燥による免疫力の低下を防ぐことができるし、夏はカビの繁殖やアレルギー症状なども抑えられる。

このように、湿度は私たちの健康およびコンディションに大きな影響をおよぼすのだ。

部屋の湿度が低いときに起きること

空気の乾燥によって、風邪になってしまったという方も多いのではないだろうか。

鼻やのどの粘膜が乾燥すると、風邪のウィルスへの防御作用が働きにくくなる。さらにインフルエンザのウィルスなどは、湿度40%以下を好み、活発に活動するという性質をもっている。つまり湿度が低い環境では、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなってしまうのだ。

また乾燥は肌のかゆみにもつながり、仕事に集中できなくなったり、眠れなくなったりすることもある。冬になると肌トラブルが増えたり、ドライアイやドライマウスになったりする人が多いのも、空気の乾燥が原因であることも多い。

部屋の湿度が高いときに起きること

部屋の湿度が60%以上の場合は、カビやダニの発生につながる。

カビやダニは高温高湿を好み、梅雨から夏にかけて徐々に繁殖していく。湿度を高いままにしておくと、家具やお気に入りの洋服にカビが生えてしまう。

またカビの胞子を吸い込み肺の病気を発症したり、ダニによる肌のかゆみやアレルギー性鼻炎などを引き起こしたりする。カビやダニを繁殖しにくくするためにも、適切な湿度に下げることが大切だ。

部屋の湿度は体感温度にも関係する

部屋 湿度
湿度は高すぎても、低すぎてもダメ

部屋の湿度と体感温度は大きく関係しており、湿度が低いと体感温度も低くなる。その分エアコンの設定温度を上げると、電気代がかさんでしまう。

逆に湿度が高ければ体感温度も上がるので、冬にエアコンをつける際には湿度を上げることが大切なのだ。

湿度を上げる(加湿)方法

冬はもともと空気が乾燥しがちなうえに、エアコンの使用で湿度がさらに下がってしまう。そんなときに加湿するおすすめの方法2つを紹介しよう。

湿度を上げる(加湿)方法①:洗濯物を部屋干しする

最も手軽な方法は、洗濯物を室内干しすることだ。洗濯物が乾く際に発生する水蒸気が部屋の湿度を上げてくれるうえに、エアコンから吹く風によって洗濯物も乾きやすいなどメリットが多い。

冬の外干しは、気温が低いことや、日照時間の短さなどの理由で乾きにくい。また、仕事や防犯上の理由で外干しが難しい人もいるだろう。冬の間は部屋を加湿する意味でも、室内干しをおすすめする。

湿度を上げる(加湿)方法②:加湿器を使う

洗濯物を毎日干し続けようとしても、洗濯物の量が少ないと難しくなってしまうだろう。そんなときには加湿器があると便利だ。

エアコンと加湿器を併用することで、部屋の温度と湿度の両方を心地よい程度に保つことができる。空気清浄機能がついている加湿器を活用すれば、窓を閉め切ることの多い冬でもきれいな空気を維持することができるだろう。

湿度を下げる(除湿)方法

日本の梅雨や真夏などの時期には、湿度がかなり高くなる。日々の健康を維持するために、以下の方法を用いてできるだけ湿度を下げるようにしよう。

湿度を下げる(除湿)方法①:室内の風通しをよくする

空気が動かず室内にとどまっていると、湿度が上がりやすくなる。そのような状態が続いてしまうとカビが繁殖してしまい、一気に不衛生な環境になってしまう。

窓を開けたり換気扇を回したりするなど、積極的に外の空気を室内に取り込んでみよう。空気の通り道を作ることで、効率よく空気の循環を行うことができるようになる。

湿度を下げる(除湿)方法②:除湿剤・除湿機を使う

押し入れやクローゼット、シューズボックスや洗面台の下、シンク下などの狭い空間は湿度が高くなりがちなので、除湿剤を置くのがおすすめ。定期的に除湿剤に溜まった水量をチェックし、交換するようにしよう。

