ミニマリスト7人の部屋と生活の実例!物を手放すコツと「持たない暮らし」を維持する方法

公開日:2019年3月28日

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「持たない暮らし」に憧れる人必見!ミニマリスト7人の実例をもとに「物を手放すコツ」と「持たない暮らしを維持するポイント」を大公開!

いつでもどこでも、(お金さえあれば)欲しいものが手に入ってしまう時代。そんな時代で、身の回りのものを最小限に抑え、「物を持たない」ことで豊かさを手に入れているのがミニマリストだ。

今回はそんなミニマリストの特徴のほか、実際にミニマリストとして生活している方のエピソードを紹介していくので、興味がある方はぜひチェックしてほしい。

ミニマリストとは

ミニマリストとは、「所有するものや家に置くものをできるだけ少なくして、必要最小限のものだけで生活する人」のこと。衣食住に関わるものを「ミニマル(最小限)」にすることで、「持たない暮らし」を目指すライフスタイルを指す。

こちらの記事で詳しく紹介しているので、興味がある人はチェックしてみよう。

ミニマリストとして生活する4つのメリット

ミニマリストとして生活すると、以下のようなメリットがある。

  • お金の無駄遣いを避けられる
  • 部屋の掃除にかかる時間が減る
  • 必要なものを探す手間が減る
  • 部屋での作業に集中しやすい
  • 本当に大切なものが見えてくる

ここからは、それぞれの項目について詳しく説明していく。

ミニマリストのメリット1:お金の無駄遣いを避けられる

ミニマリストは基本的に無駄遣いをしない。

ミニマリストとして必要なものだけで生活するようになると、新たな物を購入する際には「自分にとって本当に必要か?」と吟味するようになる。衝動に任せて不要なものを買うことが少なくなれば、余計な出費を抑えられるので、お金を貯められるようになるのだ。

ミニマリストのメリット2:部屋の掃除にかかる時間が減る

ミニマリストは部屋の中に無駄な物を置かないため、手間なく簡単に掃除することができる。

もしあなたの部屋に使わない物があふれかえっているのであれば、ミニマリストの部屋を参考に物の数を減らしてみるといいだろう。

ミニマリストのメリット3:必要なものを探す手間が減る

家の中に余計な物がないので、「物の住所」を決めて整理・収納することも容易になる。

たとえば「ハサミはどこ?」「あの書類、どこに仕舞ったっけ?」といった、使いたい物を探すのにかかる手間が減る。時短だけでなく、ストレスの軽減にもつながるはずだ。

ミニマリストのメリット4:部屋での作業に集中しやすい

部屋に物があふれ、例えばゲームやDVDなどが手に届く場所にあれば、部屋での仕事や勉強などが捗らなくなってしまうおそれがある。しかし部屋に物が少なければ誘惑されることも減り、自分のやるべき作業に集中しやすくなる。

ミニマリストのメリット5:本当に大切なものが見えてくる

ミニマリストは、極力無駄を省いて必要な物だけを残す生活をしている。そのため、自分にとって本当に大切な物は何かがわかってくる。自分の興味や関心の的が明らかになり、本当に大切に思っていることにお金や時間を費やすことができる。

ミニマリスト達のお部屋をCHINTAI編集部が取材してきた!

CHINTAI編集部は、これまでさまざまなミニマリスト達とそのお部屋を取材してきた。

その暮らしの在り方は想像以上に人それぞれで、ほとんど物がない「THE・ミニマリスト」といったタイプのお部屋もあれば、物は比較的揃っているものの、考え方そのものがシンプルな人も少なくはない。

究極のシンプル部屋
究極のシンプル部屋。いるだけで心が整いそう。

ここでふと疑問が浮かぶ。現役ミニマリスト達は、いったいどのようにして「持たない暮らし」を手に入れたのだろうか?

彼らだって1日でミニマリストになれたわけではないだろう。捨てるかどうか迷ったり、大量に処分できてもその後また余計なものが増えてしまったりするなど、さまざまな試行錯誤の後、現在の形にたどり着けたはずだ。

ここからは、CHINTAI編集部が過去に取材したミニマリスト7人の「持たない暮らしノウハウ」を凝縮してお届けする。また、ミニマリスト志望者が抱えやすい疑問も解消していく。

  • 「物の手放し方」のコツは? 
  • 「持たない暮らし」を長続きさせるポイントは?

