高齢者の一人暮らし 部屋探しのコツと支援制度について解説

公開日:2021年5月10日

賃貸で暮らす高齢者は約3割

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高齢者の部屋探しのコツとは

高齢者がいる世帯の住宅事情は主世帯2,253,400世帯で見ると、持ち家は1,848,900世帯(82.1%)、借家は4,009,000世帯(17.8%)となっている。さらに、高齢単身世帯(6,380,000世帯)で見ると、持ち家4,225,000世帯(61.2%)に対し借家は2,137,000世帯(33.5%)となっている。

2割から3割ほどの高齢者がアパートやマンション、戸建てなどの賃貸物件に住んでいるという結果が出ているが、今後の高齢化社会を踏まえると、その割合は増えていくことが予想される。そこで、ここでは高齢者の部屋探しのコツや適用される制度を紹介していこう。

高齢者の部屋探しのポイント

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自分に合った部屋をみつけよう

若い人の部屋探しであれば、おしゃれで設備が整っていることなどが部屋探しのポイントとなるが、高齢者の場合はほかにもいろいろなところを見なければならないだろう。何よりも、安心・安全に暮らせること重要なので、部屋探しのポイントをしっかり押さえておこう。

家族の家から近い

近年は高齢化社会が進んでいる一方、同時に核家族化も進んでいるため、祖父母とは離れて暮らすことが当たり前になってきている。そのため、賃貸物件を借りる高齢者が増えているのだが、体調を崩してしまったときなどは家族の看病が必要になることも多い。

いざというときにすぐに対応してもらうためにも、まずは家族の家から近い物件に住むようにしよう。近所に住んでいればお互いに安心であり、さらに大家さんにとっても何かあったときに頼れるので、不安なく貸せるというメリットもある。

慣れ親しんだ地域で探す

高齢になってから見知らぬ土地に引越すと、周りとのコミュニケーションが取りづらく、引きこもりがちになることが多い。こういった状況にならないためにも、慣れ親しんだ地域で物件探しをするのもポイントだ。

地元であれば、高齢者向けの地域活動や習い事などにも参加しやすく、昔からの知り合いともコミュニケーションが取りやすい。特に高齢者は周りとのコミュニケーションが取れないと認知症になるリスクが高まるため、健康維持の観点からも慣れ親しんだ環境で探すのがベストなのだ。

段差が少ない

段差というのは、高齢者が生活するうえで障壁になることが多い。特に階段は上り下りが大変であり、場合によっては転倒事故の原因にもつながる。

階段がある物件は、地震や洪水などの災害が起こったときの障害になるので避けるようにした方がよいだろう。できれば平屋、あるいはエレベーターがある物件を選ぶのが正解だ。今は元気だとしても、怪我や病気によって移動が困難になる可能性があることも考慮しておこう。

医療機関が近い

年齢を重ねると病院に行く回数も多くなるので、医療機関に近いことも重要なポイントだ。今は持病を持っていなくても、いつどんな病気を発症するかわからない。また、怪我をしたときでも近くに病院があれば自分で通えるので、家族に通院をサポートしてもらう必要もない。

最近は救急車を呼んだ場合でも、受け入れ病院を探すのに時間がかかることも増えている。しかし近所にかかりつけの医療機関があれば、いざというときも助けてもらえるので安心して生活ができるだろう。

賃貸住宅に住む高齢者向けの支援制度

ほとんどの高齢者は仕事をリタイアしている、あるいはパートなどの短時間勤務をしている状態である。人それぞれ経済状況は異なるものの、大家さんから見れば家賃の支払いが保証されないというリスクを抱えることになる。

そのため、一般の人よりも入居を断られる確率が高い。しかし、賃貸住宅に住む高齢者を支援する制度があるので、入居が難しい人はこういった制度を活用してみるといいだろう。

家賃債務保証

高齢者の賃貸物件契約をサポートする制度として、一般財団法人「高齢者住宅財団」は、家賃債務保証という制度を設けている。家賃債務保証というのは、高齢者住宅財団が連帯保証人となることで家賃滞納のリスクを減らし、高齢者の入居をサポートする制度だ。

これは、平成29年に改正された「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」を受けて整備されたものである。万が一家賃が支払えなくなったときに、財団が代わりに家賃を支払う保証をすることによって、高齢者や障害者など入居を断られるケースが多い人の入居率を高めてくれるのだ。

保証料に関しては、2年の保証の場合は月額家賃の35%を契約時に支払う。これによって滞納家賃は12ヶ月分、原状回復費用は家賃の9ヶ月分に相当する額を支払ってもらえるので、入居者・大家さんともに安心できる制度となっている。

高齢者向け賃貸住宅

高齢者向け賃貸住宅は、UR賃貸住宅が提供している高齢者向けの住宅である。優良賃貸住宅や健康寿命サポート住宅、高齢者等向け特別設備改善住宅やシルバー住宅など、高齢者が住みやすい設備や環境を整えている。

高齢者のための賃貸物件であり、比較的審査に通りやすい基準となっているので、これらの物件に興味がある場合は内見をしてみるといいだろう。

高齢者が部屋を借りるときのコツ

前述の通り、高齢者が部屋を借りることは比較的難しい。家賃債務保証制度を利用したり、高齢者向けの賃貸住宅を紹介してもらったりしても、場合によっては断れてしまうこともあるだろう。

ここでは、高齢者が部屋を借りるときのコツを紹介するので、入居が困難な場合は試してみてもらいたい。

家族に協力してもらう

部屋を借りやすくするためのポイントは、家族に協力してもらうことだ。高齢者に部屋を貸すということは、家賃の支払いの不安や病気・怪我をしたときの対応など、大家さんにさまざまなリスクを与えることになる。

しかし、家族が協力してくれるのであれば、そのようなリスクも減らすことができる。近くに家族が住んでいるのであれば、いざというときに駆けつけてもらえるので、大家さんや管理会社も対応しなくて済む。

また、家賃の支払いに関しても、収入のある子どもが連帯保証人になることで滞納の心配がなくなる。身体的にも金銭的にもリスクがないのであれば大家さんも断る理由がなくなるので、審査に落ちる確率もかなり抑えることができるのだ。

条件を絞り過ぎない

年齢に関わらず、部屋探しでは自分なりの条件やこだわりがあるだろう。特に高齢者は家で過ごす時間が比較的長く、移動手段も限られてくるので、できるだけ住みやすい賃貸物件を求めるのは当然だ。

しかし、あまりにも条件を絞り込み過ぎてしまうと選択肢が狭まってしまうため、物件が見つからなくなることも多い。例えば「家賃はできるだけ安く、バリアフリーで都心にある部屋」というように、普通の人でも難しい条件をつけてしまうとかなり厳しくなってしまう。

もちろんこだわりを持つのはよいことだが、円滑に部屋探しを進めるには、ある程度の妥協も必要だ。少し条件を外すだけで物件数が増えることもあるので、ピンポイントに絞らず、譲れるところは譲るようにするもの部屋探しのコツとなるのだ。

部屋探しで困ったらプロに相談しよう

高齢者が家を借りられるように支援する制度はあるが、それでも金銭的不安や身体的不安などで断られてしまうことも少なくない。そのため、家族の協力を得る、条件を絞り込み過ぎないなどの工夫が必要になるのだが、場合によっては難しい場面もあるだろう。

安全に暮らすための条件はなるべく譲らない方がよいので、部屋探しに困った場合はプロに頼り、スムーズな物件探しをサポートしてもらうようにしよう。

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CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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