【医師監修】食後寝るタイミングは何時間後がベスト?睡眠と食事の関係性とは

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食後すぐに寝るのはNG?ベストな時間・タイミングとは

睡眠
睡眠と食事の関係性とは……?

「ご飯の後すぐに寝てはいけない」という話を聞いたことはないだろうか。食後すぐに眠ってしまうと、胃もたれや腹痛などの症状のほか、場合によっては逆流性食道炎などの病気になるおそれがある。

また、生活習慣病を患い、最終的には糖尿病や脳梗塞・心筋梗塞に発展してしまうこともある。このような症状・病気を防ぐために、食生活や睡眠リズムについて改めて見直す必要があるかもしれない。

今回は、睡眠と食事の関係、食後寝るまでに時間が取れないときの対策などについて宮田胃腸内科皮膚科クリニック院長・宮田直輝先生監修のもと解説していく。ぜひ最後までチェックしてほしい。

宮田胃腸内科皮膚科クリニック院長・宮田直輝先生
宮田直輝先生(内科、消化器科医)

宮田胃腸内科皮膚科クリニック 院長。台湾台北医学大学医学部卒業。慶應義塾大学病院消化器内科に入局。テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターに留学。国際医療福祉大学三田病院消化器センター、長峰整形外科・胃腸内科に在籍。2020年4月に現クリニックを開院。
https://miyata-clinic.com/

最近胸焼けや胃の不快感を感じることはないでしょうか? あなたのその症状、もしかしたら生活習慣が関係しているかも……。今日はそういった症状をお薬なしで改善する方法をお教えします。

食後は「3時間以上」空けて寝るのがベスト

食事をしてから消化が落ち着くまで、最低でも3時間程度は必要といわれている。しかし、外出や仕事が長引くなどの理由で、どうしても夕食の時間が遅くなる日もあるだろう。

夕食の時間が遅くなったときは、なるべく消化に良いものを食べよう。消化に良い食べ物は胃の中に滞留する時間が短いので、睡眠に悪影響を与えずに済むのだ。また、夕食の摂取量を減らすのも一つの方法だ。
帰宅が遅くなりがちな方へのアドバイスについて、詳しくは後述する。

食後すぐ、時間を空けずに寝る4つのリスク

食事の後、すぐに寝てしまうと以下のようなトラブルが生じるリスクがある。

  • 吐き気・胃のムカつきが起こりやすくなる
  • 睡眠の質が下がりやすくなる
  • 生活習慣病にかかりやすくなる
  • 肥満に繋がる可能性がある

それぞれを詳しく解説していこう。

食後すぐに寝るリスク➀:吐き気・胃のムカつきが起こりやすくなる

食後すぐに寝たとき、吐き気や胃のムカつきといった症状が出て、つらい思いをしたことがある人も多いのではないだろうか。本来、夜間の睡眠時には、胃や腸は休んでいる状態となる。しかし寝る前に無理して食事をすると、睡眠中に胃や腸が活発に動いてしまう。胃の疲れが翌日に残ってしまい、胃もたれやムカつきなどの症状を引き起こすのだ。

また、就寝前の食事は、胸やけや食道の詰まった感じを起こす「逆流性食道炎」の原因にもなる。

たとえば夜食でおなじみのラーメンであれば、消化にかかる時間は8時間といわれている。夜、小腹がすいた時のラーメンは魅力的だが、健康のためには避けた方が良いだろう。

食後すぐに寝るリスク②:睡眠の質が下がりやすくなる

寝不足
睡眠の質の低下は寝不足に繋がる

2つ目の理由は、寝る直前に食事をすると「睡眠の質が下がりやすくなる」という点だ。そのメカニズムを簡単に説明しよう。

胃の中に食べ物を入れると、消化吸収が始まるのは身体の仕組みとして当たり前のこと。しかし、寝る直前に食事をすると、身体は消化吸収に集中することになり、睡眠時に脳や身体を休めることができなくなる。その結果、睡眠の質が下がり、「寝た気がしない状態」に陥ってしまうのだ。

食後すぐに寝るリスク③:生活習慣病にかかりやすくなる

3つ目は、睡眠の質が下がることで生活習慣病にかかりやすくなるということだ。

睡眠不足によって、意欲の低下や記憶力の減退などの機能低下が起こるリスクがある。また、十分な睡眠を取れていない人は睡眠が取れている人に比べて、自律神経機能がうまく働いていないことが多い。さらに、睡眠不足を補うためにエネルギーを摂取しようと「食欲を増大させるホルモン」が分泌され、食事の量が増えてしまう。

以上のように睡眠の質が悪い状態が長期間続くと、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こしてしまう可能性があることがわかっている。このような生活習慣病を避けるためにも、成人の方であれば最低6時間、未成年の方であれば最低8時間以上の睡眠時間を確保するのが望ましい。

食後すぐに寝るリスク④:肥満に繋がる可能性がある

睡眠中はエネルギーの消費量が著しく減る。このため、消費できなかった分は脂肪として蓄積される。おなかが膨れると眠くなってしまうものの、食べてすぐ寝ると肥満になる可能性が高まるので、ダイエットの面でもおすすめできない。

食後寝るまでに、3時間以上空けられない場合は?