それぞれについて複数のケースをご紹介するので、自分に合った方法を見つけてほしい。

ミニマリストになるための第一歩「物の手放し方」のコツは?

ミニマリストになるための最初のハードルは、大事な自分の持ち物を手放すことだろう。現役ミニマリスト達はどうやって物を手放してきたのだろうか。

まずは「手放す」「捨てる」という行為に慣れる

物を手放すことに尻込みしている人の中には、「物がありすぎてどこから手をつけていいかわからない」と悩んでいる人も多いだろう。

そんなときに参考にしたいのが、ミニマリストブロガー・ナナコさんの「家の中で一番気に入っているスペースから着手する」という考え方だ。

ミニマリストブロガー・ナナコさんの自室
ナナコさんの自室。部屋の大部分を占めていたベッドを手放し布団派に。寝るとき以外はソファ代わりにしているそう。

お気に入りのスペースをすっきりシンプルにできれば、捨てることによる満足感がより高まる。「捨てるとすっきりする、快適になる」という経験を積み重ねることで、捨てるという行為に慣れていくのだという。

片付ける場所を決めたら、次は捨てるアイテムに優先順位をつける。ナナコさんの場合、最初に普段ほとんど使うことがないものを処分し、その次になくても困らないものを処分。大量にあった本は、何度も読み返したい3冊だけを残して手放した。

「特にお気に入りのスペースがない……」という場合は、ためらうことなく捨てられるもの(古新聞や何年も使用していない化粧品など)をガンガン捨てていけばOKだそう。

1つで複数の用途に使えるアイテムを活用して、物を減らす

置き場所に困るアイテムの1つである洗剤類。食器洗い用、掃除用など種類が多く、いつのまにか数が増えてしまうこともしばしば。それぞれ用途が違うので、どれを捨てるか迷ってしまいがちだ。

ここでもナナコさんの考え方が参考になる。重曹とクエン酸を水で溶かしたスプレーが1つあれば、洗濯や食器洗いなど、一通りの家事ができるそうだ。

ミニマリストブロガー・ナナコさんのキッチン
一番右のスプレーボトルに、クエン酸スプレーが入っている。マイクロファイバーのウエスで磨けば食器やシンクの汚れがきれいに落ちるという。

「洗いものにクエン酸スプレーをかけて、マイクロファイバーのウエスで磨けば汚れがきれいに落ちます。重曹は掃除全般に使えるので、掃除用洗剤も不要になりました」(ナナコさん)

ナナコさんが捨てたアイテムや、持たない暮らしによって得られた意外な変化などはこちらの記事で紹介しているので、興味がある方は一度チェックしてみるといいだろう。

引越しを機にガンガン捨てる!

「物を手放すなら引越しのタイミングがベスト」と教えてくれたのは、ご主人と二人暮らしをしている三吉まゆみさん。以前の部屋は荷物が多かったが、ミニマリストの存在を知り、持たない暮らしに憧れるように。ちょうど引越しを控えていたため、いい機会だと決意したそうだ。

ミニマリスト・三吉さんリビング
三吉さん宅のリビング。主な家具は無印良品で揃え、温かみのある雰囲気に。

荷造りのタイミングで自分が持っている荷物を確認するので、その際に「このアイテムって本当に必要だっけ?」ということを考えるのはミニマリストへの第一歩と言える。さらに、荷物を減らせば引越し料金が安くなるというメリットもある。

実は整理収納アドバイザー1級の資格も持っている三吉さん。散らからない収納のノウハウも惜しみなく解説してくれた。さらに詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてほしい。

不要だと思ったものだけを捨てればいい

都内で一人暮らしをするミニマリストのmamiさんが物を手放す際に意識したのは、「変にストイックに捨てすぎない」ことだった。
あくまで無理せず、「不要だと思ったもの」のみを減らしていくのがポイントだそう。mamiさんは引越しを機に洗濯機を手放したが、それは物件にコインランドリーがついているうえに、「手洗いが苦にならない」性分だったことが大きい。

