マッサンが話題だけど、ウイスキーのおいしい飲み方って?

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NHKの連続テレビ小説「マッサン」の中で主人公の“マッサン”こと亀山政春が魅力を熱弁するウイスキー。「ウイスキーっておいしそう!」と思うけれど、以前飲んだ時は、アルコール度数と香りが強すぎておいしさが分からなかったような……。

朝ドラ効果で品薄状態の「竹鶴」。カカオのような芳醇な香りが広がる

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そこで、ウイスキーをきちんとおいしく飲むべく、横浜・関内にあるバー「舶来酒場 らんぷ」を営むこの道25年のマスター、金子昌司さんにウイスキーについて詳しく教えてもらうことに。

そもそもウイスキーってどんなお酒?

原料、製法、熟成年数などの定義は国ごとに異なるが、ざっくり言うと「麦類やトウモロコシなどの穀物を糖化(麦芽のデンプン質を糖質に変える)、醗酵させた後に蒸溜して、木製の樽で貯蔵して熟成したお酒」がウイスキー。蒸溜した時点では無色透明だが、樽で長い年月をかけて熟成させることによって琥珀色になり、まろやかさと香りが増していくのだ。熟成には短くとも5年かかり、アルコール度数が高いため、年数が経てば経つほど樽の中のお酒の量が減ってしまう。職人たちはこれを「天使の分け前」と呼んでいるそう。

世界的にも評価される「ジャパニーズウイスキー」。そのはじまりは「スコッチウイスキー」?

スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本。この5カ国が世界的なウイスキーの生産国として知られている。マッサンのモデルであり日本のウイスキーの父である竹鶴政孝はスコットランドで製法を学び、それを日本に持ち帰り日本で初となるウイスキー製造に尽力した。そのため、日本のウイスキーのほとんどが「スコッチウイスキー」と同様の製法で作られている。

個性が強い「シングルモルトウイスキー」と、飲みやすい「ブレンデッドウイスキー」

ウイスキーの原酒は原料と製法によって分けられ、代表的なのは下記の2種類だ。

・モルトウイスキー…原料は麦芽のみ。香り豊かで個性が強い。よく耳にする「シングルモルト」は、モルトウイスキーの中でも1つの蒸溜所で作られたものだけが名乗ることを許されている。

・グレーンウイスキー…トウモロコシなどの穀物が原料。シンプルな味わいで個性が弱いため、モルトウイスキーをブレンドして「ブレンデッドウイスキー」として市場に出回るのが一般的。モルトウイスキーに比べて味がまろやかで飲みやすいのが特徴。

初心者にオススメのウイスキーはこちら!

左から、「THE NIKKA 12年」「竹鶴17年ピュアモルト」「シングルモルト宮城峡12年」「シングルモルト余市12年」

左から、「THE NIKKA 12年」「竹鶴17年ピュアモルト」「シングルモルト宮城峡12年」「シングルモルト余市12年」

「ウイスキーをあまり飲んだことがない方には、スタンダードな銘柄を選んでほしいです。『ザ・ニッカ 12年』は、ニッカウヰスキーが80周年を記念して発売したもの。クセが強すぎず、フルーティな香りが楽しめます。強い香りや個性が苦手な方にオススメです。『竹鶴』は、ドラマでまさに作ろうとしているウイスキー。まろやかでありながらしっかりとしたコクと旨みがあり、後味はスッキリ。竹鶴政孝の名を冠したウイスキーなので、ぜひその熱い思いを味わってほしいですね」と金子さん。個性が強いウイスキーにチャレンジしたい、という人には、甘く熟成した華やかな香りでフルーティな味わいが楽しめる「宮城峡」、芳醇でスモークな香りが強く重厚な味わいの「余市」がオススメだとか。

おいしく味わうには常温ストレートでゆっくり飲むのが◎

金子さんのお店では、飲み方ごとのおいしさがより引き立つグラスを使用するというこだわりも

金子さんのお店では、飲み方ごとのおいしさがより引き立つグラスを使用するというこだわりも

「『シングルモルト』は味や香りをしっかり感じられるよう、なにも入れないストレートの常温がオススメです。氷を入れるとせっかくの良い香りが弱まってしまいます。また、ビールやハイボールのようにゴクゴク飲むのではなく、ゆっくりちびちび味わうのがウイスキーの正しい飲み方。最初の一口はストレートでぜひ個性を楽しんでください」(金子さん)。ウイスキーは食中酒ではないので、ドライフルーツやチョコレート、ナッツなどと一緒に飲むのがベター。

初めてのウイスキーは金子さんのお店のようなバーで、マスターに相談しながらお気に入りの銘柄や飲み方を相談するのがよさそう。今年はウイスキーデビューして、琥珀色の時間を楽しんでみるのもいいかもしれない。

(田村里佳+ノオト)

●取材協力店

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店名:舶来酒場 らんぷ
住所:神奈川県横浜市中区住吉町5-61 住五ビル1F

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