食後寝るまでに3時間以上を空けたいと思っていても、仕事や外出で帰宅が遅くなることもあるだろう。そのようなときは、以下の方法を実践してほしい。

  1. 夕食を軽めに済ませる
  2. 消化にいいものを食べる
  3. 軽い運動をする
  4. 入床時刻を遅らせる

それぞれ詳しく見ていこう。

寝るまでに時間を空けられない場合①:夕食を軽めに済ませる

タンパク質や脂質は消化するのに多くの時間を要し、寝る直前に食べると胃に負担がかかってしまう。夕食が遅くなりがちな人は、朝食と昼食を充実させ、夕食は軽めに済ませると良い。

夕食を軽くすることで消化活動の時間が短くなり、消化器官への負担が軽減される。消化器官をゆっくりと休めることで、睡眠の質の向上にも繋がるだろう。

寝るまでに時間を空けられない場合②:消化に良いものを食べる

不眠症
おなかがすきすぎて眠れない夜もあるかもしれない……

食事から寝るまで時間を空けられない場合は、消化に良いものを食べるようにしよう。胃の中に食べ物が残っていると、消化にエネルギーを使ってしまい、睡眠の妨げになる。一方、消化に良い食べ物であれば、就寝前に食べたとしても胃の中に長時間滞留せず、短時間で身体の中に吸収される。

消化に良い食べ物・悪い食べ物の特徴は以下の通り。

<消化に良い食べ物>

  • 吸収が早いもの
  • 繊維質が少ない野菜
  • 柔らかく煮えている野菜
  • 脂質の少ないタンパク質
  • 乳製品

<消化に悪い食べ物>

  • 繊維質が多く固い野菜
  • 脂質の多い肉類や魚類

以下は、食べ物が胃を通過する時間を表にしたものだ。特に、バターなど脂肪分が多いものは時間がかかり、消化に悪いことがわかる。

食品食べ物が胃を通過する時間
果物30分前後
野菜1~2時間
半熟卵(100グラム)1時間30分
ご飯(100グラム)2時間30分
うどん(半玉分)3時間
肉類2~4時間
魚類2~4時間
脂質(バターなどの乳製品やお菓子など)7~12時間

寝る前に食べる場合に適したメニューは、おかゆ雑炊など温かくて消化に良いもの。また、野菜スープや大豆製品なども良いだろう。

またキウイもおすすめ。キウイに含まれる抗酸化物質とセロトニンには自律神経を整えるはたらきがあり、睡眠障害の改善に効果が期待できる。

ただし、いくら消化に良くても、必要以上に食べ過ぎてしまうと胃に負担がかかってしまう。腹八分目を心がけ、大切な胃腸を労るようにしてほしい。

寝るまでに時間を空けられない場合③:軽い運動をする

夕食後、近所を軽く散歩して消化を促進させるという方法も有効だ。胃にかかる負担が軽減されるうえに、毎日継続することでダイエット効果も期待できる。

また、夕食を食べた後に30分程度の軽い運動をすると生活習慣病のリスクが下がるといわれている。健康を維持するためにも、取り入れるのをおすすめしたい。

寝るまでに時間を空けられない場合④:入床時間を遅らせる

寝る前にどうしても食事を取りたい場合は、ベッドに入る時間を遅らせるのもおすすめだ。寝る時間を夜食に合わせて遅らせることで、胃に食べ物が滞留している状態を避けて睡眠を取るこできる。

ただ、もともと就寝する時間が遅い人が寝る時間を遅らせてしまうと、当然ながら睡眠時間が減ってしまう。食事を取って寝る時間を遅らせる場合は、ある程度時間に余裕を持った状態でないと睡眠不足になってしまうので注意が必要だ。

おなかがすきすぎて睡眠できない場合の対処法は?

食後3時間以上空けて床についた場合、おなかがすいて眠れないという可能性もある。そんなときには、十分な水分を取ることを心がけてほしい。水分を取ることで空腹感を抑えることができる。

また、就寝前に水分を取ることは睡眠の質を高めるためにも非常に良い方法だ。寝ている間も人の体内では血液が循環し、内臓が動いている。そのため、水分が不足すると血流が悪くなり、結果的に睡眠の質を下げてしまうのだ。

ただし、アルコールやカフェインが含まれている飲み物は、寝つきを悪くしてしまうため避けよう。
お酒を飲むと眠くなるが、これは単に脳が麻痺しているだけで、お酒の力を借りて眠っても身体や脳は休まらない。またカフェインには神経を高ぶらせる作用があり、寝る前に摂取すると寝つきが悪くなるので注意しよう。

コップ一杯の水

食後3時間以上空けて寝ることで、健康を維持しよう!

現代社会はストレスだらけ。ストレス発散のためについつい食べ過ぎたり、夜更かししたりしがちである。今回解説した内容を実践していくことで少しずつ睡眠の質が改善し、より健康的な生活が送れるようになるはずだ。

睡眠の質の維持と健康のためにも、食後は3時間以上空けて寝ることをおすすめする。仕事の都合で夜遅い時間に食事を取る場合、野菜中心のメニューや果物、おかゆなどで済ますと良いだろう。胃もたれや腹痛、肥満防止のために、なるべく胃を空っぽにした状態で就寝する生活を続けてほしい。

これらを実践しても睡眠の質が改善しないと感じる場合は、近くの病院で相談することをおすすめする。

食事と睡眠のタイミングを間違えることで様々な理由で症状が引き起こされることがおわかりいただけたでしょうか。今回ご紹介した方法はお薬なしですぐに実践できますので、ぜひお試しください。

宮田胃腸内科皮膚科クリニック院長・宮田直輝先生
宮田直輝先生(内科、消化器科医)

宮田胃腸内科皮膚科クリニック 院長。台湾台北医学大学医学部卒業。慶應義塾大学病院消化器内科に入局。テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターに留学。国際医療福祉大学三田病院消化器センター、長峰整形外科・胃腸内科に在籍。2020年4月に現クリニックを開院。
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