ミニマリスト・mamiさん自室
およそ5.2畳のワンルームで、心地よいシンプルライフを送るmamiさん。

また、捨てるかどうか躊躇してしまうものは、一度見えない場所に隠すという手もアリだという。mamiさんはテレビを一定期間クローゼットにしまい、「なくても暮らせるな」という実感を得てから捨てたそうだ。

実際、mamiさんのお部屋はシンプルでありながら決して殺風景ではない。長年使ってきたであろう、アンティーク家具などが置かれており、買った場所のほか、気に入っているポイントもきちんと把握している。

「『持たない暮らし』って、何も持たないわけじゃないと思う。大事なもの、お気に入りのものをより大切にするために手放すことなんじゃないかな」(mamiさん)

捨てるかどうか迷ったときには、「このアイテムについて語れるかどうか」で判断してもいいだろう。

mamiさん流の物の手放し方の基準や、捨てた後の快適ライフについては、こちらの記事で詳しく紹介しているのでぜひチェックしてほしい。

“捨てる”ではなく“譲る”と捉えれば手放しやすい!

「せっかく買った物をガンガン捨てるなんて後ろめたい……」といったように、なかなか物を手放せないでいる人も多いのではないだろうか。そんなときはmiwaさんの考え方を参考にしてみよう。

ミニマリスト・miwaさんリビングダイニング
miwaさんのリビングダイニング。アンティークなテーブルと椅子が印象的だ。掃除のしやすさを追求し、ラグは敷いていない。

miwaさんは、まだ使えそうな服や靴を欲しい人に譲った。直接手渡しのほか、mixiの「あげますコミュ」という掲示板を利用して引き取り手を募ったそう。

最近なら「メルカリ」や「ジモティ」などで売ることができる。シンプルライフのみならず、お金まで手に入るなんて一石二鳥だ。

「〝手放す〟というよりは〝譲る〟という気持ちで整理していったので、ためらわなかったですね。もっと大事にしてくれる人、もっと必要としている人の手に渡ったほうが良いなって。そして、私は〝迷ったら手放す〟と決めて片付けていきました。手元に残そうか……手放そうか……と迷った時点で、それは今の自分に必要ないんだな、と」(miwaさん)

miwaさん流・物の手放し方を紹介した記事もチェックしてほしい。なお、記事内でmiwaさん自身が持たない暮らしを始めるきっかけとなった、ミニマリストのバイブル的な一冊も紹介している。

どうしても捨てられない人は、「小さく」してみるのもアリ

ここまで「いかにして捨てるか」ばかりお伝えしてきたが、どうしても捨てられないという人もいるかもしれないそんな人にお伝えしたい秘策が、ピーコさんが実践している「小さくする」というテクニック。

「普段から使っているものをいきなり処分するのは難しいですよね。そんなときにおすすめしたいのが、“小さく”すること。そうすることで部屋はずいぶんスッキリしますからね。捨てることに躊躇してしまう人は、まず“変える”ことができるものがないか、部屋を見渡してみてください」(ピーコさん)

ミニマリスト・ピーコさんの寝室
ピーコさんの寝室。捨てることがためらわれたテレビは、サイズをミニマムに。シンプルな部屋になじんでいる。

このほか、「カーテンは買わずに目隠し布で代用する」「タンスではなくカラーボックスに服を収納する」など、物を増やさないためにさまざまな工夫を凝らしているピーコさん。彼女の暮らしぶりを紹介した記事も併せて読んでみてほしい。

以上が、現役ミニマリストが実践してきた「物を手放すノウハウ」だ。自分の目的や持ち物などを考えて、無理のない範囲で取り入れてみてほしい。次は、「持たない暮らし」を長続きさせるポイントをご紹介していく。

ミニマリストとして大切な「持たない暮らし」を長続きさせるコツは?

