リンゴを見るとゴリラが思い浮かぶ、しりとり脳。なんか惜しいぜ、押居A太です。
「静かにしなさい」、「そこ叩かない」、「ほら泣かない」。
…日曜日の朝は、トトロ木夫人の声からはじまる。
今日も気持ちのいい天気だ。
三人家族のトトロ木家は、向かいのマンション一階。
一歳の女の子、三歳の男の子を連れて最近越してきた。
どうやら奥さんのお腹の中にもう一人いそうだ。
年齢はボクと同じぐらい、しかしあの幸せっぷりは何だ?
ボクにも違う人生があったんじゃないかって気にさせられる…。
「さあ涙を拭いて」、「立ち止まらない」、「もう振り返らない」。
…大人のボクにもグッとくる、いい教育方針だと思う。
ところでトトロ木家。以前は高層マンションの十四階に住んでいた。
見晴らしはいいし、夜景なんてロマンチックこの上ない。
ところが子どもができると、どうしても下の階への影響が気になる。
実際のところ、迷惑かどうかは別としても、そういう生活って気苦労が多いわけだ。
それに、子どもがいると外に出るだけでも大変…。
エレベーターがあるとはいえ、一階に降りたとたん「ママ、おしっこ」なんて言われるとげんなり…。
というわけで引越し先は、あえて一階を選んだという。
一階って独身には分からない意外なメリットが多いようだ。ふむふむ。
さて、ボクもそろそろ活動開始。洗濯物でも取り込もうかな、ヨイショっと…。
いけね、またポケットにお金入れたまんま干しちゃったよ。
あっ!ひらひら~。
「もうまた!口の中のもの出しなさい」。…?それ、ボクの…。
「あれ、これお札!?一階っていいこといっぱいね、ウフフ」。……。