INTERVIEW
広島発、公共交通の
明日を支える共創のかたち
- 一般社団法人 バス協調・共創プラットフォームひろしま理事長
- 石飛和博 さま

市民の足を守るため、官民が組んだ「広島モデル」

このままでは、市民の足がなくなるかもしれない――。そんな危機感から、広島では官民が力を合わせた取り組みが始まりました。鉄道網が限られる広島市で、バスは長年にわたって市民の大切な移動手段でした。ところが、車社会の進展や人口減少、そしてコロナ禍の影響が重なり、バスの利用者は大きく減少。すべて民間企業によって運営されている広島のバス事業も、このままでは便数の大幅な削減や路線の廃止が避けられません。
そこで広島市と8つのバス会社が力を合わせて立ち上げたのが、「バス協調・共創プラットフォームひろしま」です。2025年1月には一般社団法人化。共通課題の解決に向けて、本格的な取り組みをスタートしています。民間バス会社がこれほど密に連携するのは、全国的にもめずらしい取り組みと言えるでしょう。「広島モデル」として注目されるこのチャレンジ。市とバス会社が持続可能な公共交通という共通のゴールを見据え、力を合わせて取り組みを進めています。
誰もが使いやすい交通サービスを目指して

「バス協調・共創プラットフォームひろしま」では、利用者の利便性向上とバス会社の経営安定化の両立を目指し、さまざまな取り組みを始めています。たとえば、同一エリアを走る複数のバス会社による共同運行や車庫などの共同利用のほか、EVバスなど個社では投資が難しい先進車両のバス会社へのリースなどは、このプラットフォームならではの強みを生かした取り組みです。地域の移動需要に応じて、都心直通便と地域循環型の便を時間帯で切り替えるといった、柔軟な運行にも取り組んでいます。
中心市街地では、乱立するバス停の集約化や、バスの到着時刻を案内する表示器の多言語化、バリアフリー情報の可視化など、利用者の視点に立った改善に取り組んでいるところです。また、EVバスの導入には共通デザインを採用。地元の高校生がデザインを手がけることで、将来にわたって親しまれ、愛着を持たれる「広島らしさ」のシンボルとしての役割も担います。こうした多様な取り組みを通じて、「誰もが使いやすい」公共交通のあり方が、少しずつかたちになりつつあります。
市・企業・市民が手を携え、持続可能なまちづくりを

私たちプラットフォームの取り組みは、短期的な成果のみを求めるものではなく、将来を見据えて地域の公共交通を利便性が高く持続可能な形に変えいくことを目的としています。その理念に共感し、共に歩んでくださるパートナーとして、CHINTAIとの連携には大きな意義を感じます。
今回の社会貢献プロジェクトによるご支援は、バス停の整備や利便性の向上といった、具体的なかたちで活用していく予定です。市民の皆さんにとっても、身近な変化として実感いただけるよう、丁寧に取り組んでいきたいと考えています。
また、CHINTAIは自社メディアを通じて高い情報発信力を持つ企業です。利用者から寄せられるリアルな声を共有いただければ、私たちの取り組みをさらに高めていけるでしょう。市と企業、そして市民。それぞれの立場が手を携えながら地域課題に取り組む――このプロジェクトは共創を具体化するものです。持続可能なまちづくりに向けた確かな一歩として、今後の展開にも大いに期待を寄せています。
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