【獣医師監修】猫に好かれる方法やコツ・嫌われる行動
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猫にモテる人とモテない人の差って何?

「猫にもっとモテたい!」猫好きなら誰しも胸に秘め、時にだだ漏れさせてるこの想い。
遊びたい時に遊び、食べたい時に食べ、寝たい時に寝る……そんなマイペースで、わがままで、傍若無人で、決して人間の思い通りになんかリアクションしない猫。「そこがたまらなく可愛いのだよ」と、猫好きは口を揃えて言うけれど、本心はガチモテしたいに決まってる!
では、どうしたら猫にモテるの? 猫の生態を知り尽くし、〝猫にモテすぎる獣医師〟として知られる野澤延行さんに、猫に好かれる行動・嫌われる行動のポイントをお聞きした。
教えてくれたのは?
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モテる人は自然とできている! 猫に好かれる行動
猫に好かれる行動①.単発なスキンシップ
個体差はあるが、ほとんどの猫はスキンシップが大好き。なでられたり、抱っこされたりしながら、飼い主への愛着を深めていく。猫がリラックスしている時や〝かまってオーラ〟を出している時に、そっと優しくなでたり、ブラッシングをしてみよう。
ただし、猫が嫌がる素振りを始めたら、すぐ止めること。猫とのスキンシップは、ベタベタしすぎない、かまい過ぎないのが鉄則だ。単発なスキンシップこそ、猫に愛されるポイントと心得て。
猫が触れられて喜ぶところ
- 鼻筋
- おでこ
- 頭頂部
- 耳の付け根
- 後頭部
- 首まわり
- あごの下
- 背中
- 尻尾の付け根

猫に好かれる行動②.落ち着いた物腰
犬の首輪には何も付いていないのに、猫の首輪には鈴を付けられているものが多い。その理由は、猫はほとんど音を立てない静かな動物だから。鈴でも付けて音が鳴るようにしなければ、どこにいるか分からなくなってしまうのだ。
そんな猫は、自分と同じように物静かで、落ち着きのある人を好む。聴覚も視覚も敏感なので、猫に近づく時はそれらを刺激しないように、大きな音を立てず、ゆったりとした所作で。ご老人をお手本にしよう。

猫に好かれる行動③.ゆっくりした高い声
猫は喜びや興奮などプラスの感情を表す時に〝高い声〟を出すと言われている。つまり、猫に好印象を持たれたいなら高い声で話しかけるのが◎。
赤ちゃんに話しかけるように、優しく、静かに、ゆっくりと。人間と猫で言語の違いはあれど「キミのことが大好きだよ」という気持ちは伝わる。〝意味〟ではなく〝想い〟を伝えるのだ。話しかけは、守られている、愛されているという安心感を与える、もっともシンプルな手段なのだ。

猫に好かれる行動④.清潔な空気とニオイ
猫は部屋やトイレをこまめに掃除してくれる人を信頼するとか。それが真実かどうかはさておき、猫が人間の数万~数十万倍の嗅覚を持ち、〝超〟がつくほどの清潔好きであることは事実。毎朝起きたら、まず窓を開けて新鮮な空気を取り込み、ワイパーやコロコロで床の埃を取り、トイレの排泄物を片付けることを日課にしよう。
「キミのおかげで家がいつもキレイに保ててるよ!」と、感謝の気持ちを伝えることも忘れないで。

次は、猫に嫌われる行動をご紹介。威嚇や不快感を示す鳴き声の特徴も解説していく。
これは絶対やっちゃダメ! 猫に嫌われる行動
ここまでは、猫に好かれる「モテしぐさ」を紹介してきた。
ここからは猫に嫌われる行動4選をご紹介。威嚇や不快感を示す鳴き声の特徴も解説していく。
猫に嫌われる行動①.騒々しさとダミ声
「猫は人間の幼児が苦手」とされている。子供は急に大声を出したり、ドタバタ走り回ったりと予測不能なアクションが多いからだ。厳密に言えば、苦手なのは子供ではなく〝騒々しさ〟だから、落ち着きのない大人も苦手フォルダに仕分けされる可能性は高い。
男性の低く響くバリトンやダミ声にも要注意。猫どうしの喧嘩から「ウゥ~」と低いうなり声が聞こえてくるように、猫にとって低音はマイナスの感情の表れなのだ。