浴室や居室など、ある程度大きい空間を除湿するなら除湿機を設置するのも効果的だ。日本の夏は高温多湿なため、除湿機を活用している人も多いだろう。除湿機は移動させることができるので、雨続きの梅雨時期に室内で洗濯物を乾かす際にも役立つはずだ。

次は、部屋で湿度に悩まず暮らすコツをご紹介する。

部屋で湿度に悩まず暮らすコツ

ここからは部屋を適切な湿度に保ち、快適に過ごすために意識したいポイントをご紹介する。

部屋の湿度が低いと乾燥し、逆に加湿をしすぎるとカビやダニに悩まされることになる。普段から適切な湿度にするために、どのような工夫をすれば快適に暮らせるのだろうか。コツは以下の3つだ。

  • 家具を壁から少し離す
  • 換気をする習慣をつける
  • 夏は部屋干しをしない

それぞれひとつずつ見ていこう。

湿度に悩まず暮らすコツ①家具を壁から少し離す

まずは、家具を壁から少し離すことだ。

一人暮らしの部屋で広さを確保するため、壁にぴったりと家具をくっつけている人も多い。その場合は、5cmでもいいので壁から家具を離そう。

カビは空気が流れない場所に発生しやすい。特に頻繁にレイアウトを変えることのない大きな家具の裏側にカビが生えることが多いのだ。

また布団やベッドは特にカビが繁殖しやすい場所のひとつである。床に直接マットレスや布団を敷いたままだと湿気がこもり、カビの原因になる。こまめに布団の上げ下げをする、すのこを敷くなど対策が必要だ。

家具を壁や床から離し、空気の通り道を作ることでカビの繁殖を抑えよう。

湿度に悩まず暮らすコツ②換気の習慣をつける

2つ目は、窓を開けて換気をする習慣をつけることだ。

室内で空気が滞ってしまうと湿度が上がり、結露やカビが発生しやすくなる。効果的な換気方法は、対角線上の窓を2ヶ所以上開けて、空気の入口と出口を作ることだ。

しかし、一人暮らしの部屋では窓が一ヶ所しかない場合も多い。その場合は窓の両サイドを10cmずつ開けたり、室内の換気扇を回したりすることで換気が可能だ。

換気は1日2回、5分だけでも効果がある。普段から窓を開ける習慣がない人は、この機会に換気を意識しよう。

湿度に悩まず暮らすコツ③夏の期間は部屋干しをしない

3つ目のコツは、夏の間は部屋干しをしないことだ。
前述の通り、空気が乾燥しやすい冬の間は部屋干しが湿度を上げる有効な手段になる。しかし夏はそもそも湿度が高く、部屋干しによりさらに湿度が上がってしまうため逆効果だ。

また、湿度の高い部屋では洗濯物が乾きにくく、生乾きや部屋干し臭の原因にもなる。外干しが難しい場合は、お風呂場に干す、浴室乾燥機を使うといった方法で乗り切ろう。

湿度に悩まず暮らすコツ④除湿乾燥機を使用する

最後は除湿乾燥機を使用することだ。

除湿乾燥機は湿気を取り除き、部屋の湿度を下げてくれる。また、部屋干しした洗濯物も素早く乾かすので、花粉対策や雨が続く日、周囲環境により外干しが難しい場合にも使いやすい。

部屋は適切な湿度を保って健康的で快適な生活を送ろう!

部屋の湿度をイメージした画像3
トラブルの原因にもなる湿度。少しの工夫で快適な生活を送れる!

適切ではない湿度になると、仕事の生産性が落ちたり、風邪やアレルギーを引き起こしたりするなど、さまざまなトラブルの原因となってしまう。

最近はインテリアの邪魔をしない、おしゃれなデザインの湿度計もあるので、この機会に部屋に湿度計を置いてこまめにチェックするのも良いだろう。部屋の湿度を適切に保ち、快適な毎日を過ごそう。

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