せっかく「持たない暮らし」を手に入れることに成功しても、また物が増えてしまっては意味がない。
「捨てることはそれほど苦じゃないけど、何度もリバウンドしてしまう」という悩みを抱えている人もいるだろう。

ここからは、シンプルライフを維持する方法を探っていく。

「1つ買ったら1つ捨てる」などの自分ルールを作る

ミニマリスト・Aさんのリビング
Aさんのリビング。あえて生活感を残すことで居心地の良さを保っている。

宮崎県で一人暮らししているAさんは、ご覧の通りほどよく生活感を残した部屋で暮らすミニマリスト。

家具の色を統一するなどして、部屋をすっきり見せており、「ストイックに捨てまくりたくはないけど、今よりもう少しシンプルな暮らしを送りたい」という人にぴったりなミニマルライフを実践している。ストレスフリーだから長続きしやすいというところも真似したいポイント。

そんなAさんは物を増やさないために、とある自分ルールを設けているそうだ。

洋服や化粧品を買うことが好きなAさんは、「2着洋服もしくは化粧品を買ったら、1つ物を捨てること」というルールを作った。捨てる対象は、別に洋服でなくてもOKというのがユニーク。

また、似たような色合いのアイシャドウなどの化粧品を買わないというルールもあるそうだ。「今自分がどんなものをどのくらい持っているか」をこまめに把握することで、無駄な買い物を防ぐことができるようだ。

Aさんの“ソフトミニマル”な暮らしぶりはぜひこちらの記事で詳しくチェックしてほしい。

模様替えをして気分を紛らわす

部屋がシンプルだと寂しさを感じ、新たな雑貨や家具を買いたくなってしまうこともあるだろう。そんなときは模様替えをして気分を変えるのも一案だ。

ミニマリスト・ピーコさんの部屋の一角
ピーコさんの部屋の一角。観葉植物の位置をちょっと移動させるだけでも気分が変わるとのこと。

「私も、最初はミニマリストに憧れ、捨てる・減らすことだけにこだわっていました。でもそれだと心がギスギスして、どうしても続きませんでした。どうすれば居心地が良くなるか、という考え方のほうが続くと思います」(ピーコさん)

同じテイストで揃えれば、増えてもゴチャつかない

都内のワンルームで一人暮らしするともこさんは、「自分はたくさんの物を管理するのが苦手だ」と気がついたときからミニマリスト志向に。中学生のころにはすでに物の取捨選択の基準が出来上がっていたという、ベテランミニマリストだ。

そんなともこさんがどうしても手放せないのが趣味で集めている食器。好きなものを無理矢理捨てると、どうしても苦痛になり長続きしない。ともこさんはどうやってコントロールしているのだろうか。

「器は一人暮らしを始めてからハマり出し、陶器市や若い作家さんの個展などに出かけて、少しずつ買い足しています。数は増えてきていますが、色やデザインのテイストを合わせて買っているので雑多な感じにならないんです」(ともこさん)

ミニマリスト・ともこさんの食器
ともこさんが趣味で集めている食器。色味をある程度統一することで、数が増えてもゴチャついて見えない。

ともこさんの部屋はインテリアの面でも真似したいポイントがたくさん。6畳のワンルームを広く見せるためのレイアウトのコツは一見の価値アリだ。

ともこさんの部屋
壁や床の面積をなるべく大きく見せること・家具の配置を一直線にすることが「広見せ」のコツだそう。

もっと知りたいという方はこちらへ。

ミニマリストに学ぶ「捨てる」「保つ」極意

最後に、ここまで紹介してきたノウハウをまとめよう。

物を手放すコツ

  • まずは「物を手放す」行為に慣れる
  • 「お気に入りのスペース」など、特定の場所を決めて徹底的に捨てると効率的
  • 引越しは絶好の“捨て時”
  • 捨てることがためらわれる場合は、人に譲ったりサイズを小さくしたりするのもアリ

「持たない暮らし」を長続きさせるポイント

・「1つ買ったら1つ捨てる」などの自分ルールを設定
・模様替えをして購入衝動を抑える
・新たに買う場合は色や形を統一することでゴチャつき防止

自分に合ったミニマムな生活を探そう!

ミニマリストの生活には向き不向きがある。必要最低限のもので暮らすのに不便を感じるのであれば、それは豊かな暮らしとは言えない。ミニマリストを目指す場合、いきなり多くのものを捨て去るのではなく、最初は今回ご紹介したような方法を真似してみることから始め、少しずつレベルを上げていくことが大切である。

何を捨て、何を残すかは人それぞれ。自分にとって本当に必要なものを見極められれば、「持たない暮らし」は半分手に入ったようなものだ。目指せ!ミニマリスト!!

文=編集部
写真=佐々木正孝・田端邦彦・野中かおり・村上佳代
写真提供=Aさん・ピーコさん

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