猫に嫌われる行動②.心、猫に在らず
適度な距離感を保ちたがるくせに、グイグイ迫られるのは苦手なくせに、飼い主の気持ちが自分に向かっていない時は敏感に察する……それが猫という動物。
猫が人間の言葉を話せたら、こう言うかも知れない。「自分の縄張りにおいては、みんなが自分を心から愛し、それによって平和な空気が保たれている」と。それを自己中心的だと解釈する人に、猫と暮らす資格はない。猫と暮らすということは〝身も心も猫に捧げること〟なのだから。

猫に嫌われる行動③.タバコや香水のニオイ
猫の嗅覚はとても敏感な上、体が小さいため、ニオイの影響を受けやすい。特にタバコの副流煙による受動喫煙は深刻で、人間の5、6倍の健康被害を被るとされている。香水、アロマオイル、柔軟剤などに含まれる香料にも猫の体に悪影響を及ぼすものが多く、最悪は中毒症状で死に至るケースが報告されている。
もちろん、猫もこれらのニオイが危険なことを本能的に感じ取るので、タバコや香水を常習している人は例外なく嫌われる。

猫に嫌われる行動④.休息を邪魔する
猫は一日の大半を寝て過ごす。子猫や高齢猫は約20時間、成猫は約14時間を睡眠に費やすとされるが、いずれも熟睡しているのは3時間程度。つまり、あとは寝床でウトウトしているだけなのだ。とはいえ、うたた寝だって、猫には体力を回復するための大事な休息。
ちょっかいを出したり、大きな物音を立てて邪魔をしてはいけない。ちなみに、猫は記憶力が良く、自分に不快なことをもたらした人を忘れないらしい。

心を掴んだ証拠! 猫がなついた時にする仕草
仕草①.尻尾がピンと立っている
猫の尻尾はとっても〝おしゃべり〟。尻尾の先を小さくピクピク動かしたり(=獲物を発見!)、尻尾全体を大きくゆったり振ったり(=リラックス)、尻尾の毛を逆立ててボワッと太くしたり(=怒っている)と、動きと形で気持ちを表している。飼い主との付き合いが長くなると、名前を呼んでも声を出さずに尻尾の動きだけで返事をすることも。
尻尾をピンと垂直に立てている時は「うれしい・甘えたい・遊んでほしい」と思っている。

仕草②.ニオイを付けてくる
猫は縄張り意識の強い動物。顔まわりや尻尾から分泌される自分のニオイを、壁や柱にスリスリとこすり付けて回る。ニオイ付けは人間にもしてくるが、気に入った相手にしか行わない。愛着を込めて「この人はアタシ(ボク)のもの!」とスリスリするのだ。
ニオイ付けが特に激しくなるのはお風呂上がり。ボディソープで消えてしまった自分のニオイを付け直すため、飼い主が出てくるのを脱衣所で待ち構えているツワモノもいるとか。

仕草③.全てをさらけ出す
猫に限らず、動物は睡眠中や排泄中などに警戒心を強くする。いずれも野生時代なら外敵に攻撃されやすい無防備な状況ゆえ、本能がそうさせるのだ。
この警戒すべき場面で、仰向けになって熟睡したり、目の前でトイレを使ったり、人の視線を全く気にせず食事をしたり、というように、猫がとてもリラックスしているなら、それは完全に心を開いている証拠。全てをさらけ出して「アナタのことは敵視していません」とアピールしている。

〝ねこはときめく〟で猫にモテよう!
猫との暮らしで大事なことは〝ねこはときめく〟というキーワードで覚えよう。
『ね』は寝る、『こ』はコミュニケーション、『は』は話しかける、『と』はトイレを清潔に、『き』は距離を保って、『め』は目出し窓で世界に触れさせる、『く』は空間を与える。安眠できる場所を確保し、遊びでワクワクさせ、束縛しないで、窓の外の季節や自然を見せ、縄張り意識も満足させる……。
これらを実践すれば、猫からモテまくること間違いなし!
教えてくれたのは?
文=野中かおり
写真=野中かおり、編集部
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