獣医が教える!鳴き声で気持ちを読み取る「猫語」会話教室~前編~

獣医が教える!鳴き声で気持ちを読み取る「猫語」会話教室~前編~

公開日:2017年9月27日

猫語を覚えて猫ともっと仲良くなろう!

猫好きなら「もっと猫を理解したい」と思うもの。そこで、猫の鳴き声に詳しい獣医師の野澤延行さんに取材した。この記事では下記の鳴き声を紹介する。

  • 猫の鳴き声①「ニャー」
  • 猫の鳴き声②「ニャーン」
  • 猫の鳴き声③「ニャオン ニャオン」
  • 猫の鳴き声④「ニャ ニャ」
  • 猫の鳴き声⑤「アゥ アゥ アゥ アゥ」
  • 猫の鳴き声⑥「ニャーオ ニャーオ」

教えてくれたのは?

獣医師 野澤延行(のざわのぶゆき)さん

1955年東京生まれ。北里大学畜産学部獣医学科卒業。生まれ育った西日暮里で『動物・野澤クリニック』を開業。クリニックからほど近い谷中などで野良猫問題にも取り組む。最新著書『猫のための家庭の医学』(山と渓谷社)ほか、多数の著書や監修書がある。

他にも、代表的な鳴き声と動作15項目を、前編・中編後編に分けて紹介する。

鳴き声・動作から猫の気持ちを読み取れる「猫語」をマスターしよう!

猫がほかの猫や飼い主に対して発する鳴き声は「猫語」とも表現され、人の言葉を猫語に翻訳するおもちゃやアプリもある。
もちろん、ジョークグッズの範疇で、猫の鳴き声から感情や要求を読み取るのは簡単なことではないが、まったく不可能なわけでもないようだ。

獣医師の野澤さんによると、猫語の種類は70~100種。鳴き方や腰の高さ、寝相のほか、耳、しっぽ、目、ヒゲなどの動きや、ボディランゲージを組み合わせて判断することで、内容が理解できるという。

声、姿勢、状況などから猫の気持ちを総合的に把握する「猫語」。
ここからは具体的な鳴き声の種類と、猫の気持ちを解説する。これを参考に愛猫とコミュニケーションをとって、より仲を深めよう!

猫の鳴き声①「ニャー」

鳴き方の特徴:やや弱く

■鳴き声や動作
飼い主の顔を見て、しっぽをゆっくりと動かしながら鳴き声を発する。休息状態や目を閉じたまま鳴く場合もある。その際しっぽはパタパタと振る程度。

■獣医師・野澤先生からのアドバイス
もの悲しくも聞こえる、小さな鳴き声。実際は悲しい訳ではなく、親しい相手に挨拶をしている。そのため返事をしてあげると喜ぶ。ちなみに、語気が強くなると不快感を示していることもあるので注意。

猫の鳴き声②「ニャーン」

鳴き方の特徴:単調で、テンポ速く

■鳴き声や動作
しっぽをピンと上に立たせて、飼い主の足に頬をすりつけながらにおいを擦りつけている。飼い主が動くと、まとわりついて一緒に移動したりする。

■獣医師・野澤先生からのアドバイス
テンポは速いが単調で穏やかな声。飼い主と一緒にいられてうれしい時の気持ちを表現している。鳴き声を出さずに行動だけの場合もある。「どうしたの?」などと応対してあげると、猫も喜ぶ。飼い主にとっても猫にとっても、最良の時間となるはず。

猫の鳴き声③「ニャオン ニャオン」

鳴き方の特徴:やや強く

■鳴き声や動作
飼い主の方に顔を向けながら鳴く。しっぽはゆっくり大きく揺れてヒゲも立っている。イライラしているように見える。

■獣医師・野澤先生からのアドバイス
猫独特のダミ声で小刻みに発声する。声を掛けると、我に返ったように普通の鳴き声に戻ることも。トイレが汚れていたり、外に出たかったりなど、要求に気がついてもらいたい場合に発する。その要求に気付いてあげることが大切だ。

次は、猫がご機嫌なときの鳴き声がわかる!

鳴き声・動作から猫の気持ちを読み取れる「猫語」をマスターしよう!

この記事では、声、姿勢、状況などから猫の気持ちを総合的に把握する「猫語」について、猫の鳴き声に詳しい獣医師の野澤延行さんに取材している。

猫の鳴き声④「ニャ ニャ」

鳴き方の特徴:小さい

■鳴き声や動作
しっぽを立てて何かに夢中になっている。寝転がって遊んでいる時もあれば、飼い主に駆け寄ってくることもある。

■獣医師・野澤先生からのアドバイス
小刻みで小さな声。希望が叶った瞬間に鳴く。ニャは了解を意味する。
このニャを連呼して喜びを表している。本当にうれしい時に発するので、飼い主に何かを伝えるというより、独り言に近い。意味を理解していれば、あえて構わなくても大丈夫。

猫の鳴き声⑤「アゥ アゥ アゥ アゥ」

鳴き方の特徴:小声でテンポ良く

■鳴き声や動作
がっつきながら食事をしている。背筋はまっすぐ伸び、耳は立ち、しっぽは立てずに力が入っている。

■獣医師・野澤先生からのアドバイス
好物が出たり空腹過ぎたりして、エサを食べることに夢中になったときに発する。リズミカルに小声で唸るように鳴く。怒っているようにも聞こえるが、お褒めの言葉のようなもの。喜んでいるので、構わずにそのまま食事を続けさせてあげよう。

猫の鳴き声⑥「ニャーオ ニャーオ」

鳴き方の特徴:甲高く

■鳴き声や動作
しっぽが持ち上がって、飼い主の後を追いかけてくる。ちょっとイライラしている時には、ヒゲが立ち気味に。

■獣医師・野澤先生からのアドバイス
甲高く甘えているように聞こえる。実際、甘えたい時や飼い主に外出して欲しくない時などに発する声。さみしがり屋の猫が鳴くことが多い。この声を聞いたら、猫の側にいてあげて、たっぷりと甘えさせてあげよう。

この調子で猫会話をマスターして、猫との会話を楽しめるようになろう!
それでは、中編もチェック!

監修=野澤延行(動物・野澤クリニック院長)

文=林田孝司
イラスト=山口智弘

※雑誌「CHINTAI」2017年4月6日号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています。

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